潮州市の旅


潮洲市

青丸が潮州市です。

富豪李嘉誠の出身地として有名。
【 目 次 】

<2002年3月12日>
 
・チェックインまでの長い道のり
 ・巨大人力車
 ・中国三大古橋
 ・皇帝に逆らった男
 ・救国伝説のある館
 
・強行軍決定
<2002年3月13日>

 ・北へ北へ北へ、あれ?西か

2002年3月12日

- チェックインまでの長い道のり -
 この旅は、「汕頭市」からの出発。ご興味のある方は「汕頭市探検記」もご覧になってください。

 午前8時30分、「汕頭市」の「金砂東バス・ステーション」を出発。バスは豪華中型バスといったところだ。「潮洲市」には1時間ぐらいで着くという。料金は10RMB。正直言って、この運賃にしてはずいぶん立派なバスだ。乗り心地もいい。出発して10分ほどで「汕頭市」内の別のバス・ステーション「潮汕路汽車客運駅」に着いた。ここで客待ちのため15分ほど停車。朝早く客が少ないため、運転手はもう少し乗せたい様子。この時点で、1時間では着かないな・・・、と予想。慣れたよ、すっかり。

 途中、渋滞があったことも手伝って、「潮洲市」到着は10時ちょうど。そこは地図にも載っていない小さな「潮洲汽車駅」というバス・ステーションであった。バスを降りた時点で、バイタクの運ちゃんに囲まれたが、それを振り切って切符売り場の方へ向かった。次の目的地である「梅洲市」行きバスの発車時刻を調べるためだ。しかし、時刻表を何回眺めても「梅洲市」行きのバスはない。とうとう、売り場の服務員に尋ねてみるが、「ここにはない」とのことであった。まぁ、まだ時間は早い。後でゆっくり探そうと考え、まず宿泊先の確保を優先した。

【潮洲汽車駅(バス・ステーション)】

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 バス・ステーションを出ると、またもやバイタクの運ちゃんが寄ってきた。「金竜大酒店までいくらだ」と尋ねた。「4RMB」と愛想のよい返事だ。到着前に「金竜大酒店」の前を通った記憶からすると、少し高い。でもOKする。バイタクに乗りながら、周囲を見渡した。すると、「100RMB」とか「138RMB(金葉大酒店)」とかと料金を表示しているホテルが2,3軒あった。もし、「金竜大酒店」がだめだったらここらで泊まろうと記憶に留めた。

  「金竜大酒店」は「地球の歩き方」お勧めのホテルだ。値段も「180RMB」のはず。今はシーズン外だから、もっと安くなるかなと楽観的に考えながらロビーに入った。フロントを見ると、後ろの壁に「三つ星」のプレートが取り付けられている。そうか、星とったのか、高くなってねぇーだろーな?と心配になった。宿泊料を聞いてみると、冷たい声で「210RMB」と返ってきた。どうも値切れそうにはない。聞き方が悪かったのか。出鼻をくじかれて、交渉する気が失せた。他を当たるとしよう。

 ホテルを出て、人力車をつかまえ、「金葉大酒店」までの値段を聞いた。すると「4RMB」だという。(さっきより距離が短いのに、バイタクより高いのはどういうわけだ)。交渉せずに、通りを渡って、再度別の人力車を捕まえた。「『金葉大酒店』までいくらだ?」。「3RMB」。よし、乗っていこう。実際のところ、同じ料金でも人力車で行きたいところだ。人力車ならゆっくり街の様子が眺められるからだ。途中、「一泊ツイン100RMB」という垂れ幕を出しているホテルの前を通った。ここにしよーかな・・・と思うが、やはりやめた。あまり安いと床の絨毯が汚すぎて裸足で歩けないからだ。

 「金葉大酒店」へ着くと、フロントで価格を確認する。「138RMBの部屋があるが、まだ準備ができていない。158RMBの部屋ではどうか」と回答がきた。「138RMBの部屋はいつまで待てば空くのだ?」と聞くと、「10分ぐらいだ」と言うので、ロビーのソファで待つことにした。待っている間、「地球の歩き方」を開いてみる。すると、この「金葉大酒店」も紹介されているではないか。しかも、価格は「金竜大酒店」より高い。「星」を取れなかったから価格が下がったのだろうかと無駄な推測をめぐらせているうちに30分ほど経ってしまった。

 (長い10分だなぁ。まぁ、中国のホテルはチェックアウトは12:00だからな。今は11時前だし、文句もいえない)と思っているところに、フロントで電話が鳴るのが聞こえてきた。(おっ、掃除が終わったかな)と喜んでいると、フロントから声がかかった。準備ができたという。チェックインする前に部屋を確認させてもらうことにする。かなり安めのホテルだから、床が汚い可能性もある。一応確認させてもらわないと危険だ。
 部屋を覗かせてもらうと、設備はまぁまぁ、床もきれいだ。そこで、再度フロントに戻りチェックインを済ませた(10:50)。

- 巨大人力車 -

 まずは、潮洲を代表する観光地、開元寺へ行くことにした。

 ホテル前の「環城西路」を5メートルも歩くと、「開元路」へ出る。この通りは小学校があり、通りが子供でいっぱい。すさまじい混雑の中をゆっくりと進んでいく。混雑の中に、「学生専用」と書かれた6人ぐらいは乗れそうな人力車を見つけた。こんな大きい人力車を見るのは初めてだ。しかも、自転車をこいでいるのは女性だ。2倍の驚き・・・。この後知ることになるのだが、「潮州市」、「梅州市」の人力車は女性の運転手がまことに多い。実は、乗客にも特徴があって小学生などの子供の利用者がとても多いのだ。だから、力のあまりない女性でも人力車をこぐことが可能だというわけだ。

【開元路】

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【学生専用人力車】

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 通りの露店では文字入り子供向けのバッチが売られていて、周囲には大勢の子供たちが集まっている。なにかとてもなつかしい感じだ。10分ほど歩いたところで開元寺が見えてきた。開元寺の周囲は観光用によく整備されていて建物も真新しい。さっと入って写真を何枚かとる。今日は天気がよいせいか、入場客も多く、人の流れがとぎれない。入場券を要求されなかったので、無料なのかなと思っていたが、外に出てもう一度よくみてみると少し離れた場所に切符売り場があった。係りの人が注意していなかっただけのようだ。儲かっているお寺はちょっと違う(笑)。

【開元寺】

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追加情報(2004年7月):開元寺は、開元二十六年(738年)に、玄宗皇帝が各州に一つずつ大きな寺を作るように指示したことから生まれた。潮洲の開元寺はその一つである(潮洲の開元寺はもともとあった荔峰という名のお寺を改修・規模拡大をする形で建設された)。当時は十数寺あった開元寺であったが現存するのは片手に満たないという。当HPでご紹介したのは、現時点(2004年7月)までで潮洲、福州、泉州の三つ。残りはどこにあるのだろう?観光向けに復活したのもありそうだから、意外にたくさん存在するかもしれない。

- 中国三大古橋 -

 開元寺を出て、さらに道を下って川の方に向かうと、「老街(古い町並み)」が現れる。人通りが多く、よく利用されていて、「汕頭」の「老街」よりはるかに活気がある。通りには竹作りの日用品専門店があったりして、興味がひかれた。

【竹作り日用品屋】

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【城壁】

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 「老街」と河(韓江)の間には城壁がある。この城壁も新しく整備されていてとてもきれいだ。以前に行った西安の明の城壁に似ている。まだ、新しくなっていない城壁もあって、そこは今にもくずれ落ちそうな感じだ。その部分の門はもちろん通行禁止になっている。この城壁をくぐって外にでると、「韓江」の川岸に出て、そこからは、「湘子橋」が見える。この「湘子橋」は1170年ぐらいから作られ始めた中国三大古橋の一つらしい。橋のたもとでバイタクに声をかけられるが、いい天気なので歩いて渡ることにした。

  橋の上にも露店が並んで、ぬいぐるみやら、CDやらを売っている。真ん中ぐらいまできたところで、牛の彫刻が据えられているのを見つけた。団体旅行者を引き連れたガイドさんが牛を指差して懸命に説明をしている。何かいわれのある彫刻なのだろうか。

【湘子橋の牛】

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 真ん中を越えた辺りは、昔は船をつないでその上に橋を作った「浮橋」と呼ばれる部分だったらしいが、今は鉄骨の橋と変わっている。しかし、歩道の部分は鉄骨にコンクリートのタイルを載せただけの簡素なものなので、隙間から河の表面が見えて、けっこう怖い。おっかなびっくり歩いるところを誰かに見られたら少し恥ずかしいなぁ、と思いながら周囲を見渡すが、幸い誰もいない。

- 皇帝に逆らった男 -

 橋を渡り終わってしばらく歩くと、「韓文公祠」に着いた。ここには唐の時代の有名な文章家「韓愈」が祭られている。なんでも、皇帝に逆らって、ここに飛ばされたとか・・・。私はこういう気骨のある人が好きだ。ここも改装されたばかりらしく、どの建物も新しい。一番上には「韓愈」の像や作品が飾られているのだが、そこまで上るのに10分ほどかかる。昨日から歩き詰めのため、意外にきつく感じた。(入場料10RMB)。皇帝に逆らった男に比べるとずいぶん根性がない(笑)。

【韓文公祠】

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 上からは、先ほど通ってきた「湘子橋」と合わせて、潮州全体が見渡せる。見ていて気持ちがよくなる景色だ。こうやってみると、「潮洲市」もなかなか大きい。「汕頭市」はもっと大きいはずだから、あんなに元気がないのはどうしたわけだろう・・・?

【潮州全景】

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 「韓文公祠」を見終わったところで、人力車をつかまえることにする。次の「泰佛殿」へ行くためだ。ところが、話し掛けたこの運ちゃん、「泰佛殿」は高いところにあるから行きたくない。隣のバイタクを利用してくれなどという。仕方がないから、バイタクでいくことにする(5RMB)。

 「泰佛殿」はタイ華僑の謝慧如という人の献金によって建立されたものだそうだ。そのせいか、ケバケバしい色使いだ。入場料は2RMB。安いが、その分何もない。雰囲気はキリスト教の教会のようだ。こんなこと言ったらバチがあたるか(笑)。

【泰佛殿】

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 「泰佛殿」を出て、バイタクの運ちゃんと交渉。すぐ下の橋(韓江)のたもとまで2RMBで行ってくれと頼む。一人は断ったが、もう一人が行ってくれることになった。橋のたもとから歩いて橋を渡る。ちょっと歩いたところで、「鳳凰塔」が左手に現れたので写真にとる。行ってみようかとも考えたが、ボロッチィ感じがしたのでやっぱりやめた。

【鳳凰塔】

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- 救国伝説のある館 -

 橋の後半に小さな島が一つあり、公園になっている。そこが「鳳凰洲公園」だ。景色としては、美しいが上から見ているだけで十分楽しめる。

【鳳凰洲公園】

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 橋を渡り終わったところで、午後1時10分。ホテルにチェックインしたのが、午前11時頃だから、かなり高速な観光だ。ここから人力車を使って「西湖公園」へ向かう。運ちゃんが6RMBと言ったので、5RMBに値切って乗車。「環城南路」と「環城南路」を抜けて「西湖公園」に到着。ここには、周恩来が救国演説を行ったといわれる【涵碧楼】がある。建物の中には展示品が飾られていて、見学できるようになっていたが、オフシーズンのためか鍵がかかっており、中に入ることはできなかった。

【涵碧楼(西湖公園)】

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 公園を出て、「西河路」を進んで行くと、「潮洲汽車総駅(バスステーションセンター)」がある。今朝到着したバスステーションとは別で、こちらが、潮州市のメイン・バスステーション。まずは次の行き先である「梅洲市」行きのバスを確認する。切符売り場の上に取り付けられている「時刻表」を見ると、毎日一本出ていると書いてある。「地球の歩き方」には毎日6本あると書かれていたが、今はオフシーズンだから本数が少ないのは仕方がない。

  念のため、切符売り場の服務員に尋ねる。「梅州行きのバスは明日の何時に出発するんだ?」。「明日はないわよ」。「えっ(驚)、明日ないの」。「ないわ。今日ならあるわよ、今日なら(ちょっと言い訳気味)」。「(聞き間違えかもしれんからな)梅洲行き、明日は本当にないのか?」。「ないわ。一日目に行って、二日目に帰ってくるの。今日ならあるのよ」。「(今日はもうホテルとっちゃったんだよ!)それじゃぁ、次はいつだ」。「明後日よ」。「明後日か。何時?」。「朝6時30分」。「わかった。ありがとう」。

 これは参った。「潮洲市」と「梅洲市」は双方ともそこそこ大きい市なのに、互いを行き来するバスが二日に一度しかないとは・・・。そうなると、選択肢は二つ。一つは明後日までここに残る。潮洲は楽しそうな町だから、それも悪くはない。もう一つは、汽車(火車)で梅州まで行く。これはちょっと面倒くさい。ここの駅は始発じゃないだろうから切符をとるのが難しいかもしれない。これはもう、明後日まで残るしかないか・・・。他にバス・ステーションがないか調べてみて、なかったら明後日までここに留まるとしよう。

【潮洲汽車総駅(バスステーションセンター)】

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 「永護路」を抜けて、「新橋路」を通って、ホテルに戻る(午後2時30分)。30分ほど休憩して再び、街へ。観光地は大体回ったので、次は街見学だ。まず、人力車に乗って、「潮洲体育館」まで行く(5RMB)。先ほどの「新橋路」をまっすぐ行くだけだ。「新橋路」のホテルに近い部分は新しく建築されたばかりの商店街だ。「潮洲市」の新しい中心街となるかもしれない、そんな感じだ。体育館が近くなると、地味な商店街が多くなるが、販売されている商品はかなり豊富だ。体育館で降車した後は、「楓春路」、「潮洲大道」、「潮楓路」とぐるりと回ってみる。この辺りは政府の建物や銀行などのオフィスビルがほとんどだ。海関関係のオフィスもある。高級マンションなども建築中であった。続いて、「新洋路」を抜け、再び「新橋路」へ戻る。ここまで歩いて気づいたのだが、デパートらしきものがひとつもない。潮洲市の中心部分だというのにおかしなことだ。「汕頭市」もそうだったが、商店街とデパートは離して作る政策になっているのかもしれない。地元民保護政策だろうか?

【新橋路の新商店街】

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 再び「永護路」を抜け、今度は「西栄路」を郊外に向かってひたすら歩くが、地味な商店街と住宅街が続くばかりでなにもない。疲れはてて、人力車でホテルまで戻った(5RMB)。

- 強行軍決定 -

 ホテルに着いたところで、少し元気が回復していることに気づき、再び反対側に向かって歩いてみる。「環城西路」、「城新路」と抜けていく。この辺りは小学生や中学生の通学路になっているらしく、商店街は、地味ながらも活気がある。小学生客目当ての露店なども出ていて面白い。山羊の生乳売りなど見るのは初めてだ。「城新路」を歩ききったところで、折り返し、ホテルに戻った。

【山羊の生乳売り】

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 ホテルで今日のまとめをしたり、テレビをみたりした後、床に着く。しかし、階下のカラオケの音がうるさくなかなか眠れない。設備のわりに値段が安いのは、こんなところに理由があるのだろう。しかし、今日はいいが、明日もこの調子ではかなわない。明日もここにいるとなると、ホテルを変えた方がいいだろう。

 そこで、明日の予定を考える。「潮洲市」内で行きたいところは大体行ってしまったし、できれば、明日は「梅洲市」へ向かいたいのだが、そうなると「汽車(火車)」の切符を取るところから始めなきゃならないし、けっこう手間だ。そこまで考えたところで良い方法を思いついた。一旦、「汕頭市」まで戻り、再び、「梅洲市」へ行けばないか。乗り継ぎがうまく行けば、6時間ぐらいで、「梅洲市」までいける。このほうが、汽車(火車)を使うより楽だ。そう決めると、荷物をまとめ直し、明日の出発に備えて眠りについた。うるさくて眠れないけど、眠らなきゃならん。

追記(2003年2月):今考えると、メチャメチャなスケジュールだ。おかげでこの旅を終えたころには尻の皮がすりむけていた(笑)。皆さんは真似しないでください。

2002年3月13日

- 北へ北へ北へ、あれ?西か -
 朝5時30分に起き、6時にチェックアウトする。できれば、6時30分ぐらいのバスに乗りたいからだ。勢い込んでバス・ステーションに行く。しかし、残念ながら、7時のバスが一番早いバスらしく、バス停で40分ほど待つこととなった。

【豪華中型バス】

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 7時ちょうどにバス出発。来た時と同じ豪華中型バスで、「汕頭市」まで10RMB。乗り心地もまぁまぁだ。8時ちょうどに「汕頭市」着。ここから「梅洲市」に向かうことになる。

続きは「梅州市探検記」をご覧ください。