マカオの旅


マカオ

【 目 次 】

【第1回目】

<2002年10月2日>
 ・俺に道を聞くな
 ・迷子、迷子の・・・
 ・中国の朋友たち
 ・ヤオハンの思い出
 ・現金輸送車
 ・中国以外ではからっきし
 ・カジノ リスボア
 ・モンテの砦
 ・激安寿司店
 ・夜のセドナ広場
<2002年10月3日>
 
勝利の誓い

【第2回目】

<2004年9月4日>

【第3回目?】

<2005年5月3日>

【第5回目?】

<2005年7月3日>

【第6回目?】

<2005年11月8日>

【第7回目?】

<2006年2月26日-28日(記載日)>

2002年10月2日

- 俺に道を聞くな -
 午前8時出発。国慶節明けのためか、青タクの運ちゃんが見当たらない。運ちゃんの溜まり場である大型スーパーの前にすら一台もいないのだから驚きだ。みんな酒を飲んでひっくり返ってしまっているのだろうか。

 しばらく道路を行ったり来たりした後、ようやく青タクを一台発見した。福永港まで40RMBとのこと。やっと見つけた一台なので、値切る気力もすでになく、ただちに同意した。走り出して10分、気づくといつもと風景が違う。怪しいところに連れて行かれたりしないだろうなと心配になってくる。さらに10分が過ぎたところで、「福永港はこっちでいいんだよな?」と運ちゃんが問い掛けてきた。(なんだ、道を知らなかったのか)と少しホッとするとともに、困った。私も正確な道を知らないのだ。だいたい、港のそばには建物がほとんどない。しかし、タクシーが何台も同じ方向に向かっているようだから大丈夫なはずだ。

 さらに進んだところで、「ここが福永港だ」と言い切る運転手。どうやら、港ならどこでも約束通りだと言いたいらしい。

 こんなに何にもないところで降ろされてはかなわない。「もっと進め」と回答し取り合わない。しかし、運転手は(もう到着だ)という顔をし始めている。福永港と言えば、フェリー乗り場に決まっているだろう!と言いたいがなんとか堪え、顔で合図をし前進させる。と、ようやくフェリー乗り場が見えた。「着いた、あそこだよ」と指し示す。争いを避けられて、運転手もホッとした様子だ。料金を支払い、下車した(8時30分)。

- 迷子、迷子の・・・ -

 福永港のフェリー乗り場からは香港とマカオ(澳門)に行くことができる。マカオまでは171HKドル。オフジーズンは131HKドルだが、今日は休日価格で142HKドルとなっていた。乗船までまだ時間があるので、同じ建物内にある上島コーヒー店で朝食をとることにした。大好物のピータン粥を注文。すると、ウェイトレスが少し心配そうな顔で胸ポケットの私の切符を覗き込む。そして、「ああ、マカオですね」と笑顔を見せた。香港行きのフェリーが9時発、マカオ行きが9時30分発だから、香港行きだとのんびり食事している時間はない。それで、気をまわしてくれたのだ。

 食事を済ませ、コーヒーを飲んで店を出る。それでも、まだ9時だ。香港行きの客が税関を抜け切っておらず、しばらく待ち状態となった。9時15分に通関開始。客が少ないので、さっと抜けて乗船だ。9時半ちょうどにフェリーが動き出した。休日だというのに、船内にいる客は10名に満たない。国慶節にマカオには行くのはおかしいのかな?

10時30分、マカオのフェリー乗り場に到着した。フェリー乗り場といってもマカオのフェリー乗り場は飛行場と同じぐらい立派である。(もしかしたら、飛行場と同じ場所にあるのかもしれない)。建物を出るとすぐさま、人力車の運転手が声をかけてきた。それを無視して、バスステーションの方へ向かう。といって、バスに乗るつもりはなく、そこから歩いてホテルに行くつもりだったのだ。ところが、私以外はみなタクシーやら観光バスに乗り込んでしまい、ポツンと取り残されるはめになった。こうなると、他人のあとを着いていくということができない。マカオ初心者の私は大弱りだ。バスステーションは道路に囲まれており、横断歩道らしきものもない。中国と違って、自動車は歩行者が道路を渡ることなど想定しておらず、すごいスピードでビュンビュン飛ばしまくっている。これでは、反対側に渡ることなどできそうもない。半分迷子状態となってしまった(泣)。

- 中国の朋友たち -

 しかし、日はまだ高い。慌てることもなかろう。心を落ち着けて、周りを見渡した。すると、30メートルほど先に歩道橋を発見。そちらへ向かう。途中で、観光用らしき、ジープ?に出くわした。面白い形をしているので写真に収める。

【観光用ジープ】

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 歩道橋を渡って、反対側に出るとそこには巨大な貯水池があった。貯水池だと知らなければ人口海水浴場と誤解をしてしまいそうな造りだ。

【貯水地】

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 貯水池に沿って左方向へ目をやると、「新ヤオハン」の看板が見えた。静岡出身のヤオハンっ子(*注:ヤオハンを遊び場として育った子供のこと)としては寄ってみないわけにはいかない。早速そちらへ足を向けた。途中、道路の反対側に、先ほどの私と同じように迷子になりかけている2人組みを見つけた。やはりバス・ステーションから出られなくなっているようだ。きっと、中国のお方たちだろう、と親近感がわく。だが、声をかけるには遠すぎる。幸運を祈るだけにしよう(「早く歩道橋に気がつきますように」)。

- ヤオハンの思い出 -

【新ヤオハン】

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 「新ヤオハン」に到着。さっそく、1Fから3Fまでブラブラと回ってみる。ヤオハンの倒産劇は有名な話だが、それ以外に私には懐かしい思い出がある。小学生の頃、近所にヤオハン・デパートがあったのだ。夏休みともなると、毎日のようにヤオハン・デパートにある本屋に行き、マンガを立ち読みしたものだ。あの頃は現在のようにビニールに包まれておらず、いくら立ち読みしてもよかったのだ(お店の人には迷惑だったかもしれないが)。本家ヤオハンの冥福を祈る。

 「新ヤオハン」に日本のデパートの面影はほとんどない。強いて言えば、ファミリーレストランのメニューにカツカレーがあったぐらいが日本チックなところか。日本の書店も残念ながらなし。日本書籍を販売してくれていれば、香港に行く代わりにマカオに来るという選択肢が増えて楽しいのだが・・・。

 「新ヤオハン」を出て、地図とにらめっこしながらホテルへ向かう。だが、いくらにらめど自分の現在位置がわからない。おかしい・・・、おかしい・・・、と唸っているいるうちにとうとう迷子。でも、全長3Kほどの小さな半島だ。適当に歩いていてもそのうちに着くだろう、と楽観的に構えた。

- 現金輸送車 -

 11時30分、ようやくちょっと豪華そうなホテルに行き当たった。「京澳酒店」とある。「地球の歩き方」の地図と照らし合わせると、あった、あった。これで迷子脱出だ。しかし、これは・・・。どうやら、私が「到着したと考えていた港」と「実際に到着した港」は半島の正反対にあるようだ。これでは迷子になるわけだ。地図にはハッキリ「中国行き船乗り場」と書いてあるのだ。しかし、香港行きの場合、「香港行きマカオフェリーターミナル」と書いてある。実際の中国行きフェリーターミナルは後者と同じ場所にあったというわけだ。「地球の歩き方」だけに頼った私も悪い。気を取り直して、方角を見定めた。

 歩いていくと、とうとうカジノで有名なホテル・リスボアが現れる。ここがリスボアか、とボーとホテルを見上げながら通り過ぎようとすると、「ピー、ピッ、ピー」とすごい勢いで笛の音がする。振り向くとガードマンが私をにらみつけて、こっちへ来るなと合図している。ナッ、ナンダと後ろに数歩退く私。落ち着いて周囲を見渡すと、ガードマンの後方には機関銃を抱えた護衛兵?が数人おり、現金輸送車搬入のための安全を確保している。なるほどね。カジノで儲かったお金をここから運び出すというわけだ。

 現金輸送車が入りきったところで通行OKとなる。ここを通り過ぎると、こんどはカジノ・リスボアの入り口が現れた。当たり前かもしれないけれど、ホテルとカジノは入り口が別々になっているんだね。

【昼のカジノ・リスボア】

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 まだ午前中だというのに、お客がゾロゾロとカジノに入っていく。その一方で道路を横切った向こう側には市民運動場があり、大勢の若者が健康的にサッカーを楽しんでいたりするから対照的で面白い。このあと、街を歩くうちに気づいたのだが、運動場が驚くほど多い。カジノの街の住民は実は運動好で健康的な人々なのだ。と言いたいが、多分違う。カジノしか産業がない土地の大部分の人々は恐らく低所得者である。その不満のはけ口をつくってやるために運動場を数多く設置してあるのではないかというのが私の考えだ。

- 中国以外ではからっきし -

 運動場に沿ってアルメイダ・リベイド通りを10分ほど歩くと、セナド広場に着いた。3、40メートル平方ぐらいの小さな広場の中心に噴水があり、周囲には美しく塗装された西欧風の建物が立ち並んでいる。奥に入ってゆくと、香港のブランド・ショップが勢ぞろい。さらに進むと今度はアンティーク街が現れてきた。

【昼のセナド広場】

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 寄り道はこれぐらいにして、ホテルへ向かう。今回の宿泊先は「地球の歩き方」で紹介されている「セントラル・ホテル」という安ホテルである。150HKぐらいらしい。しかし、今は国慶節の真っ最中。いくらで泊まれるかな。

 ホテルの入り口を抜けると、いかにも安ホテルらしい、地味なフロントが現れた。中国語で「シングルはいくら?」と聞くと、「210HKドル」と落ち着いた回答が返ってきた。通常はここで値切ると同時に部屋を見せてもらうことになるのだが、どういうわけだか「いいよ、それで」と答えてしまった。実は私は中国の外に出るとけっこう弱気になってしまうのだ。香港はだいぶ慣れてきたのでそういう事も少なくなってきたのだが、やはり英語が使えないというのは先進国ではかなり不利だ。中国語だと、馬鹿にされたような目で見られることがあるから、なおさらやり難い。(香港ではサービス業が中国人を大きなマーケットとして見なし始めてきているので、中国語だと逆に対応が良くなる場合が増えてきている。しかし、まだ笑顔がぎこちない気もするが・・・)。

 部屋へ入って調度品をチェックしてみてがっかり。コップのそこに洗剤がこびりついており、とても使用できない。安ホテルだから設備が整っていないのは仕方がないが、不衛生なのは困る。窓にはブラインドがかかっているが、これも全て折れ曲がっており、閉まるかどうかわからない有り様である。よほどキャンセルしようかと思ったが、一回目から高いホテルに泊まると次からは二度と安ホテルを利用できなくなる。ここは我慢だ、と自分を説得する。ハードボイルド小説で主人公が泊まる安ホテルもきっとこんな感じなんだろう、と自分を慰めた(12:00)。

- カジノ リスボア -

 12時15分、ホテルを出てカジノへ向かった。道路を黒い自動車が何度も行き来するので、改めて目を向けてみるとタクシーであった。マカオのタクシーはほとんどブラック・カラーのようだ(イエローもたまにある)。そして、カジノの街であることを主張するかのように「現金輸送車」も目立って多い。

【現金輸送車】

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 カジノ・リスボアへ入場。ロビーに金属探知機が設置されており、まずはここをくぐらなければならない。通り抜けようとしたところで呼び止められ、リュックはだめだと注意された。入り口付近にある荷物預かり所に置いてこいとのこと。リュックを預け、再度金属探知機を抜ける。今度はOK。ちなみにカメラは手にもって中に入ってもよいが、撮影は禁止だ(カメラに禁止マークのシールを貼られる)。

 カジノのある部屋は二重構造になっていて、外側にスロットマシーンやポーカーマシーンが設置されており、内側ではバカラや大小などの賭博が行われている。内側で行われている賭博はルールが難しいそうな上に金額が大きい。私のような貧乏人にはとてもプレイできない。見学だけで満足することに決めた。映画でみるラスベガスのカジノとは雰囲気が違って、やはりアジアのカジノという感じだ。何が違うかって言うと、ブロンドの女性の代わりにアジア・マフィアのような顔をした男たちが闊歩しているところだろうか。

 外側のスロットマシーンはずっとお手軽だ。ほとんどが2HKドルコインのスロットマシーンと5HKドルコインのポーカーマシン。その他、1パタカ(マカオ貨幣)のスロットマシーンも少々。ジャックポットに当たると200万ドルがもらえるらしいが、こんなんもらったら人生変わってしまいますね。

 スロットマシーンの後ろには両替所があって、紙幣からコインへ、HKドルから賭博用チップへ、またその逆へとさまざまな交換を行っている。私も並んで100HKドル紙幣を差し出すと、直径10cmほどの赤いプラスチックの洗面器に2HKドルコインを50枚入れてよこしてくれた。
 いざ出陣。とちょっと気負ってみたが、15分ともたずに敗退。もう一度100HKドルを両替。だが、こんどは10分ともたずに戦列から外れることになった。バクチに向いていないね、私は(笑)。

- モンテの砦 -

 午後1時、カジノを出てセドナ広場に戻る。スターバックのコーヒーチェーンがあったので、ここでコーヒーを飲むことにした。昼食は別の場所で食べようと考えていたのだが、ショーウィンドウ・ケースの中にスイスチーズを挟んだ、おいしそうなサンドイッチを発見。思わず注文してしまう。サンドイッチをむしゃむしゃ食べているとそこかしこから日本語が聞こえてきた。みんな観光客なのかな?

 昼食を終えると、セドナ通りを奥に向かって進む。この辺りは道が入り組んでいて地図をいちいち見ていられない。人波がゆく方角に身を任せて奥へ奥へと入っていった。すると、突然、石造りの階段が目の前に現れ、その先にマリア像が彫りこまれた美しい大きな門が見て取れた。

【聖ポール天主堂跡】

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 キリスト教関連の遺跡とあって、欧米の観光客が多い。私と同じような一人旅の者もちらほらいて、熱心に写真をとっている。この「聖ポール天主堂跡」の真横の小山の上に「モンテの砦」があり、昔の戦争で使用されたのであろう大砲が20数門も据えられている。

【「モンテの砦」の大砲】

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 モンテの砦の中央には「マカオ博物館」があり、小山を掘り抜くようにして建てられている。クーラーがよく効いていて、小山を登るために汗をかいた身体には気持ちがいい。博物館の入場料は15HKドル。

 博物館に置かれているのは、過去の時代を表す家々や道具のレプリカや模型がほとんどだが、当時使われていた銀食器や(なんと)第2世代のアップルコンピュータまでが展示されており、西欧とアジアの融合物であるマカオの歴史をよく表していた。

【「マカオ博物館」の展示品】

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- 激安寿司店 -

 博物館見学を終えると、再びセドナ広場へ戻り、アルメイダ・リベイド通りを下って香港行きフェリー乗り場と反対側の沿岸に出た。そして、珠海市の方角へ海に沿って歩いていくことにするが、これは失敗だった。進めば進むほど建物が薄汚れていく。建物の1階には魚介類の販売店や機械加工店が交互に入っていて、きちんと営業をしているものの、少しスラムっぽい。夕方ここを歩いたら危ないかも。さびれていく一方なので途中で方向転換し、街中に戻った。

【珠海側の街並】

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 街中へ戻るにつれ、徐々ににぎやかなになっていく。看板も明るい色使いのものが増えてちょっと安心。ここでお寿司店を発見したので写真にとる。マカオにはあちこちにこのようなお寿司販売店がある。日本のスーパーで見られる一つずつビニールに包んで販売する方式と同じだ。このお寿司が激安。一箇所だけでなくどこも激安なのだ。10HKドルで5個。中には6個というところもある。日本円に換算すると一個20円ということになるから、気味が悪いくらいの安さだ。ちなみにお隣の香港や中国の回転寿司は日本とほとんど変わらない値段だ。マカオでは他のものの物価は香港とほとんど変わらないのに寿司だけ激安なのだ。海岸から直送しているから安いのだろうか。でも、怖くて食べられない。

【激安寿司店】

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- 夜のセドナ広場 -

しばらく歩いたところで、バスコ・ダ・ガマの像が設置されている公園に出た。ポルトガルの植民地であったことを象徴するような像だ。地図によると、ここから少し登ったところに「ギアの灯台」があるらしい。1865年にポルトガル人によって建てられ、南シナ海沿岸では最古、今も現役という歴史ある灯台だという。ついでに行ってみるかと足をそちらに向けた。

【バスコ・ダ・ガマの像】

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 ところがこの灯台、山の頂上にあって、そこに至る道も急斜面であった。頂上まで辿りつくのに体感時間で30分近くかかり、途中で「なぜ私は山に登るのか?」と少し哲学してしまった。

【ギアの灯台】

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 汗水たらして登ったかいあって、頂上からの眺めは素晴らしかった。涼しい風にひたりながら、しばらく休憩したあと、山を下る。

【頂上から眺めた風景】

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 下り始めたところで、3時45分。ここで、ふと考えた。観光地もだいたい回ったし、無理にマカオに泊まらなくてもいいではないか。部屋を半日泊まりということにしてお金を半分返してもらって、夕方のフェリーで香港に向かおう。思いついたら素早い。ダッシュでホテルまで戻る(途中でまた迷子になりました)。

 それでもマカオは狭い。4時30分にはなんとかホテルに到着。さっそく交渉に入るが、あっさり拒否された。半日泊まりの制度はないとのこと。もはやここでの宿泊は避けられないようだ。しかし、こんな陰鬱なホテルで夕方を過ごすわけにはいかない。軽くシャワーを浴びたあと、セナド広場へ向かうことにした。

【夜のセドナ広場】

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 スターバックでアイス・コーヒーを購入し、噴水周辺の花壇のそばで夕涼みをする。私の旅は昼間は歩き回って、夕方からはホテルでテレビをみるというパターンがほとんどだから、こういうのもたまには良い。真っ暗になったところで再びカジノ・リスボアでスロット・マシーンをしばらく回した。300HKドルを失って、あえなく退却。

【夜のカジノ・リスボア】

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 ホテルまでの帰り道で、急に激安寿司が食べたくなった。セドナ広場そばに「大阪屋」という名前の激安寿司屋があったのを思い出し、立ち寄る。15個近く買って、30HKドル。やはり安い。しかし、レジの若奥さんらしき人が不安そうにこちらを見つめていたのが気になる。(あたらなければいいんだけど)みたいな顔をしていた、確かに。
 だんだん不安になってきたのでコンビニでビールを1缶買ってからホテルに戻った。ビールといっしょに飲めば消毒になって大丈夫だろう(そんなわけないね・・・)。

 お寿司をパクついた後、ドラマを2編ほどみて今日はお休み。昼間は気になったホテルのボロさも夜になれば目立たない。空調もきちんと効いていたので快適に眠ることができた。お金を節約したい方はどうぞ、セントラル・ホテルを・・・。(ただし、ミネラル・ウォータを持参したほうがいいですよ)。

2002年10月3日

- 勝利の誓い -
 午前7時40分チェックアウト。昨日のフェリー乗り場へ向かう。・・・が、またもや迷子になった(笑)。一応、標識通りに進んだんだけどね。自動車用の標識だったらしく、途中道路が渡れなくなってしまったわけ。そんなことを何回か繰り返しているうちに迷子・・・。マカオは歩行者に優しくない。ボロい自動車が大半だが、確かに乗用車が多い。自動車所有率は香港を上回るのではないだろうか。ちょっと裏道に入ると、道路なんだか駐車場なんだかわからない有様である。

 それでも、1時間弱でフェリー乗り場に到着することができた。9時に香港に向かって出発。マカオ→香港間は131HKドル(平日、オフシーズン価格)であった。香港行きのフェリーは満員。内装も香港⇔中国間のフェリーよりも豪華だ。ドル箱航路なんだろうな。

次にくるときは、カジノで大もうけするぞ!
スロットしかやらないけどね、私は(笑)。

2004年9月4日(第2回目のマカオ行き)
以下は「中国生活日記(2004年9月7日分)」からの抜粋です。
 先週の土曜日(9月4日)は久しぶりにマカオへ出かけた。一年振りぐらいかなと思って自分のHPを確認してみたら、前回の訪問はなんと2002年の10月。あれから二年も経っていたんだなぁ。

 今回は工場の同僚であるHさんと日本から出張してきているSさんと一緒に出かけた。スロットマシンでジャックポットを当ててやろうという、ジャックポット日帰りツアーである。
 
 Hさんは中国の免許を収得し、個人で車を購入・運転をしているスーパー中国生活者である。そのチャレンジ精神は年齢を全く感じさせない。実は、私がインターネットで銀行振込等をするようになったのも、このHさんの影響である。Hさんがいつも楽しそうに、インターネットで残高照会をしたり、為替交換をしたりしているのをみて、ついつい始めてしまったのだ。だいたい、中国語がからっきしなのに、私に訳させながらインターネットで口座をいじるのだからすごい度胸だ。
 一方、出張者のSさんも、かなり日本人離れしている。蛙の唐辛子炒めが大好きで、Sさんとの食事には必ずこれがテーブルに並ぶ。私はゲテモノが全く駄目なので、この料理が盛られたお皿をさりげなく遠くへやるのにいつも一苦労だ。もう一つすごいと思うのは、ボーリングの腕というかボーリングのための体力である。Sさんとその友達は20ゲームをして、その平均で点数を競うらしい。私が日本を離れて久しいが、日本ではそんなにボーリングが流行っているのだろかと思わずにはいられないぐらいのボーリング好きである。この人なら、インドのガンジス川で水浴びしていても絵になるのではないだろうか。

 スロットマシンは日本でもパチンコ屋やゲームセンターに置いてあるのでご存知の方がほとんどだろう。日本の上記の遊技場ではコインにメダルと呼ばれる玩具の硬貨が使用されるわけだが、マカオのスロットマシーンでは本物の香港ドル硬貨が使用される。(最も多いのは2ドルと5ドルの硬貨である)

 硬貨を投入して、レバーを引くか、ボタンを押すかすると、中央に配置されている数種類の絵柄が回転し始める。日本の遊技場にあるスロットマシンだと、ボタンを使用して、回転している絵柄を止めていくわけだが、マカオのスロットマシンでは自動的に止まってゆく。全ての絵柄がとまったところで、パターンに応じたコインが払いだされるのは日本もマカオも同じだ。

 さて、ジャックポットであるが、辞書を引くと大当たりとある。マカオではほとんどのカジノにスロットマシンが置かれているが、その内の一部または大半のスロットにジャックポットシステムが導入されている。プレーヤーが賭けて(スッタ)お金の一部がセンターに蓄積されていき、大当たりのパターンを出した客に一気に払い戻されるという豪勢な仕組みである。そのようなスロットマシンがマカオ中にあり、コンピュータで繋がれている。何しろマカオ中のスロットからかき集められた賞金である。半端な額ではない。億単位の金額がドカンとやってくるのだ。ある意味、ギャンブルの王様ともいえるだろう。

 とは言え、本物のカジノプロはスロットマシンをやらないらしい。理由は儲からないから。何しろコンピュータでコントロールされているのだ。カジノ側は絶対に赤字にならない。逆にいうと、スロットマシンはカジノ側の安定した収入源で全体の収益の7割以上を担っているらしい。
  スロットマシンが発明された当初の頃、これを馬鹿にして置かなかったカジノも相当数あったらしいが、軒並みつぶれたとのことである。

 さあ、話はずいぶんと大きくなったが、我々3人組の予算は実は少ない。いずれも香港ドルで1000HKドル前後。かなり心細いが、負けてもそんなに腹の立たない金額である。Hさんは根っからのギャンブラーなので、調子に乗れたいくらでも賭けていきそうなタイプだ。Sさんはギャンブルはほとんどやらないらしいが、今回の予算は3000HKドルと我々の中では一番多い。私は、ギャンブルが決して嫌いではないが、何しろ、物価感覚がだいぶ中国化している。1か月の家賃が700RMBという身ではあまり大きな勝負はできないというものだ。

  フェリーでマカオに到着すると、カジノまでは歩いてすぐだ。最初に向かったのは、今年オープンしたばかりのカジノ「SANDS」、ラスベガスを意識した豪華な内装を誇っているらしい。ここはフェリー乗り場からみえるところにあるので、非常にわかりやすい。
 歩いて10分ほどで到着。1Fで荷物を預けて、身体検査。そして、2Fへ。おおっ!さすがにラスベガス風。部屋が広い。私はカジノ「リスボア」しか行ったことがないので他のカジノとの比較はできないのだが、マカオではここほど広いカジノは少ないだろうと思われる。
 スロットマシンの数も非常に多い。ただ、ジャックポットシステムが他のカジノと違うようで、マカオ全体を結んでいるといわれる最大のジャックポットシステムが導入されていないようである。(小さなジャックポットはある)。カジノの世界にもいろいろ系列があるのかもしれない。でも、ジャックポットなんてそうそう当たるものではないし、とにかくこの豪華絢爛さがいい。
 私は気に入ったのだが、Hさんはかなり不満そうな様子。「一攫千金を夢見てきているのに、ジャックポットの金額が少なくては意味がない!」。Hさんの表情はそう語っている。そこで、100HK$だけ遊んで、「SANDS」を撤退することになった。
 今回は撤退しましたが、私としては「SANDS」はお勧めです。とくに、私と同じ初心者にはいいのではないでしょうか。

  「SANDS」を撤退し、再びフェリー乗り場の方向へ向かう。その途中に、Hさんが何度か訪れたことのあるカジノがあるということだ。小さなホテルのような建物の中に入ると、そこにカジノというよりも「鉄火場」と呼んだほうが相応しい賭博場が現れる。さきほどまで、苦々しい顔をしていたHさんの表情が途端にほころんだ。なんだか、足取りまで自信ありげだ。
 スロットマシンは奥だ。Hさんは力強く前へ進んだ。
 部屋の一番後ろまでたどり着くと、スロットマシンがずらりと勢ぞろい。ここが我々の戦場だ。まずは敵情視察と、スロットマシン群の中へ足を踏み出した。と、ここで、異変が起きた。マシンの群れの中から、みたことのある顔がフララーと飛び出してきたのである。同じグループ会社のYさんだ。そうか、Yさんも来ていたのかと挨拶をしようとすると、Yさんは両手を広げてひらひらさせた。「5,000枚。朝から5,000枚出ちゃいました」と満面の笑顔でいう。続けて、「もう今日はやりません。帰ります」と宣言した。
 私は、おおっ!けっこう当たるもんなんだなぁと心の中で感心しきり。でも、私の予算は少ない。マイペースでぼちぼちやろう。そう、考えて、スロットマシン群を一回りし、200HKドル札を2HKドル100枚に交換した。
 
 今回は、ジャックポット狙いで頑張ることにしよう。そう決めて、3枚ずつコインの投入を続ける(3枚かけないとジャックポットは出ない)。だが、瞬く間にコインは底を尽きた。そして、次の200HKドル。さて、どのマシンだったら出るのだろう。しばらくマシン選びをする振りをしてみたが、結局運任せにするしかなく、適当な台の前で腰をおろした。再び、コインの投入を始める。出、出ない。なんで、こんなに出ないんだと少し悲しくなって、通路に目をやると、Hさんが浮かない顔をして歩き回っているのが目に入った。カジノに踏み込んだばかりの時とは変わって悩みをかかえたような表情をしている。どうやら、うまくいっていないようだ。しかし、今は自分のことで精一杯。さらに、200HKドルを注ぎ込む。
 気がつくと、Sさんは早々にリタイアしている。「やっぱり俺はギャンブルに向いてないや」とのこと。予算が一番大きかったはずのSさんがわずか300HKドルを使っただけで勝負をやめた。家族もちとしては正しい判断だろう。
 そして、私は最後に200HKドルを投入した。
 この200HKドルはかなり健闘し、最高で120枚のコインを出した。その時点でコインの枚数は合計160枚ほど。つまり、320HKドルだ。だが、すでに900HKドルを費やしている。これでは意味がない。コインを投入しつづけ、何度か60枚を出すことに成功するが、大当たりはでず、終了。

 すっかり落ち込んでしまったHさん。すでにやる気のないSさん。燃え尽きた私。三人仲良くカジノを後にした。Hさんは、5000枚を出したYさんの朗報を聞いた時点で、今日はもう出ないな、と負けを覚悟していたらしい。

 Sさんはマカオが始めてだったので、セドナ広場まで案内。「聖ポール天主堂跡」にも行くが、あいにく工事中であった。

 最後に、ニュー・ヤオハンで日本のお菓子を買い込んで、フェリー乗り場へ戻った。18:45の最終便である。天候が崩れ始めたのか、数十分遅れで出発。福永港についた頃は周囲はすでに真っ暗であった。

 次にマカオに出かけるのは一年後の予定。今度こそは、億万長者だ!
2005年5月3日(第4回目のマカオ行き)・・・・3回目は記録なし。
以下は「中国生活日記(2005年5月3日分)」からの抜粋です。
 今回は香港で用を足して、一泊してからのマカオ行き。

 6:50に中港城に到着。マカオ行きのチケットを購入すると、7:00発(151RMB)。あれっ?7:30じゃなかったっけ。しかも、船会社もいつものターボジェットではなく、「新渡輪」とかいう会社だ。7:30の出発ではないのかと聞き返すと、「今なら7:00だ」と言われたので、慌てて改札口へ向かう。もう10分もないじゃないか。パスポートチェックを終え、急ぎ足でフェリーに乗り込む。私は気が小さいので、慌てていたが、恐らく、チケットを購入し、改札を抜けさえすれば、フェリーは原則として乗客を待っていてくれる(人数チェック?)のではないかと思われる。

 「新渡輪」のフェリーは若干、ターボジェットのものより設備がおちる気がした。でも、まぁ、乗れただけ良しとしよう。昨日購入した雑誌を読みながら、マカオ到着までの時を過ごす。

 8:20頃、マカオ到着。会社の皆がよく行くカジノへ向かう。さあ、やるぞ~、の気合とともに200HKドル分のお札をコインに交換。私はスロットしかやらない(できない?)のだ。朝一にドカッと出るのはよくあること。勢いよく、次々とスロットを回す。私の気持ちを察するかのようにドラムがクルクルと回りつづける。だが、あれよあれよ言う間にコインが吸い込まれて行き、敗退。再び、200HKドル。駄目。もう一度・・・、駄目。あっと言う間に1000HKドルの予算を全て使い切ってしまった。時間はまだ9:30。うーん寂しい。寂しいが、予算オーバー許されない。名残惜しいが大陸へ戻るとしよう。

 時刻表では、確か、12:30のフェリーがあったはずだ。確か、10:30頃のもあったのではないか。港に戻り、売り場で尋ねるが、次の出発は13:15だと言う。えっ、ゴールデンウィークの特別スケジュールか?納得がいかなかったが、どうしようもない。しかし13:15というと、まだ3時間はあるよ。それじゃ、新ヤオハンで時間をつぶすとするかと考え、港近くのデパートへ向かった。(【注】13:15発は私のミスで、誤ってヘリコプターのカウンターに行ってしまったのではないかと思われる・・・事実は未確認)。

 デパートに着いてみると、まだ開店前。11:00開店と書いてある。うーん、仕方がない。これも神様のお導きだ。もう200HKドルだけトライしてみよう。なんとも寂しい予算だが、200HKドルを握り締めて、今度はラスベガス風の最新カジノに足を向けた。

 ここは綺麗だけど、スロットマシンがあまりおいてないんだよなー、と心の中でぼやきながら1Fに入ると、なんと大量のスロットマシンを発見。以前に来たときは見逃したのだろうか。そもそも、前回来たときは、2Fにしかなかったと思ったが・・・。

 ともあれ、適当に選んでスロットの前に座る。画面上に描かれたドラム上では、動物と数字のマークがクルクル回っている。よくわからないが、とにかくやってみよう。お札が直接入るようなので、20HKドルを挿入。ところが何回やっても拒否されて戻ってくる。仕方がないので、50HKドルを挿入。今度はOK。さっそくボタンを適当に押し、スタート。何回かまわしたところで、小さな当たりがでて、300HKドルのプラス。おおっ、調子がいい。しばらくしてさらに当たり。とうとう500HKドルまできた。じわじわと増え、最高1000HKドルまでになった。だか、そこから徐々に減り始め、600HKドルまで減ったところで退散。さらに別の台でちょこちょこやってみたが出る気配がないので、清算。結局ここのスロットでは500HKドル弱のプラスとなった。今日一日では負けがこんでいるが、本来1000HKドル+200HKドルの負けが500HKドル強の負けで済んだのは精神的に大助かり。負けてもニコニコ顔である。帰りにヤオハンにちょこっと寄ったが、買いたくなるものがなかったので、そのままフェリーへ直行。チケットカウンター前を改めてウロウロすると、時刻表通り12:30のフェリーがあることが判明し、それに乗って大陸へ戻った。

 久しぶりのマカオはやっぱり楽しい。はまらないように気をつけよう。
2005年7月3日(第5回目?のマカオ行き)
 だんだん間隔が短くなってきたような気がするマカオ行き。
  今回は出張者のBさんとOさんと一緒に行くことになった。

  10:30のフェリーに乗り、福永港からマカオへ出発。
 前回のカジノは、トータルで負けたとは言え、金沙(Sands)カジノでは勝っていた。だから、ちょっと「自信有り」だ。出張者のOさんはカジノは初めてである。昨日は、高熱を発したため、あわや棄権かというところであったが、会社の医務室で注射(!!)を打ってもらい熱を下げての参戦。その苦労は実るか?Bさんは、私とカジノへ行くのはこれで2回目だ。表情は冷静そのもの。しかし、私には内に秘めるカジノへの情熱がはっきりと見える。さあ、我々の運命はいかに・・・。

 マカオに到着すると、まずはマカオタワーへ。タクシーで20HKドル。Bさんによると、今回の最大の目的はこのマカオタワーで行われている「空中散歩」というアトラクションだそうである。幸い、私もマカオタワーは初めて。ちょっと楽しみだ。

 マカオタワーが設置されている建物に到着し、中に入る。まず、地下へエスカレーターで降り、カウンターへ。電光掲示板に料金が表示されているので、じっくりと吟味。何種類かコースがあるようだ。一番安いのが、70HKドルでエレベータでマカオタワーの上層部に上がるもの。次が「空中散歩(空中漫歩)X版」で220HKドル。これが今回の目的のコースだ。さらに、食事付の高級コースやタワーの先っちょまで上る恐ろしいコースまである。高いコースではなんと800HKドルを越えている。これまで、マカオの観光地は安いというイメージがあったが、こんな高い料金のところもあるのだといささか驚いた。

 三人とも「空中散歩(空中漫歩)X版」のチケットを購入し、エレベーターで最上階へ向かう。最上階のフロアに降り立ってみると、以外に広い。窓の外をみると、建物に沿って、2メートルほどの通路がある。もしやここを歩くのか?柵も何もないじゃないか。ここに来るまでは、短い距離の橋のようなものを想像していたが、全然違う。こりゃ、相当怖い体験をすることになりそうだ。
 
 まず、カウンターで陽気そうな若者が注意事項を言いながら、専用の服を渡してくれた。更衣室で服の上にこれを着て、準備完了だ。カメラの持ち込みは禁止。腕時計も外さなくてはならない。

 外に出る前に、またもや装備を渡される。安全ベルトのようなものらしい。上半身と下半身をベルトのようなもので覆われた。ずいぶんと細い安全ベルトだが、私の体重を支えきれるのだろうかと不安が募る。

 一番乗りは、Bさんから。楽しみにしていただけあって、ワクワク状態である。付き添いの係員が、塔の外側にぶら下っている命綱をさきほど身に付けた安全ベルトへと装着。外の通路へと歩み出る。
 二番目は、Oさん。その感情は表情からは読み取れない。コンピュータのエンジニアらしい、冷静な態度で命綱の取り付けを受け入れ、外へ出た。
 最後は私。ここまで来て思い出したが、だいたい私は、高いところがあまり好きではない。そもそも、あんな命綱一本で私の体重を支えきれるのか。私だけ2本つけてもらうわけにはいかないのか。心の底からうめき声が上がった。とは言え、今さらグダグダいうわけにもいかない。二人と同様、命綱を装着して外へ出た。

 さきほど建物の中から見ていてすでにわかっていたが、たっ、高い、なんという高さだ。その上、通路に柵がない。我々の安全を確保しているのは、通路の上方にレールのように張り出されている外枠から吊るされた命綱のみ。これが体を包む安全ベルトと背中で結び付けられているだけ・・・。下は海とは言え、落ちたら間違いなく命はないだろう高さ(約300メートル)だというのに、なんとも頼りない安全装置だ。(本当に大丈夫?)という不安がぬぐえない。その上、柵がない。体を寄せる部分がなく、なんとも不安にさせられる。

 それでも、陽気なスタッフに従って、徐々に歩き出す。うぅ~。恐ろしい。BさんとOさんは怖くないのだろうか?そう思って、彼らの足取りを眺めていると、Bさんは通路の真中を堂々と歩いている。さすが年長の上司だ。どこにいても管理者としての誇りを忘れないようだ。続くOさんは、なんと、一番右側を歩いている。それも、足を滑らしたら一巻の終わりというようなギリギリの隅を歩いているではないか。スゴイ!!一方、私は通路の一番左側を這うようにして歩んでいく。皆の勇気ある行動をみて、右側に出てみようとしたが、足がすくんで動けない。ちょっと情けないぞ。

 10メートル進んだところで、スタッフはデジカメを取り出した。私たちにポーズを取れという。手で、通路の外側に寄れと合図する。Bさんは、堂々とした態度をくずさず、スタッフの指示通りポーズをとる。続いてOさんは、陽気に踊るような足取りで片足を宙に浮かせ、サービスポーズ。命が惜しくないらしい。とても妻子ある者の態度とは思われない。そして、私。スタッフの指示に、手で懸命に拒否の合図をするが受け入れられない。しぶしぶ、通路の外側に一歩だけ足を踏み入れポーズに入るが、スタッフはさらに外へ寄れと手で示す。(鬼か、こやつは・・・)と思うが、これ以上抵抗するのも大人気ない。やむなく、もう一歩だけ外へ足を踏み出した。なんとかこれで許してもらい、ポーズ。ふぃ~、と安堵のため息がでる。

 こんな写真撮影を5メートルごとに3度ぐらい繰り返しながら前進。途中で、大人気ないOさんが、私に何度もちょっかいをかけてくる。シッシッと手で合図するが悪ふざけをやめない。終いに、係員に注意をされて、ようやく引き下がった。なんと恐ろしい奴だ。私が一番後ろでなかったら、危ないところであった。寿命が10年が縮まったことだろう。

 そんなこんなで「空中散歩(空中漫歩)X版」は、終了。私は通路から目を引き剥がすのに勇気を振り絞らなければならない状態だったので、何度もは見れなかったが、この高さから見るマカオの風景は最高である。皆さんも是非試して頂きたい。

 着替えが終わると、さきほどスタッフがデジカメでとってくれた写真をCDに焼いてくれる。一枚100HKドルと決して安くないが、恐怖の記念と思えば惜しくもないか。全員一枚づつ購入。幸いにも、一人一人の写真は分かれており、私だけ写っている写真は、他の人の手には渡らない。怯えた私の醜態をゲットし損ねたOさんは、かなり残念そう。あぶない、あぶない。人間はイメージが大切だからな。

 CDを手にして、エレベータで中層の階へ降りる。「空中散歩(空中漫歩)X版」の試練に耐えていた我々を内側の快適な空間から眺めて楽しんでいた客の一部が先にここに下りていたらしく、なんとエレベータを下りてきた私を指差して笑う子供がいたようだ(Oさんが嬉しそうに語ってくれた)。必死に恐怖の演技をみせたかいがあったというものだ(・・・)。

 この階には土産物売り場がある。また、外周に沿った床がガラス張りになっていて、はるか下の地上が見える。普段だったら怖く感じるかもしれないが、恐怖の空中散歩を経験してきた身にとってみれば、なんということはない。ぐるりと回って、再びエレベータに乗り、階下へ。

 マカオタワーを出て、タクシーで金沙(Sands)カジノへ向かう。運転手に「金沙ホテルへ向かってくれ」と言ったら、「ホテルじゃなくて遊戯場だ」と訂正された。かなり大きな建物だから、宿泊できるところもあるのかと思ったら、カジノ専門店だったようだ。そう言えば、受け付けカウンターとかがなかったなあと記憶をたどる。

 金沙(Sands)カジノ着。リュックを背負っていたので、荷物を預ける。いい天気とあって、人出が多く、行列が長い。10数分かかって、ようやく荷物を預けることができた。

 まずは食事。同僚のHさんの情報によると、この建物の三階にバイキングがあるそうだ。華やかなラスベガス風カジノの雰囲気に誘われて、三人とも若干興奮気味。気持ちは急くが、まずは腹ごしらえだ。エレベータで三階へ上がる。
  料金は189HKドル/人だった。(夕食は200HKドルを越えるらしい)。先日、香港でみかけたバイキングが昼128HKドルだったから、若干高い気もする。もっとも、要は料理の中身。さあ、どんなものが食べられるか。

 席に座ると、ウエイトレスがやってきて、簡単に説明してくれる。ジュース等は無料。食事も並んでいるものは無料(有料で特別な料理を注文することもできるようだ)。ビール等は別料金とのこと。
 席を立って、料理をとりにいく。私にとって、こうしたバイキングでの楽しみは、なんと言っても、生ハム。刺身は中国の回転寿司でも食べられるが、生ハムを食べられる機会はまずない。多種多様な生ハムと、ちょっと怖いが生牡蠣を皿に乗せて、席へ戻る。全員そろったところで食事開始。

 Oさんは、昨日の発熱から完全には立ち直っておらず、食欲がない模様。お皿に乗っている料理もほんの少しだ。マカオタワーでのはしゃぎ様が嘘のように静かにしている。ふふっ、無理をしすぎたようですな。
 Bさんは、私と同様食欲旺盛。さすがに生牡蠣は食べないが、料理のカウンターとの間を何度も往復する。ラムステーキを美味しそうに食べていたので、私も同じものをよそりに行った。

 料理もいいが、このレストランの素晴らしいところはそれだけではない。レストランのある3Fとカジノのある2Fは吹き抜けになっており、上方の壁には巨大なスクリーンが設置されている。映像は、バイキングの宣伝だけだが、壁いっぱいのスクリーンが豪華な雰囲気を一層盛り立てる。レストラン自体も広々としていて、内装もかなり凝っている。中国でのせわしない日常があっと言う間に洗い流されていくようだ。

 食事を終えて、1Fでカジノスタート!各々が思いを秘めてスロット・マシーンへ散っていく。果たして、勝者は誰か?

 私は、前回、ちょっとだけ勝たしてもらった機種を探してウロウロするが、同じ機種はとても少なく、ようやく見つけても誰かが打っていて駄目。諦めて、別の機種を打ってみることにした。前回は、動物の絵柄がたくさんある中で、宝石の絵柄が三つ並ぶとフリーゲームに突入。その間配当率が三倍になるというものであった。今回は、テーマはなんだかわからないが、魔女が三つ並ぶとフリーゲームに突入。前回の機種と同じく、その間は配当率が三倍となるマシーンである。前回と異なるのは、魔女が左端に二つ並んだだけの場合でも、もうワン・チャンスを与えられ、残りの三つのドラムだけが再び回りだすという点であった。

 多少得点方式が違うが、つまるところデジタルマシーンである。感や腕の入り込む余地は全くない。ただ、回すのみ。最初は20HKドルずつ投入し、60HKドルが瞬く間に吸い込まれた。なぜか青い20HKは機械が受け入れてくれなかったので、仕方なく100HKドルを投入。ここから、若干運気が巡ったのか、魔女が揃いフリーゲーム15回が出た。さらに、フリーゲーム中にさらに魔女が並び、フリーゲームの連続。いつの間にかフリーゲーム50回という大穴モードになった。
 ところが、肝心の絵柄にいいものが揃わない。結局、300HKをちょっと超えたところでフリーゲーム終了。なんだか寂しいぞ。それでも、そこそこ当たるので、増えたり減ったりの繰り返し。今度大当たりが出たら、台を移ろうかと考えていたところにOさん登場。心なし元気がない。「出ましたか?」と尋ねると、「全然ダメ」とのこと。フリーゲームが全然出ないらしい。初めてのカジノだというのに、ちょっと可哀想だ。(マカオタワーで、ふざけたポーズをとったりするから神サマが天罰を下したのだろうか?)と考えたりしてみる。

 Oさんが去った後、再びフリーゲーム突入。なんとか500HKドル突破。だが、そこから伸びない。フリーゲームの数は多いのだが、絵柄の揃いが悪いので、クレジットが増えないのだ。再びじわじわと下降し、とうとう350HKドルへ。ここで一旦、クレジットの払い戻し。

  ここのコインは特殊な形をしていて、そのままでは他のスロットで使用できないので両替所に行って、HKドルの札に交換。両替所のそばで試しに打ってみたが、今度は瞬く間に200HKドルが消えた。そうすると、さっきの台はまぁまぁ良い台だったのかと考えたが時すでに遅し。

 Bさんのところに寄ってみると、そこそこフリーゲームが出ているようで機嫌よくドラムを回しているが、聞いてみるとすでに300HKドル前後を投入済みとのこと。そうすると、ほぼトントンの私が一番勝っているということになる。嬉しいことは嬉しいが、このままでは交通費の船代分赤字だ。負けるなら、負けるではっきりさせとなかないとせっかくきたかいがない。Bさんの隣で残った100HKドル札を使い切ったのち、唯一の500HK札を両替所で100HKドル札へとくずす。

 そして、最後の勝負へ。しかし、増えたり減ったりの繰り返しで、どうにもならない。再びOさんが現れたので、「どうですか?」と聞いてみるが、「ダメダメ」と手を振る。「全然出ないんですか」と続けて尋ねてみたが、悲しそうに首を振るばかり。私の打っているスロット台のすぐよこに腰掛けて私の打つのをしばらく眺めていたが、
通りがかったカジノのスタッフに、「そこは座っちゃダメだよ!」と注意を受ける。慌てて立ち上がるOさん。まるで本屋で漫画の立ち読みをしていて叱られた子供のようだ。ちょっと可哀想だぞ。「今日はついてないですね」と優しく声をかけてあげた。(やっぱり天罰かな?)と思ったが、口には出さずにおく。

  結局、ここで300HKドルを失ったところで、時間切れ。そろそろフェリー乗り場へ向かわなければならない。Oさんはもとより、私もすでに戦意なし。Bさんを呼びにいくが、Bさんはまだまだやる気満々。ぎりぎりまで粘りたそうな雰囲気だ。だが、なんとかスロットから引き剥がし、出口へ向かう。ところがBさん、「ここで20HKドルだけ打たせて」と入り口近くで再びトライ。しかし、あえなく撃沈。なおも名残惜しそうなBさんをなだめながら、金砂遊技場を退場。

 結局、BさんとOさんは8百HKドル前後の負け、私は450HKドル前後の負けというところだった。今ひとつ熱くなれないカジノとなったが、今回はマカオタワー空中散歩という貴重な体験もしたし、美味しいバイキング料理も楽しめた。勝負は次だ!と言っても、次回のマカオ行きは半年後ぐらいかな? 

2005年11月8日
以下は「中国生活日記(2005年11月8日分)」からの抜粋です。
 昨日は、数ヶ月振りにマカオへ行ってきた。これでマカオも6,7回目になる。
 10:30のフェリーに乗って、11:30にマカオ着。今回は、すでにマカオのセミプロとなりつつあるSさんとAさんと一緒に来たが、カジノに到着したら別行動。
 私はさっそくスロットにトライ。フリーゲーム50回が出て、そこそこ遊べるが、じわじわと減っていき、14:00頃にはとうとう700HKを消費してしまった。最後の300HKを握り締め、新しい台に挑戦!すると、数回回したところで、初めてのジャックポット画面が登場!!だが、一度だけ別の客の後方から眺めたことのある列車の画面ではなく、ピエロが筒から玉を落としていくという方式であった。右からグランド、メジャー、マイナー、ミニとあり、そこに玉を落としていくということらしい。タイムが設定されていて、その時間内に終わらせないとタイムオーバーで無効というようなことが書いてある。慌ててボタンを押していくうちに、ミニの穴に玉が三つ貯まり、ゲーム終了。ミニジャックポットという表示が出て、奨金は(たったの)100HKドル。うーん、寂しい。しばらく激しい音がなっていたが、自動的に終了し、普通の画面に戻ってしまった。まぁ、こんなものか・・・。
 改めてスロットの上の表示に目をやると、グランドに当たると、現時点では9万HKドル。メジャーならば、1万8千HKドル、マイナーならば600HKドルとなっている。ミニは表示すらなし?マイナーの横のがその表示かな。しかし、グランドでも9万HKドルとは少ないなぁと思ってみていると、スロットの横にぶら下がった小さなカードに「ミステリ」ジャックポットというものが書かれているのに気づいた。うーん、これが本当のジャックポットというわけか・・・。「ミステリ」は無理にしても、「グランド」ぐらい当たってくれると嬉しいのだがなぁ。そう思ってスロットを回しつづけていると、なんと再びジャックポット画面が登場!!今度は落ち着いて、筒を操作していく。ところが、私の筒の操作に関係がなく、最後の最後で連続してミニの穴に三つが貯まり、またもやミニジャックポットの表示・・・、がっくり。しかも今度は(たったの)60HKドル。

 その後、一時的にフリーゲームが続いたが、結局2:30頃には軍資金を使い果たして終了。今回も億万長者の夢ならずであった。でも、ジャックポット画面が見れたからいいか。
2006年2月26日-28日
以下は「中国生活日記(2006年2月26日-28日分)」からの抜粋です。
 先日、久しぶりにマカオへ行ってきた。昨年の11月以来だから、約4ヶ月振りである。マカオへ行くのも、これで合計8回ぐらいにはなる。いくらなんでも、そろそろ大当たりが出る頃ではないかと期待で胸を躍らせながら出かけた。(今回は同じ会社のMさんとPさんが一緒だった。二人ともマカオは常連である)。

 マカオではパタカと香港ドルが使用できるが、スロットでは一般に香港ドルが使用される(パタカが使用できる機械も一部にはある)。
 私は中国で生活しているので、普段は中国の人民元(RMB)だけを財布に入れておき、たまに香港に行くときのために香港ドルも3000ドルぐらいはアパートに置いてある。香港に行ったときに使った分だけ補充しておく習慣だ。マカオに遊びに行くときも、いつもはこの補充分から出すわけだが、今回は事情があって香港ドルが手元に300ドルしか残っていなかった。
 行きのフェリー代は人民元でも買えるので問題ないが、遊びのお金は香港ドルを用意しなければならない。そこで、正午近く、フェリーがマカオに着いて税関を抜けるとすぐに、ATMでお金を下ろすことにした。Pさんも香港ドルの持ち合わせがなかったらしく、私がATMに着いたときにはすでに出金の操作に取り掛かっていた。
 Pさんが現金を取り出し終えると、私もカードを挿入し、操作にとりかかる。横でPさんが「なんだ○×▲●か。ブツブツ・・・」とつぶやいている。見ると、500ドル札を数えている。(1000ドル札が出てこなかったから文句を言っているのかな?)とチラッと考えながら、ATMの操作を続ける。ところが、パスワードを入力したところで、「MOSしか提供できません」とメッセージが出てきた。何だろう?これはH銀行のATMだから、競争相手であるA銀行のカードだと余分な手数料がかかるということだろうか。とは言え、とにかくお金がなくては話にならない。OKを出す。ところが、またもや、手数料うんぬんの表示が出てきた。だが、これはいつもよく見るメッセージで問題はなさそうだ。すると先ほどのメッセージはなんだったのだろう。疑問に思いながらもOKを出す。いささか心配になったものの、現金が無事出てきたので、一安心。先に行ったMさんとPさんを追いかけた。

 目的地である「金沙」というカジノまではバスが出ている。しかし、バスがなかなか来ないのにしびれを切らしたMさんとPさんは徒歩で行くことになった。私だけは深爪で左足の親指を痛めてしまっているため、バスが来るのを待つことにした。カジノでは、いずれにせよ個別行動となるので、支障はない。
 
  バスで金沙に到着。カジノに入るとさっそく1Fの両替所に向かう。私のカジノ予算は1000HKドルだけなので、500ドル札で使用してはあっという間になくなってしまうからだ。500ドル札を100ドル札に替えて、少しずつ楽しむのが私の予算にふさわしい遊び方だ。
 いつも通り、500ドル札を両替所のカウンターに置いて(手渡そうとすると『カウンターに置きなさい』と怒られる)、「100ドル札に代えてくれ」と中国語で伝える。普段は、ささっと100ドル札をカウンターの内側に並べてこちらに目視確認をさせた後に素早く渡してくれるのだが、今日は対応が違った。「なぜ100ドル札に交換する必要があるのですか?」と尋ねてきたのだ。(なぜそんな事を聞くのだ?)と思ったが、私の中国語の問題かと思い、「5枚の100ドル札に交換してくれ」と言い直した。だが、スタッフは納得せず、「なんでだ?」と再三尋ねてくる。こちらも、「何ででも、とにかく5枚の100ドル札に交換してくれ」と繰り返す。スロットで使うからとはなんとなく言いにくかったからだ。終いに根負けしたスタッフはようやく、5枚の100ドル札をよこした。
 なんだか面倒だったなと不思議に思いながらも100ドル札を手にとって驚いた。これは香港ドルではない。パタカではないか。慌てて、スタッフに向かって「俺が必要なのは香港ドルだ。パタカじゃないよ」と文句を言った。
 「でも、貴方がよこしたのはパタカの500パタカよ」
 (えっ?)と私は動揺した。
 「俺のがパタカ?」
 「そうよ」
 (そんな馬鹿な)。財布を開いて残りの札を見る。・・・確かに全部パタカだ。(しまった。ATMで引き出したのは全部パタカ札だったのだ)。しつこく何度も100ドル札に交換する必要があるのかと聞いてくるわけだ。スロットマシンでパタカ札は使用できないのだから。参ったな。私は肩を落として、カウンターを離れた。

 さて、どうしたものか?パタカは一応、マカオでは流通しているのだから、最終的には何とか処理できるだろう。ぼちぼち使っていけばいい。だが、香港ドルがないと今日遊びに来た意味がない。或いは、パタカ札でも、スロットができるようになっていたりしないだろうか。
 周囲に人のあまりいないスロットマシンを選び、パタカ札を入れてみた。だが、何度やっても押し返されてくる。やはり、無理なようだ。パタカめ~!
 しかし、まだ手はある。キャッシュカードで再び引き出せばいい。5000パタカの処理を後回しにさえすれば、困ることはない。幸い、「金沙」には1Fロビーに数箇所ATMが設置されている。今度こそ、間違いなく香港ドルを引きおとすぞ。そう決心して、ATMの前に立った。

 パスワードを入力すると、出た、出てきた、香港ドルとパタカの選択が出てきた。香港ドルが左、パタカが右だ。フェリー乗り場のATMではここの表示が違ったのだ。「MOSしかありません」とか出てきやがったのだ。少し震える指先で、香港ドルの選択をする。そして、金額の入力。「3000ドル」。万が一、また間違えていたら困るから少なめにしておいた。・・・出てくるか、出てくるか、・・・出てきた!
  出てきたのは、「預金額が36Xドルしかありません」というエラーメッセージ。なぜだ!?後ろに人が並んでいたので、一旦ATMを離れて考える。確かに、今月はずいぶんお金を下ろしたし、別の銀行への移動も行った。だが、36×ドルしか残っていないはずはないのだ・・・。・・・、・・・、そうか!さっき、フェリーで5000パタカを下ろしてしまっていたのだ。くそ~、パタカめ~!どこまでも祟る気か。
 
  仕方がない。現状では36×ドルでも大切だ。とにかく、300ドルだけでも下ろそう。ダメージ続きでふらふらしてきた頭をなんとか建て直し、もう一度ATMの前に立つ。パスワードの入力。香港ドルの選択。「300」と金額を入れた。・・・、・・・、とりあえず300HKドルをゲット!・・・できなかった。「500ドル以下は取り扱うことはできません」のメッセージが無常にもモニターを流れる。疲れた、こんなに疲れる出来事が続くのは久しぶりだ。中国での旅行とは全く違う疲労の仕方である。しかも、誰のミスでもない。全て自分自身のミスから発生しているから、誰に当たりようもない。ただ、ただ、うなだれるしかなかった。

 まだ手がないわけではない。実は、もう一枚キャッシュカードがあるのだ。普段は使用しないH銀行のカードである。ただ、しばらく使用していなかったので、パスワードが何だったか自信がない。不運は続くもので、2回トライしたがいずれもATMから弾き返されてしまった。これ以上ミスったらATMに呑み込まれてしまう恐れがある。一旦ATMに呑み込まれてしまったら、平日に来ないと取り戻すことは難しいだろう。結局は、香港まで行って再発行してもらうことになるだろうと予測がつく。三度目を試すのは無謀というものだ。さらに意気消沈してATMから離れることになってしまった。

 さあ、いよいよ手詰まりだ。だが、徒手空拳というわけではない。300HKドルが財布に入っているのだ。フェリー代に200HKドルを残しておかなければならないが、100HKドルは自由に使える。とりあえず、この100HKドルでスロットをぼちぼちやりながら、この苦境から這い出る方法を考えよう。

 まず、50HKドルをスロットに差し入れる。スルスル~。さすがにパタカを違って、スムーズだ。なけなしのお金をはたいているのだから、粘らなければならない。まさに背水の陣である。台は、前回楽しんだのと同じ種類のものだ。左から三個連続でコインマークが出ると、フリーゲーム10回。4個だと15回。5個のリールに全部コインが(一個ずつ)出ると、20回のフリーゲームとなる。243ライン全部に賭けているので、目に見える位置であれば、リールのどこに出ても有効だ。
 フリーゲーム中は、通常ジョーカーの役を果たしていて、どんなマークの代わりにでもなれる「火山マーク」がさらにパワーアップして、3倍、5倍へと払い出し金を増やしてくれる。ただ、この「火山マーク」は第二リールと第四リールにしかないので、そうそう出てはくれない。マシンの種類によっては、フリーゲームに入っただけで、役さえ揃えば3倍になるものもあるので、それに比べるとずいぶんシブイ台だ。
 コインマークが第一リールに出ると、「Ready!」とマシンが叫ぶ。第二リールにもコインマーク(または「火山マーク」)が出ると、もう一度「Ready!」と叫ぶ。三つ揃うと、「○×△・・・・」とアナウンスが流れて、フリーゲームの資格が得られたことを伝え始め、残りのリールでコインマークが出るごとに「○×△・・・・」、「○×△・・・・」と一層興奮を煽ってくれる。たいていの場合は、一度目の「Ready!」だけで終わってしまうので、何度も続くと、「何が『Ready!』だ。いい加減にしろ!」と不満をこぼしてしまう。
 以前の日記にも書いたが、このマシンでは不定期に、ピエロゲーム(2005年11月8日の日記を参照してください)というのが突然画面に出てきて、それによって、ミニジャックポット、マイナージャックポット、メジャージャックポット、グランドジャックポットというのが当たる。奨金は、ミニが50~100HKドル前後、マイナーが100~1000HKドル前後、メジャーが5000HKドル前後、グランドが4万ー10万HKドルとなっているようだ。
 それ以外に全てのスロットマシン共通のミステリージャックポットというのがあり、これが出ると、一気に100万-400万ドルが出るという話だが、どんな画面が出るのかわからない。一度でいいから拝んでみたいものだ。

 さて、話がずいぶんと大きくなってしまったが、最初に挿入した50ドルは、一度もフリーゲームに入ることもなく、あっさりと失われてしまった。さあ、最後の50ドル。本当の瀬戸際だ。勇気を振り絞って、マシンに挿入する。スルスル~。うーん、やっぱり香港ドルは立派だ。パタカとは違うよ。
 二度目の50ドルは最初の50ドルと違って、根性があった。しばらく安目の役が続いた後、ピエロゲーム登場~!筒を操って、ボールを目的のホール(もちろん、メジャージャックポット)に落としこむ、落とし込もうと努力するのだが、ボールは勝手な方向に跳ね返り、プログラマーの意図したホールに落ちていってしまう。
 昨年の11月にトライした時は2度ともミニジャックポットで悔しい思いをしたが、今回はなんとマイナージャックポットに三つ並んだ。初めてなのですごく嬉しいが、金額的には500HKドルだけ。それでも、100HKドルが500HKドルに化けたのだ。これで、少なくとも、帰りのフェリーでホットドッグとコーヒーを楽しめるわけだ。

 その後もちまちまながら、中くらいの役が出たり、ピエロゲームでミニジャックポットを当てたりで、とうとう1000HKドルぐらいにまで増えた。5000パタカを抱えての逆境が私を変えたのか。このまま一気に億マン長者への道を走るのか。ちょっとわくわくしてきたぞ!と考え始めた頃、携帯電話がプルル~と鳴った。

 電話をとると、Mさんだ。
 「電話くれた~?」となんだかご機嫌だ。
 「いや、してませんよ」
 「そう?受信記録に載ってるけど・・・」
 「ああ、フェリーを下船して、税関を抜けたとき、一度電話したんですよ。その記録じゃないかな?」
 「そう・・・、どう、出てる?」
  「えっ、あぁ、出てることはちょっと出てます。1000HKドルぐらいになりました。ただ、それよりも重大な問題が発生しているんですよ」
 「何?」
 そこで、5000パタカをゲットしてしまった経緯を事細かに話した。私の話を最後まで聞き終わらないうちに、Mさんは何だ、そんな事かという調子で口をはさんだ。
 「それなら、全然問題ないよ。パタカなら、2Fの外貨交換所でHKドルに変えてもらえるから」
 「そうなんですか」
 「手数料はとられるけどね」
 「ああ、そうなんですか。助かりましたよ」
 瞬く間に一軒落着であった。本当に助かった。数ヶ月に一度しか来ないマカオでどうやって5000パタカも消費しようか悩みの種であったのだ。とんだ負債を抱えてしまった気分であったが、Mさんの一言で一気に使えるお金に早変わり。良かった、良かった。(Mさんは、しょっぱなに5000HKが出て絶好調とのことであった。通りで機嫌がいいわけだ)。

  Mさんの電話で気をよくした私は、スロットを押すボタンに一層力が入るようになった。だが、背水の陣の構えが崩れたためだろうか、さきほどまではチョコチョコと出ていた役が全くでなくなり、1000ドルが800ドル、800ドルが500ドルと瞬く間に減り始め、2時半を過ぎた頃に、全て使い果たしてしまった。
 いつもであれば、ここでゲーム終了となり、3:30のフェリーで中国へと戻るのだが、今日は5000パタカをHKドルへと戻す作業が残っている。Mさんに教えてもらった通り、2Fへ上り、外貨両替所を探す。2Fにはカウンターがたくさんあるが、幸い、各々のカウンターの上部に電光掲示板が設置されており、対応サービスが明らかにされていた。一つ一つ辿っていくうちに、一番右隅のカウンターが外貨両替所であることがわかった。場所はわかったものの、行列が他のカウンターよりも長い。外貨の両替作業とあって、一人一人の処理に時間がかかるようだ。この調子では、とても3:30のフェリーでは帰れそうもない。(次の便の)夜7:00の最終便で帰ることに腹を決めた。それに、今日はしょっぱなにパタカ問題で悩まされたから、心ゆくまでカジノ気分を楽しめなかった。まだ100ドルしか負けていないのだから、心機一転頑張るとしよう。

  予想通り、両替に時間がかかり、1Fに戻ってきたのは3時過ぎであった。さて、これからどうするか?香港ドルを取り戻して嬉しくなった私は、今までやったことのない勝負に出ることにした。500HKドルを100HKドルにバラさず、そのままスロットに差し込んだのである。しかも2倍ベットで回し続けた。最近Mさんが多ベッド方式で勝ちつづけていたので、それにあやかろうと考えたのかもしれない。だが、慣れないことはするものでない。みるみるうちに、クレジットは減っていき、3:30には全部なくなってしまった。やっぱり500HKドルでの勝負は無理だと、100HKドル勝負に切り替え、マシンを移りつつ、さらに400RMBを投入。だが、流れは変わらず、予算である1000HKドルを4:00ちょっと過ぎには使い切ってしまった。虚しい・・・。

 予算である1000HKドルを守れないようでは、カジノの魔力にはまってしまう日も近い。ここで自制心を発揮できないようでは、今後、安心してマカオに来ることができない。鉄の意志でカジノを離れよう。離れて、フェリー乗り場近くのヤオハンで適当に買い物をして過ごそう!
 そう心の中の天使が呼びかけてくれたが、「でも、5000パタカが香港ドルに変えられて良かったじゃないか。あれが、戻せなかったら、大変なことだったよな。その不運を考えたら、500ドルぐらい余分に使ったって構いやしないじゃないか・・・」と悪魔の囁きが・・・。
 気がつくと、スロットマシーンの前で100HKドル札を挿入し始めていた。スルスル~。うーん、HKドルはいい。パタカさん、さようなら。だが、調子のいいのはお札を挿入するときだけで、役は全然そろわず、フリーゲームも全く音沙汰なし。さらに100HKドルを投入。これも駄目。あ~あ、こんなことなら、予算の1000ドルを守っておけば良かったなぁと反省をしつつ、三枚目の100HKドルを挿入。ここで若干風向きが変わり始め、フリーゲーム突入。一気に400HKドルを取り戻した。だが、すでに1300HKドルを消費済みである。400HKドル程度で、席を離れるわけにはいかない。「今日はパタカ事件があったけど、終わってみたら数千香港ドルの勝利だったよ」。そんな風につぶやいてみたい夢がある。
 そんな私の願いを知ってか、知らずか、スロットの神様は私にピエロゲームを与えてくださった。だが、そのチャンスを生かすことができずに、ミニジャックポット止まり。それでも何とかクレジットが500HKドルを超えた。さらに、幾度か役をそろえ、最盛期には700HKドルにまで増えた。だが、そこからは下りへ一直線。気づくと、財布から100HKドルを取り出して、再挑戦。が、まったく意味をなさず、さらに100HKドルを投入。これで1500HKドルを使ったことになる。これがなくなったら、フェリー乗り場に向かおう。そんなことを考えながら、ボタンを押しつづける。最後の100HKドルはパワーがあったらしく、フリーゲームに何度か突入。役も今まで出たことのない多種多様なものが出た。さらにピエロゲームも2度登場(2度ともミニジャックポットだったが・・・)。結果として、ピーク時にはクレジットが800HKドルにまでなった。だが、幸運もそこまで・・・。ジワジワと減少へと転じ始める。
 このまま終わってしまっては面白くない。最後の大勝負だと、5枚ベットに挑戦!勝利あるのみ、と勢い込む。しかし、勝利の女神は微笑んでくれず、5:45にゲーム終了。ふぅ、なんだか疲れたよ。

 とぼとぼと痛む足をひきづって、フェリー乗り場へ戻るとすでにMさんはお買い物中。Mさんは、2000HKドルの勝ち。「最初にいきなり5000HKドルでちゃったのがいけなかった。勝負しているうちに減ってきちゃったから、連勝記録を止めないために4時で切り上げちゃったよ」とぼやいている。余裕だ。私も一回でいいから、5000HKドルを出してみたいものだ。後から、Pさんもやってきて負けの報告。Pさんは資金が豊富だから、どんだけ負けたのか想像もつかない。今までカジノで使ったお金を足せば、(中国でだが)マンションがいくつも買えているという話だ。ちょっと別世界・・・。

 今回も勝つことができなかったが、ピエロゲームで初めてマイナージャックポットを出すという快挙があった。次回辺りは、メジャージャックポットで5000HKドルをゲットできるのではないかという、淡い望みをつなぐことができた。次のマカオ行きは5月か6月を予定。億万長者への道は長い・・・。 
2007年1月27日 ・・・ 多分、13,4回目 << 初勝利 >>
以下は「中国生活日記(2007年1月28日日分)」からの抜粋です。
 昨日は、マカオへ行ってきた。先々月、大負けをしたショックが抜け切れていなかったが、再び挑戦することにした。たまたま同僚のSさんと一緒になり、相談の結果、これまで行ったことのなかった「Wynn(ウィン)」という昨年オープンしたばかりのカジノへ行くことになった。マカオのフェリー乗り場を出ると、「Wynn」行きのバスに乗車。十分弱で、「Wynn」に到着した。事前に集めた情報通り、マカオで一番有名なカジノ「リスボア」の対面にあった。物凄い大きさだ。
 裏口のような場所に下ろされて、中に入る。まずは内部を散策。これまで行っていた「金沙(サンズ)」と比べて、落ち着いた雰囲気の場所だ。ここのスロットは勝ち金をコインで払いも戻すのではなく、レシートを発行する方式だと聞いていた。レシート方式なんて初めてだから心配だなぁと感想を漏らしたところ、Sさんに「そんな(勝つ)心配はしなくていいよ」と笑顔で言われて「そうですね」と寂しく応答した。
 
 一回りしたところで、Sさんと別れ、スロットに挑戦!
 まずは、100HKドルで、軽く試し回し・・・。一度もフリーゲームに入ることなく、瞬く間に敗退。
 今度は、別のスロットに挑戦。思い切って500HKドルを入れる。このスロットは金のドラゴンマークが並ぶと大当たりになるのだ。実は、先々月、大負けしている最中、このスロットで2500HKドル出たことがあり、同じパターンで行けるのではないかと考え勝負してみたわけだ。クルクルクルッ、駄目。クルクルクルッ、駄目。クルクルクルッ、駄目。まぁ、そううまく行くわけないか、と自分を慰め始めたとき、ドラゴンがバババっと並んだ。クレジットがどんどん増えていく。これなら2500HKドルはかたい。ラッキー!クレジット2500で、500HKドルだから・・・と頭の中で指を折り計算をしていると、おや、すでに2500HKドルを超えている。期待に胸を膨らませながら待っていると、結局、33000クレジットを超えたところで停止した。やった!続けてしばらく回したが、これ以上出そうもないので払い戻しをした。6500HKドルと書かれたレシートが出てきた。
 
 初勝利である。マカオに来て、すでに13,4回になる。これまで一度たりともプラスにならなかったのに、今日こそは初めてプラスで帰れそうだ。
勢いに乗って1万HKドルを目指せないものか?そう考えて、同じドラゴンの別のスロットで勝負。気づかずにレートの高いスロットを選んでしまい、またたく間に500HKドルが機械に吸い込まれた。結局、「Wynn」では、プラス6500HKドル、マイナス1880HKドルで、合わせてプラス4700HKドルとなった。これ以上やっても勝てそうもないので、賭場を変えることにした。
 まず「リスボア」に移動してみたが、改装されていて、スロットの位置がわからず、すぐに出てきた。仕方がないので、タクシーに乗って、「金沙(サンズ)」に移動、ここで夕方5:30頃まで回し続けて、トントンで終わった。

 ともあれ、プラス4,700HKドルである。フェリー代と食事代を差し引いても4000HKドルのプラス。うーん、嬉しい。今日は、フェリー乗り場からみる、「金沙(サンズ)」の建物も、一層輝いて見えるから不思議だ。今回の勝ち分は、実は前回の大負け分とほぼ同金額なので、よく考えると勝ったうちに入らない。しかも、勝てたのは、最初に出た6500HKドルによるところが大きい。この一発がなければ今日も負けだったわけだ。やはり、スロットで勝つのは難しいということだろう。ともあれ、今回は初のプラスだ。次回こそは、1万 HKドルを出したいものだ。

*注)今回、初めて現金特急列車を出しました(「金沙(サンズ)」)。結果はミニ・ジャックポットで320HKドル程度でしたが・・・。