2002年7月-9月(day001)

2002年7月-9月(day001)

2002年7月10日

最近は、「涼面(リャン・ミエン)」作りに凝っている。
「涼面」とは冷やし麺のことである。冷やし中華ではないのか、と疑問をもたれる方もいるかもしれないので説明しておくと、冷やし中華とは冷やした黄色いラーメンの面に同じく冷やした少し酸っぱ目のスープをかけた料理というのが私の認識である。具と言えば、刻んだキュウリ・卵焼き・ハムか鶏のささみ、そしてもやしというところだ。
ところが、私は中国に来て以来、外資系のラーメーン屋は別として、こんな「冷やし中華」にはお目にかかったことがない。たいがいは、トウガラシとにんにくの簡単なスープに白い麺を絡ませただけの「冷やし面」である。それに麺だって冷やしたというよりさました程度だし、具だって野菜が少しでものっていればいいほうだった。中には、インスタントラーメンの麺で作ったものもあった。中国では、これらを「涼面」と総称しているようなのだが、私としては、これを日本語で「冷やし面」と呼ばざるえない。「冷やし中華」が想起させる豪華さとは程遠いものだからだ(*注)。
*注)朝鮮風の「冷面(ロン・ミエン)」というものもあるが、これもまた、冷やし中華とは異なるものである。
「冷やし中華」ほど劇的な効果はないものの、暑い夏にはやはり冷たい麺が食べたくなるもので、私はよく「涼面」を食べに行く。私の住むこの街にも、「涼面」を4元(安い!)を食べさせる大衆レストランが一軒ある。昨年の夏には3回食べに行って、そのうち2回はしばらくして微熱が出て4日間ほど苦しんだ。それ以来、その店では「涼面」は食べていない。ここは以前に住んでいた北方と違って夏の暑さがはんぱではないから、衛生状態のしっかりしたところでないと安心して食べられないことがわかったからだ(遅い!)。
そこで、今年は自分で「涼面」を作ることにした。といっても、料理オンチの私には美味しいスープの作り方などわからない。そこで、醤油と(健康のために最近飲み始めた)リンゴ酢を混ぜてみた。すると、なんと、りんご酢の酸っぱ味と甘味が醤油と溶け合った、最高のスープができあがった(大げさ)。麺は何種類か試した結果、「広東労面(グアン・ドン・ラオ・ミエン)」という面が腰があっておいしいことがわかった。
問題は具だ。自分で作るのも面倒くさい。だいたいつくり方がわからない。そこで、スーパーに行って「涼菜」を買ってきて、それを麺にのせて食べることにした。これなら手間要らずだ。
こうして苦労して完成させた「涼面」の美味しいこと。それこそ、昼も夜も「涼面」を食べ続けることになった。
続く。

2002年7月21日

「涼面」の話はおいておいて、今日は引越しの話を少ししよう。
転職が決まって、現在の住居から深センの特区外の鎮に引越しをすることになった。新しい就職先にお願いしてまたも外住まいをすることになったのだが、問題は引越し先である。新しい就職先のそばには不動産屋がないので、自力でアパートを見つけなければならない。バイタクの運転手の情報を皮切りにして、あちこちのアパートをあたってみることとなった。
就職先から自転車で十分ほどの場所に大きなデパートとケンタッキーが一緒になっている便利な建物があったので、そこを中心に3回ぐらいに分けて探してみた。結果として、候補に上がったのが、デパート及びケンタッキーから歩いて30秒ほどの場所にある少し古いアパート(家賃900元)とそこから歩いて3分ほどの場所にある新しいアパート(家賃700元)の二つであった。両者ともトイレが狭く、ユニットバスを置く余裕がないという欠点があったが、時間切れでどちらかを選ばなくてはならなくなった。騒音や立地など様々な条件を考慮に入れた結果、後者に決めることとなった。やはり新しいアパートの方が気分がいいからだ。また、現在の中国ではパイプの太さや電源の大きさなどの標準がどんどん良くなっているので、新しいアパートの方が何かとメリットがあるという理由もある。
ただ、この新しいアパートは一つだけ大きな難点があった。大家&親戚衆が広東話だけしか話せず、普通語を全く解しないのだ。それで、その家で雑務の仕事をしている女中さんに通訳してもらって、契約を決めることとなった。大家・親戚衆は麻雀をしながらの契約だからいい加減なものだ。だいたい契約といっても、契約書一つない(まぁ、今住んでいるところも契約書などなかったが・・・)。少し不安だったが、払う金額は家賃(700元)と保証金(700元)を合わせてもわずか1400元だ。思い切って、話を決めた。領収書にサインをしたのも女中さん(名前は大家)で済まされてしまい、交渉としては言いなり状態で最悪。荷物を全部取られても文句は言えない。でも、他にも外国人が住んでいるようだし、そんなにひどい事にはならないだろう。実際にみたのはカラオケ小姐らしきのばかりだが(笑)。問題になりそうだったら、もう一回引っ越そっと!
女中さんにお金を払って、予め掃除をしてもらっておくことにする。交渉の結果、前払いで10元、終了確認後20元を払うことになった。これもちょっと高いと思ったが、最初だから負けておいてあげよう。(なんかずっとボラレ続けるような予感もあるが・・・)。
後は引越し作業の手配だけだ。
続く。

2002年7月23日

とうとう新しいアパートへ引っ越してきた。引越し費用は1,200元。利用した自動車は乗用車が一台とトン・トラックが一台。当初はその辺の引越屋に頼もうと考えたが、パソコンが2台もあることを考えて知り合いの中国人を通して引越作業をすることになった。一人で引越作業を全て監視するのはとても無理だし、引越作業をするクラスの労働者を直接相手にするのはパワーが必要とされる上にコントロールしきれない恐れがあったからだ。
結果としては、順調な引越だったといえるだろう。被害はワトソンのミネラル・ウォーターを二箱、勝手に飲まれてしまったぐらいであろうか。言ってくれれば、喜んであげたのに・・・。というか、ワトソンのミネラル・ウォーターは高いから、別のミネラル・ウォーターを別に買ってあげたのに(笑)。
まずは電話の利用申請。バイタクの運ちゃんを走り回らせて、電話局に辿り着く。走り回った理由は、最初に行った郵政局では電話の申請を取り扱っていなかったためである。2ヶ所目で正解となったが、どうも運ちゃんは追加料金欲しさに故意に間違えたようである。なぜなら、一度目は確認のためにわざわざ一緒に郵政局の中までついて来たのに、二度目はバイクを降りようともしなかったからだ。こちらのバイタクは生存競争が厳しいので、何をやるにも必死だ。こちらも油断がならない。
電話の申請のほうは思っていたよりも順調に進んだ。まずは係員のいうままに、近くの銀行(深せん商業銀行)で通帳を作る。再度、電話局へ戻り、手続きを済ませる。電話局の局員が後日回線の確認にくるので、それが終わったら手続き費300元を支払い次第、利用できるようになるとのこと。
ところが、局員から連絡がきたのは後日どころか2時間後であった。効率がいいのか、暇だったのか?明後日までには入金の指示をするので、入金後すぐに回線が開通するとのことであった。
今回のアパートはカーテンが付いていなかったかったので、次はカーテンの手配。全部で500元弱。初日から結構な出費だが結局必要になるのだから早めに済ませておいたほうがいい。カーテン屋さんの工務員は次々とドリルで壁に穴をあけ、レールとカーテンを取り付けていく。日本と違ってこちらの大家は必要な工事に関しては、文句をいわないようだ。レンガ造りの利点であろうか。
カーテンの取り付け工事が終了すると、買い物に出かける。掃除用具、洗剤等は全て置いてきてしまったからだ。徒歩で3分ほどのところにある大型スーパーで、モップ、バケツ、洗剤と次々に買い込んでいく。以前に来たときには気づかなかったが、東莞市のスーパーよりは品揃えがいい。さすが深センだ(特区外だけど)。

買い物を済ませて、新しい住まいに戻る。パソコンや衣服の入ったダンボールを開梱し、これからの生活にそなえる。
明日はシャワー設備の手配だ。
続く。

2002年7月24日

今日はシャワー設備の手配。シャワー設備というよりも、むしろ給湯器といったほうが適切かもしれない。この給湯器にホースとシャワーの頭を繋げたごく簡単なものだからだ。以前のアパートで使用していたプロパンガス利用式の給湯器をこちらにもってきたのだが、トイレが狭すぎるのでプロパンガスでは少し危険だろうということになった。そこで電気利用式の給湯器を新たに購入することに決めたのだが、事は考えていたほど簡単ではなかった。
第一の問題は、電気利用式の給湯器を購入したことがなかったのでどんなものを買えばよいのか、まったく見当がつかないことであった。プロパンガス利用式の給湯器を購入する時もかなり悩んだが、もっぱら安全面だけを考えればよかったので事は単純であった。ところが、電気利用式となると、瞬間給湯式・シングル式・マルチ式とたくさんあり、その上、価格も400元-2500元と範囲が広い。
さらに問題を難しくしたのは、メーカーの少なさである。同じ価格帯で、同じ方式の給湯器が1,2種類しか販売されていないのである。これでは、どの方式の給湯器が人気があるのか、価格が適正であるのかの判断すら難しくなる。しかし、それでもどうにかこうにか第一候補を選び出した。1590元のドイツ製給湯器(シングル式)である。瞬間給湯式のようにスイッチを押すとすぐに暖かいお湯がでるわけではなく、数分待たねばならないが、流水量がはるかに多い(らしい)。瞬間給湯式にはもう一つ問題があって、瞬間的に使用する電気量が多いのでアパートの設備の許容量を超えてしまう恐れがあった。そこでシングル式の給湯器となったわけだ。シングル式の給湯器も中国産と輸入ものでは3倍以上の開きがあって、かなり悩んだが、結局安全を重視して一番高いものを買うことにした。
ところが、ここで第二の問題が発生した。なんとこの(デパート内の)電気店は自分たちでは設置をすることができず、深セン特区内から技術員を派遣してもらわなければならないというのだ。その上、一台では配送してくれないという。自分で持って帰って、明日、技術員が来るのを待てとのことである。
東莞で電気製品を買ったときは、一度たりとも自分で持って帰ったことなどない。その上、お金は前払いで技術員がくるのを次の日まで待たねばならないとは言語道断である。そう考えて、あちこちの電気店をあたってみたが、同じレベルの給湯器がどうしても見つからない。仕方がないので、再び最初のお店に戻り、購入を決定。
不安を胸にしまい込んだまま、明日まで待つこととなった。はたして技術員は時間通り(午前中)来てくれるのであろうか。
さて、今日の活動はこれだけではない。台所に使用するプロパンガスの手配もしたのである。東莞で使用していた(空にしてある)ガス缶を二つもってきたのだが、大家(の女中)に聞いたところ、どうやらこれは使えないらしい。深センでは安全のために管理が厳しくなっていて、ガス会社が保有している缶以外は使えないことになっているようだ。その代わり、古くボロボロになった缶が持ってこられることはないようである。以前の缶が使用できないのはもったいないが、ガス充填時に気を使わなくてよくなったのは大変助かる。今まではガスの補充は、空の缶を持って帰らせて、それに充填してもらい改めて持ってきてもらうという、大変な作業だったからだ(そうしないと必ずと言ってよいほど、ボロボロの缶に交換されてしまった)。
システムは問題がなかったのだが、実際にもってきてもらうのはそれほど順調ではなかった。(中国ではどんなに単純なことでもスムーズに進むことはまずない)。注文をして、2時間経っても配達員が来ない。おかしいなと思って、再度連絡してみると、注文を受けた配送員が私のアパートを見つけることができなかったらしい。電話番号もメモしていなかったのでどうしようもなかったらしい。仕方がないので、再度アレンジ。今度はアパートの下で待つことにした。5分ほどで配達員が到着。すまなそうに言い訳をしている。ガス缶代100元とガス代50元を支払って取引完了。缶も十分に新しい。さすが深センだ。
本日の主な活動はこれで終わり。
続く。

2002年7月25日

さあ、給湯器取り付けの技術員は時間通り来るだろうか。11時20分、携帯の電話が鳴る。この街まで来たが、アパートの場所がわからないという。私の住んでいるアパートは、幸い、○○ホテルのすぐ後ろにある。ホテルの後ろで待ち合わせをして、部屋まで案内する。早速、取り付け開始だ。高級給湯器のせいか、部品点数が多く取り付けに4,50分ほどかかった。取り付け終了後、技術員が丁寧に使用法を教えてくれる。工事部品5元を支払って、技術員とはお別れ。
すぐに試用運転。
おおー、快適だ。ガス式給湯器より、湯量も多い。一番高いのを買ったかいがあるというものだ。
次は、仕事先の寮への荷物の移動。仕事があまり遅くなった場合やお昼は工場敷地内の部屋で休みをとるため、着替えなどを入れ込みにいく。雇用契約書も交わして一安心だ。
それが終わると、今度はミネラルウォーターの手配。経験上、水道を沸かして使う程度だと、なにかと病気にかかることが多い。そこで、家ではミネラルウォーターを飲用することにしている。しかも香港ブランド「ワトソン」のミネラルウォーター。1本1.5元/400MLだから、中国で買うミネラルウォーターとしては一番高いクラスだ。でも、健康は何よりも重要だからお金は惜しめない。
実は、一昨日も一番近くのミネラル・ウォーター屋へ行ったのだが、店番をしていた奥さん?が仕事をよく理解していなかったのか、あれもダメ、これもダメと言われたので、腹が立って注文をとりやめたのだ。とは言え、毎日スーパーへミネラル・ウォーターを買いに行くのはかなりの手間だ。他に手ごろな店もないようなので、もう一度、同じ店へ行く。すると、今日は眼の綺麗な美人さんが店番をしている。話もスムーズに進み、30分後には配達できるというので即座に注文。
配達員はやはり場所がわからず、電話がきた。またもやホテルまで迎えに出る。大変だが、こうした苦労も最初だけ(のはず)だ。二回目からは部屋で待っていれば良い(はずだ)。
最後に、今日はうれしい発見をした。なんと、近所のホテル附属の深セン農村信用合作聯社(銀行)のATMで、私のキャッシュ・カードでお金が下ろせることが判明したのだ。中国生活でお金がないのは命取りになるし、かといって手元に置きすぎるのは危険。そこで、お金の取り扱いにはいつも頭を痛めているのだが、近所のATMでいつでも下ろせるとなればとっても楽になる。東莞の銀行では下ろせる時と下ろせない時があり、銀行員にまで「香港のカードは使わないほうがいいわよ」などと言われる始末であったが、さすが、深セン(こればっかり)!それでは、また。

2002年7月26日

今日は香港行き。
さて、東莞から深せんに引っ越して来たから、当然香港に行くのも便利になるはず・・・。だったが、実際にはそうでもない。まず、最短時間のコースで比較してみる。
以前:【東莞の○○鎮】-(タクシー)→【常平(東莞)駅】-(列車)→【香港の中心部】(2H-2.5H)     総額200元
現在:【深セン特区外の○○鎮】-(タクシー)→【福永港】-(フェリー)→【香港の中心部】(1.5H-2H)  総額230元
つまり、時間はわずかに短いがコストは上昇してしまっている。
次にコスト重視のエコノミーコースで比較してみる。
以前:【東莞の○○鎮】-(バス)→【羅湖】-(列車)→【香港の中心部】(3H-7H)                     総額60元
現在:【深セン特区外の○○鎮】-(バス)→【銀湖】-(バス)→【羅湖】-(列車)→【香港の中心部】(4H-8H)   総額60元(*注)
*注)このデータは2002年7月28日の日記にて訂正されます。
こちらも現在の鎮には【羅湖】への直通バスがないために、香港からは以前より遠くなってしまっている。バスを使うところをタクシーで行けば、ほぼ同じ時間とコストだが、それでは最短時間のコースとほぼ同じコストとなってしまって意味がなくなる。
したがって、コストを気にしなければ、①フェリーの方が本数が多い。②フェリーは切符の手配が必要がない。という2点から、現在の方が便利であるが、コストを考えると、以前の方が良かったということになってしまうのだ。たかが、30元(500円弱)の違いと思うなかれ、往復で2倍(1000円弱)の差となるのだ。駐在員ならともかく、エコノミー重視の現地採用員にとっては精神的ダメージが大きい。
などといろいろなことを考えながら、フェリーで香港に到着(中港城)。そして、そこから歩いて3分ほどのところにある日本書籍専門店(トマトブックス)へ行き、注文しておいた本を受け取り、本屋の向かいの喫茶店で朝食をとる。本当は生ハムサンドイッチを食べたいのだが、朝はいくつかの朝食メニューしかやっていない。仕方がないからオムレツベーコンセットを注文する。
実は、就職活動中も何度かここで食事をしている。就職が決まる前と決まった現在の心境を比較してみると、やはり現在のほうがはるかにリラックスしている。やはり仕事がない状態というのは、何かイケナイことをしているような、そんな罪悪感に苛まれやすい。また、就職活動中は支出ばかり増えるから、そのプレッシャーもかかる。人間として、いついかなる時も山のように泰然としていたいものだが、現実の自分はいつも小人物である。
食事を終えると、重慶大廈のホテルにチェックイン。ここ半年、何度となく利用させてもらったので、オーナーとも顔見知りだ。
次に、新しい会社の香港事務所へ赴く。書類をいくつか渡し、スタッフにも紹介して頂いた。
それから、銀行へ行って住所変更届を出す。手間取るかと思ったら、そうでもなく、指定の用紙に新しい住所を記入するだけでOK。
夜は旺角(モンコック)へノートブックを見に行く。思い切って一台購入しようかと考えたが、思いとどまった。代わりにミニ・ドライブという新製品を購入する。ドライバー要らずで、USBポートに差し込むだけで利用可能というすごい記憶装置だ。64MBで320HKドルー370HKドルとなっており、値段は高いが、便利さは他の記憶装置をはるかに上回る。購入を決めたところで、お店の人にテストをしてもらう。・・・と、ドライブが認識されない(オイオイ)。別のパッケージをもう一度試してもらうと、今度はOK。新製品だから、まだ品質が安定しないのだろうか?(テストしてもらって良かった)と胸を撫で下ろす。
ホテルへ戻って、寝床に就く。
追記(2006年8月):上記の64Mで320HKドルだったミニ・ドライブ、いわゆるUSBドライブが今では、1Gでも280RMB(税込み)である(電子城で購入すれば、もっと安いに違いない)。価格の下落が速いなぁ。

2002年7月27日

帰りもフェリーを利用。昨日もそうだったが、海が荒れていて、かなり揺れた。
今日は雨が降っていることが多く、何をやるにも不便。とりあえず、お昼は「涼面(リャン・ミエン)」を作る。しかし、おいしくない。以前の街で売っていた乾麺と同じものが見つからず、適当に数種類購入してみたのだが、だめだ。おいしい麺を見つけ出すまで時間がかかりそうだ。
食事を終えると、洗濯をするが、ここで重大な発見をする。昨日香港へ行く前に干しておいた洗濯物がまだ乾いていないのだ。どうも、私の部屋の位置は湿気が溜まりやすいようだ。あまりひどいようだと乾燥機の購入を考えなくてはならないだろう。

2002年7月28日

今日は深セン行き。特に用事があるわけではないが、今後のことを考えて深センまでの合理的なルートを確立しておくことにした。
アパートの近くにあるバス停から出発なのだが、バス停にたどり着く直前に予定していたバス「銀湖行き」が目の前を通り過ぎていってしまう。次のバスまで2,30分はあるだろうから、先にケンタッキーで食事をすませることにする。
食事後、再びバス停に立つ。バスを待っていると、なんと「(存在していないはずの)羅湖行き」が目の前を通るではないか。ただ、バス停には目もくれず、まっすぐに通りすぎていってしまう。そして、そのすぐ後ろから「銀湖行き」バスもやってきたが、これもまっすぐに通りすぎていってしまう。どうやら、鎮内バス以外はこの停留所には止まらないらしい。
さて、「銀湖行き」のバスは始発の停留所を知っているので問題はない。しかし、「羅湖行き」のバスはどこから出ているのだろうか。バス停の後ろにたむろしているバイタクの運ちゃんに聞いてみると、場所を知っているとのこと。そこで、5元払って連れて行ってもらう。
確かにあった。私の住んでいる場所から少し離れているが、バイタクで行ける距離だ。しかも、羅湖行き直通バスだ。昨日までたくさんのバイタクやタクシーの運ちゃんに尋ねて、「ない」と言われていた「羅湖行き」バスがこんなに簡単に見つかる。これが中国だ(笑)。尋ねた全ての運転手が知らなかったとは考えられないから、きっとわざと教えなかったんだろうな。それとも、尋ね方が悪かったのだろうか。
結果として、【深セン特区外の○○鎮】-(バス)→【羅湖】(1H)  25元 のルートが確立。香港中心までは2H-6Hで行けることになる。時間の大幅な短縮だ。深センまで1Hしかかからないというのは大変ありがたい。この距離ならば、気軽に遊びにいけるというものだ。
深センでは華強路のパソコン街をブラブラする。先日、香港で購入したミニ・ドライブと同じ種類のものが、あちこちで販売されている。ドライバー不要というのは、便利この上ない。この製品はこれから爆発的に伸びていくのではなかろうか。
深センから帰ってくると、今度は電話局の技術員から電話。今からやってくるという。ホテルの横で待ち合わせをする。行ってみると、技術員は二人。二人が部屋に入ってくるとなると、少し不安になる。一人なら、どんなに状況が悪くても反撃するチャンスがあるから、強盗の可能性は少ない。しかし、二人となると、強盗に化けられると厄介だ。そこで身元をチェック。技術員はかなり不快な様子を見せながらも、書類を提示してくれた。これで安心だ。
工事は20分ほどで終了。すぐに電話が通じるようになった。
さあ、明日はADSLの申請だ。

2002年7月29日

今日は電話局にてADSLの申請。申請書の記入は難なく済んだ。しかし、局員がそれをパソコンに入力する段階でトラブル発生。ADSLに使用される番号は電話番号と同じでなければならないのだが、以前の持ち主のADSL用番号が登録されたままであるため、私のADSL番号を登録できないというのだ。登録データを削除するように手続きするので、それが終わったら再度連絡してくれるとのこと。(ADSLを使うと最初に言っておいたんだから、ちゃんと確認しといてくれよ)と思ったがどうしようもない。連絡待ちとなる。
次に電話機の受け取り。申請時に同時購入を申し込んでおいたので、その受け取りにきたと伝える。ところが、ここでもトラブル。電話機の同時購入は確かにPCに入力されているが、料金が支払われていないとのこと。電話機を同時購入した場合には<電話申請費用300元>+<電話機代100元>=400元となるのだが、私が支払ったのは300元だけだというのだ。(確かに俺が払ったのは300元だけだが、それは申し込み書に対してそれだけしか請求しなかった、そちらの誤りではないのか!)と言いたかったが、電話局員相手に議論をしても仕方がない。別途購入する旨を申し出る。すると、同時購入の特典はなくなるので299元だという。(3倍かよ!)。「それなら、電器屋に自分で買いに行く」と宣言し、電器屋へ行くがどうも思ったようなのがない。特にADSLといっしょに使用して問題がないのかがよくわからない。そこで、もう一度電話局に行き、3倍!の値段の電話器を購入することになった。
話はまだ終わらない。お金を払って待っていると、電話局員はなぜか2台の電話機をもって戻ってきた。「貴方の友人で電話機を必要としている人はいないの?」と尋ねてくる。(変な質問だな)と思うが、「いないよ」と真面目に答える。すると、「実は299元の電話器って、1台買うともう一台オマケがついてくるのよ」とすまなそうな顔でいう。「えー!」と驚くと、「だから、電話を必要としている友人がいるならその人に売ってあげればいいじゃいかと思って・・・」などと続ける。(ということは、一台しか必要ないならば150元の品物に300元を支払わねばならないということか)とがっくりくるが、もはやもう一度電器屋まで行く気力と時間がない。「わかった、わかった、2台くれ」とOKを出した。
今日の仕事はまだ終わらない。通勤用の自転車を購入しなければならないからだ。購入を予定しているのは折り畳み自転車。今後あちこちの街を探検するには、自動車に載せやすい折り畳み自転車が便利だからだ。また、折り畳み式ならば出勤は自転車、帰宅は自動車という組み合わせも可能だ。しかし、実際に自転車屋に行き試乗してみると、折り畳み自転車では小さすぎてどうにも乗りにくいことがわかった。そこで、普通の自転車に変更。650元の軽量自転車を購入した。中国では高級クラスに入る部類の自転車だ。乗り心地もまぁまぁ。しかし、アパートまで帰って、2Fの自分の部屋まで持ち込む段階で考えていたよりも重量があることに気づいた。この作業を毎日やるのはかなりきつそうだ。一歩間違えれば怪我をしかねない。といって、自転車泥棒があふれているこの地域で自転車を外に置いておくのは、「どうぞ、持っていってください」とお願いしているようなものだ。(この買い物は失敗だったかもしれない・・・)とちょっぴり後悔。(休日の探検の時だけ使えばいいさ)と自分を慰めた。
明日はいよいよ初出勤。緊張するなぁ。

2002年7月30日

本日、7時30分工場着。警備員に尋ねると、オフィスのドアは8時まで開かないとのこと。そこで、警備室で皆の出社時間まで待っていることになった。ところが、5分すると警備員がやってきて、警備室後方にある待合室へ移ってほしいという。制服の用意ができたら呼びにくるので、それまで待合室で待っているようにとのことであった。
待つこと30分。(もしかしたら忘れられているのかもしれない・・・)と心配になり始めたところで、「人事部」の名札を下げた中国人スタッフが部屋に入ってきた。「貴方はここで何をやっているのか?」と質問がある。どうやら私を探しにここへ来たわけではないらしい。「今日、入社することになっている。警備員からここで待つように指示された」と伝えると、総務に問い合わせをしてくれる。ところが、総務では何も聞いていないとのことだ。よもや、と思い「日本人だぞ」と念を押す。中国人スタッフは、おお、そうかという顔をして再度電話をかける。今度はうまくいったらしい。しばらくして、総務部員らしい女性が制服をもって現れた。上着だけの簡単な制服だ。さっそく着て、オフィスに向かう。
午前中は日本人スタッフSさんに連れられて、各部へ挨拶回り。部署が多いので、とても一度には覚えられそうもない。それでも懸命に頭にいれる。
午後にはPCの配付がなされた。手配が速い。ブランドは「聯想」、中国最大のメーカーだ。
システム情報を見てみると、CPUはPIIと少し旧型だが(*注)、メモリは128MBある。私用となると心もとないスペックだが、報告書を書く程度であればこれで十分だろう。
*注)この情報は後半で訂正されます。
社内で利用されているのはノーツというソフトだそうだ。日本人スタッフSさんが配付された私のPCにインストールしてくれることになったが、PCにCD-ROMドライブが組み込まれていなことが判明。注文したスタッフに確認すると、商用シリーズのためCD-ROMはオプションになっているとの答え。すぐに追加の注文を出すことになった。これは中国ではよくあるパターン。日本ではこのような二度手間・コスト高になるようなことはまず生じないが、中国ではなぜかよく起こる。中国では商用シリーズを購入する者はCD-ROMドライブを必要としないという常識でもあるのであろうか。あるいは商用シリーズではCD-ROMドライブに関してメーカーで保証したくないのかもしれない。そういえば、長時間使用されないためにいつの間にか故障しているCD-ROMドライブはどの会社でも多い。 
ノーツのインストールはネットワークを通して実行された。実際の操作感はOutLook2000とあまり変わらない。カレンダー機能が使い易そうなので慣れれば便利だろう。早速、指示された会議への参加を記入した。 
まだ右も左もわからない状態なので時間を持て余す。香港で買ってきたミニ・ドライブを試してみるが、Windowsのバージョンが古いためドライバーを要求されてしまう。Windowsのバージョンアップを図りたいが、PIIのスペックはWindows Meに耐えられるだろうか。
しかし、どうもおかしい。PIIにしては操作速度が速すぎるような気がする。もう一度システム情報を確認するがやはりPIIと表示されている。だが、今時PIIが新品PCに組み込まれていたりするだろうか。そこで考えを巡らしてみた結果、Winのバージョンが旧すぎて最新のCPUを認識できず結果としてPIIと表示されているのではないかという結論にたどりついた。(そう言えば、以前にそういうことがあった)。そこで、隣席いるパソコン購入担当中国人スタッフにスペックを確認すると、「セルロン1GHzですよ」という回答が返ってきた。やっぱりね(苦笑)、実はPIIはいくらなんでもなぁ、と思っていたんだよね(笑)。

2002年8月9日

ここしばらくは新しい仕事に慣れるので精一杯。当面の配属はコンピュータ課(なぜか営業部所属)となった。ちょうど立上中のシステムがあったので、その作業に加わる。使用しているシステムはAS/400。言語はRPG。グループ内の別会社が開発を行い、コンピュータ課は現場との橋渡し役を務めている形となっているらしい。

開発者は日本人、現場は中国人スタッフ。だから橋渡し役は通訳も兼ねることになる。開発には関わらないとは言え、AS/400とRPGの基礎ぐらいには触れておいた方が意思疎通もスムーズにいくというものだ。さっそく、インターネットでAS/400をキーにして検索をかける。あった!「K’s
tips and kicks of AS-400」とある。ふむふむ。初心者に易しくできていて、読んでいて面白い。まずはこのHPで勉強を進めることにしよう。
生活面では大きな変化はない。仕事の時間が長いので、変化しようにも変化できないというところか(苦笑)。一番大きな変化といったら、靴が変わったことくらいか。半年ぐらい前に貴州で購入した運動靴の踵の所に裂け目が入ってしまったのだ。200元以上もした靴なのでちょっとショックだ。
今回はこの街の小さな靴屋で購入することにする。お店で気に入った靴を指差すと、店主から「これは高いぞ」と脅される。値段を聞くと、「128元」。うーん、私はよほど貧しい人間にみえるようだ。履いてみるとピッタリだったので、即決定。「いくらになるの?」と軽く値切る。「2割引だ」。「2割引でいくら?」。「100元。これはバスケット用のいい靴なんだ」とこれ以上の値切り防止に走る店主。「それでいいよ」と素直に応じる。
1年ぐらいは壊れないでくれよ。

2002年8月12日

最近凝っているのが、生姜サトイモシップ作りである。
ダンベル体操のやり過ぎで肩を痛めたのが事の始まり。シップを貼って直そうと思ったのだが、中国の薬局には日本と同じような厚いシップが売っていない。トクホンみたいな薄いシップばかりだ。冷やすのが目的ではなく、薬効成分で治すために使用されているらしい。最初は香港まで日本のシップを買いに出かけたのだが、値段が高い上に面倒だ。

そこで、自分で作れるシップはないかと考えホームページ探索を始めた。すると、あった、あった、「生姜サトイモシップの作り方」。作り方は簡単。サトイモをおろして、同量の小麦粉と混ぜる。その10の1ぐらいの量の生姜もおろして混ぜる。これで出来上がり。
念のため、他のホームページも調べてみる。どうやら、日本の家庭療法として古くからあるものらしく、あちこちのホームページで「生姜サトイモシップ」を紹介していた。作り方に多少の違いはあるが、どれもおろして混ぜることには変わりない。
出来たシップを要らなくなったTシャツの切れ端に塗りつけ、それを患部に貼る。ひんやりとして気持ちがいい。熱を吸い出してくれているのがよくわかる。痛めた肩以外にも、頭痛がしたときに額に貼ってみたりもした。これが意外なほどに大きな効果があり、たちまち頭がすっきりした。これはよいというわけで、コンピュータのいじりすぎで疲れたときなどにも度々使用するようになったのだが、問題はシップ作りに労力がかかりすぎることだった。仕事のなかった時はよかったが、仕事から帰ってきた後に何個もサトイモをおろすのはつらいものがある。
そこで、先週の土曜日(8月10日)に近所のデパートへミキサーを買いに行くことになった。
一口にミキサーと行ってもいろいろあって、中国製、外国製、多機能型、単機能型と品揃えが豊富だ。値段は160元~360元にまたがっている。しばらく悩んだあげく、中国メーカー「好的」の多機能型218元の商品を購入することに決めた。外国製(フィリップ社)の購入も検討したが、シップのためだけに高価なものを購入しても仕方がなかろうと考え、取りやめた。ところで、「好的(ハオダ)」とはどのようなメーカーだろうか。実は私も知らない。「美的(メイダ)」というメーカーはそれなりに有名だが、「好的(ハオダ)」とは?日本語に訳すと、「良い物」という意味だからかなり怪しい感じがする。まぁ、「良い物」を買って、「悪い物」だったというのも話のタネにはなる。深く考えないことにしよう。
帰宅後、さっそくシップ作り。ウィーンという音とともに次々とイモが粉砕されていく。いい気分だ。これで、これからは額に汗を流しておろし器でゴシゴシやる必要がなくなるわけだ。
ところで、店員によるとこのミキサーは1分以上連続して使用してはいけないのだそうだ。過熱状態になってしまうらしい。これは「フィリップ社」の商品でも同様だそうだ。みなさん、本当ですか?

2002年8月26日

昨日の日曜日は歯医者に行った。以前に被せてあった義歯が取れてしまったからだ。場所は2年ほど前に一度お世話になったことがある、深セン駅近くの小さな町医者だ。
9時半頃出発し、バスに乗って1時間で深セン駅到着。まずはお金の準備だ。いつも使っている銀行のATMの前に立つ。一度引き落とすごとに25HKドルほど手数料がかかるようなので、少し多めに引き落とすことにして1万RMBとインプットした。しかし、エラーが表示され、引き落とし失敗。一度に引き落とせる金額は2,500RMBまでとのことであった。以前は1万RMBまで問題なく引き落とせのにどうしたことであろう。手数料稼ぎのために上限を厳しくしたのだろうか。隣の銀行でも試してみるが、今度は2,000RMBが上限であった。なお悪い。日差しが強く、汗がポタポタと垂れてきたので銀行巡りを諦め、2000元を2度引き落とすに留めた。こすからいぞ、銀行。
歯医者は銀行から、徒歩で3分ほどの場所にある。あっと言う間に到着。到着はあっと言う間であったが、治療まで順番待ちとなって1時間半ほど椅子に座ってボーと過ごすことになった。貴重な休日の一部をこんなところで費やすのは悔しいが仕方がない。人生あきらめが肝心だ。
ようやく順番が回ってくると、治療は早かった。瞬く間に悪いところを削り落として、型をとり、仮の義歯を被せてくれる。正式のものができるのは三日後だという。お値段は?と聞いてみると、300RMBから400RMBとのことだった。や、安い。というか、これは問題だ。2年前にここで治療したときは同様の義歯で1本1500RMBだったのだ。
心配になって、以前に作ってもらった歯を見せ「これと同じのでいいんだが、いくらなんだ?」と尋ねる。そうすると、逆に「それはいくらだったの?」と質問を返された。ここで「1500RMB」などと答えた日には、400RMBのものを1500RMBにされかねない。「忘れたよ」とかわす。そして、もう一度質問。「これと同じのでいくらぐらいなんだ」。しかし、「わからない」という。仕方がないので、「いくらぐらいのにすればいいんだ」と質問をすると、「心配だったら、400RMBのしとけば」という答え。ここに至っては選択の余地はあまりない。正直に以前の値段をいうか、400RMBで納得するかだ。しばらく考えて、400RMBで作ってもらうことに決めた。安く治してもらえれば、今後他の歯を治すときにも利用できるから、おトク度が大きい。ダメだったら作り直せばいい。手遅れだったら困るけどね。
 お金を払って、指定された用紙に名前を記入。4文字の名前をみて、歯医者さんは突然にこにこ顔で「日本人でしょう」と話し掛けてくる。「そうだよ」と答えると、一層表情を崩して、「昨日も日本人が一人きたのよ」と嬉しそうにいう。こういう時は、外国人で良かったと思わずにはいられない。「また来週きますね」と言って、手を振ってお別れをした。
 予定ではパソコン街に寄っていくつもりだったが、すでに2時半。味千でラーメンを食べて帰ることにした。駅近くの味千は、すでにかなり中国化してしまっている。冷やし中華などは香港のチェーン店と全然違う。しかし、メニューの写真は香港のものと同じだからちょっとひどい。それでも普通のラーメンは日本的な味を出していて結構いけるので、深セン来たときはたいがいここで食事をする。
今回はチャーシューメンと鳥のから揚げ。鳥のから揚げにマヨネーズがついてこないのはなぜか?香港の味千には必ずあるのに・・・、などと小さなことが気になる。中華だと割り切れば何ともないのだが、日本風となると途端に違いが気になるから不思議なものだ。

2002年9月2日

昨日は、先週の続きでやはり深センの歯医者へ行った。30分ほど待たされたが、治療はやはりあっと言う間であった。歯医者を出ると、午前11:30。少し痛む歯を押さえながら、昼食について考える。歯が痛くても食事の事に頭が回るのだから私のお腹もたいしたものだ(笑)。
 「味千」でラーメンでも食べるかと考えるが、昨晩ラーメンを食べたばかりだということを思い出し取りやめる。それでは何を食べようかと頭を巡らせ始めたところで、「回転寿司」が頭に浮かんだ。都合の良いことに「元禄寿司」がパソコンSHOP街にある。今日のお昼はお寿司に決定。
 さっそく、大通りへ出てバスを探す。タイミングよく、海上公園(だっけ?)行きの観光バスがやってくる。これなら3元でパソコンSHOPまで行けるのだ。その上クーラー付だからとても快適だ。タクシーでも2,30元で行けるが、バスのほうが地に足が着いた感じでいい。日本ではほとんどタクシーに乗らないのだから、中国でも乗らないに越したことはない。生活感覚が狂ってしまうからだ。といっても、日本と同じ感覚でバスに乗れるのは深セン特区ぐらいのものだが・・・。
 パソコン街(華強北路)に着くと、さっそく「元禄寿司」へ入る。ここで食事をするのも半年振りだろうか。またたく間に3皿ほど平らげたところで、シャリがずいぶんと硬いことに気づく。さらにふた皿食べるがやはり全部硬い。ロボット寿司握り機で握ってもこんなに固くはならないぞ、という硬さだ。ネタはまあまあだが、シャリがこんなに硬くては普通の日本人では食べる気にならないだろう。しかし、私は心が広いので、とりあえずもう5皿だけ食べて終わりにした(でも、これから数ヶ月は来ないぞ)。
 以前はそんなにひどい店ではなかったはずだが、経営者が変わったのだろうか。あるいは、中国人客が定着してきたから、味も中国風になってしまったのかもしれない。パソコン街へきたときの楽しみの一つだったのに、残念だ。
 いくつかのパソコンSHOP(ビル)をブラブラして、パソコンショップのにぎやかさを楽しんだあと、インターネットカードを一枚購入。一ヶ月無制限のカードで35元だ。東完では60元だったからほとんど半額近い。あんまり安いと返って不安になるのだが、こればかりは使ってみないとわからない。
 あとはアパートまで一直線。(本当は本屋に寄る予定だったのだが、乗り過ごしてしまい中止)。
しかし、私のADSL回線はどうなったのだろうか・・・。

2002年9月9日

昨日は、深セン特区外にある福永鎮というところへ行った。福永港を域内に置く、特区外でも発展著しい場所だという。まずは、近所の大型スーパーの前にあるタクシーの溜まり場で馴染みの運ちゃんを探す。引越し前の下調べのときにこの運ちゃんの青タクに乗って以来、時々利用している。
 彼は軍人上がりのためか、性格は真面目でなかなか信用できる感じだ。話好きでいろいろな情報をもっているので、一緒にいて飽きない奴だ。ただ、金にはシビアで最初から安い値段を出してくることはまずない。
運ちゃんを見つけると、早速声をかける。「福永鎮までいくら?」。運ちゃんは少し考えて答える。「40RMB」。(た、高い。俺からボッタくろうとするなよ、運ちゃん)。
「じゃ、別のを探すよ」と運ちゃんに背を向けて、他のタクシーの方角へ歩を進める。すると、慌てた運ちゃんの「30RMB!30RMBでいいよ」と叫ぶ声が背中にかかる。しかし、ここですぐに妥協しては今後の交渉に影響がでる。とりあえず、適当に青タクを見つけて交渉してみる。「福永鎮までいくら?」。
 適当に選んだ割りには面白い運ちゃんで、口上が始まった。「いいか、一度しかいわないぞ。他の車は40RMBだの30RMBだの言うかもしれない。しかし、俺は違う。これはこの溜まり場で一番安い値段だ」。
 「わかった、わかった、いくらなんだ?」。「いいか、言うぞ!」。(早く言えよ・・・)。
「25RMBだ。こんな安い値段を出す奴は他にはいないぞ!」
 確かに安い。しかし、車もかなりオンボロだ。運ちゃんは面白いけど、今回は馴染みのほうにしとくか。というわけで馴染みの運ちゃんのところへ戻って声をかける。「30RMBだぞ」。「わかった、わかった」と仕方なさそうに答える運ちゃん。
 福永鎮に着いて、大通りを歩き始めると「カレー太郎」という店が目についた。お店の前にメニュー一覧が置いてあったので値段をみてみると、一食10元-15元とお手ごろ価格だ。(ブラブラし終わったらここで食事にするとしよう)。
 さらに先に進むと、オープンしたてという様子のデパートを発見。覗いてみると、一階は軽食街となっていて、屋台風のお店がずらりと並んでいる。しかも、一番入り口付近のお店には、うな丼とカツ丼そして、冷やし蕎麦がおいてあるではないか。どれも10元前後という破格の値段だ。(うーん、ここで食べるのも悪くないなー)と悩む。しかし、冷やし蕎麦はどんな水で洗っているかが問題だ。水道水で洗っているようだとお腹にくる可能性がある。(10元じゃ沸騰させて、再度冷やしているとはとても考えられん)。というわけで中止。
 インドカレーの屋台とかもあって、お店の中は家族ずれでいっぱいだが、人気メニューは中華料理だ。改めてよくみると、日本料理の屋台で注文している客は一人もいない。やはり今日は「カレー太郎」にしよう。
 デパートの2,3Fは取り立てて特別なところはない。ゲームセンターにモグラ叩きがあったので、挑戦してみるが半分壊れていてスコアがきちんとでないのでつまらなかった。
 デパートを出て、カレー太郎に向かう。もうお腹ペコペコだ。チキン・カレー一皿と油餅(小麦粉を練ったものを油であげたもの)を注文。合計15元ほどだ。カレーは日本風おインド風が選択できるようになっていたが、今回はインド風にしてみた。店内はきれいに内装されていて、日本のカレーショップのような雰囲気だ。客の数は少なかったが、私の他にも日本人の客が二人ほどいた。福永鎮には100社近くの日本企業があるそうだから、これは不思議でもなんでもない。
 出てきたカレーはとびきり美味しいというほどのものではないが、もう一度来てみてもいいかなという感じだ。食事を終えると、街をもう一巡り。途中で大きな新華書店を発見したので、本を2冊ほど購入する。私の街にはまともな本屋がないので、ここを発見したのは大きな収穫だ。
 あとは、タクシーをつかまえて帰るだけ。ここには書かないが、ちょっと苦労した。東莞と違って深セン特区外のタクシーはタチが悪い。毎回、気を張り詰めて交渉しないといえけないのだから嫌になる。まぁ、それも楽しみの一つではあるんだけどね、実は(笑)。
 今日はここまで。

2002年9月28

今日は宝安区の中心エリアへ行ってみることにした。経済特区内の手前にある、経済特区外の中心地というべき場所だ。いつものように、運転手探しから始める。溜まり場に馴染みの運ちゃんの姿が見えないので、もらってあった名刺に印刷されている携帯電話番号にかけてみる。しかし、応答なし。今日はお休みだろうか。
仕方がないので、怖くなさそうな顔をした運ちゃんに声をかけてみる。料金は「60RMB」とのこと。妥当な価格ともいえるが、とりあえず値切る。だが、運ちゃんは応じてくれない。そこで別の運ちゃんに声をかける。「50RMBでどうだ?」。ダメ。さっきの運ちゃんが後ろでニヤニヤしている。
ところがここでさらに別の運ちゃんが登場。最初の運ちゃんの顔色が変わる。突然「50RMBでいいよ」とのたまう。以前に客をとられたことでもあるのだろうか?これは助かった。というわけで交渉成立。
乗り物は小型のバン。外見はわるくないが、内側は少しボロイ。でも、椅子はクッションが効いているので妥当なところだろう。出発したところで、まずは念を押す。「50RMBだぞ、50RMBで宝安万佳百貨(*デパートの名前)までだからな」。「わかった。約束は守るって!」。(そうか・・・、大丈夫そうな感じだな。でも、もう一度念を押しておこう)。「俺はしょっちゅうあちこちに出かけるんだ。問題があったら二度とお前の車は使わないからな」。「わかったって」と運転手。
お金の話が終わったところで、質問を始める。「宝安区はこの町よりデカイんだろ?」。「でかいよ、かなり」。「5倍くらいか?」。「そうだな」。「深セン特区内と比べるとどうなんだ?」「深セン特区と比べるとやはり小さいのか?」「そりゃそうだ。比較にならんよ」。
40分ほどで到着。運転手には2時間ぐらいで戻ると伝えて、帰るまで待っておいてもらうことにする。もちろん、運賃の確認も忘れない。「帰りも50RMBだぞ!」「わかった、わかった」。
万佳百貨は大陸のチェーンデパートの一つだ。私の住む街にある佳華スーパーと比べると格が一つ上で、品揃えもいい。地価と1Fとは食品売り場。チーズがあるのが目立ったぐらいで、特別なものはない。しかし、上の階に上がるにつれ、徐々に高級デーパートの雰囲気になっていく。SONYなどのDVD製品がずらりと並んでいたりする。高級感に圧倒されて、(そう言えば、ここのデパートにはエレベータがないな)と日本のデパートと比較してしまったほどだ(エスカレーターはあります)。
万佳百貨を出て、少し街を歩いてみる。経済特区に隣接しているだけあって、町並みも特区内の作りに似ている。一人で食事をできるようなお店もたくさんあって、とても便利そうだ。こんな街で暮らしたら楽しいだろうな、と思わず考える。治安もしっかりしているらしく、違法バイタクは走っていない。公共バス網が整備されており、自動車をもっていない人たちはバスを上手に活用しているようだ。
しかし、運転手との約束はたったの2時間だ。のんきにバスに乗ってはいられない。高いけど正規のタクシーでも使うしかないか?と考えていたところに、リヤカー式バイタクがやってきた。バイクで二人用の座席を引っ張っていく、一種の三輪車(実際には4輪)だ。これは小型の自動車の扱いになるのか、違法ではないらしい。
「宝安電子城まで行ってくれ」。「5RMBだぞ」。「わかった」と話がまとまる。考えていたよりも距離があって、高速道路の上の高架橋を走っていく。オンボロ三輪車に乗っていくのはかなり危ない。急停車でもされたら、外に転げおちるか、屋根をささえる鉄の支柱に頭をぶつけて大怪我をしかねない。でも、こうした危険を避けては中国生活をエンジョイすることはできないのだ(笑)。支柱を手で握り締めて懸命に体を支える。
5分ほどで到着。建築してまだ数年ぐらいの感じで真新しい建物だ。周辺の住宅地も同様に新しく、そして落ち着いた感じだ。入り口には地図とともにバスの路線が細かく書かれていて、来客の便をはかっている。次にくるときはバスを利用してみようかな。
フロアは3Fまでしかなく、1F,2Fで電子部品、3Fでパソコン関連の製品を販売している。どの階も活気があって、この小さな建物では収まりきれないような勢いだ。そのうち、別のビルにもマーケットが拡張していくのではなかろうか?パソコン本体を買うとなると特区内まで行ったほういいだろうが、部品レベルの買い物ならここで十分だろう。
次は、再度バイタクに乗って「順電」という電気製品専門デパートへ向かう。到着したばかりの時に通りがかって、目をつけておいたデパートだ。方角的にはさきほどの万佳百貨店に戻る形になる。料金は来るときと同じ5RMB。
名前から判断して、電気製品専門デパートかと考えていたが、そうではなくインテリア製品や浴室器具等も扱っていた。要するにこの辺りに住むお金持ち向けのデパートだ。最上階の5Fはまるごと子供部屋用の高級寝具や装飾品セット売り場になっており、驚かされた。
このお店を出たところで、大体2時間。歩いて万佳百貨まで戻り、運ちゃんを見つけて住処の街まで戻った。
今日はここまで。ちなみに、この日の夕食はマックのビッグバーガーセット。なんでも、日本ではサンドイッチを提供するマックもあるとか。中国のマックでも売ってくれないかなぁ。