2003年6月-7月(day005)

2003年6月-7月(day005)


2003年6月1日
 今年も暑い季節がやってきた。ジリジリと皮膚を焦がす太陽、大雨で息が詰まるほど湿気が充満した空気。これが広東省の夏だ。昨年は手作り「涼面(リャンミエン)」でこの熱さを乗り切った。料理下手の私でも面を茹でるぐらいのことはできる。面の上に乗せる具とスープを入れ替えるだけで様々な味を楽しめる「涼面」は全くもって私向きの食べ物だ。
 涼面を作るには、大量の冷たい水と面の上に乗せる様々な具が必要になる。昨年は、小さな冷蔵庫でこれらをやりくりしながら保管していたので、ずいぶんと大変だった。就職浪人中の身であったから、冷蔵庫の買い替えなどという贅沢はできなかったのだ。
 だが、今年は幸い収入がある。思い切って165cm級の冷蔵庫の購入に踏み切った。考えてみれば、生まれて初めて、冷蔵と冷凍の分かれた2ドアの冷蔵庫を購入したことになる(両親が購入したものは除く)。一人暮らしを始めて苦節20年、2ドア冷蔵庫との感激の出会い。それもこれも、「涼面(リャンミエン)」作りのためだ。いやー、楽しみだなぁ。

 そうそう、今日はちょっと悲しい出来事があった。なんとなく気が向いて運動靴を洗っていたところ、水と一緒に靴紐までトイレに流してしまったのだ。「あっ!」と思ったときにはすでに手遅れ。紐は影も形も見えなくなっていた。
 仕方がないので、近所の靴屋へ行って「靴紐ない?」と尋ねると、「ないよ」と指で追い返されてしまった。うーん、黒い靴紐なら文具屋でみたことがあるが、白いのはどこにあるのかなぁ。布地屋にでもあるのだろうか。
2003年6月2日
 今日の夕食はさっそく「涼面」。帰宅途中にデパート「佳華」に寄って、辣椒(ラージャオ)を購入する。辣椒(ラージャオ)とはトウガラシのことで、料理用のものは油漬けになって瓶詰めで販売されている。日本で売っているラー油にトウガラシの身を刻んで入れたものをイメージしてもらえるといい。ただし、辛さはラー油の比ではない。中国の辣椒(ラージャオ)に慣れると、日本のラー油はただの油にしか感じられなくなる。
 この辣椒(ラージャオ)と刻んだタマネギや混ぜてタップに入れておき、「涼面」の上に乗せて食べる。すると、タマネギの酸味とトウガラシの辛味が夏の暑さをぶっ飛ばしてくれるというわけだ。しかし、今日はタマネギが売っていなかったので長ネギを購入した。
 アパートに帰って、面を茹でる。「味千」というラーメン・チェーン店がこの辺りのデパートで直接販売している生面だ。お店でもよく食べるし、面を買ってきて食べたこともある。しかし、「涼面」にして食べるのは初めてだ。
 買ってきた長ネギを炒め、辣椒(ラージャオ)と一緒にこねる。そして、その他の具材といっしょに冷やした面の上に乗せ、お食事開始。「うまい!」。まさに日本の冷やし中華の味だ。昨年まで使っていた乾麺とは格段の差、やはり本物は違う。今年はこれ一本でいくとしよう。

 もう一つ重要なことを忘れていた。実は辣椒(ラージャオ)を買うときに近くの棚で面白いものを発見した。「蟹黄醤(CRAB ROE SAUSE)」。小さな瓶に詰められた油漬けの蟹味噌だ。なんとたったの20数RMB、日本円で300円程度である。これは安い!と買って帰った。(少し安すぎるなぁ。大丈夫かなぁ。)と心配ではあったが食欲には勝てない。スプーンですくって、口に入れてみる。トローリ・・・。「うまーい!」。なんという美味しさだ。こんな美味しいものが20数RMB。問題は腹を壊さないで済むかというところだが・・。

2003年6月9日
 最近、生命に危険を感じるほどまでに太ってきたので、いろいろと運動に励んでいる。最初は楽しく運動しようと、円盤の真中にボールの入ったダイエット器具を買ってきた。円盤の部分に両足を乗せて体重をかけ、ボールをポンポンと弾ませる。デパートでみると、子供たちが愉快そうにやっているので、これなら私も続けることができるのではないかと考えたわけだ。
 始めてみると、なかなか難しい。部屋の壁に両手をつけて跳ねるのが精一杯だ。それでも続けてやればいくばくかは効果があるだろうと、毎日暇をみつけては3分ほどやっていた。効果はあった。体重は一向に減らなかったものの、アキレス腱に柔軟性が出て、体調がすこぶる良い。跳ねるのも上手になってきて、もう一週間も練習すれば壁なしでも跳べるようになるのではないかと大望を抱き始めた頃、足に異常を感じた。
 なんと右足の甲の内側が擦りむけて腫上がっているではないか。道理でここ数日足が痛かったわけだ。てっきり、最近買ったばかりの靴のせいだと思っていたら、この円盤の内側にあるボールに擦れて傷になっていたのだ。痛っ、痛い!

 こうして楽しくダイエットの野望は潰えた。しかし、これぐらいで諦める私ではない。今度は友人に頼んで、ボクシング風ダイエット器具を買って来てもらった。高さ160cm弱の棒にパンチング用のボールを括りつけた本格派?ダイエット器具だ。棒の根元には重石がついていて、ボールを殴ると、棒がしなり、それを重石が支える仕組みになっている。
 これがやり出すとやめられない。右手でガツンと叩くとボールがぴゅ-んと反対側に飛んでいき、またびゅーんと戻ってくる。そして、今度は左手でガツーン。びゅーん、びゅーん、ガツーン、びゅーん、びゅーん、ガツーン。いやー、面白い。今度こそ、ダイエット間違いなし。少し手の甲の皮が擦り剥けてきたようだが、気にするまい。

2003年6月12日
本日、「アジア情報大事典」(http://www.asia-network.jp/)にリンクを張って頂きました。
2003年6月19日
 今日は社用携帯電話30台の新規契約のために深センへ出かけた。私が勤めている会社では従来、A社の携帯サービスを利用していたのだが、今回B社から破格の割引を提示されたので、思い切って乗り換えることにしたのだ。中国では現在、従来の方式・CDMA・PHSが激しいマーケット争いをしていて、細かくかけば面白いことがたくさんある。だが、今から書くのはまた別の話。

 実は、契約作業はB社とするわけではない。B社の代理店であるC社が弊社にやってきて契約をとっていくのだ。契約そのものは弊社とB社の間で行われ、代理店C社はB社から分け前をもらうという形になっている。毎月、80万(日本)円ぐらい話ではあるが、年間にすれば約1千万円である。けっこうな金額だ。妙な契約でも結んでしまったら、後々やっかいだ。真剣に内容の検討を繰り返した。

 昨日、契約内容も最終の詰めに入り、そろそろサインをするかという時のこと。突然、B社のデジタル部門というところから電話が入った。契約の件で来社して打ち合わせをしたいという。こちらも聞きたいことがあったので、来てもらうことにした。

 打ち合わせに訪れたのは男女の二人組み。SARSの件もあって、男性はマスクをしている。それはよいのだが、問題は代理店C社のスタッフを伴っていないことだ。「どうしてC社は来ていないのか?」と尋ねると、「契約自体はA社とするのだから、C社のスタッフがいなくても構わないのだ」と返事があった。

 言われてみれば、その通りだ。こちらとしてもできれば代理店を通したくなどない。これをきっかけに直接取引きできれば願ったりかなったりだ。しかし、今回の破格プランをもってきたのは代理店Cであって、おおもとのB社ではない。筋から言えば、B社と直接やり取りをするのはルール違反だ。筋にこだわって手を誤るのも困るが、意味もなくルール違反をしては良い結果に繋がらない。
 そこで、「明日にでも、C社のスタッフを連れて改めて来てくれないか?」と要求してみる。すると、「必要が無い。せっかく来社したのだから、是非サインをしてくれ。少なくとも、携帯電話の注文だけでも決めてくれ(*注:今回の電話方式では携帯電話も変更しなければならない)」とかなり強引だ。
 
 正直、困った。実際、提示されている電話料金は破格で、計算上では月額費用が現在の3分の1以下になろうというプランだ。期限も設定されていて、今月いっぱいのみの受け付けということなので、こんなところで揉めてしまってはやっかいなことになる。

 「しかし、C社からはテスト用の携帯電話を借りたりもしている。ここでC社抜きで話を進めるのは不味いのではないか」と問いかけてみると、「あの携帯電話は弊社(B社)が、貴社のためにC社に貸したものだ。C社のスタッフが貸し出し用の電話なんかもっているわけないだろう」と不満げに回答してきた。「疑問に思うなら、電話をして聞いてみてくれ」と断言すらするのだ。

 弱った。だが、よくよく考えてみれば、私がここでサインをできるわけもない。すでに社内調整を済ませてしまっているので今回のプランがオジャンになると憂鬱なことになるけれども、携帯電話マーケットの競争は激しい。似たようなチャンスはいくらでもある。最悪は振り出しに戻ってやり直せばいいではないか。そこで、言葉を尽くして帰って頂いた。

 B社のスタッフがしぶしぶ帰ったあと、早速C社に電話を入れる。すると、「そんな人達は知らない」という。「テスト用携帯電話もC社が買ったもので、B社のものではない」とのこと。B社のスタッフが残していった電話番号を伝えると、しばらく調べたあと、「その番号は別の代理店D社のものだ」と回答が戻ってきた。

 つまり、代理店C社の取引がうまくいきそうなことを嗅ぎつけた、代理店D社がB社を装って契約を横取りしようとしたというわけだ。いやー、ムチャなことをやるなぁ。今回は契約書の書き方にも少し不満があったので、なんとか持ちこたえることができたが、状況が違えば異なる結果となっていたかもしれない。皆さんもお気をつけください(笑)。 

2003年6月22日
 待ちに待った「一番ラーメン」がオープン日を迎えた。先々月オープンした百貨店の1Fのテナント店に華々しくデビューだ。「一番ラーメンって何?」という疑問をお持ちの方に簡単に説明をしておくべきだろうが、実は私もよく知らないのだ。
 推測を交えて語るとこうなる。日本に「味千(ミセン)」というラーメンチェーン店があり、そこが香港・大陸に「味千(アジセン)」という名前で海外チェーンを展開している(聞くところによると台湾にもあるそうだ)。その「そっくりさん」が「一番ラーメン」なのだ!
 なんだ、偽物じゃん。というなかれ。単なる偽物でない可能性もある。
 確かに、中国には偽者が溢れている。マクドナルドのそっくりさんチェーン店などひどい物だ。日本人だったらとても食べられないほど油ギトギトのポテトが出てきたりする。
 一方で、独立系の支店だったりすることも在り得るのだ。台湾系の喫茶店チェーン店として大陸で名をはせている「名典珈琲店」などには、直系でない、独立オーナーが仕入れだけを「名典」経由で行い、店名を独自のものとしている店舗があるからだ。この場合は、味はほとんど変らない。さて、「一番ラーメン」は単なるそっくりさんか、それとも「隠れ味千?」なのか。

 胸に期待を弾ませて、お店に向かう。東莞で仕事に就いて一ヶ月ほどになる友人K君も一緒だ。思えば、K君が私のところに滞在して就職活動を開始したのと時を同じくして、この一番ラーメンの内装工事が始まったのだ。K君にとっても感慨深い瞬間であることだろう。
 「一番ラーメン」と記された看板が店舗の上部をいっぱいに飾り立てている。店舗の内部には料理や(なぜか)金閣寺の写真が張り巡らされている。席につくと、ウェイトレスがメニューをもってきた。おーー、やはり「味千」のモノマネだ。メニューの作りから単品の名前までほとんど同じではないか。だが、問題は味だ、味もそっくりなら文句はない。
 ラーメンと餃子と鶏のから揚げを注文し、料理の来るのを待っていると、出されたティッシュ(中国ではおしぼりの代わりにティッシュが出ることが多い)に支店の住所が書かれていることにK君が気づいた。驚いたことに、深セン特区内外を合わせて、6店もオープンしている。これは本物かもしれない。(だが、中国ではそっくりさんもチェーン店を作ったりするのだ。不味いのにも関わらず・・・)。

 最初に来たのは「日本風鶏のから揚げ(12元)」。メニューの写真に載っていたのは確かに「味千」と同じ日本風鶏のから揚げだったのだが、やってきたのは残念ながら、粒粒になったから揚げ。中国のケンタッキーで出される細切れから揚げだ。しかも、あげすぎで油ギトギトになってしまっている。不思議なのは、この「粒粒から揚げ」は別にメニューに存在していて、しかもこちらのほうが8元と安い。一体どんな違いがあるというのだろうか。

 謎解きは次回に残しておこうと暢気に構えた私と違って、K君は短気であった。「ウェイトレス、こっちへ来い!これは何という料理にみえる?」と責め立てた。可哀想なウェイトレスは「粒粒から揚げです」と正直に答える。K君はヤッタとばかりに「俺達が注文したのは日本風鶏のから揚げだ。違うじゃないか、確認しろ!」と文句を続けた。

 慌てて去るウェイトレスの後姿を見ながら、K君は満足げに言い放った。「自ら墓穴を掘りやがった」。争いごとの嫌いな私ではあったが、おいしいから揚げが食べられればやはり嬉しい。同意の印に頷いてみせる。

 しかし、代わりにやってきたマネージャーが私たちの甘い夢を打ち砕いた。「これが当店の日本風鶏のから揚げなんです」と真っ先に言い立てたのだ。「なら、『粒粒から揚げ』とどこが違うんだよ」と尋ね返すと、「色が違うんです。粒粒から揚げはもっと浅い色で・・・」とのたまった。「そんなわけないだろう」と語気を強めると、「当チェーン店では開店以来、これを日本風鶏のから揚げと呼んでいるんです」と言いつづける。
 まあ、たかが「から揚げ」でいつまでも言い争っていられない。矛先を納め、マネージャーを去らせることにした。K君は「『粒粒から揚げ』も注文して、並べてどこが違うのか説明させたかったんですけどね」と納得していない様子。それは次回にしよう、となだめる私。

 そして、「一番ラーメン」がやってきた。「日本風鶏のから揚げ」で、だいたい感じをつかんだ私はあまり期待をしていなかったので、そうショックを受けなかった。いや、むしろ想像していたよりはおいしかった。麺もまぁまぁ、茹でたときにほぐしてないのか、少しくっついているのが気になる程度だった。スープも濃縮タイプのものを利用しているのだろう。きちんと日本の味がした。中華風にいじってないのがありがたかった。もやしとキャベツがしゃきしゃき状態に保たれていたのも得点が高い。
 続いて、日本風焼き餃子。これはイマイチ、パリッと焼けていないのが残念だ。スーパーで買った日清の冷凍焼き餃子のほうがよほど美味しい。

 トータル評価は75点。味千(アジセン)には及ばなかったが、なんとなく日本のラーメン屋にいる気分を味わえるので合格としておこう。探せば美味しい料理もあるに違いない、多分。

2003年6月28日
 一番ラーメンにて4回目の食事。実は、行くたびに評価が下がっていって、今日の食事前までにはすでに、60点ぐらいになってしまっていた。だが、もともとラーメン好きな私である。マクドナルドよりはラーメンというわけで、今日も一番ラーメンに向かったのだ。
 実は評価を下げた原因は、ラーメンそのものというよりチャーシューや鶏のから揚げといった惣菜類にあるのだ。だから、ラーメンだけ食べている分にはそれほど不満はない。
 今晩は「辛肉ラーメン」というメニューに挑戦。合わせて、蟹子サラダも注文した。開店してだいぶ経つし、そろそろ、麺の茹で方も上手になってきている頃だろう(笑)。不安と期待に胸を躍らせながら、じっと待つ。中国のラーメンとしては破格の高さにもかかわらず、お店は大繁盛だ。客が次々に入ってくる。一つのラーメンを対面に座った恋人同士で分け合って食べている姿があちこちのテーブルで見られて微笑ましい(うらやましい?)。恋人同士でなければ、家族連れ。こちらは、地元の富裕層らしき人達が多い。私のように一人で食べにきている者は見当たらない。深センの特区内では、独身者の外食も大分増えているそうだが、この辺りではまだまだ大家族社会が主流である。出稼ぎ労働者には独身が多いはずだが、彼らも一人で外食をする習慣はあまりないに違いない。

 調理室のあるカウンターには小窓だけが開いており、そこから料理の受け渡しをしていて、内部がはっきりとは見えない仕組みになっている。ラーメンを待ちかねた私が、その小窓を覗き込むと、調理人が麺をダンボールから取り出しているのがみえた。あれ?見覚えのあるビニール袋に麺が包まれている。そう、私が涼面(リャンミエン)用に購入して、冷蔵庫にしまってある「味千ラーメン」の袋にそっくりだ。さらに目を凝らしてみると、ダンボール箱にはっきりと、「味千ラーメン」と書かれているではないか。なんと、「一番ラーメン」では味センラーメンの麺を使用していたのだ。しかし、今まで食べてきて全くわからなかったとは不覚!或るいは、毎回、「味千ラーメン」の麺を使用しているわけではないのかもしれない。

 しばらくして、ラーメンが到着。「味千ラーメン」が使用されているとわかったこともあって、今日のラーメンは美味しく感じられる。茹で方も上々だ。ラーメンと一緒に頼んだ蟹子サラダ(10元)もいけた。

 さあ、「一番ラーメン」と「味千ラーメン」は一体いかなる関係なのだろうか。謎は深まるばかりだ。次回にご期待ください。

2003年7月19日
 ここしばらく、新しく知り合った友人とそこかしこへ出掛けていたため、すっかり日記がご無沙汰になってしまった。最近の目玉は、先日遊びに行った、深セン市内のテーマパーク「中国 歓楽谷」。プールやアトラクションで一杯の、昔の日本の遊園地みたいなところだ。入場料は一人120RMB、日本円にすると1800円ぐらいだ。中国の物価からすると破格の高さだ。それでも溢れんばかりに人がいた。ただし、各々の乗り物は全て無料。たいていの乗り物は20分ぐらい列に並ぶだけでよいが、人気のあるアトラクションは1、2時間ぐらい並ばないと乗ることができない。
 一番面白かったのは、幅20メートルの巨大なゆりかごに一杯の椅子を敷き詰めてグルングルンと回すアトラクションであった(椅子はもちろん固定されている)。めまいがしそうになるほどまでグルグル回し続けられる。携帯等は搭乗前に預けることになっているのだが、胸ポケットに入れたチケットはそのままにしてあった。それが空中でグルグル回されているうちにヒラヒラと下のプールに落ちていってしまったほどだ。携帯電話をそのままにしてあったら完全にアウトであったろう。日本の遊園地でも、預け物は自己申請なのだろうか?誰かの携帯電話が頭の上に落ちてきたらと想像すると恐ろしい。
 一瞬の快感を味わえるのが、巨大ボートでの滑り台下り。ゴー、バッシャーンとわずか3秒ぐらいで終わってしまうアトラクションだ。下る瞬間の乗客の表情が自動的に写真に収められて、出口のところで1枚15RMBで販売される。面白いので1枚購入した。
 その他、円形ボートでの激流下りや幽霊屋敷なども面白かった。ジェットコースターは日本で流行した回転式のものもあったけれど、こちらは待ち行列が長すぎたためギブアップ。代わりに昔ながらのジェットコースターを楽しんだ。子供の頃、あんなにどきどきした上り坂、そして下り始めの恐怖の一瞬も今では余裕をもって受け止められる。これも機械文明への信頼の現れであろうか。ただ、中国のジェットコースターは別の意味で怖い。脱線しそうで・・・(笑)。
 なんにせよ、楽しい一日であった。

本日、「中国情報局」様に本HPを登録して頂きました。  
2003年7月25日
「CHAiWEB」様と相互リンクさせて頂くことになりました。
2003年7月27日
 昨日は、深セン市内のテーマパーク「世界の窓」へ出掛けた。前回、3年前に行ったのが初めてだから、これで2回目だ。3年前すでに100RMBだった入場料がさらに高くなり、120RMBとなっていた。ただ、以前は世界の著名な建物の縮小版を置いてあるだけの公園だったのが、ジェットコースターやら、激流下りのアトラクションを加えて家族や恋人で楽しめるものへと変化を遂げていた。
 「中国 歓楽谷」と比べると、来場者数が格段に少なかったのは、ほとんど全てのアトラクションが有料だったためだろうか。一つにつき、10-20RMB程度のチケットではあるが、家族連れできたら大変な出費となってしまうのは間違いない。
 小規模ながら、人工スキー場もある。スキーをやりたければ、道具・服装一式込みで80/H。そり滑りを楽しむだけなら、時間制限なしで道具・服装込みで10RMBと格安だ。もっとも、貸し出される服だけでは寒くて1時間以上は居られない。
 スキー場の寒気と真夏の熱気を交互に浴びて体がびっくりしたのか、帰宅後軽く発熱。すぐ回復したけどね。
2003年7月28日
 勝負の時がやってきた。誰との勝負かって?大家との勝負である。このアパートに入って今月でちょうど1年になる。そう、1年前、大家から家賃(700元)と保証金(700元)の支払いを求められたとき、確認したのだ。「1年以内に引っ越した場合には保証金の返却はなし。1年以上滞在した場合には返却」と。
 だから、今月分の家賃は保証金分と相殺だ。そう心に決めて、保証金分の領収書を肌身離さず持ち歩いていたのだ。もちろん、今月分の家賃の領収書と交換するためだ。いつもは進んで支払いにいく優良店子の私も、今月はじっと待ちの一手。何しろ、契約書も交わしていないのだ。わずか700元のために、出て行く出て行かないで紛糾するほどの話はできない。じっくり説得を試みるしかない。大家だって、わずか700元のことで優良店子を失いたくはないだろう。
 そして、とうとう大家が現れた。「家賃を払ってくれ」とのことである。一年前のことなどすっかり忘れている様子だ。そこでまず事実の確認に入る。「一年前に保証金として、700元を払ったのを覚えているか?」と問うと、「覚えている」と素直な回答がきた。これは幸先がいい。「一年経ったから、その保証金は返してもらえるよね」と単刀直入に要求を切り出した。
 大家は、「引っ越すのか?」と少しがっかりした様子。
 「いや、引っ越すんじゃない。一年経ったら返してくれるという約束をしたから、返して欲しいのだ」と繰り返した。
 すると、「保証金は引っ越すときに返すものだ。今返してしまうと、きみが突然出て行ってしまったら、私は家賃をもらい損ねるじゃないか」と反撃に出てきた。もっともだ。だが、「家賃は毎月前払いだ。もらい損ねることはない」と粘った。「えっ、前払いなのか?」と大家。
 (なんだ、他の店子は後払いか。最近、住人が増えたのは条件が甘くなったからか)と思いつつも、「そうだよ、前払いだ。だから心配ないだろ」と目的に向かってひた走る。大家はなおも「しかし、月末ぎりぎりでいなくなられたら・・・」などと口走っているが、すでに声に力がない。もうひと押しだ。
 「問題は貴方が私に『一年経ったら保証金を返す』と約束したということだ。これを破ったら信用がなくなってしまう。私はこれまで毎月きちんと家賃を払ってきたし、これからもずっとここに住むつもりだ。それなのにこんなことで信用がなくなってしまったら、非常に残念だ。そう思わないか?」
 「それはそうだ。(しかし、そんなに保証金にこだわるなんて、)もしかして、すぐに引っ越すつもりなんじゃないか?」
 「それはないよ。私はここがすごく気に入っている。買い物にも便利だし、安全だからね。ここらでは、こんなにいいアパートはないよ。それに家賃も前払いなんだから、万一のことがあっても大家さんも損することはないでしょ。ほら、ここに保証金を払ったときに貴方が書いた領収書がある。これを今月の家賃の領収書と交換しよう」と保証金の領収書を押し付けた。大家はしばし考え込んだ後、ようやく思い切って家賃の領収書をこちらに寄越した。「これで問題解決だね。これからもよろしく!」と明るく分かれた。

 引っ越すときには返してもらえるのだから得したとはいえない。でも、引っ越すときになって保証金を取り返すのはきっと一苦労なことだろう。やはり、先にもらっておくに越したことはない。

*注)後日、中国人の友人にこのことを話したところ、保証金は引っ越すときに返却してもらうのが一般的で、この場合私のほうが間違っているのだそうだ。つまり、一年前に大家が私に約束したのは、一年以内に引越しをした場合には保証金を返さない、一年以上住んでいた場合には(引越し時に)保証金を返すということだったのだ。大家は私が外国人で支払いがいいから、妥協をしてくれたのだろう。
2003年7月31日
 本日、再びYahooに登録されているのを発見!相変わらずページ検索に引っかかるのみだが。

 昨日、今日と連続して新しくオープンした喫茶店「休暇小駅(easyway)」で食事をしている。台湾系のチェーン店で、深セン市内ではときどき見かけるが、こんな近くにオープンしてくれるとは思わなかった。調べてみると、中国総本部は東莞厚街鎮にあるらしい。それなら納得がいく。店内の雰囲気が明るくて、「名典」、「上島」といった珈琲主体の喫茶店とはまた違った感じである。「名典」や「上島」が疲れた大人の休憩所なら、「休暇小駅」は元気な若者の溜まり場といった雰囲気だ。メニューも珈琲系の喫茶店と少し異なり、ドリアがおいてあったりするのが嬉しい。中華系の料理もあって、喫茶店には珍しく「四川涼面」を食べることができた。唇にピリピリくる本格派である。食欲のないときにはもってこいだ。お勧めメニューである。