2004年2月(day010)

2004年2月(day010)


2004年2月1日
 とうとう「華南の靴」もドメイン名を収得致しました。実は、写真が多すぎて、今のサーバーでは今月予定している「福建の旅」を載せきれそうもないということから、サーバーの引越しを進めました。一緒に、前からやってみたかったドメイン名の収得も決めた次第です。アドレスはアップロードが済み次第ご連絡いたします。一部、手で修正をかけなければならない場所があるので、1-3週間後になると思います。今後とも、「華南の靴」をよろしくお願い申し上げます。
 本日、福州行きのエア・チケットを入手。2割引で630RMB。来週後半に出発して一週間かけて、福州、泉州、アモイと下ってくる予定です。
2004年2月6日
 明日、福州に向かって出発だ。今回の旅行に行く前に恵州市・河源市の旅行記録を書き終えてしまおうと連日頑張ったが、結局最後まで行き着くことができなかった。残念。帰ってきてから、福建省の旅行記録と同時に書き進めるしかなさそうだ。もっとも、今回の旅行が終わってしまえば、夏までは長期の休みはとれない。ノンビリいけばいいかな。でも、福建ってどんなところだろう。わくわくするなぁ。
2004年2月14日
 本日、アパートへ帰着した。福州、泉州、アモイの旅を終え、ようやくアモイ空港へたどり着いたと思ったら、最後の最後に予想外の出来事が発生(内容は「福建の旅」に記載致します)。危ういところで切り抜けて、無事、深センまで戻ってくることができた。「福建の旅」を少しずつ書き始めますので、お時間のある方はご覧になってみてください。

 また、「華南の靴」のアドレスを正式に  http://www.ckanan.com/  へ移動しました。今後とも「華南の靴」をよろしくお願い致します。
2004年2月22日
-電話代削減への道-<2>
これは、-電話代削減への道-<1>の続きです。

 分社の設立に伴って、現工場と分社を結ぶコンピュータ回線が必要となった。そのため、ネットワーク業者と交渉を始めていたところ、別の問題が耳に入ってきた。分社の外線電話敷設工事が3,4ヶ月は遅れそうだというのである。

 分社に移設される部門の中には購買部もあるから、電話がなくては話にならない。電話だけなら携帯電話を使いまわすという荒業も不可能ではないが、FAXは携帯電話では代替できない。そうなると、分社の稼動日程が大幅に遅れることになる。これは大変だ。

 全体の日程が遅れるということは、コンピュータ回線敷設工事の日程は逆に余裕がでる。つまり、電話会社やネットワーク業者の選択に関して、さらに入念に検討できるということだ。当然、回線利用料の交渉も有利に進められる。こうして、新たな事態に対応した指示をスタッフに出し始めたところ、部下のS君が「コンピュータ回線を介して、現工場の電話回線を分社で利用できるようにすればいいじゃないですか」と意見を出してきた。「そんなことができるのか?」と尋ねると、「簡単ですよ」という。

 簡単かどうかはともかくとして、可能性があるなら検討してみなければならない。S君と詳細を話合い、同時にネットワーク業者にも問い合わせをする。結果として、実行する価値は十分あるとの判断に至った。そこで上司に報告をすると、やってみてくれとの指示が出た。本来、電話は隣の行政部の管轄範囲であったが、今回のプランに限ってはコンピュータの知識が欠かせない。こうして、電話が電脳部の管轄となる第一歩が踏み出された。

2004年3月14日
 昨日は携帯電話を購入しに香港へ出かけた。今年1月に購入した「Philips530」がフリーズ多発で使用に耐えなくなったためだ。フリーズの主な原因はサードパーティ製の電池に起因するようだが、Philips製の電池のときもしばしばフリーズする。いくら遊び心に溢れた楽しい携帯電話であっても、もはや我慢できない。新しい携帯電話の購入に踏み切ることにした。

 購入場所に関してだが、これまで近所のデパートで購入した「NEC N8」と「Philips530」はともに機械的なトラブルが発生した。一方、一番最初に香港で購入したPanasonic製の携帯電話は3年以上、ずっと良好な状態で利用できた。やはり香港で買った方が無難だろう。そう考えて香港まで出向くことになったのだ。

 問題は携帯電話をどこのメーカーにするかだ。候補としてあがったのは、「NEC」、「Panasonic」、「SonyEricsson」、「Nokia」の4つ。「Nokia」はデザインの古臭さから却下。安定性はおそらく一番だろうが。「SonyEricsson」はデザインでは一押しだったけれども、会社の同僚のアドバイスがあって却下。
 残るは「NEC」と「Panasonic」だ。以前に購入した「NEC N8」では液晶画面に粉上の模様が一部出るという不具合が生じたものの、その他は非常に満足のいく性能であった。ただ、現時点でも、「NEC」の携帯電話は2800HKドル以上の高価格機種しかない。一方、「Panasonic」製はラインアップが豊富だ。ただ、デザイン的に若干古臭い感じがする。
 悩みに悩んだが、最後は感覚。値段と性能から、「Panasonic X66」を2200HKドルちょっとで購入することに決めた。使い心地は今のところ、まずまず。心配なのは、この製品が発売されたばかりの新型だということ。おかげで予備の電池すら販売されていなかった。この携帯電話に関する評価は、後日改めて書かせて頂きます。

それでは、また。 
2004年3月18日
-電話代削減への道-<3>
 コンピュータ回線で電話通信を行う。私にとっては初めての話であったが、実際にはこの技術はすでに一定の歴史をもつものであったらしく、設備の導入までは順調に進んだ。ところが、ここで問題が発生。

 もともと、公道を横切るコンピュータ回線は電話会社の守備範囲。ネットワーク業者はその両端に通信設備を配置し調整するのみである。しかし、別々に契約すると、トラブル発生時に両者が問題を押し付け合い、解決が遅れる可能性がある。そう考えて、今回はネットワーク業者に両方とも発注し、ネットワーク業者から電話会社にコンピュータ回線の手配を申請してもらうことにした。それが裏目に出たのだ。

 ネットワーク業者との契約を済ませると、当然、ネットワーク業者は電話会社に申請を出した。この申請をみて電話会社が激怒。自分たちの商売をネットワーク業者に横取りされたと受け取ったのだ。会社まで乗り込んできて、コンピュータ回線を使用したいのならネットワーク業者を通さず直接申請して欲しいと要請してきた。

 今ごろ言われても、ネットワーク業者との契約はすでに済ませてしまっている。トラブル発生時の対応を考慮してのことだと丁寧に説明するが、電話会社は頑として聞き入れない。ネットワーク業者との契約を解消して、改めて電話会社と契約すればいいとわがままなことを言う。直接申請してくれれば工事を優先的に進めることもできる、そんな甘い誘い(と脅し?)つきだ。コンピュータ回線の敷設は緊急用件、中国だから契約キャンセルもありかと思わないでもない。しかし、ここで譲ってしまうと、契約キャンセルと脅しに屈服という二つの原則外れを同時に行ってしまうことになる。
 バランス感覚の優れた人ならば、その程度の原則外れは何ともないかもしれないが、私はどちらかというと愚直な方だ。そんな事をしてしまったら、今後の方針を立てるのが非常に困難になってしまう。そこで、日を改めて結論を出すことにした。
2004年3月24日
-電話代削減への道-<4>
 ネットワーク業者との契約をキャンセルして、我々と直接契約をしなさい。電話会社からの無茶苦茶な要請に頭を抱える私。何はともあれ上司に判断を仰ぐ。幸い、上司は私の判断を支持してくれた。そこで、電話会社からの要請は丁寧にお断りすることになった。

 あとは、ネットワーク業者から電話会社に話をつけてもらうしかない。もともと、力のない業者ではない。電話会社「F」のコンピュータ回線指定代理店として、深セン特別区内では名の通った業者なのだ。だからこそ、今回の工事手配を依頼したとも言える。読みを誤ったのは、私の勤めている工場が特別区外であり、法治よりも人治が強いという点を甘く見ていたためである。
 特別区内であれば、代理店がとった仕事を電話会社本体が奪い返すなどということはありえない。そのために、代理店と電話会社の間で正式な契約も結ばれている。電話会社には「J」という系列もあるので、電話会社「F」は代理店と共同戦線を張って電話会社「J」の系列に対抗しなければならないからだ。
 この契約は深セン全体の電話会社「F」系列と代理店との間で結ばれるものだ。当然のことながら、特別区内であろうが、特別区外であろうが法的には有効である。

 ところが、抱えている状況が特別区内と特別区外では違った。特別区内では、電話会社「F」系列と「J」系列の競争が激化し、電話会社と代理店の関係が密になっていたが、特別区外では「J」系列の電話会社の力が弱く、「F系列」の電話会社がマーケットをほぼ独占していたのだ。したがって、代理店は必要とされておらず、横から利益をかっさらっていく商売がたきでしかない。特別区内で交わされた契約など知ったことではないというわけだ。(*注)

*注)現在では特別区外でも「J」系列の力が強化され、「F」系列との競争が始まった。それにともなって、代理店との関係も正常化されている。
2004年3月28日
-電話代削減への道-<5>
 電話会社Fからのアプローチを伝えると、ネットワーク業者は自身満々に「大丈夫。心配するな」と答えてくれた。これでひと安心だ、と胸をなでおろす。ところが、数日後、ネットワーク業者から「交渉がうまくいかない。少し工事が遅れるらしい」と連絡があった。
 「一体どれぐらい遅れるのだ」と問いただすと、「契約で定められた期間のぎりぎりいっぱいまでかかる」との事である。「契約で定められた期間」とは○ヶ月以内である。当初の予定より遅いが、分社側に単独で外線を引いた場合よりは早い(*注)。とにかく、「できる限り早く工事を終えるようにしてくれ」という以外にない。

 *注)この時点では分社単独の外線申請とコンピュータ回線の申請は同時並行に行われている。どちらか一方が開通すれば、分社の稼動を始められるという状態となっていた。

 その後、この問題は、こじれにこじれて工事はさらに遅れた。幸い(?)、分社単独の外線工事も同じ割合で遅れたため、コンピュータ回線による電話通信のほうが一歩先んじて開通し、「やらないほうが良かった」という結果にはならなかった。しかし、電話会社「F」の脅威は私の胸に深く刻まれることになったのだ。

  こうして、コンピュータ回線による電話通信が開通した頃には、私は社内の電話通信システムや電話会社のサービス内容にすっかり詳しくなっていた。それから社内の電話システムが電脳部の業務範囲に組み込まれるまでには、たいして日を要しなかった。