2007年6月-7月(day036)

2007年6月-7月(day036)


2007年6月2日
 連日、暑い日が続いている。時々スコールが降るが、暑さを和らげるほど続かない。現在、部屋の中は31度弱、76%RH。暑い・・・が、慣れれば頑張れるものだ。Zが何度か、「クーラーつけないと暑いはね」と遠回しに訴えにくるが、「頑張れ」と激励して追い返している。私自身、どこまでクーラーなしで耐えられるかわからない。6月いっぱいぐらい持てば、いいところだろうか。夏の間ずっとクーラーなしで過ごせれば、新記録になるのだが、さすがに難しいだろうな。

 さて、クーラは使っていないが、扇風機は三つある。一つは机の棚に取り付けてある小型扇風機、もう一つは置き型の小型扇風機、そして、リビング用の背の高い扇風機である。最後の背の高い扇風機だが、昨年購入したものが倒れて壊れたために、今年買い換えたばかりだ。これがとんだ不良品だった。最大風速にしても50センチ先ほどまでしか風が吹かない。羽はブルンブルンと勢いよく回るのだが、なぜか、風が弱い。本来だったら、お店に行って交換をしてもらいにいくべきところだろうが、組み立て式の扇風機なので、お店まで持って行くのがかなり面倒くさい。200RMB弱しかしなかったから、不良品をお店にもっていって、交換してもらって帰ってくるだけで労力とメリットが相殺されてしまう気がする。そんなこんなで、そのまま使い続けている。手早く修理する方法があれば良いのだが・・・。

 ローカボ(低炭水化物)ダイエットは無事続いている。本日の早朝には三キロ減を記録した。しかし、現在計ってみると、三キロもとに戻っている。あれっ?・・・。まぁ、続けて頑張るしかないだろう。今朝、運動をさぼったのが祟ったのかな。明日は頑張って、運動するとしよう。

 グッピーたちは、若干危ない状況が続いている。先週の水換えで2匹昇天したのに続き、今週も3匹昇天してしまった。水を換えている間に金魚鉢にうつってもらっているだけで、2匹も昇天してしまうのだから、手のうちようがない(もちろん、水は水槽のもの移してやっている)。現在、親グッピーが7匹、幼グッピーが21匹というところだ。このままでは世代交代を終えた頃には、合計でもとの20匹ぐらいかそれ以下の数に減ってしまっていそうだ。ここらで大量出産が起こって欲しいところだ。
2007年6月4日
  グッピーたちの前に不吉な暗雲が立ちこめている。いや、もはや嵐の前触れを示すように樹々のざわめきが始まっていると言って良い。一匹、一匹と出産が期待されているお腹の大きな雌グッピーたちが、昇天していっている。他の親グッピーたちも動きが鈍い・・・。明らかに病が流行し始めているようだ。長い間、病など起こったことがなかったのに・・・。一体どこからやってきたのか?
 全ての器具を熱湯消毒するのが良いのだが、現在、どのグッピーがすでに病にかかっているのかの判別ができない。せっかく消毒しても、再び感染すれば同じことだ。しかも、水を全て入れ替えるというリスクもある。PHショックで何匹もやられるのは間違いない。どうしたものか・・・。やはり、無難なところで薬剤治療で済ませておくしかないか。しかし、この曖昧な手が手遅れを招くということもあるからなぁ。・・・。いや、とりあえず薬と塩で様子をみよう。

 本日、ある日本人スタッフがインターネットTVの設置をすることになり、その場に立ち会った。日本のテレビ番組をデータとして(日本で)PCに落とし込み、それを中国のPCに転送、TVで鑑賞するという仕組みだ。ADSL回線の設置やらインターネットTVの申し込みやらとずっとサポートしてきたが、正直あまり期待していなかった。何しろ中国のADSLは恐ろしく遅い。とてもTVの速度についていけるとは思えない。「あまり期待しないほうがいいですよ」と本人には何度も警告してきたものの、それでも失敗に終われば気持ちのいいものではない。
 しかし、その心配は全く的外れなものだった。日本の放送がはっきり映った。たしかにDVDの画質と比べると劣るが、昔のVCDのレベルには確実に達していそうな画像だった。本人も大喜びで、私も嬉しかった。料金は毎月500HK$前後で、数コースある。安いのはBSのみで、高いのはBSプラスWOWWOW、スターチャンネル、そして夏からは地上波も見れるらしい。まさに「日本」だ。これは日本人の間で伸びていくサービスだよなぁ。(ただし、画像が一回り小さくなるので、30インチぐらいテレビでみたほうがより楽しめると思う)。

 そうそう、もう一つご報告があった。クーラー未使用生活は6月3日にて終了となった。「6月いっぱいぐらいまで持てば・・・」と期待していたのに、次の日に破綻するとは・・・。
2007年6月9日
 Shade。飲水器。大きな部品のモデリングはほぼ終了した。途中なんどか手を抜いて、分割で作るべきところを一体で成形したので、これから分割作業に入らなければならない。そうしないと、表面素材が同じになってしまうからだ。その他、ネジやら何やらもつけなくてはいけない。かなり面倒だ。

 

 グッピーたちの不調は続いている。薬と塩が効いたのか、親グッピーの昇天は止まったが、今日は幼グッピーが一匹昇天してしまった。じり貧状態である。困った。

2007年6月18日
 先日、中国関連のブログを読んで、深センに日本書籍センターがオープンしていることを知った。当初「東門」近くにオープンしたが、最近「車公廟」というところに移転したとのことだった。東門なら頻繁に行く機会があるが、「車公廟」となると羅湖までバスで行った後、地下鉄で10駅ぐらい戻ってこなければならず甚だ効率が悪い。そうは言っても、一度足を運んでみるのも悪くない。そこで、16日に「車公廟」まで足を伸ばしてみた。地下鉄「車公廟」駅で下車して、何度もお店に電話を入れて道を尋ねた。10数分かけてようやく到着。海松ビルの22階。あちこちのブログで紹介してあった通り、非常に狭い。だいたい8-10畳ぐらいの部屋に本が並んでいる。日本では、こんな小さな本屋は見たことがない。数年前に、東門の本屋の一角に日本書籍コーナーが設けられたことがあったが、それよりも書籍の数が少ない。想像していた事とはいえ、がっかり・・・。ただ一つの良い点は、部屋が綺麗で、クーラも効いていること。ただ、最近では東門にも綺麗な(中国書籍の)本屋があるし、綺麗なだけではインパクトが薄い。せっかく来たので数冊買ったが、この後半年は来ることがないだろう。せめて東門にあれば、(希望の本があるという)わずかな期待をかけて頻繁に足を運ぶということもありえたのだがなぁ。なんで、こんなところに引っ越したのだろう。日系企業が多いからかな?でも、この辺りの日系企業の社員というと、香港との行き来が多いだろうから、敢えて(値段の高い)深センで買う必要もないのではなかろうか?

 17日、圧力鍋と大豆とタッパを購入した。ある貴重な食料を作るためにである。それは納豆!先週、ネットサーフィンをしている時に、ふと目にとまった「納豆の作り方」・・・・。読んでみると、結構簡単に作れそうだ。あちこちのホームページを読んで情報収集。作り方の要点は以下の通りだ。

1)大豆を一晩水に漬ける。

2)圧力鍋で十数分煮る。もしくは蒸す。

3)鍋から出したら、あつあつのうちに市販納豆を混ぜて、納豆菌を広げる。(雑菌が入るのを避けるため、あつあつのうちにやるのがコツ)。

4)タッパや紙コップ等に浅く入れ、30度ー40度ぐらいの場所に一日寝かせておく。

5)大豆が菌糸が白く覆われたらできあがり。うまみを増すために、2,3日冷蔵庫に置いておくのが良い。

うーん、これならなんとか作れる(読者の皆さんが本当に作る場合には、「納豆の作り方」で検索をかけて、詳しく紹介しているホームページを参考にしてください)。やってみよう。それで、圧力鍋と大豆とタッパを購入した。煮終わった大豆を入れるステンレスのザルを買うのを忘れたので、今週中に手に入れ、週末には納豆作りにトライする予定である。結果の報告をお楽しみあれ! 

2007年6月20日
   先日の休み、いつもより少し多めに水換えを行った。結果として、水質が安定したのか、グッピーの昇天は止まった。UV殺菌灯を止めたのも良い影響を与えたようにみえる(つけるのを忘れただけなのだが・・・)。しかし、グッピーはすでに全体で20数匹しか残っていない。100匹軍団をつくるはずだったのに、元の木阿弥だ。親の雌たちは、皆稚魚詰まりの様相を見せていて、子供を産んでくれそうもない。そうなると、幼グッピーたちが成人するまでは出産の希望もないわけだ。ああ、また薄氷を踏む思いで幼グッピーたちを育て続ける日々が続くのか。楽しいけど、辛いなぁ。たまには楽をさせてくれよ、グッピーたち。

 Zの日本語学習。現在、第13課までの暗誦が終了している。予定よりだいぶ遅れている。そこで、少しカツ(賞金)を入れた。これで相当やる気になったはずだ。年末までに40数課ある中級上下巻を全て終える。これが目標だ。夢?

 今月の初め、クーラーなし宣言をしたものの、わずか一日にて挫折・・・。しかし、その後、風邪をひいたためにクーラーを止めて生活をしていたら、そのままクーラーなしで暮らせるようになった。結局、クーラーを使ったのはわずか二日だけだった。そこで、再び、クーラーなし宣言を出そう。連日、30度ラインだが、湿度さえ高くなければ私は苦痛ではない。しかし、Zが昨日辺りから、「暑いわねぇ」とアピールしてくるようになった。またもや、クーラーなし宣言は一日で終わりか?
2007年6月23日
  「あー暑い、もう我慢できない。クーラーつけて」。Zのしつこい要求により、クーラーなし宣言は終了した。午前中は、「○○(私の名前)が我慢できるんだったら、私は永遠にだってクーラーなしで生きていけるわ」とか言ってたのになあ。まぁ、さすがに32度を超えるとキツイか。温度はともかく湿度が高いからなぁ。やむなくクーラーを始動!
 クーラーをつけると、温度はともかく湿度が面白いぐらい下がる。80%RHぐらいあったのが、瞬く間に50%RHに下がった。これぐらいの湿度だとずいぶんと快適だ。或いは、クーラーをやめて除湿器でも買ったほうが身体に良いのではないか。しかし、以前にクーラーの除湿器機能を使うと、クーラーのみよりも温度が下がると聞いたことがある。どうなのだろう?
 そこでインターネットで除湿器について調べてみると、クーラーの除湿機能といわゆる除湿器では違った効果が出るらしいのだ。一般の除湿器は単体型で排気が別になっていないため、使用すると後ろから温風が出て部屋の温度が高くなってしまうのだそうだ。つまり、部屋の温度を上げたくなければクーラーの除湿機能を使ったほうが良いということだ。クーラーの除湿器を使って温度が下がり過ぎるのも困るが、除湿で温度が上がってしまうのはもっと困る(30度からさらに上がってはいくら湿度が下がっても快適にはならないだろう)。素直にクーラーを使っていたほうが良いということか。
2007年7月1日
  7月だ。本格的な夏がやってきた。これまでも暑かったが、きっと一層暑くなるのだろう。今年は温度計と湿度計があるので、何度までいくか見届けるとしよう。だが、暑くなるとクーラーをつけるから、わからないか・・・。

 先日、MP4プレーヤーを購入した。中国でMP3やらMP4が普及してから長いことになるが、特に必要性がなかったので、これまでMPプレーヤーに触れたことがなかった。当然機能についてもよく知らない。しかし、最近ダイエットに力を入れているのでよくウォーキングをするようになり、その最中暇なので音楽が聴きたくなった。それでMP4プレーヤーを購入することにしたのだ。とりあえず買ってみなければわからないと近所のデパートでMP4プレーヤーを購入した。しかし、家に持ち帰ってみて箱にMP3をロゴが入っているのに気づいた。どうして?大きな液晶画面がついているのに・・・。お店で、動画が見られることも確認した。MP3とMP4の大きな違いは動画が見られるかどうかだったと思うがなぁ。でも、MP3でも動画が見られると聞いたことがあるような気もする。もしや、間違って買ってきてしまったのか?
 幸い、日本からの出張者でMPプレーヤーに詳しい人がいたので、いろいろ尋ねてみる。さらに、その人が新しいMP4プレーヤーを購入するのに同行した。私がデパートで購入したのより安い値段で、しかも高い機能がついたものだ。この鎮の秋葉原のようなところで購入したので、安いのは当然のことかもしれないが、箱にもきちんとMP4プレーヤーのロゴが入っている。なぜ私のはMP3のロゴなのだ。不満がつのった。そこで、次の日にデパートに行って、(やや強引に)返品を要求した。1時間近くかかったが、なんとか目的を達成した。そして、翌週、出張者の人たちが行ったのと同じ鎮の秋葉原へ行き、(多分)本当のMP4プレーヤーをゲットした。拡張記憶カード(恐らくMiniSDカード)を差し込む場所と大きめの液晶画面と200万画素の写真機能がついて450RMB。デパートで買ったものより、付属のイヤホンが良いためか、音も格段によい。頑張って返品して良かった。もっとも、本来の目的はウォーキングの最中に音楽を聴くことだから、MP3プレーヤーでも十分だった。かなりの無駄遣いだったか?ちょっぴり反省・・・。
 しかし、MP4の購入を私以上に喜んでいる人物がいた。Zである。いつもだったら、私がこういった電気製品を購入するとき猛反対をするZが今回は、一言も文句をいわない。デパートで買った360RMBのMPプレーヤーを返品し、さらに高いMPプレーヤーに換えたというのに、全く異論なし。おかしいな?と思っていた。購入後、数日奮闘して、なんとか音楽を入れるのに成功した後、理由が判明した。「ちょっと私にも貸して」と行ってリビングルームにMP4プレーヤーをもって行ったきり戻ってこない。「はて?」とリビングルームを覗いてみると、顔パックをしたZがソファでMP4プレーヤーを聞きながら涼んでいる。顔パックをしたままなので表情は見えないが、かなり満足そうだ。そう言えば、以前にMPプレーヤーが欲しいと言っていたことがあったっけ?だから、今回は文句が出なかったのか。まぁ、私はウォーキングの最中しか使わないし、二人で使えば合理的というものだ。

  久しぶりにShadeに手をつけた。とりあえず、ボトルの色塗りから。本体のほうは白で塗ったのだが、どういうわけかグレイになってしまう。さてどうしたものか。
 

 さて、一週間前にやった納豆作りだが、失敗に終わった。色が納豆色にならなかったからだ。
 今週、再びトライ。しかし、またもや色が変わらない。うーん、温度が足りないのかなぁと悩んでいると、Zが(勝手に)豆に指をつっこんで、「あっ、ネバネバしている。納豆臭い」といたずら顔で言った。実は、ねばねばしているだけなら、先週の時もねばねばはしていたのだ。しかし、納豆の作り方を説明しているホームぺージに、「ネバネバしているからと言って、うまくいったとは限らない」と書いてあったし、匂いも納豆のようではなかったから前回は失敗とみなした。
 今回のも私には納豆の匂いがするようには思えない。だが、鼻がきくZが納豆臭いというのなら、納豆の匂いがしているのに違いない。もしや、色がかわっていなくてもうまくいっているのか?と思い、もう一回、納豆の作り方を紹介しているホームページに目を通すと、「熟成後に色が変わる」と書いてあるではないか。ということは、うまくいっているのかもしれない。とりあえず冷蔵庫に入れて熟成させてみることにした。結果は後日ご報告します。

   そうそう、今週は深センのジャスコでZが「オクラ」を発見した。Zは1年ぐらい前に日本食屋でオクラを食べて以来、ジャスコに来る度にオクラを探していたのだ。その苦労がようやく報われた形だ(Z本人が食べたかったわけではなく、私が近所のスーパーに行くたびに、オクラがない、オクラがないと言っていたので、何とか手に入れてやろうと思ったらしい)。日本で食べていたオクラと若干種類が違うようだが、ジャスコで売っているのだから食べられるオクラに違いない(数ヶ月前にオクラと他の植物を間違えて毒に当たったという記事を読んだのでいささか心配ではある)。アパートに帰るとさっそく刻んで、醤油をかけて食べた。うん、オクラだ。しかし、ローカボ(低炭水化物)ダイエット中なので、ご飯と一緒に食べられないのが残念だ。しかたなく、マヨネーズを混ぜて食べた。うん、美味しい。「Zはどうやって食べるの?」と尋ねると、「豚肉と一緒に炒めて食べる」とのこと。なるほど、そういう食べ方もあるのか。10本ぐらい入って、3.8RMBと安かったから、これからはしょっちゅう食べられるぞ。

 ローカボダイエット。順調に継続中である。長い間、三キロ減をキープしたままで、「もしや、これ以上は減らないのでは?」と自信喪失気味であったが、先日、初めて4キロ減をマークした。5キロ減まであとわずかだ。

2007年7月8日
 昨日は、恒例のマカオ行き。 今回は、いつもWynnではなく、Sandsに行った。工事でバス乗り場に変更がありWynn行きのバスがどこから出ているかわからなかったからだ。結果だけ先に言うと、1500RMBのマイナス(交通費・食費込み)。二ヶ月に一回の遊興費とみなせば、そんなにひどくない。そもそも、昨年は毎回それぐらい負けていたし・・・。しかし、ここしばらく三回連続でプラスが続いたので、いささかショックだ。負け方も悪かった。初めは全く出ず、瞬く間に1500RMBを失った。そこから、徐々に挽回してプラス2500RMB近くになった。その時、午後3時半。ここで、もうちょっと遊ぼうと思ったのが運のつき。瞬く間にプラスが消え、マイナスのどん底へ。 熱くなると手が止らない。最後にプラスが出て、なんとかマイナス1500RMBでおさまったものの、そうでなければ昨年末と同様の大敗を喫するところだった。 フェリーの時間という制限がなければ、さらに負けが大きくなっていたことだろう。やれやれ。

  本日は、日曜だというのに、朝から夜の7時頃までずっと停電。家にいても、クーラもなく、コンピュータもできず、DVDも見られない。そこで、デパートやら喫茶店にいったが、同じく停電状態だった。発電機をまわして、灯りこそつけてあるものの、クーラーまでは十分に手が回らないらしく、空気が生暖かい。とても長居はできず、唯一クーラがまともに効いていた中華ファーストフード「真功夫」で昼食だけとって、アパートに戻ってきた。暑いなか、ふて寝をして夕方まで時間を過ごし、涼しくなってきた頃に夕食に出かけた。夕食から戻ってくると、停電は終了していた。ブーと妙な音がするので、音源をたどってみるとドライヤーがつけっぱなしになっていた。昼間シャワーを浴びた後、習慣でスイッチを入れたものの、使用できずそのまま放ったらしにしたあったようだ。危機一髪だった。次は気をつけよう。というか、この夏はもしや毎週停電?

 先日は、ミネラルウォーターでトラブルがあった。飲料水のトラブルは昨年の1月以来だ。こんな生活の基本的なところにトラブルが待ち受けているのが中国生活のややこしい一面だ。夏になったので、ミネラルウォーターを使って麦茶を作っているのだが、どうも味がおかしい?というところから始まった。最初は麦茶パックのせいかと考えていたが、水のままで飲んでも飲めない味(塩素がきつくて?)になってきた。これはいくらなんでも問題だ。
 昨年のトラブルの時は、業者が飲水器の汚れが原因だとか言い訳してきたので、ボトルを飲水器から外して直接コップに注いで飲んでみるが味がおかしいのに変わりはない。会社でも同じ「○生」を使っているので、出勤時に味を試してみるが、こちらは問題ない。何で?
 続く・・・。
2007年7月9日
  昨日の続き。
 「○生」はもともと日系の会社(会社としてはどうなのか知らないが・・・)。以前に中国の日本人向けフリーペーパーで経営方針等を語っていたのを読んだことがあった。ただ、徐々に中国人に経営を任せていくみたいなことを書いていたので、いささか心配だった。それでも、日本人向けの連絡先ぐらいはあるだろうと検索をかけまくった結果、なんとか見つかった。2005年以来更新されていないようだが、日本人向けのメールアドレスというのが記されていた。さっそく状況を知らせるメールを出した。すぐに返事がくることを期待したが、翌日になっても連絡がない。
 もう少し待ってみたかったが、飲み水が使えないのでは生活に関わる。やむなく、店舗(代理店)のクレーム対応電話番号に直接電話をした。すると、老板らしき男が出て「すぐに新しいボトルを配達させる」とのこと。ふむ、なかなか対応がいい。新しいボトルで問題がなければそれでいいか。

 ところが、しばらくしてやってきたのは店舗の番頭のような男。態度は丁寧だが、新しいボトルはもってきていない。「クレーム対応のスタッフ(多分老板)はすぐに交換のボトルを持ってくるって言っていたけど?」と私が問うと、「もちろん、水が問題なら取り替える。でも、飲水器が汚れているからということもあるから・・・」と答えた。「前にも、別のミネラルウォータで同じようなことがあったから、ボトルを飲水器から外して試してみたよ」と教えたが、納得しない様子だ。あくまで飲水器のせいにしたいようだ。
 「わかった。ボトルを飲水器から外して、お前も水を飲んでみろ。味が違うからすぐわかるよ」と言うと、なんと「俺は味がわからないから」と答えた。おい、おい、それじゃ話にならないだろ。運良く、重要なことを思い出した。「○生」のボトルには、偽物判別シールというのがついていて、そのシールをこすって出てくる番号で、偽物か本物かがわかるようになっているのだ。ただ、これまで気にしたことがなかったので、どこに貼ってあるか知らなかった。そのことを口にすると、番頭は、「確かについているよ」とボトルに近寄り、口元の横に張ってあるシールを示した。おおっ、こんなところに貼ってあったのか。それなら、話がはやい。
 番頭はシールを剥がして、スクラッチのコーティング部分をこすった。しかし、シールが湿っており、コーティングがとれたころには数字が読めなくなっていた。番頭はそれでも懸命に数字を読み上げ私に伝えた。その数字をインターネットの偽物判別ホームページに打ち込んだが、結果は「その番号は存在しません・・・」。番頭は首を振って、「うーん、数字がはっきり読めないからなぁ。ここ、2かもしれない」と言う。言われるままに3度数字を変更して試したが、全て「その番号は存在しません・・・」だった。こうなると、こちらが有利だ。「とにかく新しいボトルをもってきてよ。そのボトルについている偽物判別シールの番号があっているかどうかをみてみよう」と宣言した。
 番頭も、やむなく同意し、電話をし新しいボトルを持ってくるようにスタッフに伝えた。もうこれで俺(番頭)の出る幕はなくなったと考えたのか、番頭は「俺は帰る。飲水器を洗うように指示しておいたから、洗ってもらってから新しいボトルを試してくれ」と言い出した。いやいや、ちょっと待て。そいつが金をくれとか言い出したらやっかいだ。ただのスタッフじゃ話が通じない。「飲水器を洗うのはいいけど、それで飲水器が壊れたら弁償してもらうからな。前も同じような問題があって、その時飲水器を壊されたんだ。いっとくけど、うちの飲水器は700RMBするちょっと高い製品だからね」と切り返した。すると、番頭は困った顔した。
 「とにかく、(番頭さんも)残っていてもらわなきゃ困るよ」と畳みかける。すると、「俺もいろいろ忙しいんだよ」と説明し出した。「こんな夜遅くに何が忙しいんだい」。「あちこちでトラブルがあってね。この時間は稼ぎ時でもあるんだよ」。(いやいや、どうみても遊び時という顔をしている)。「だいたいね。俺が電話したときには、きみのとこの老板(ボス)はすぐに換えのボトルを持ってくると言っていたんだよ」と突っ込んでやると、「いやもちろん、水の問題だとはっきりすれば、すぐに交換するよ」と慌てて説明した。もはや、帰れないと観念したらしく、「ほんとうに飲水器の問題のことが多いだよ」と再び粘った。「なるほど、新しいボトルが本物と判明すれば、あるいはその可能性もあるかもね。でも、俺はボトルから外して飲んだから、うちの場合は違うよ。それに、ボトルそのものは本物でも、生産会社のほうの管理が悪かった可能性もあるし、店舗で管理が悪くて日当たりに放置したままだったとかの可能性もある。そうだろう?」というと番頭はしぶしぶ頷いた。
 やがて、スタッフが新しいボトルをもってやってきた。偽物判別シールをこすって、数字チェック。半信半疑だったが、今度は「この商品は正規のものです」とちゃんと表示された。番頭も私もほっと一息。飲水器にのせる前に、水の味見をする。うん、新しいボトルのは十分飲める(品質に疑念がでていたので美味しいとまでは思わなかった)。古いボトルの水のほうは改めて口にしても、飲み下せる味ではない。番頭に、「お前も試せよ」と言うと、「俺は味がわからないから」と飲もうとしない。(おい、おい、この水大丈夫?)と心配が先に立ったが、今日できるのはここまでだろう。「どうする?飲水器の洗浄やるか」と促すと、「いや、いいよ。とにかくそのボトルを飲んでみてくれ」と言う。「壊したら弁償」というのが効いたようだ。「じゃあ、とにかく、その古いボトルのを持って帰って、検査してくれよ」と言って、その日は終わった。本当に本物なのかという疑念は残ったが、とにかく飲める味の水だから我慢するしかない。なんとかただで交換させたし、良しとしよう。他に良いミネラルウォーターと言ったら、ワトソンとなるし、2倍ぐらいの値段がする。しばらく様子を見るしかない。

 そして、本日、遅ればせながら「○生」のメールの宛先から電話がかかってきた(多分、日本人)。現場でボトルチェックをしたいとのこと。しかし、すでにボトルは交換済み。「次回問題があったら直接携帯に電話をかける」ということで話は終わった。 最後に、「店舗の人、ボトルの検査をしに、そちらに行くと言っていたけど、連絡はなかったですか?」と尋ねると、「ありました。ただ、店舗で直接交換してもらったと聞いたので、ローカルの方だと思いました。てっきりこちらとは別件だと・・・」とのこと。うーん、ほめ言葉・・・なわけないね。
2007年7月10日
中国発!ITコスト削減奮闘記 -始動!オープン・オフィス導入計画(1)-
 現在勤めている工場に入社し、電脳部を任されて5年の月日が経とうとしている。
 そこで、5周年記念というわけではないが、来期(2007年10月)から、「オープン・オフィス計画」を始動することにした。
 「オープン・オフィスって何?」とご質問の方のために、簡単に説明をすると、「オープン・オフィスとは、世界中の有志の開発者が協力して開発している、無償で提供されるビジネスソフト」ということになる。ビジネスソフトというと、マイクロソフトのMS-Office(注)が有名だが、「オープン・オフィス」はこれに対抗する数少ないソフトの一つである 。もちろん、現時点でMS-Officeの圧倒的優位は動かしがたい事実だ。(細かく言うと、オープン・オフィスにも有償バージョンとかがあるのだが、私がここで述べるオープン・オフィスは特に断らない限り、無償バージョンのことを指す )。

 オープンオフィスには、MS-OfficeのWord、Excel、ACCESS、PowerPointに相当するソフトが含まれている。Writer(ワープロ)、Calc(表計算)、Base(データベース)、Impress(発表)の4つがそれだ。その他に、Math(数式)、Draw(作図)がある。これらの高機能ビジネスソフトが全て「無償」使用できる。これがオープンオフィスを利用する最大のメリットだ。

 しかも、「操作が簡単」だ。操作の基本はマイクロソフトのMS-Officeとほとんど変わらない。MSーOfficeの各ソフトを使用したことがあるユーザならば誰でも、オープンオフィスのソフトも容易く習得できることになっている。私自身はまだWriterとCalcしか試していないが、ほとんど変わらないというのが実感だ(ただし、微妙な相違にイライラさせられることはある)。

 さらに、MS-Officeとの「互換性の高さ」も魅力だ。Writerで作成した文書をMS-Wordの形式で保存すれば、MS-Wordで読込み/編集できるし、MS-Wordで作成した文書をWriterで読込み/編集もできる。CalcとExcelの関係も同様である。(後に詳しく述べるが、互換性は完全ではない。例えば、Excelで作成したグラフをCalcで表示させると、グラフと文字が崩れたりする)。

 上記の三つがオープンオフィスを使用する主なメリットとなる。
   これらのメリットに対して、デメリットは何か。

 まず、メリットで述べた「互換性」が逆にデメリットにもなっている。「高い互換性」をもつのは事実だが、同時に「互換性が不完全である」のも事実だ。MS-Officeで作成した文書がまるまるそのまま再現されるわけではない。例えば、Excelで縮小印刷設定をし、一枚ちょうどの大きさに入るようになっていたものを、Calcで読み込み、そのまま印刷をかけると2枚になってしまうことがある。縮小度を再設定しなければならないのだ。全く別のソフトであると認識していれば、「当然のこと」と受け入れられることも、「互換性があるソフト」という認識で使用するとイライラのもとになる。
 MS-Officeとほとんど変わらず「操作が簡単」なのも、同時に「操作が完全に同じとは言えない」というデメリットとなる。オープンオフィスのソフトを使用してみるとすぐにわかるが、コマンドの位置が相当違う。その差はMS-Office2000とMS-Office2003の差よりも大きいのではないかと感じられた。私はExcelで作図をすることが多いのだが、同じことをCalcでやると、図形の移動時に微妙な位置操作ができずに困った。これは慣れの問題なのかもしれないが、そうした些細な違いが、またイライラをもらたすのだ。
 最後に、オープンオフィスは「無償」であるため、当然メーカーのサポートもない。私自身は、MS-Officeを使っていて電話サポートを受けたことなどないので、メーカーの直接のサポートがないというのは当初デメリットとは感じられなかった。しかし、マイクロソフトがホームページで提供しているPowerPoint用のテンプレートが使えないのは「相当に痛い」ことに気づいた。オープンオフィスでPowerPointに相当するImpressの機能は非常に高く、とても無料で提供されているソフトとは思えないほど高機能なのだが、無料で提供されているテンプレートが少ないので、手早く綺麗な発表用資料を作りたいと思うとき、「素材探し/作り」に無駄な時間がかかってしまうのだ。これも大きなデメリットだ。また、ほとんど無尽蔵に販売されているMS-Office用ガイドブックに比べて、オープンオフィス用のガイドブックは圧倒的に少ないのも、同様なデメリットと言えるだろう。

 上記がオープンオフィスを使用する上で、克服しなければならないデメリットである。
 難しいことを言うと、オープンオフィスはMS-Officeとの「完全な互換性」を目指して作られているソフトではないそうなので、互換性ばかり求めるのは間違いなのだ。しかし、社内で、MS-Officeに代えてオープンオフィスを推進しようとする私にとっては、互換性にまつわるトラブルは最大の障害と言えるだろう。特に、普及の初期の段階においては、「互換性」や「操作性」の相違に関する不便をいかに低減させられるかが、キーポイントとなるに違いない。(最終的には、「互換性」や「操作性」があまり問題にならないような社内環境を整えてやらなければならないとは考えるが、それはまた後の話だ)。

 以上で述べたようなオープンオフィスのメリットとデメリットを記し、社内の電子掲示板に載せた。また、今後はオープンオフィスの使用を促進していくことをほぼ全ての 職員に向けて、メールで発信した。電脳部のスタッフには、オープンオフィスの日常的な使用を義務づけた。今のところあまり大きな反響はない。多くの社員にとっては、一度きりの説明では何のことかわからないのが現実だろう。電脳部スタッフに関しては、(何でそんな面倒なことを始めるのか?)と心の中でちょっと(?)思っている ことだろうが、これまでも毎年様々な改革を進めてきたので、多分慣れっこになっている(と期待したい)。

 しばらくの間は、自分で徹底的に使ってみて、使用方法を習得するのが最大の目標である。

注)見分け易いように、「オープンオフィス」はカタカナで、マイクロソフトのMS-Officeは英字で表示します。

2007年7月12日
中国発!ITコスト削減奮闘記 -始動!オープン・オフィス導入計画(2)-
 日々、オープンオフィス漬けで過ごしている。と言っては大袈裟だが、要はファイルオープンのデフォルトプログラムをMS-Officeの各ソフトからオープン・オフィスの各ソフトへと変更してあるわけだ(オープンオフィスのインストール時にデフォルトプログラムの変更を決める選択があり、オープンオフィスの各ソフトを選択しておくと自動的に変更される)。必然的に過去MS-WordやらExcelでやら作った資料をWriterとExcelで開くことになる。
 現在までのところ、どこで苦労しているかというと、印刷面だ。前回、Excelの縮小印刷設定がCalcに正確に反映されないと書いた。それ以外に、印刷の設定の仕方が大きくことなるところがある。何も考えずにデフォルトの設定に対してOKをクリックしてしまうと、Excelで言うシートが全て印刷されてきてしまうのだ。私は、シート別に日ごとの報告書を書いているので、一つのExcelファイルの中に数十枚もシートがある。それらが、ちょっとしたミスで全部印刷されてきてしまうのだ。何か上手な回避方法があるとは思うが、当面は印刷をする度にどきどきものだ。
 PowerPointに相当するImpressにも印刷時の苦労がある。PowerPointの印刷では、配布資料の印刷設定に合わせて、印刷状態がコマ割(一枚の紙に何画面分印刷されるか)で表示されるようになっている。だが、Impressにはこれがない。その上、MS-Officeについている「?」オプションがないので、「?」をドラッグ&ドロップして個々のオプションの意味を知ることもできない。これには参った。こういった点は独自の社内マニュアルを作るしかないかもしれない。

 以上、簡単に現況を書いた。互換性や操作性に関しては、ひたすら使ってみて、経験値を蓄えていくしかない。次はそれをマニュアル化する。
 中国人スタッフは、文字の国の人たちだけあって、図解マニュアルを作るのが恐ろしく苦手だ。(中国の本屋にいってコンピュータ関係の書籍を手に取ってみるとわかるが、日本のようなステップ・バイ・ステップのようなガイドブックは非常に少ない。一冊でソフトの全ての機能を説明してしまおうという勢いで、文字が一杯に詰め込まれているのだ。最近は韓国のPCガイドブックの翻訳版が出ていて、それがやや日本のガイドブックに近い)。
 これまでも、社内で使用するコンピュータ関連のマニュアルの大部分は私自身が作ってきた。しかし、今回ばかりはそうはいかない。大量の図解マニュアルが必要になるのは間違いない。全部自分で作っていたら、いくら時間があっても足りない。なんとかスタッフたちの手で図解マニュアルが作れるようにしたいものだ(実は、昨年辺りから何度かトライしているのだが、彼らが作ってきたものを修正するように指示をすると、その度に「また~」という表情をみせるので、こちらも疲れてしまい、結局自分で作ったほうが楽だということになってしまった)。

 さて、こうした個別の職員向けの努力に加えて、全体の計画を練らなければならない。以前、高価なAUTOCADソフトの購入を避けるために、中国製の互換CADソフトを導入して、見事に失敗した経験がある。その時は一部門に対する適用だったが、今回は会社全体への計画だ。AUTOCADの時は、自分自身がCADソフトを使えないこともあって、問題点を十分に把握していなかった。今回は自分自身も電脳部スタッフも理解できる範囲のソフトだ。そういう意味ではずっとやりやすい。一方対象となる人数が多いという点では、負担がはるかに大きい。

 (1)社内のコンセンサスを得る。
 (2)電脳部員が使い方をマスターする。
 (3)マニュアルを作成する。
 (4)研修を行う。
 (5)テスト導入をする。
 (6)本格導入をする。

 以上のように、おおまかな計画を作ってみた。
 「(1)社内のコンセンサスを得る」に関しては、オープンオフィス導入の目的がコスト削減策なので、スタート時は大きな問題はない。ただ、使用者が増加するにつれて、不満を訴えるものが多くなると予想されるから、掲示板やメールを通じて、前もって予備情報を与えるようにしたい。職員たちが実際に手にするまでに、なんとなく手応えを与えておき、実際に使用するときになった時には十分な虎の巻が揃っているというのが望ましい。(2)、(3)は、その流れだ。
 「(4)研修を行う」が大きな要の一つだ。マニュアルは自学の助けになるものの、学習の保証とはならない。研修を通して、各スタッフの習熟度を保証しなければならない。それは、職員や各部門から絶え間なく上がる不満を一方的な流れにしないために、絶対に必要なことだ。問題は、研修を行う指導員になれる人間が、現在は一人もいないことだ。私も含めて電脳部全員が、本格的にオープンオフィスを使い始めたのはつい数日前のことだから当然のことだ。だが、とにかく研修を行えるほどまでに、電脳部スタッフの習熟度を高めなければならない。何しろ、電脳部のスタッフなので、やる気になってくれさえすれば、一般の職員よりも覚えははやいはずだ。だから、どうやってやる気を出させるかだけ・・・。
 (5)、(6)は最後の締めだ。

 さて、(1)から(6)まで、とりあえずフローはできたが、これだけでは、計画を成功に結びつけるのは難しいだろう。何よりも、個々の職員には「オープンオフィスを使う」動機がない。さらに、全職員がオープンオフィスを使い続ける仕組みがない。このままでは、オープンオフィス導入計画は離陸どころから、滑走路の隅に激突してあえなく終わり・・・ということになりかねない。
 動機付けと仕組み。この二点をクリアする方法を考え出すことが必須だ。

2007年7月15日
中国発!ITコスト削減奮闘記 -始動!オープン・オフィス導入計画(3)-
  マニュアルが必要だ。インターネットでOpenOfficeのマニュアル探しをしたが、どうもピンとくるのがない。その上、中国語版となると一層数が少ない。独自のものを作るしかないようだ。部下にやってもらうか、自分で作るか?部下にやってもらうと、自分が納得できるものができにくい。自分でやるか。しかし、今回は量が多い。全部自分でやっていては、最初はよくてもどこかでスピードに問題がでてくる可能性がある。それに、「マニュアル作り」は○○さん(私の名前)と一旦部下に認識されてしまうと、中途での変更は難しい。初期のうちから、 部下を関わらせておいたほうが良い。そう決断して、Writer、Calc、Impressの入門マニュアル作成を3人のスタッフに割り振った。期限は一週間。以前に作成したPowerPointのマニュアルをサンプルとして渡したが、どんなのを作ってくるだろうか。楽しみだ(怖い)。

 さて、電脳部スタッフは徐々に仕事を任せていくことで、テンションを高めていくことは可能だろう(多分・・・)。問題は、他部門のスタッフに対する動機付けだ。部内の5S活動のときもそうだったが、これを考えるのが難しい。
 毎度のことだが、最初に思いつくのは「特別手当」だ。MS-Officeからオープンオフィスへの乗り換えを完了したスタッフに「特別手当」を出すのだ。これは直接的な動機になる。MS-Officeの価格を仮に3万円(いろいろなバージョンがあるので単純ではないが)とする。三年間使用したとして、毎月800円の費用となる。オープンオフィスを使用してもらえば、この費用がゼロになるのだから、毎月400円を「特別手当」としても良いはずだ。(実際のところ、オープンオフィスの使用を工場全体に根付かせることができれば、効果はずっと続くのだから、当面は毎月800円を全て「特別手当」として支給しても見合うはずだ)。
 だが、問題がある。まず、現在では中国人スタッフの給与も決して低くない。毎月400円という金額がオープンオフィスを使用する十分な動機となるだろうか。スタッフの給与には差があるし、受け取り方もいろいろだろう。 つまり、効果が読めない。万一「特別手当」なんかいらないからMS-Officeを使わせてくれ、なんて言われたら目も当てられない。
 また、会社で行われている活動は5Sやら安全活動やらたくさんあるわけだから、その中で「オープンオフィスの導入」にだけ 特別手当を払うのはどうだろう。明らかにバランスを崩す原因となる。他の活動の推進部門から不満がでることは間違いない。5Sや安全活動でもお金は出ているが、あくまで奨励大会の1位-3位とか限られたスタッフに対して一時金として支払われているに過ぎないからだ。
 実験としては興味深いが、単純な「特別手当」をスタッフの動機付けにもちいるのは難しそうだ。 将来、MS-Windowsをやめて、Linuxに移行するときにはこんな直接的な手を打つのも面白いんじゃないかと思うけれども。

 そんなわけで、スタッフの動機付けには別の方法をとらなければならないが、そうそう巧い手があるものではない。
 
 とりあえず、第一案として、こんな方法を考えた。
 オープンオフィスの習熟度を三段階に分ける。「初級」、「中級」、「上級」でいいだろう。各々の段階で研修とテスト。そして、実務運用期間を設ける。さらに、各々の段階に「指導員」を導入するのだ。各クラス、指導員にはそれに応じた証明書を発行する。各部門のユーザの疑問はまず指導員が受け、処理しきれない場合は電脳部スタッフに伝える。こんな風にすれば、上を目指す面白さがあるし、一般の職員も興味をもって取り組めるのではないだろうか。ただし、この方法だと、やはり電脳部スタッフの習熟度が 重要な鍵になるし、後々も中心になって動いていかなければならない。そもそも、仕事のツールにすぎない統合ソフトにここまで大がかりな仕組みを作るべきなのかという疑問もある。
 
 それならば、第二案だ。
 オープンオフィスの基礎研修は、第一案と同様に行う。しかし、中級や上級の研修は行わない。代わりに、Q&Aの掲示板を作る。これには電脳部スタッフが対応し、最終的にマニュアルやTipsにまとめる。同時に、メーリングリストを発行し、ユーザー同士で情報の交換を行えるようにする。ここで思い出したが、中国の掲示板でユーザ同士が質疑応答をし、ポイントを積み重ねて自分のクラスを上げていく仕組みのものをみたことがある(日本にもあるのだろう か)。これと同じようなものを作ることが出来れば、お互いが自然に助け合うようになるのではないだろうか。面白みもあるし、良い感じだ。

   さて、次に仕組み作りだ。上に述べた動機付けの部分に長期的に続けていくための仕組みもすでに含まれている。というか、強い動機付けが与えられないので、仕組みでそれを補っている形だろう。しかし、それだけでは十分でない。もっと大きな枠組みが必要だ。その一つとして、「社内文書はオープンオフィスによる作成を標準とする」ということを考えた。
 オープンオフィスはMS-Officeと高い互換性をもっているが、これまで使用した実感としては80%というところだ(あくまで感覚)。オープンオフィスは日々改善されているそうなので、次のバージョンで互換性がさらに高まる可能性はある。だか、これに過度の期待はできない。オープンオフィスは互換性の完成度を最優先に目指して作られているソフトではないようだからだ。
 オープンオフィスを社内で普及させていく上で、「互換性」が常に焦点になるようだと、キツイ。そこで、社内における文書交換をオープンオフィスをメインにしてしまうことで、「互換性」の問題をクリアしたいと考えている。もちろん、過去に作成したデータとの「互換性」 は重要だが、これは時間の経過とともにクリアされていくはずだ。外部に出すデータに関しては、PDF形式を基本とする。それでは困ると言ってくるスタッフもいるだろうが、これは逆になぜそれでは困るのかを追求 してみようと思う。外部から受け取ったデータに関してはどうするか?初期は、各部門に数台のデータ変換用MS-Officeを残しておくのが無難な対応だろう。だが、これももう少し工夫を加えた対応を考えたい。

 以上、オープンオフィスを社内で推進していくための職員への動機付けと仕組み作りについて考えてみた。実際の運用までにはもっと 数多くのアイデアを出して煮詰めなければならない。まだまだ困難山積みの「オープンオフィス導入計画」である。
2007年7月16日
  久しぶりにShadeに挑戦。飲水器に色つけ。
 

 現状では、基本的な技術が不足していて、困るところがたくさんある。なかなか良い書籍もみつからない。とりあえず、写真の貼り付けの練習でもしてみようと、練習用カップを作成した。しかし、行き当たりばったりでやっても進歩がない。さて、どうしようか。(カップの内側を白にできない・・・)

2007年7月18日(朝)
 昨晩、ワンポイントで写真を貼り付けようとShadeと格闘したが、結局できなかった。代わりに、一昨日できなかった内側のホワイト化をやることにした。
 
2007年7月23日
  先週の土曜日は「梧桐山」へ登った。今年の5月1日に初挑戦をしたが、Zが途中でギブアップしたので頂上まで登ることができなかった。今回は、出張者のG部長とS所長と私とZで登ることになった。(「梧桐山」へは数ルートあり、5月1日に登ったのは上り4時間下り2時間と言われるコース。相当なスタミナを持つと思われる中国人社員も上りは4時間かかったというから、私の体力では6時間以上あるいは永遠にたどり着けないかも・・・というルートだ。今考えると、あの日Zがギブアップ宣言をしてくれて助かったのかもしれない)。
 当初の予定では5月1日と同じルートを辿る予定だったが、身の危険を感じた(?)G部長が経験者から「楽ちんルート」を聞き出しため、急遽そちらに変更となった。正直、私としては不満だった。だが、G部長もS所長も、休日を割いて付き合ってくださるわけだから、我が儘をいうわけにもいくまい。そう考えて、「楽ちんルート」に同意したのだった。G部長が手配をした車に乗って、「梧桐山」のふもとに到着。ここで朝食をとり、再び乗車。うねうねとまがる自動車道を車は走っていった(入場料5RMB)。すぐ先に駐車場があるという話だったので、三分の一かせいぜい半分ぐらいまで車で上がることになるのかと考えていたが、上れど上れど道は尽きない。遙か下に深センが一望できるようになってもまだ道が続いた。「これ、車で上がって正解だったね」と口にしたのはG部長だけではなく、私より若いS所長とZも同様だった。(私は実は、こんなところまで上ってきたら山登りじゃないと思っていた)。

 そして、ようやく駐車場に到着。7合目どころか、山頂も間近の場所だった。元気いっぱいに登り始めた一行。十分と経たないうちに、G部長のギブアップ宣言が出た (駐車場にいるときから宣言していたような気も・・・)。しかし、そんなに早くギブアップされては私がたまらない。S所長は休日に野球チームのコーチをしている根っからの野球好き。ボーリングも20ゲームはこなせる体力を維持している。S所長が先頭を走り、それに引きずられるようにして 私が続くという構図は避けたい。やはり、「頑張ってください。もう少しです」とG部長を励まし励まし登るのが理想的だ。さらに十数分間懸命になだめすかしながら進んだが、「先に行ってくれ。そうでないとギブアップしにくいから・・・」とG部長が 繰り返し訴えたため、とうとう置いていくことになった。

 一番避けたかったS所長との一騎打ち(Zは「先に行っていて、自分のペースで登るから」とのこと)。だが、ものの数分と経たず、S所長の姿は視界から山頂へと消えた。私はG部長と別れて十数分も経たないうちに、階段の傾斜のきつさと夏の日差しにやられてへとへと。数十段上がっては休憩を繰り返し、ようやく頂上付近の小さな広場に到着した。S所長はのんびりと石造りのベンチに腰を下ろしている。私はぜいぜいと息をつきながら、その横に座った。

 山頂はすぐ目と鼻の先だ。十メートルも登ればいい。「トイレがないかと探したんですけどね・・・」とつぶやくS所長。どうやら、まだ山頂には到達していないらしい。見回すと、十数メートルほど先にふもとが一望できる丘のようなところがある。「あっちにあるんじゃないですか?」と私はすかさず指さした。S所長は「そうですかね・・・」と言いながら、そちらへ歩き始めた。S所長を見送った私は、チャーンスと心の中で叫んだ。こう見えても私は結構な負けず嫌いなのだ。がくがくになっている両足を気力で引きづり、頂上を目指した。

 頂上到着!岩場だらけの何もない山頂だが、「本日の勝利者(!?)」は私である。結局、トイレが見つからず、しばらくして上がってきたS所長に、「先に山頂についたのは私ですよね」と勝利の確認。「はい、はい」と投げやりに同意をするS所長。「まっ、なんですね。ウサギとカメの童話を思い出しますね」と続ける私に、S所長は「わかった、わかった」と力なく答えるのだった。

 こうして、「梧桐山」への二度目の挑戦は終わった。今回の勝負は勝利で終わったものの、内容はあまりよろしくない。最近は絶やさず運動をしているのに、なんでスタミナが落ちているのだろう?まがりなりにも、武当山や武夷山にも登ったというのに、わずか1時間の上りにヘトヘトになってしまうとは・・・。考えてみれば、武当山も武夷山も登ったのは春節の寒い季節。やはり夏の山登り(*注)は二倍きついのだろうか。ともあれ、「楽ちんルート」でバテバテでは今後十年間の生活が心配だ。「4時間ルート」をすんなりこなせるぐらいまで身体を鍛え直さなければなるまいと決意した私だった。

 *注)「楽ちんコース」には樹があまりありませんが、4時間コースは樹で覆われていて、強い日差しが当たることはありません。途中までしか登っていませんが、綺麗な渓流もあり、お勧めのコースだと思います。