2007年11月-12月(day038)

2007年11月-12月(day038)


2007年11月4日
 昨日、深センの万象城にある映画館へ行った。20代の前半は映画好きの友人がいて、年に数度は映画を見に行っていた。しかし、その友人と連絡が途切れて以来、映画館へ行くことはなくなった。中国に来てからは一度も行ったことがなかった。暗闇の中に行くなんて危険なように思われたし、衛生的にもどうかなという感じがしたからだ。何より、以前はVCD、今はDVDで気軽に映画が見られるから、敢えて映画館に行く必要がなかったのだ。
 今回は「私たち一回も映画館に行ったことがないわね」というZの要望で、特に行くことになった。万象城の映画館は料金が高いと有名だったので、最初は東門の映画館に行った。行ってみると、どの映画も一人25RMBで料金はほどほどだったのだが、最新の映画がやっておらず、やはり万象城へ行くことになった。万象城の映画館はさすがに綺麗で、香港の映画館(の外観)とあまり変わらない感じだった。最新作「色戒」という映画を見ることに決め、チケットを購入した。全席指定席で、普通席が一人90RMB。20年ぐらい前の日本と同じぐらいの料金だろうか。改札があって、映画開始の10分ぐらい前にならないと中に入れない。ポップコーン売り場があったので、両手で抱えるタイプの大型カップ入りを一つ買った(22RMB)。
 時間が来るのを待って入場。全席SINOMAXというメーカのソファになっていて、座りごごちが良い。掃除もきちんとされているようで、清潔感があり安心して座れた。席の大きさは普通で、日本とあまり変わらない。スクリーンは小型だった。中国的な(?)大スクリーンを期待していたので、若干失望したが、清潔感の方が大事だから、まぁ、いいかというところ。中国だから特に騒がしいということはなく、観客も大人しく映画を見ていた。
 映画の内容だが、ちょっと抗日色だった。中国の大学の仲良しグループが疎開で香港の大学へ行き、休み中に、中国の漢奸の殺害を企んだが失敗した。主人公の女性は、その過程で無駄にバージンを失うことになった。数年後、彼女は上海で、仲間たちに出会う。彼女を除いた仲間たちは、抗日活動グループのプロになっていた。そこに彼女も参加することになり、香港で殺害に失敗した漢奸を再び狙うことになった。計画は順調に進み、漢奸の信頼を勝ち取ることができた。しかし、最後の土壇場になって、彼女は漢奸を逃がした。騙すつもりが、本当に愛してしまっていたのだ。結果として、彼女も仲間も捕まり、全員殺されることになったというストーリーだ。
 Zによると、中国版は香港版からカットされたり、修正がされたりしているそうだ。エロテッィクな7分のシーンがカットされ、漢奸を逃がすシーンでもセリフが若干変えられているとのことだった。何であのセリフだけで、逃げろということがわかるんだろう。さすが、情報機関の漢奸だと感心していたら、セリフが変えられていたのか・・・。もっとも、元のセリフでも、普通の人ではわかりにくいだろうが。
 ともあれ、久しぶりの映画館は新鮮で楽しかった。また機会があったら、行くとしよう。
2007年11月11日
 昨日は、恒例のマカオ行き。そして、恒例のごとく負けてきた。もはや語ることもない。負けの範囲が娯楽の範囲で収まったことだけが、唯一の救いだろう。今回は、忍者のスロットがあって、それが結構面白かった。他には特に目新しいものなし。一つだけ不思議な偶然があった。私のマカオ帰りのルートは、福永港→(無料バス)→深セン飛行場→(リムジンバス)→アパートのある街となっているのだが、帰りのフェリーで隣に座った客が全く同じルートで、最後の下車先まで一緒だった。私もびっくりしたが、相手もびっくりしていた様子だった。こんな偶然もあるのだ。きっと彼も負けたのだろうなぁ。

 石油価格高騰の影響が私にも及んできた。これまでずっと使ってきた四輪タクシーで、ずっと値上げをせずに10RMBでいてくれた運転手がとうとう値上げを持ち出してきた。他のタクシーはとっくに最低ラインが15RMBになっていたので、仕方がない。15RMBで了承することになった。それだけで終わらず、バイタクも、これまで5RMBで乗せてくれていた奴が、婉曲に値上げを持ち出してきた。これは断ったが、さて、どうなるか。さらに、今週あたりから、電気自転車タクシーも値上がり傾向にあるようだ。電気自転車はバイタクよりも格下ということで、最低ラインが2RMBぐらいだったのだが、今では4RMBぐらいになってしまっている。5RMBでないと受けてくれない運転手も多い。ガソリンと違って、電気代はまだ上がっていないのだが、全体的に物価高が進んでいるので、電気代が上がらずとも、料金が上がっていくのだろう。日本も含めて物価高騰は世界的な流れのようだから、当分変わらないのかもしれない。これから先どうなるのだろうかと、いささか不安だ。幸いなのは、家賃が上がらないこと。高級なマンションの家賃は上昇傾向にあるようだが、うちのような安アパートは、今のところ上がらないようだ。しかし、このまま物価上昇が続けばそれも怪しい。ああ、止まれ物価高!

 グッピーは現在、雄5匹、雌5匹の極めてバランスがとれた状態である。それに、5匹の幼グッピーがいる。この状態を保ち続けていれば、いずれ大量出産が始まるに違いない。頑張ってくれ、グッピーたち。ただ、不安要素がある。外部フィルターの部品の一部が壊れてしまったのだ。部品交換は難しそうだから、新しい外部フィルターを導入しなければならないことになるだろう。同じタイプのものは買いたくないから、別のフィルターになるだろうが、そうなると水の流量が変わってグッピーたちに影響を与える恐れがある。うーん、心配だ。

 ここ数週間、うちのアパートそばのメイン道路で工事が行われ、道路の中央に柵が立てられた。もともとこの辺りは皆が交通ルールを守らない。自家用車やバイクだけでなく、公共バスすら、ルール無視だ。特にひどいのが道路の逆走。空いているとみると、平気で対向車線に向かって突っ込んでいくのだ。これで事故が起こらないはずがない。事故が原因の渋滞が非常に多い。
 最近、国道と同じ向きの道路が整備され、どんどん拡張が進んでいるのだが、垂直に交わっている道路で事故が起こり渋滞が発生したために、せっかく流れがよくなった道路まで渋滞を起こしてしまうということが多かった。恐らく、それを防ぐための柵設置だろう。それは歓迎すべきことなのだが、これまで最短でデパートに行けた道が柵で封鎖され、横断歩道がなくなってしまったため、遠回りをしなくてはならなくなった。すごく不便だ。まぁ、事故に会うよりはいいか。
 しかし、本当に自動車が増えてきた。これまであった自転車道も廃止されて、自動車用になるようだし、ガソリン高は自動車の購買意欲に影響を与えないのだろうか。いや、ガソリン高による運賃の高騰が逆に自動車購買の意欲を高めているのかな。

2007年11月12日
 今日は嬉しいお知らせである。グッピーの出産が始まった。ああ、一昨日のマカオの敗戦は、今日の喜びをより深く味合うために存在したのかもしれない。会社から帰宅して、水槽を覗き込んで、すぐに気づいた。いるよ。小さな幼グッピーが。明らかに先々週の幼グッピーとは違う。出産だ~。とりあえず、視認できたのは三匹。あまり喜び過ぎてはいけないと、まずはシャワーを浴び、心を落ち着けた。それからZの作ってくれた夕食を食べることにした。
 現在は、水底にたっぷりと石を置いてあるから、幼グッピーが隠れる場所に事欠かない。逆に、すくい上げて、金魚鉢に移すのが大変なくらいだ。最近は気温が低いときが時々あるから、ヒーターの効いている水槽に入れておいたほうがよく育つかもしれない。そんなことを考えながら、食事をした。食事を終えて、改めて水槽を覗くと、小さなグッピーたちが5匹いることがわかった。あちこちの石の上で力なく横たわっている。これは、現在、出産中なのだろうか。あまりじっとみていると、出産が止まってしまうかもしれないと、一旦水槽から離れた。
 一時間ほどして再び水槽のそばへ。さあ、どうなっているか。じっくりと観察する。すると、水槽のそこでうろうろしている者たち以外に、水面近くでフラフラしている幼グッピーの一団がいることがわかった。数えてみると、五匹いる。それはそれは小さくて、限りなく透明である。よほど目をこらしてみないとわからない。(親グッピーに見つかって食べられるといけないので、水槽の電灯をつけることができない)。
 水槽の上部に5匹、下部に5匹。合計10匹が生まれていた。それに、生まれてすぐに石の中に隠れてしまう慎重な奴らもいるだろうから、実際には15匹はいるのではないか。いや、うまくいけば20匹いるかもしれない。うーん、期待が膨らむなぁ。このまま出産が続けば、明日には30匹も夢ではないに違いない。しかし、この子供たち、どこで孕まれたのだろう。うちの水槽に来てからだったらいいのになぁ。もともといたグッピーたちとの合いの子なら、血筋が受け継がれたことになる。新たに購入したグッピーたちとは微妙に形が違うから、大きくなってみればわかるはずだ。楽しみだ。この子たちは、なんとしても大事に育てなければ・・・。  
2007年11月16日
 ここしばらく、インターネットの調子が恐ろしく悪い。ホームページの閲覧をするのは問題ないのだが、アップロードがまともにできない。1ページアップロードするのがやっとだ。いつになったら、元の調子に戻るのだろう。ずっとこのままだったら、他の方法も考えなければならないところだ。そもそも原因はどこにあるのだろう。中国のインターネットは不可解な問題が発生しがちなのが難点だ。もっとも、私の場合、中国でインターネット時代を迎えているから、そんなにストレスはない。日本からこちらへ来た人は大変だろうなぁ。

 先日書いたが、私が住んでいるアパートのすぐそばの道の中央が白い鉄柵で仕切られた。隣の鎮でも同じような鉄柵をみかけたけれども、それは偶然だと思っていた。しかし、昨日の新聞に特別区外の別の地域の写真が写っており、同様な柵が設置されていることがわかった。深セン特別区外一帯に設置されて始めているのかもしれない。確かに道路を逆走する自動車やオートバイを防ぐのには役立っている。しかし、(歩行者は横断歩道を渡る習慣がないから)、身体の小さい女性や子供は柵の隙間を抜けて横断したりしているので、より危険になっている(新聞の写真も若い女性が柵の隙間を通り抜けているところを写していた)。老婆がいままで通りに道を渡ろうとして、中央まで行って柵があるのに気づき、やむなく柵に沿って横断歩道まで歩き続けたりしているのも何度か見かけた。
 物理的に交通を整理するだけではなく、交通ルールを守る意識付けをしなければ、問題の解決にならないように思う。政府がその費用を負担できないのなら、企業内でそれを進めても良いのではないか。交通ルールのような社会のルールを守るといったところから、ルール遵守の意識が育つのだから、企業内でそうした教育をもっと行っても良いだろうに。それが会社のルールを守ることにも繋がる だろうから。
 もっとも、そうした「ルール遵守を徹底的にやる」ことが社会利益に、強いては個人の利益にも繋がるといった考えは一般の中国人の間には馴染まないようだ。少し次元の異なる話だが、先日、会社の部下Kくんに、「中国の人は家で食事をするとき、皆が揃うまで待つといったことをあまりしないみたいだね」という話しをした。私とZの生活でも、Zは料理をしている時、いつも「先に食べてていいわよ」というし、子供のときも、先に料理に手をつけて怒られるということはなかったと聞いたからだ。「日本だと全員が食事の席につくまで皆手をつけないのが普通だし、子供の頃だと、厳しい家だと手を叩いてたしなめたりする家もあると思うよ」というと、「えっ、そんなに厳しいんですか」と驚いていた。「中国(の家)では先に食事をするのは全然問題ありませんよ」とのこと。この回答はZと同じだったので、特に違和感はなかった。恐らく、 特別な家庭でなければ(地方や民族にもよるだろうが)中国ではこうした考えが一般的なのだろう。
 驚いたのは、続いて彼が発言した内容だった。「でも、中国ではそんな風に育てられた子供は、愚図になってしまうんです」と言ったのだ。一瞬意味がわからず、「えっ?」と問い直した。「だってそうでしょう。そういう様に自然な欲求を抑えられて育てられると、駆け出したりしなければいけない時に、どうしても一歩遅れるでしょう。皆がわっと目的物に向かっているときに、出遅れたら競争に負けてしまいます。だから、あまり厳しく育てすぎると弊害があるんです」と続けた。それを聞いて、私の脳裏を過ぎったのは、中国で今もよく見かける我先にと列を作らずに乗り物に乗ろうとしたり、窓口などに押し寄せる人々の姿だった。思わず頷いてしまった。確かに、社会にこれほど激烈なサバイバル競争があるとすれば、聞き分けよく躾けられて育った子供では、他人に太刀打ちできなくなってしまうのかもしれない。
 恐らく私の表情が目に見えるほど変化していたのだろう。それに気づいたKくんは、「例外もありますよ。でも、たいていはそうなんです。それに確かに厳しい家庭があって、そういう家は上流の家庭で、私たちのような一般の子供たちと自分の子供たちが付き合うのを嫌がるんです。悪戯好きで言うことを聞かない子供になってしまうと思うようです。もちろん、私たちも彼らの家にいくのは嫌ですけどね」と締めくくった。
 あまりにも躾けが行き届いた子供には、生きていくために必要な競争力を失ってしまう。そうした考え方は理解するのが困難だったが、中国の社会にある様々な現象に思いを巡らすと、「確かにそうかもしれない」と納得せざるえない部分がある。同時に、こうした考えが深く根付いている社会で、ルール厳守を徹底させることの困難さに気づかされた。真っ向から対立する考え方のように思われたからだ。果たして解決策はあるのだろうか。
2007年11月17日
 本日、外部フィルター(二代目)を新しいものに代えた。最初は部品交換だけで済ませようと、外部フィルターを購入した店に行って部品だけ購入してきた。しかし、作業をしているうちに、今度は別の部品が壊れてしまった。もともと設計に無理があるのだろう。蓋の開け閉めをするときに、あちこちに負担がかかるため、プラスチックが痛んできていたのに違いない。それで、まるごと新しいものに交換することにしたのだ。先に買った部品は、幸い返品できた。
 今回購入した外部フィルターは、以前に使用していたAtmanというメーカのもの。本当は別のを試したかったのだが、他に良さそうなのが見当たらなかったので同じのにしたのだ。このフィルターはUV殺菌灯が内蔵されていない。もっともUV殺菌灯は水を綺麗にする反面、善玉バクテリアを殺してしまうとう弱点があるので、使用が難しかった。幼グッピーがフィルータに吸い込まれて生き残っている場合もあるので、フィルター内蔵のUV殺菌灯では幼グッピーがいるときオフにしておかなければならないという問題もあった。しかし、せっかく熱帯魚屋に足を運んだのだからと、ついでに単 体型のUV殺菌灯を購入しておいた。これはフィルターの内部ではなく、フィルターから出てきた水を処理するものなので、フィルターに吸い込まれた幼グッピーに影響を与える心配がないからだ。
 ただ、外部フィルターとしてみると、今回壊れたもの(二代目外部フィルター)の方が濾過力がはるかに高い。仕様をみても流量が倍近くあるし、タンクの大きさが違う。設置してみると、やはり水の透明度に大分差があることがわかった。ただ、二代目外部フィルターは、流量が高すぎるのではないかという疑いがあった。尾の大きい雄グッピーには負担が多すぎるのではないかという心配がずっとあったのだ。新しい、初代と同じ三代目フィルターは流量が少ない分、グッピーたちがリラックスして泳いでいるように見える。水の透明度の方は、UV殺菌灯を時々使うことで、フォローできるだろうからきっと今の状態の方がグッピーたちには良いに違いないと期待したい。
 グッピーは現在、成魚の雄が5匹、雌が4匹、少し大きめの幼グッピーが5匹、生まれたばかりの幼魚たちが20匹強といったところだ。昨晩の水換えを機に、小さな幼魚たちは金魚鉢に入れ替えた。もう少し大きくなるまで別にしておいた方が、食べられる心配が少なくなると思ったからだ。ただ、深センもだいぶ冷え込んできたから、ヒータのない金魚鉢で大丈夫かが心配だ。あまり寒いようだったら、やはり、水槽に入れてしまおう。今度こそ、100匹軍団を目指すぞ。頑張ってくれ、グッピーたち。
2007年11月22日
 先日、中国南方の大手中古マンション不動産会社が倒産した。経営難の中、社長が資金を持って逃亡したらしい。そのしばらく前から、中古マンションの販売員の苦境が騒がれ始めていたから、中古マンションの不動産会社はどこも苦しい状況なのに違いない。新聞では、これは単に最初の引き金に過ぎないのかもしれないと書かれていた。
 そして、昨日の新聞を読んでいたら、さらに衝撃的な記事が載っていた。マンションを買うと内装の費用をプレゼントというセールスがあり(中国では、一般的にマンションの販売時には内装がされておらず、購入者が自分で手配をする)、それに注目して書かれたものだ。このような記事は以前にもあり、最近、内装費用等を無料にすることで実質的な値下げが行われているといったものだが、今回は金額が10万元と大きかったので、話題になっているようだ。どうやら、ある業者のマンションが大幅に値段を引き下げて販売されたことにより、他の業者も対応した値引き活動をせざるえなくなって内装費用のプレゼントとなったようだ。ここでも、この件が引き金となって新築マンション価格の下げが始まるのではないかと書かれていた。
 本当にマンション価格が下がり始めるのだろうか。

 Zの日本語学習。先日、ようやく、中級(上巻)テキストの暗誦が終わった。最後の三課(18課、19課、20課)は一ヶ月に一課という超スロースペースになってしまい、Zの「もう私限界、無理・・・」という発言が飛び出る始末で、どうなることかとヒヤヒヤさせられた。これで、中級の上巻が終わったので、しばらくは復習を続けさせようと思う。中級は、最初はハイ・スペースで進んだので、復習よりも先へ進むのを重視して、一課につき一度しか暗誦が完了していないものもある(もしかしたら、それが後半の大幅ペースダウンを招いたのかもしれない)。そこで、最低各課10回の暗誦を終えるまでは、中級(下巻)は始めないことにしようと考えている。何とか次の春節ぐらいまでには復習を終え、春節後に中級(下巻)にとりかかりたいところだ。頑張れ、Z!
2007年11月25日
   マンション価格の変動が、連日紙面を賑わしている。深センの一部のマンション価格が下落を示している一方、上海などではマンションでは飽きたらず一戸建ての購入が流行しているそうだ。深センでも、優良業者の価格は変動せず、これまでマーケットの勢いに乗って品質の低いマンションを高い価格で提供していた業者の物件のみが下落をしていくという意見も紙面でみられた。上がるか下がるか?

 生活物価の上昇により、我が家の消費生活も変化を迫られている。最近、夜食や朝食で(使い捨て容器式)インスタント焼きそばを食べることがあるのだが、(使い捨て容器式)インスタントラーメンと違って(使い捨て容器式)インスタント焼きそばは、一緒に付いてくる容器の意義が少ない。本当にお湯が入っているのは出来上がりまでであり、その後はどんな容器だろうと構わないからだ。つまり無駄な出費ではないか(実際には食べるときにも使用しているので、インスタントラーメンも焼きそばも同じなのだが、その時はそう思った)。
 それだったら、袋売りのものの方がずっとお得だ。インスタントラーメンと違って、焼きそばはそんなにバリエーションがあるわけではなし、安い袋売りがあれば、それに越したことはない。そう思って、近所のデパートで袋入りのインスタント焼きそばを捜した。ところが、売っていない。日本では売っているのかもしれないが、中国のこの辺りではないようだ。これは困った。それと同時に、「そもそもインスタントラーメンとインスタント焼きそばの麺に相違はあるのか」という疑問が猛烈にわき起こってきた。さっそくインターネットで調査をすると、すぐに回答が見つかった。「焼きそばの麺の方がお湯に浸かっていると、より軟らかくやすい」のだそうだ。ラーメンの麺はずっとお湯に浸けたまま食べるから、柔らかくなりにくいように製造されているようだ。なるほど、それだけの違いか。その他、麺の太さにも違いがあるような気がするが、まぁ、許容範囲だ。
 再び、デパートへ向かい、袋入りインスタントラーメンを購入した。それをプラスチック容器に入れ、さらにインスタントスープ用の具を投入(この時点でコストはカップ式インスタントラーメンを上回ってしまっているが気にしない)。お湯を入れて3分待ち、麺が軟らかくなったのを確認し、お湯を捨てた。そして、ラーメンについてきた粉を三分の一ぐらい入れて、ウスターソースも追加、最後に一平ちゃん風にマヨネーズも混ぜた。出来上がりだ。
 味は?・・・まぁ、まぁ、でした。大して変わりない。しかし、ここまでの努力とコストが見合うかというと、大いなる疑問が・・・。それに、正直言うと、若干味が落ちるかと。次からは普通に買うとしよう。

 グッピーたちはすくすくと育っている。群れの構成は変わっていない。成魚の雄が5匹、雌が4匹。大きめの幼魚が5匹。総勢14匹が水槽で生活している。幼魚がどんどん大きくなってきていて、今では成魚を恐れずに、どうどうと真ん中で泳ぐようになってきた。小さな幼魚たち20匹強は今のところ金魚鉢ぐらしである。元気に育っているので、もう一、二週間ぐらい金魚鉢で暮らさせて、ある程度大きくなったところで水槽へ投入するとしよう。もう一度ぐらい大量出産が発生して、その時に生まれた幼魚たちと入れ替えで、金魚鉢の幼魚を水槽へ送り込むというのが理想的なのだがなぁ。 
2007年12月2日
   マンション価格と同様、株やファンドの話題も紙面を賑わせている。ここしばらくは、先週は個人で株を運用している人の損失に関する記事に紙面がずいぶんと割かれていた。また、不動産会社にしても、証券会社にしても、これまでマーケットの勢いだけに頼って経営してきたところは問題が発生していて、購入する人はよくよく注意するようにということも訴えている。ファンド関連の詐欺に関する記事も出ていて、やはりうまい話に騙されないようにとの内容になっていた。そうは言っても、全体的には人々に大きな不安を抱かせるほどではない。まだ、一部の人に損失が出ているという感じで記事が書かれている。この先、どんな風に新聞の記事が変わっていくのか興味深いところだ。
 一方、身の回りの状況はと言うと、物価高、物価高と言われながらも、今日もデパートは満員御礼だった。人々の消費意欲は全く衰えていないようだ。全ての会社が守っているとは思わないが、ある程度の規模があるなら、労働局の厳しい監視の対象となっている。物価高で給与の目減りはあるものの、過去数年に渡る最低賃金の上昇、保険・年金制度の整備、有給休暇の実施等の制度面の充実が一般の人々の心を支え前向きにさせているのだと思う。
 今週から私の部門の事務員が産休で3ヶ月半お休みとなる。全額支給の有給休暇のようだ。香港のスタッフが言っていたが、香港では産休は二ヶ月半、給与は8割支給だそうだ。調べてみると、日本は産前6週間、産後8週間で合計三ヶ月半で中国と同じ期間となっている(ただし、給与は公務員は全額支給、一般企業では6割-8割という話)。有給の絶対額はともかく、期間だけ見ると日本と見劣りしないし、香港よりも長いのだ。これぐらい生活に保証があれば、少々の物価高ならば、冷静に受け入れられるのではないかと考えられる。そういう意味で様々な不安要素を抱えながらも、中国人たちの生活は 安定へと向かっているのだろう。

 フィルターを新しいもの(三代目)にしてから二度目の水換えをした。冬場の水換えは、入れ替えた後の水槽の温度が大幅に下がるだけでなく、グッピーたちを一時的に移動させておく金魚鉢の水の温度も低くなるから、気を遣う。しかし、水質の悪化が原因の病気でバタバタ死なれるよりは、水換えのショックで一部が昇天してしまう方が被害が少ないから、水換えは決行せざるえない。幸い、新たに購入したグッピーたち、特に雌のグッピーは恐ろしく元気がいいので、多分大丈夫だろう。雄たちも、最初は動きが鈍かったが、なんとか持ちこたえてくれそうだ。やや大きめの幼魚、金魚鉢で二週間育てた小さい幼魚たちも水槽に放した。小さい幼魚たちは20匹ぐらいいたと思ったのだが、視認できるのは10数匹のみだ。金魚鉢にいた時よりもずいぶん小さく見える。底石の陰に隠れてひっそりと生きているのか、昇天してしまったか、早々に喰われてしまったのか。喰われずに済むためにははやく大きくなるしかない。頑張れ幼魚たち。 

 これまで書いてきた旅行記に地図を付けることにした。実は、4,5年ぐらい前にも検討したことがあるのだが、自分で作るのはあまりにも難しく、かと言って、フリーの地図も見当たらなかったので諦めてしまったのだ。ところが、先日ふと思いついて検索をかけてみると、たくさんのフリーの中国地図があることがわかった。その中で、「CraftMAP」さんが提供している白地図を使用させて頂くことにした。加工もOKだということなので大変ありがたかった。とりあえず、過去分の旅行記に全て地図を付けたが、相変わらずインターネットの調子が悪いため全てをアップロードするには時間がかかりそうだ。他にも、地図を利用して、見やすさを高める工夫ができそうだったら、やっていきたいと考えている。これからも「華南の靴」をよろしくお願い致します。
2007年12月5日
  引き続きマンションの話題。昨日の新聞に来年の1月1日頃、再び住宅ローンの利率が上がると書かれていた。今年から始まって5度目の利上げだそうだ。これほどの利率に見合う投資はなかなかないだろうから、事前に返済できる人は前倒しで返済しておいた方がいいと勧めていた(基本的に事前返済は可能だが、一ヶ月前に通知をする必要がある場合があったりと、銀行との契約により多少の制限があるようだ)。また、土地バブルの崩壊などにも紙面が多く割かれており、全般的に不動産市場の下落を示す記事が多くなっている。
 その一方で、一部に深センと香港の融合によって、深センの土地価格は数年後には(香港の)九龍と同じぐらいになっているだろうとの主張も載せていた。こちらの方は長期的な観点からは経済も不動産市場も上昇の傾向にあり、慌てて売り急ぐ必要はないという意見に重きが置かれている。下落が起こっているのは、これまでの市場の勢いだけで売れてきた品質の悪い不動産で、現在はそれらの不動産がふるい落とされているだけだとの考え方だ。
 一体どっちなの?と惑わされるが、全体的な状況からすると、後者の希望的な主張は、これまでバブルを煽るだけ煽ってきた手前、いきなり主張を変えたのでは叩かれるから、人々が現実を穏やかに受け入れ過激な反応をしないようにするための調整であるように思える。ただ、深セン以外でマンションが下がっているというニュースはあまり入ってこないから、中国全体でどうなのかは不明だ。
 経済の話とは別に、先週から紙面を騒がせているニュースがある。宝くじ(ナンバーズ)に関してだ。もともと今年は一等を複数口買った人のニュースが多くて、一挙に数千万RMBをゲットした人たちが話題になっていた。中国で最も売れているナンバーズが双色球で、この一等賞が500-800万RMB。それを何口も買っている人がいたというわけだ(一口が2RMB)。そして、先日の双色球で、なんと一等を20口(合計40RMB)買っていた人が現れたのだ。「総額1億RMB(≠15億日本円)である」。税金で20%はもっていかれるはずだが、それにしても巨額な賞金だ。当然多くの話題が振りまかれ、当選者を明らかにすべきだとの主張や様々な疑惑などが続出した。その当選者が昨日だか一昨日だかに、無事当選金を受け取って去っていったそうだ。当選した宝くじが売れたのは、甘粛省というかなり内陸の土地だ。当選者はこの省の福利事業に100万RMBを寄付したそうだ。本人によると、「これまで一等の500万RMBがあたった時の気分について幾度も想像したことがあるが、実際に今回1億RMB当たってみると(想像していたのと)全然違った気持ちになったよ」とのこと。うーん、私も是非そんな気持ちになってみたい。 
2007年12月31日
 29日-31日の間、二泊三日で広東省の連州へと行ってきた。広東省といっても、広西自治区と湖南省の境界沿いにある場所なので、かなり遠い。広州までバスで1時間半、さらに広州からバスで5時間の距離である。直線距離だとすぐ隣の韶関市 (約4時間)とほとんど変わらないのだが、道路事情が悪く、3時間ぐらい余分にかかる。
 連州は、広東省の奥地の一角で、観光地が多い。今回はその中で、「地下河」と呼ばれるところに行ってきた。ここは、巨大な鍾乳洞があり、なおかつ中に河があり船で巡れるようになっている。想像していたよりもはるかに大きな鍾乳洞で、歩いた感覚としては、桂林にある七星岩公園の鍾乳洞に匹敵するぐらい 広い。沿岸にある省の観光地は、壮大さにおいて内陸の観光地に見劣りすることが多いが、この鍾乳洞は内陸の観光地と同等レベルだと思う。連州市からのアクセスも悪くない。市内 でバス(6元)に乗って、東陂鎮(20分ぐらい)で下車。そこから歩いて40分ほどで到着だ(バイタク等も走っているので、それでいった方が楽だろう)。広東省の中ではお勧めの観光地と言える。 二泊三日だと、バスに乗る時間が長くて体がきついので、途中にある清遠市などの観光地と組み合わせて三泊四日ぐらいにしたほうが楽かもしれない。 逆に、体力に自信があれば、一泊二日で「地下河」を見て帰ってくることも十分可能だろう。

  連州からの帰りに、省バス・ステーションのそばでしばらく時間を潰すことになった。省バス・ステーションを経由する時は、広州駅前のショッピング・センターでZが買い物をするのがZの恒例行事になっているからだ。いつもなら、そばのマクドナルドか、その隣にあるホテルの喫茶店で時間を潰すのだが、今回は省バス・ステーションの対面に新しい建物があるのに気づき、そこでぶらぶらして過ごした。その建物は市バス・ステーションの経営で、省バス・ステーションより数は少ないが行き先はあまり変わらないバス・ルートをもつバス・ステーションと各種高級アパレルのテナントがあった。アパレルの方はあまり興味がなかったが、なぜ省バス・ステーションと同じルートを持つバス・ステーションがすぐ対面に建ったのかは興味があったので、インフォメーション・センターのスタッフに「省バス・ステーションと市バス・ステーションの違いは何か?」と尋ねてみた。すると、「違うバス・ステーションというだけよ」という答えが返ってきた。つまり、単純な競争相手というわけだ。
 市バス・ステーションがいつからここにあったのかはわからない。(或いはもともとここにあった汚い建物で○○バス・ステーションというのがあったが、それを改造しただけかもしれない)。しかし、これまでの省バス・ステーションのバスでさえ、(渋滞で)市を出るのにすごく苦労をしたというのに、その上市バス・ステーションを拡張したら、ますます混雑がひどくなるような気がする。省バス・ステーションも数年前に新装したばかりだし、すぐに移転するということもないだろう。全く不思議だ。
 混雑の件を除けば、市バス・ステーションの建物には「ケンタッキー」と「真攻夫」(中華系チェーン店)も入って便利になった。マクドナルドまでは5分ほど歩かなければならないので、省バス・ステーションの前にこのような建物ができたのは大変有り難い。まだオープンしたばかりだから、バスも新しいかもしれないし、機会があったら一度利用してみようかと思う。