2008年1月(day039)

2008年1月(day039)


2008年1月1日
 新年明けましておめでとうございます。今年も全く正月という雰囲気がない。年末にジャスコに行ったりすると、ふと思い出してお餅を買うこともあるのだが、最近ジャスコへ行くことがぐっと減ったので、それもなかった。やっぱり爆竹が鳴らないと正月の気分がでない(あっ、それは中国の正月か・・・)。                                           しかし、一応、国家で認められた休日の一つなので、街の人出はすごかった。外に出るのがおっくうになるぐらいだ。ケンタッキーも、ラーメン屋も、食事どころはどこもいっぱいだった。

 昨年の12月、携帯電話をバスの中に置き忘れた。下車してすぐに自分の携帯に電話をかけたが、すでに電池を抜き取られた後で応答なし。永遠の別れとなった。そこで、本日、新しい携帯電話を購入。失われた携帯電話と同じフィリップ製である。最近、3G携帯が騒がれているので別の機種にしようかと迷ったのだが、3Gは中国ではまだ正式対応がされていないという話だし、日本に帰ることもほとんどないので、前回と同様、一度の充電で長期間使用できることが売りのフィリップ製を購入することにした。ほとんど電話をしない私にとって、あまり充電をしなくて良いというのはすごく楽なのだ(仕事用のは別に会社で支給されていて、これはしょっちゅう充電をしなければならない)。今回は「Xenium  9@9k」(1499RMB)という新発売されたばかりの機種で、最大二ヶ月間充電しなくて良いのだそうだ。以前の機種は一ヶ月充電しなくて良いのが売りで、実際には十数日だったから、今回は二十日間は持つのではないかと期待している。ただ、ちょっと電池がでかい。重すぎるということはないからいいか・・・。使用後の感想は後日ご報告します。

 年末(数日前の話だが)にはもう一つ不幸な事件があった。二年間愛用してきたCASIOのEX-Z500に異常が発生したのである。連州への旅行中、鍾乳洞でバシャバシャと写真をとった後、外に出て同じように写真を撮り始めたら、画面が白っぽくぼやけてしまうようになったのだ。いろいろ実験した結果、屋内とか太陽光のない場所ならば綺麗にとれるようだ。しかし、太陽光のある場所にでると途端に画面が白くなってしまう。洞窟の湿気にやられたのか、暗闇で大量に写真をとったせいでプログラムが狂ってしまったのか?香港で買ったものだから、今更修理に出してもコストが合わないから、一応中国で修理に出してみようと思う。だが、修理に数百RMBかけるぐらいなら、新しいものを買ったほうが良いような気もする。旅行中に故障されても困るし。修理だけして、サブ機として使うとしようか。
2008年1月5日
 本日は深セン市内のジャスコでデジカメを購入した。
 デジカメはいつもは香港まで出て行って購入するのだが、冬の寒さに負けたのと香港まで出て行く手間と費用を惜しんだからだ。
 記憶によると、私が始めてデジカメを買ったのは深センの秋葉原と呼ばれる「賽各」ビル付近だった。その初代デジカメを除いては、二台目、三台目、四台目とも香港で買っている。香港で買ったほうが安い(それでも日本よりは高いが・・・)こと、売りの回転が速いため入庫したばかりの製品がある
こと、多分店員の扱いもまともだろうこと、最新の型番が売られていること等いろいろあるが、何よりも買った後に安心感があったからだ。中国で電子製品を買うと、どーも不安感がつきまとうのである。
 しかし、今回は上に述べた理由で-要は香港まで行くのが面倒だったのだ-市内のジャスコで買った。
 案の定、一世代型落ちの商品しか置いてなかった。上海などだったら最新のがあるのだろうが、深センではこんなものか。(或いは、「賽各」ビルの辺りまで行けば最新の機種があったのかもしれない)。購入したのは「CASIO EX-Z1050」。(インターネットで見ると、今売られているのは「Z1080」だから、やはり一世代前のものだろう)。2080RMBだった。日本だと「Z1080」が22,000円ぐらいで売られている。香港ドルにすると、1580HKドル。中国元にすると、1473RMB。うわっ、すごい差だ。ショック・・・。しかも型落ちだし。
 でも、香港でも日本と同等の値段で買えるということはないだろうから、差はもう少し縮まるだろう。香港まで交通費もかかるし・・・。ただ、型は最新だろうなぁ。だいたい、商品が入っている箱の外装からして、貼られているシールが擦り切れていて、いかにもずっと在庫されていましたって感じだった。やっぱり、次からは香港で買うとしよう。
 ともあれ、買ってしまった以上、ぐだぐた言っても遅い。幸いなことに、これまで使っていたのは同メーカ同シリーズの「CASIO EX-Z500」である。だから、パフォーマンス的には今回買った「Z1050」の方がどれをとっても優れているから、使っていくうちに満足感が出てくるはずだ。オプションのSDカードや電池もそのまま利用できるのも強みである。(実は、今回「OLYMPAS μ795SW(とμ790SW)」も有力な候補にあがっていたのだが、中国で買うのだからということで過去の資産を流用できる同メーカ同シリーズを選んだのである。中国のジャスコでは「μ790SW」を2400RMB弱ぐらいで売っていた)。ちょっと使ってみた感じでは、操作性がだいぶ良くなっている。次の旅行時に、問題なく使えれば、今ある不満はなくなってしまうことだろう。

 デジカメを購入した後、ジャスコ内のスーパーに入った。今日はなんとなく鍋焼きうどんが食べたい気分だった。よくあるアルミ箔容器(?)の鍋焼きうどんである。ところがいくら捜してもない。昨年だったか、一昨年だったかには確かにあったのに・・・。中国人には受けがよくなかったのかもしれない。食べられないとなると、余計に食べたくなるから不思議だ。もう一生、あれを食べられる機会はやってこないのだろうか。
 良いこともあった。「ごはんですよ」の日台合資版が売っていたのだ。ジャスコには日本から輸入した「ごはんですよ」もあるのだが、輸入品とあって高い。30RMB前後もする。とても気軽には買えない。(日本だと、100g入りが176円、145g入りが225円、180g入りが284円だ。(:インターネット調べ))。それが日台合資版だと9RMBである。実はこの日台合資版は6,7年前に東莞の常平鎮のスーパーでお目にかかったことがあり、その時は7RMBだった。色は日本のものと異なるが、味は(私にとっては)全く同じである。深センに越してきてからも、度々捜していたのだがずっと見つからなかった。その日台合資版が店頭に並んでいたのである。思わず、4瓶も買ってしまった。寿司飯のタネ(約21RMB)と福神漬け(約10RMB)も中国版があったので一瓶ずつ購入した。どれも日本の桃屋が中国進出をして製造したもののようだ。会社の住所は、珠海市拱北と印刷されている。おおっ、あのマカオとの越境付近にある拱北か。頑張ってください、桃屋さん。インターネットで調べると、桃屋の歴史は大正時代から始まっている。まさしく、日本の味だ。頑張って、(深センの)万佳百貨店とか佳華のデパート/スーパーにも商品が並ぶようにしてください。期待しています。

 話は変わるが、本日、ホームページのリニューアルが終了した。リニューアルと言っても、これまでサムネイルで表示していた(サムネイルをクリックすると大きな写真を表示)写真を直接大きな写真がみられるように張り替えただけだ。単純な作業だが、過去5年分の写真全て張り替えたので、一ヶ月近くかかった。それにインターネットが遅くてアップロードにも手間がかかったというものある。日中間のインターネットは遅くなるばかりだが、途中、一週間に何度か早朝にハイ・スピードになることがあることを発見したため、なんとか本日作業を終えることができた。
 この張替え作業で写真を大きく表示したことと同時に写真の配置も変えた。これによって、800X600の解像度でモニターを使用している人も横スクロールすることなしに画面を見られるようにした。サムネイルをなくし、個々の旅行記に写真がまとめられたことで、さらなるリニューアルもしやすくなった。もう少し知恵を絞って、一層見やすいホームページにしたいと思う。特に、古い旅行記は情報としての価値が下がるばかりだから、何かアイデアを出して何度も見てもらえるような内容にできたらと思っている。まぁ、そんなに簡単なことではないだろうが・・・。
2008年1月7日
 本日、待ちに待った商品が日本から届いた。
 それは、「勝ち残り頭脳大作戦」ゲームだ。これは、昔日本中の小学生の間で大人気だった「生き残り頭脳ゲーム」の復刻版である。日本で買うと3,000円ちょっとなのだが、中国まで取り寄せると8,500円かかった。しかし、それだけの価値はある。あの懐かしのゲームに触れられるだけでなく、Zとも楽しい一時を過ごせるからだ。
 実は、昨年の末、深センのジャスコで中国版人生ゲームとモノポリーの二つを買った(各199HKドル)。私とZは土日、外出する時はたいてい一緒になのだが、アパートにいる時は、テレビを見るときと食事をするとき以外は別行動となる。私はネットサーフィンをするか、ホームページの作成、或いはグッピーの面倒をみている。他にも気が向くといろいろやるが、たいていコンピュータ上でのこと。Zはインターネットで美容情報の収集をしているか、顔パックか、読書かに勤しんでいる。これではいけない。やはり、一緒に活動するものを増やさなければ!と考えて買ったのが人生ゲームとモノポリーだった。しかし、人生ゲームもモノポリーも、1時間-3時間ぐらいかかり、とても平日に遊べるゲームではない。それに二人でやると、長引くだけでなく、運の要素が強くてつまらない。
 そこで、昔やったことのある生き残りゲームを捜したのだが、中国では見つかりそうもない。香港でもあるかどうかわからない。インターネットで調べてみたら、日本ではすでに製造停止になっていたが、他社から復刻版が出ていた。それを通信販売で購入した。アパートに持ち帰って開封すると、懐かしの生き残りゲーム登場!私が子供の頃遊んだものと色合いが違うがシステムは同じようだ。一回20分ほどでできると書いてある。私の目的にぴったりだ。これなら、毎日一、二回はZと遊ぶことができる。
 夕食を終えるとさっそく初対戦!というか、全部で5回やった。子供の頃から我が家には「手を抜く」という習慣はないので、最初から本気。ハンデをつける( 自分の球の数を半分にしようと申し出た)のはOKなのだが、それはZのプライドが許さなかったらしく、受け入れてもらえなかった(その割には隙を見てレバーを二度動かそうと するZ。よくわからない)。結果は、当然のことながら私の5連勝。しかし、思ったほどに差がつかなかった。特に序盤は球の数が多いこともあって双方よく落ちる。さて、今後はどうなるか。
 
「勝ち残り頭脳大作戦」メガハウス社(タカトクの生き残り頭脳ゲームの復刻版)

2008年1月9日(朝)
 月曜日からインターネットが全く駄目だ。普通にホームページを閲覧する分には問題ないのだが、アップロードが全然できない。サーバー上のフォルダを開くことすらままならない有様だ。まぁ、いつものパターンだと、明日辺りには速くなるはずだから、それまで待ってアップロードするとしよう。
 
 新聞によると、現在、中国電信はADSLユーザに対して、管理の強化を進めているようだ。これまで、一本の線で多数のPCをつなぐことができていたのを一本の回線では二つのPCまでしか繋げないように制限をかけ始めたらしい。この制限自体は1年以上も前から話題になっていたのだが、一層の強化を始めたらしく、昨日の新聞で大きくクローズアップされていた。
 中国電信側は、もともとこうした制限に関する規約は存在していたし、これまで厳しくやらなかったのを厳格化しただけだと述べていた。主に、非合法のインターネット・バーなどに対する対策を目的とした管理強化であるとも書かれていた。一本のADSLに負荷が大きくかかれば、その地域一帯が影響を受けることになりそれを防ぐ意味もあるそうだ。
 ユーザ側の意見も掲載されていた。「これは契約ユーザ数を増やそうとする中国電信の戦略だ」、「これまで何ともなくたくさんのPCを繋げていたのに、ひどい」といったものから、「電気を一本引いたら、電球をいくつ繋げようが顧客の勝手だ。オートバイを一台買ったら、本人しか乗っちゃいけないのか。豚肉を500g買ったら、自分だけでしか食べちゃいけないのか」というユニークなものまであった。
 技術的にも、接続されているPC数を調べる中国電信側とPC数をごまかそうとするユーザ側の熾烈な戦いが繰り広げられているらしく、今後の展開が楽しみだ。私 が不思議なのは、月払いだと200元弱、年払いだと1800元という料金体系である。差が大きすぎると思うのだが、どうだろう。
2008年1月9日(夜)
 本日、会社で、新聞にあったADSL一本に2台までしかPCを繋げないという話を部下にしたところ、「三台までという話は聞いたことがあるけど、二台までというのは初めて聞いた」と驚いていた。そのうちの一人は(なぜか?)慌てて中国電信に電話をして確認をとった。そして、「中国電信の人も二までというのは知らないといってましたよ」とほっとした様子で教えてくれた。彼は宿舎でなく外のアパートに住んでいるようだから、隣のアパートの住人とでも共用でADSLを使用しているのだろう。
 しかし、新聞では2台までと書いてあったのに、なぜ中国電信のスタッフが3台までと答えたのだろう。もしや、新聞の見間違いか?そう考えて、帰宅後、新聞を読み直してみた。確かに2台までと書いてある。ただし、「広東電信」のスタッフの回答だった。私たちの区域を管轄しているのは「深セン電信」だから、規約またはその運用方法が違うのかもしれない。

 さて、Zとの「勝ち残り頭脳大作戦」ゲームの勝負の結果をお知らせしよう。
 初日はすでにお伝えしている通り、私の5連勝だった。カードゲームやボードゲームは子供時代からお手のものだった私としては当然の結果だった。このまま1回もZに勝たせることなしに、ゲームがお蔵入りになる可能性もあると思っていたほどだ。
 しかし、二日目に異変が起こった。全部で3戦した最後の1戦、敗北を喫してしまったのだ。まさか・・・と信じられなかった。偶然が左右するゲームならともかく、ほぼ実力だけで決まると思われる、このゲームでこんなにも早く負けてしまうとは。きっと仕事で疲れているのだろう。そう考えて、勝負を終わりにした。
 そして、本日、三日目。もうまぐれ勝ちはさせないぞ!と気合いを入れて勝負をした。初戦は大勝。当然のことだ。ところが、2戦目で敗北を喫してしまったのだ。後半気づくと、私の球の方が少ない。そこから超真剣モードで追い上げにかかった。しかし、Zが操作したレバーで、私とZの最後の球が同時に落下。ルールでは、このケースの場合、レバーを操作したものの勝利である。つまり、本日の成績は1勝1敗となってしまったのだ。愕然とさせられた結果だ。やっぱり年なのかなぁ。まぁ、しょっちゅうやっていれば、昔の感覚が戻ってくるに違いない。そう期待したい。
2008年1月10日
   昨日、日本の新聞を読む機会があった。中国の物価上昇に関する記事が載っていて、消費者物価上昇率が前年同月比で6ー7%となっているとあった(日本は0.6%)。さらに、生活実感としては2,3割値上がりしているとも書かれていた。消費者物価上昇率が6-7%なのに、生活実感が2,3割とはどういうことかと考えてみると、恐らく、今回の物価上昇の引き金となった豚肉を始めとした肉類、それから穀物、その他食品関係の値上がりが消費者物価上昇率をはるかに超えた数字となっているということだろう。つまり、庶民の懐を直撃する部分の物価が2,3割上がっているから、そういう生活実感となるのだろう。
 それに加えて人民元高がある。これは中国国民に対する影響は別として、香港ドルで給与支給となっているものには痛い。先週3000RMBをATMで下ろしたら、引き落とされたのは3280HKドル。ほとんど10%のマイナスである。これまで為替レートの変更に無頓着だった私も、さすがにガガーンときた。以前、香港ドルが高かったころには逆に数%のプラスだったわけだから、なんとも悲しい状況となっている。プラス先述した物価高、ダブルな衝撃に目眩がしてきた。デジカメなどは輸入品だから、本来は人民元高の恩恵を受けて安くなるはずなのだが、そんな感じがしないのは輸入税が高いためだろうか(そう言えば、先週購入したCASIO EXーZ1050は、メイドインチャイナだが、あれは輸入税がかかっているのだろうか。それとも国産扱い?)。
 オリンピックが終わると、人民元高も一段落するといった話があった(あったと思う)が、本当にそうなってもらわないと困る。しかし、新聞を読むと、現在、人民元高を抑える政策が物価高を助長していることから、人民元高の抑制を緩めなければならないような状況なのだそうだ。そうなると、オリンピック(終了)の影響ぐらいでは人民元高が終わることはないのかもしれない。先日、穀物類の物価上昇を抑えるために、(穀物類の)輸出関税を臨時で高くする措置がとられたそうだ。果たして効果がでるだろうか。いずれにせよ、はやいところ、人民元高・物価高の(私にとっての)双子の赤字を脱出したいものだ。
2008年1月11日
   昨日の朝は簡単にアップロードできたが、今朝はまた超スローモードだ。アップロードなど、とても無理。ホームページの閲覧でさえ遅い。
 さて、中国では、今年の6月1日から、スーパーでは無料でビニル袋を提供してはいけなくなった。インターネット上の調査によると、約52%の人がこの法律に賛成しているとのことだ。新聞 では、ちょうど二ヶ月ほど前に、香港の百佳スーパーででテスト的にビニル袋の提供を有料にしたところ、香港人の強烈な反感を喰らい、一週間も持たずに中止となった と書かれていた。(ただし、香港政府はこの政策を強力に推し進めており、一昨日ビニル袋の有料化の草案が立法機関に提出されたとのこと)。香港でも、当初は各界ともに、素晴らしい政策だと褒め称えていたらしいが、テスト試行をしてみたら、消費者の ひどい抵抗にあった。果たして中国大陸ではどうなることだろうと言った趣旨の記事だった。
 個人的には、もちろん、無料なら無料のほうが良い。しかし、環境保護の助けになるなら、反対する理由もない。結局、コストに跳ね返ることだから、有料か無料かは消費者にあまり関係がない気もするし。有料になると便利な点もある。これまで、商品を買ったとき、数が少なかったりするとひどく小さなビニル袋に入れられてしまった。この小さなビニル袋は持ち帰った後は使い道がない。ゴミ箱に被せるには小さすぎるからだ。有料になれば大きさを自分で選べるだろうから、商品の多少に関わらず家のゴミ箱で使用できる大きさのビニル袋で持ち帰れば良い。ただ、これまでは熱いものと冷たいものがあったとき、或いは食品とそれ以外のものがあったとき、自動的に別々の袋に入れてくれたわけだが、有料となると消費者の選択ということになるのだろう。レジに並んだとき、毎回そのような選択を迫られるのは苦痛 かもしれない。或いは、慣れればどうってことないか。

 もう一つ面白い記事があった。数年前から存在したことだと思うが、深センのスーパーでは、お釣りに角単位(1元の下の単位)のものがでた時、お金の代わりに飴やガムで支払われることがあった。私は黙って受け取っていたが、Zが一緒にいると、「飴なんかいらない」と言ってお金に換えさせていた。もともと小銭が不足しがちなスーパーが編み出した苦肉の策だったのだろうが、ここ最近流通する小銭が極端に減ったこともあり、飴が使用される率が 以前に比べてひどく高くなった。
 お釣り代わりに渡される飴やガムはたいていメーカー名が記されておらず、密封状態でもない。私はお釣りとして飴を受け取った場合、黙って受け取るものの、レジにそのまま残してくるか、家に持ち帰ってもテーブルの上に転がしておいたままになったり、ゴミ箱に直行させていた。もともとあまり飴やガムを食べないのと、安全性に疑問があったからだ。中国人も同じできっと、受け取りを拒否する 客が増えたにちがいない。そのせいかどうかわからないが、最近、スーパーで飴やガムを渡すとき、わざわざ「この飴は買い物時にお金の代用として使っていただけます」と断りをいれる ところがあるらしい。なるほど、ここまで言われれば、そうとうしぶとい客でも釣り代わりの飴玉を受け取らざるえないだろう。
 新聞の記事では実際に、ある消費者が 受け取った飴を集めてスーパーに持って行き、商品購入の代金とした例が紹介されていた。
 ここまで読んで疑問が湧いた。顧客が支払いに使用した飴はどうなるのだろう。きちんと廃棄されるのだろうか。もしかしてそのまま再利用されて、別の消費者に渡されるのだろうか?しかし、それでは品質の保証が全くない(もともとないが・・・)。中にはもらった飴を食べる客もいるだろうに、一旦別の消費者に渡った飴を再度配るなど していたら、いずれ大きな問題が起きるような気がする。
 スーパー独自の代理通貨のようなものが出せれば良いのだろうが、偽物天国の中国では難しいだろう。解決策としては電子支払いを強力に推し進めていくぐらいしかないかもしれない。中国では、もともと(銀行のキャッシュカードを利用した)デビットカードのシステムが普及しているのだから、この宣伝を強化すればよいのではないかとも思える。私も現在は現金しか支払いに使わないが、何らかの誘因があれば、デビットカードの支払いに切り替えることだろう。スーパー側としてはどうなのか。皆がデビットカードシステムを使うと、日銭が入らず困ったことになるのかな?

 *追記(2008年1月14日):昨日(1月13日)、近所の大型スーパーで尋ねてみたが、お釣りに使われる飴による購買はできないと言われた。近日、もう一つ別の大型スーパーでも聞いてみる予定。
2008年1月13日
 昨日、同僚のSさん、出張者のTさん、Kさんと日帰りでマカオに行ってきた。今回の行き先は昨年オープンした「ベネチアン・リゾート(ベネチアン・ホテル)」である。マカオフェリー乗り場の対面にあるバス乗り場で、バスに乗って十数分ほどで到着。金沙(サンズ)に比べると、だいぶ遠い。しかし、道路が空いているので、思ったほど時間がかからなかった。
 「ベネチアン・リゾート」の建物は、正面からみると際だったインパクトはない。「金沙(サンズ)」のようにキンキラキンではないし、「Wynn(ウィン)」のように、曲線が際だっているわけでもない。だが、バスを降りて入口の前に立った途端に、高級感を感じさせてくれる 造りだ。正面口から長い長い高級ショッピングモールが続き、ずっと歩いていくと、カジノ到着。「金沙(サンズ)」や「Wynn(ウィン)」のような入口でのボディチェックもなく、すんなりと中に入ることができた。あまりスムーズに入れたので、「もしや写真をとるのも自由?」と思い、係員に尋ねてみたが、「駄目です」とのこと だった。しかし、バックとかはどうなのだろう?預ける場所がどこにあるのかさえ、気にならないほどだったが・・・。
 カジノは噂通りの広さ。球場、数個分と言われるだけある。ただ、私がいつもいっている「金沙(サンズ)」や「Wynn(ウィン)」も相当広いので、カジノ部分の面積だけで比較すると、驚くほどでもなかった。
 まずは一目巡りしようということで、一旦2Fに上がって、ここの目玉である「人口運河」巡りをすることにした。マカオにベニスを再現をしたといわれる、バーチャル・ベニスである。残念ながら、ベニスどころかヨーロッパにさえ行ったことがないので、本物のベニスとどれくらい似ているか全く見当もつかない。イメージとしては、マカオの最も有名な観光地であるセドナ広場の辺りにもっと高級感を持たせて、その中に、川をつくって小船を走らせた感じだった。建物の中に川があるというのも凄いが、空も人工で 自然光に近い明るさを出しているため、最初は建物の中だということに気づかなかった。一種のテーマパークなのだが、ヨーロッパに行ったことがないことも手伝って、私も出張者の人たちも写真をとるのに忙しく、会話する余裕すらなかったほど興奮していた。日常を忘れさせてくれる空間といった言葉がぴったり当てはまる場所だった。私と同様、ヨーロッパ的なものに触れたことのない人は、きっと同じように思うのではないだろうか。
 運河は全部で三つあって、建物を内側を取り囲むように配置されている。写真を撮りながらだとぐるりと回るだけでも数十分はかかる広さだった。船を漕いでいるのは欧米人と思われるスタッフで、周囲に響く素晴らしい歌声を聞かせながら陽気にオールを操っていた。人工運河の両脇はヨーロッパの建築物を模したショッピング街である。大道芸人がそこかしこを歩いて、芸をみせたりして、観光客を喜ばせていた。一つの街を建物の中に作ってしまったようなもので、ここに宿泊したら、数日であれば毎日ぶらぶらしても飽きないかもしれない。いつかZを連れてきてやりたいものだ。
 マップをみると、もう一区画大きな場所があってそちらにも何かありそうだったが、今回そちらへは行かず、カジノへ戻った。そこで一旦解散し、各々スロットへと向かった。スロットに関しては、特に特別なところはない。台の造りがスロットタイプの縦型ではなく、ゲーム・センターのようなデスク型のものが一部あったのに気づいたぐらいだ。勝負の結果は、私は大負け(またか・・・)。Tさんはちょい負け。Kさんがちょい勝ち。私は敗北記録が継続しているが、一度は行ってみたかった「ベネチアン・リゾート」に来れたから満足度の高い休日となった。

 
2008年1月22日
 暖かいことが売りの広東省であるが、ここ数日はひどく寒い。先週の土曜日、「これ以上寒くならないうちに!」とグッピーの水槽の水換えを行った。冬の水換えは難しい。水換えを行った後、一晩はグッピーを入れずにフィルターを回しっぱなしにすることに決めているので、ヒーターのない金魚鉢に入れられたグッピーたちが凍え死んでしまわないように手を打たなければならないからだ。
 手を打つと言っても、部屋には電気オイルヒーターが一個あるだけだ。部屋の中はかろうじて暖まるものの、金魚鉢の中の水までは暖かくならない。とりあえず、デスクトップPCの本体の上に置いてみた。PC電源の熱で暖まるのではないかと期待したからだ。しかし、夏にはあれほど熱くなったPC本体が今は冬の寒さに負けて、ちっとも熱くない。というか、冷たいままだ。水温は瞬く間に20度近くまで下がってしまった。このままではグッピーたちの命が危ない。どうしよう、どうしよう。うろたえながら、頭を絞った結果、名案が浮かんだ。
 まず本棚の、膝よりちょっと上の部分の高さの一角にある本を全て外へ出し、空間を作った。そこにグッピーたちを入れた金魚鉢を置く。そのすぐそばに電気オイルヒーターを寄せた。それだけでは、暖かい空気が金魚鉢の方へ向かわないので、金魚鉢が置いてあるすぐ上の段の棚からタオルをぶらさげた(タオルの上の端に重しを載せて落ちないようにしておく)。ぶら下げたタオルの下の端をオイルヒータの上にかかるようにし、作業完了。これで、オイルヒータの暖気が全て金魚鉢に向かう。熱くなり過ぎないように、一部タオルで覆われない部分も作った。念のため、金魚鉢の中に水温計を放り込んで水温を確認することにした。一時間ほど経った頃、目盛りを見ると26度。悪くない。我ながら、素晴らしいアイデアだ。自画自賛をして、睡眠に入った。
 翌朝の日曜日、5時半頃に目が覚めて、ふと心配になり、金魚鉢に手を触れてみた。あ、熱い。ええっ!真っ暗な部屋の中、水温計を取り出して、液晶モニターの灯りの中で目盛りを読んだ(PCは付けっぱなしで寝ていた)。32度。げげっ、高すぎる。金魚鉢に指を突っ込むと、魚が手に触れた。どうしたんだ?もしや、全て煮魚に・・・。さ、最悪だ。Zが寝ているので大騒ぎはできない。本棚からそっと金魚鉢を取り出して、隣の部屋へ移動しした。
 幸いなことに、グッピーたちは生きていた(もともと弱っていた一匹だけは昇天)。だが、このまま熱すぎる金魚鉢の中に置いておくわけにはいかない。水槽への移動を決行することにした。いきなり水温が変わると、グッピーたちがショックを受けるかもしれないので、金魚鉢ごと水槽に漬けて温度に慣れさせ、徐々に水槽へと移動させた。十分ほどで、移動完了。皆元気で、水槽の中を泳いでいる。
 しかし、まだ油断はならない。グッピーたちはデリケートな生き物である。二、三日後に後遺症が出てくる可能性がある。ずっと心配をしていたが、それから三日経った。現在は火曜日の朝、(最初に昇天した一匹を除いては)皆活発に泳ぎ回っている。もう大丈夫だろう。良かった。しかし、本当に肝が冷えたよ。
2008年1月23日
 「グーグル・アース(GoogleEarth)」(以下GE)を知ったのが二、三年前。それ以来、半年に一度ぐらい、気が向いては「GE」を起動させて、中国や日本のあちこちを眺めて楽しんでいた。 日本の実家や以前に住んでいた東莞の辺鄙な鎮にあるアパートなどもしっかり見ることができる。深センも特別区内ならはっきり映っている。いつも行くJUSCOの建物もばっちりだ。旅行で行った数々の都市もたいていはっきりわかる(新疆はぼやっとしか見えない)。10年以上前に二年ほど住んだ貴州大学は、初めてGEを見た頃は、全く駄目だったが、一年ほど前からはくっきり見えるようになった。
 ところが、現在住んでいる街は いつまで経っても画質が上がらなかった。深センと東莞の間にあり、経済発展度は東莞に勝るとも劣らないレベル(だと私は思っていた)にあるにもかかわらず、これまでずっと、ぼやっと しか表示されなかったのだ。街全体の画像を見ても、何がどこにあるのかさっぱりわからないほど画質が悪かった。この地域では相当大きい工場であるはずの勤め先 も、その位置すらわからなかった。もしかして、ここら辺りに軍事上重要なものでもあって、中国の許可が下りないのかと本気で疑っていたぐらいだ。
 それが本日起動したGEでは全てが見えるようになっていた。住んでいるアパートの屋上、近所のデパート。勤め先の工場もはっきりと。円状だとおもっていた近くの広場が長い楕円だったこともわかった。これまで外からしかみることができなかった高級マンションの 広い中庭も見ることができたし、街の中を走っている道路と道路の交差角度が、自分が想像していたのと大きく違っていることもわかった。(近所の建物の状況から判断するに、8-10ヶ月ぐらい前にとった映像だ と思われる)。
 どうして急にはっきりとした画像が映し出されるようになったのだろう。最近、商業施設が急激に増加しているから、それで「GE」がこの地域も潜在顧客としてみなすようになったのかな?自分が住んでいる街だと、街の変化の様子がわかるから、他の地域を見るのとは全く違った楽しみがある。私の住んでいる街は、経済発展のまっただ中だからなおさらだ。今まで、時々しか見なかったが、これからは頻繁に「GE」を立ち上げることになりそうだ。

 さて、中国の宝くじの話題である。宝くじは中国でも日本と同様人気がある。中国ではナンバーズ系が主流で、それを補った形でスクラッチ系の宝くじもある。(日本のような固定番号式は今のところ見たことがない)。私も宝くじが好きで、毎週、スクラッチとナンバーズを少しずつ買っている。一枚2RMB(ナンバーズの場合は番号一組で)だから、気軽に買えるのだ。1等賞金はナンバーズだと数百万RMB、スクラッチだと最高のもので10万RMBぐらいだ。昨年は、経済の活況-それに貧富の格差拡大-を現すかのように宝くじマーケットが熱気を帯びて、高額当選者が続出した。一等を20口も当てて15億(日本)円を獲得した強者が現れたぐらいだ。
 そんな過熱状態を押さえるためだろうか。昨年末ぐらいから、抑制策がほどこされ始めた。その代表がインターネット上における宝くじ販売の禁止である。私は全く知らなかったが、これまでずっと、公的なものから私的なものまで大小の多様なホームページで宝くじが販売されていたらしい。それが一斉に禁止されたのだ。(中国移動のサービスで存在していた携帯電話による宝くじの売買も中止になっているようだ)。
 このインターネット上の販売禁止に加えて、もう一つ重要な抑制策も出たようだ。実は、中国には、ナンバーズとスクラッチ系以外に、もう一つ特色のある宝くじシステムがある。それがオンライン宝くじだ。オンライン宝くじと言っても、家からインターネットでやるわけではない。建物の中にゲームセンターのゲーム台のようなものがあり、そこで、購入したカードを使用してゲームを行い、当たるとポイントが増加、それを換金できるという仕組みだ。このオンライン宝くじができる場所は限定されていて、主要都市に数軒ずつ存在する程度だ。深セン市内にもあって、一時期私もはまって楽しんでいた。
 そのオンライン宝くじが数週間ぐらい前に一旦営業が中止されることに決まった。春節の間にプログラムのバージョンアップをするという名目だったと思う。ところが、昨日の新聞で、一時中止の期間に、ゲームの種類にも大きな変更が加えられる可能性があることが明らかになった。ゲームの中で最も人気のある「西遊奪彩」がカットされてなくなるというのだ。「西遊奪彩」はスロット形式のゲームで、ジャックポットもあり、大当たりが出れば数十万RMBから数百万RMBが獲得できる、オンライン宝くじの中でも一番賭博性の高いゲームだ。記事によると、このゲームの売り上げはオンライン宝くじの9割を占めているため、もしこのゲームが本当にカットされれば、オンライン宝くじの存在そのものが危うくなる可能性があるとのことだった。
 賭博性の高いスロット形式のゲームということで、記事では、カットに対して一定の理解を示していた。あまりに賭博性が高ければ、本来禁止されているスロットゲームと変わらないわけで、カットされるのも当然だという見方だ。一方で、中国的とも思われる面白い考え方が紹介されていた。「本来、スロット好きな人間は、どこまでいってもスロット好きである。ここで、『西遊奪彩』がなくなったら、彼らがスロットをやめるかというと、そんなことはない。非合法なスロットを営業している場所へ行って、スロットをするだけのことである。オンライン宝くじの年間の売り上げは130億RMB。オンライン宝くじが中止に追い込まれれば、それらのお金が非合法な賭博市場に流れる可能性もあり、その影響は計り知れない。もともと、中国の宝くじ事業は公的に資金を集めるという目的だけでなく、非合法な賭博を抑制するという働きがある。だから、単純な取り消しをするよりも、ネットワーク上の技術をもって賭博性を上手にコントロールした方がずっと望ましい結果を得ることができる」というものだ。例えば、ベット数の最高金額を低くするとか、カード上で一日に消費可能な金額を限定するとか手はたくさんあるだろうということだった。
 私が最初にバージョンアップのニュースをみたときは、てっきりもっと賭博性の強いものに変わるのかと思っていたが、この記事を見る限り、全く逆の方向に進んでいる。あるいは、このオンライン宝くじが非合法組織の収入源になっていることが判明するなどして、一気に閉鎖に追い込む政策なのかもしれない(全くの憶測)。全体的な流れからすると、オリンピックを控えて風紀を正そうということなのだろうが、さて結果はどうなることか?   
2008年1月26日
  本日、久しぶり(三週間振りぐらい?)に深センのJUSCOへ行った。
 コンピュータが販売されている場所をぶらついていると、昨年から話題になっているEeePCが展示されているのに気づいた。EeePCは、199米ドルパソコンとして名前を売った後、仕様と値段を変更しつつ、各国で格安モバイルPCとして、販売が進められている製品である。インターネット上の情報によると、日本では今年(2008年)の1月25日に、「EeePC 4G-X」として、発売されているとのこと。価格は49,800(日本)円だった。深センJUSCOで販売されていたのは、2998RMB。単純に比較すると、中国のほうが若干安い。ただし、厳密に仕様を比較していないので、本当に安いかどうかはわからない。また、3200RMB弱のカメラ付き(ノートブックの画面の上面)もあった。
 使用感だが、正直、結構いい感じだった。中国語のXP(多分HOME版)がインストールされていて(店員の話では、値段のうちに入っているとのこと)、XPに関する限り、非常に快適に動いた。インターネットのスピードも申し分なかった(聯通の無線インターネットサービスを使用しているとのことだった。自分では確認していない)。画質も、画面の広さも、満足できるレベルだった(800X400と800X600で試した)。少なくともYahoo!Japanは快適に閲覧できた。「華南の靴」も表示させてみたが、写真が多いにもかかわらず、素早く表示された。キーボードは小さいが、ブラインドタッチをするには、支障がなかった。ただ、長時間となると疲れるかもしれない。タッチパッドも使いやすかった。マウスがなくても快適に操作できた。
 問題はやはり記憶メディアの容量だろう。HDDの代わりに高価なSSDが使用されているため、スピードは速いものの、容量がすくない。XPが入っているとあって、使用できる残り容量は800MB弱しかなかった。ただ、この辺は、時が経つにつれて容量も増え、値段も下がるだろうから自然と解決するのではないだろうか。(XPの販売は今年の半ばぐらいまでだった思うが、その辺はどうなるのだろう?)。
 あと、当たり前のことだがすごーく小さい。もちろん、軽い。モバイルで使う人には、ありがたい仕様だろう。私も旅行に持って行って使いたいぐらいだ。ただ、残念なことに、モバイルが必要な環境で生活をしていない。毎日の生活がデスクトップで間に合ってしまうのだ。そもそも、この「華南の靴」にはブログはなく、全てFrontPageで書かれているから、FrontPageがインストールできなければ旅行に持って行っても随時アップというわけにいかない。何よりも、工場勤めだから、しょっちゅう旅行に行くわけでもない。小さな旅行を合わせても、多くて3,4回ぐらいだ。さすがに、そのためだけに2,998RMBを出費するのはキツイ。いや、パソコン代は一時性のものだから良いにしても、無線インターネットが恐らく、月額100-200RMBからかかるので、その費用が馬鹿にならない。というわけで、欲しいなぁ~という気持ちが強いものの、購入は見合わせなければならないだろう。でも、もう少し安くなったら、衝動買いしてしまうかもしれない。デジカメと同じ値段だものなぁ。何にしても、将来が楽しみな製品だ。当面は、「U3」仕様のソフトでUSBメモリと合わせて使うのがいいのかも。

 EeePCを楽しんだ後、スーパーへ入った。前回、まとめ買いした「中国版ご飯ですよ」は売り切れており、日本からの輸入品が25RMBで並んでいた。単なる在庫切れか、味が異なっていたため、日本人に受けレ入れられなかったのか・・・(前回、日本製と味は変わらないと書いたが、中国製はやや甘いかもしれない。それでも、コスト・パフォーマンスを考えると、私自身は中国版を選ぶ)。とにかく、新たな入荷を期待したい。
 あと、今日は伊藤ハムの製品が並んでいるのに気づいた。ロースハムとベーコンとソーセージがあった。北京で製造されているようなので、北京や上海ではとうに売られていたのだろうが、深センJUSCOで見るのは初めてだ。いつから販売されていたのだろう。とりあえず、ロースハムとベーコンの三パックセットを一組ずつ買った。一パックずつ小分けにされているのがありがたい。値段も中国製品と比べても高いという感じはなかったので、これからは伊藤ハム製を購入することにしよう。伊藤ハムさん頑張ってください。もっと頑張って、うちのアパートの近くにある万佳や佳華デパートのスーパーにも製品が並ぶようにして頂けると感激です。
 あと、もう一つ紹介し忘れていたものがあった。それは納豆。高いのから安いのまでいろいろあるんだけれど、私はコスト・パフォーマンスの点からずっと「なっとういち」の納豆を買っていた。10RMBちょっとで三パックだからお手頃だ。その「なっとういち」に昨年辺りから、新製品で「四万十川の川海苔たれ付納豆」というのが出た。しそ風味とも書いてある。この「たれ」がいい。もちろん、納豆だけでも美味しいんだけれども、「たれ」が味をグレード一つアップさせている。これまでは、納豆についている「たれ」には好印象がなく、普通の醤油のほうがいいや、ぐらいに思っていたのだが、この「四万十川の川海苔たれ」は良い。日本ではこういった味もどこにでもあるのかもしれないが、中国ではなかなか食べられない。普及版の「なっとういち」(三パック)が10RMBちょっとなのに比べて、(三パック)13RMBちょっとと、やや高いが、現在では毎回こちらを買っている。(中国に住んでいる)皆さんも、一度食べてみてください。
2008年1月27日
 本日は、朝9時頃から夜の7時頃までずっと停電だった。今年は水不足で発電が十分にできず停電が頻発するだろうと言われていたが、本当に停電になってしまった。夏の停電も辛いが、冬の停電にも別の辛さがある。と言っても、一番堪えるのがネットサーフィンができないことなので、夏も冬も同じか。Zは朝一番で、親戚の家に出かけてしまったので、今日は一日一人で過ごすことになった。行きたいところもないので、朝食をとった後、昼間まで寝て過ごした。
 午後は、近所のデパートにテナントとして入っている中国一、二を争う電気製品チェーン店へパソコンを見に行った。昨日、市内のJUSCOで見たEeePCがあるかどうか確認したかったからだ。私が住んでいるような市外の電気店ではまだ取り扱っていないだろうとたかをくくっていたが、店舗 に並んだノートブックをひとつひとつ眺めていくと、ちゃんとあった「Eee PC」が。なぜか、WindowsXPのプロフェショナルがインストールされている。お値段は、カメラなしのが2799RMB、カメラ付きが2999RMBだった。店頭のモデル機にはXPプロフェショナルがインストールされていたが、恐らく、正式にはWindowsは値段に含まれていないだろう。人気のほどはどうかというと、今ひとつ。何しろ、中国には格安PCが多い。OSこそついていないものの、ほぼフルスペックのノートPCで、3000RMBを切る製品が少なくない(CPUはモバイルセレロンでメモリも512MBー1GB)。客の興味はそちらの方に集中してしまっている。
 客の大半は、本当の意味でモバイルでノートPCを使う必要性がないだろうから、あまりに小さすぎると不便なだけでメリットを感じないのだろう。やや安っぽい外観も、EeePCにとってはマイナスかもしれない(実際に触ってみると、しっかりしている)。もう一つ気になったのは、特別アピールらしい、アピールがされていないこと。POP広告もなく、ただ漫然と置かれているのみ。これでは客が興味を持たないのも無理からぬことだろう。
 帰宅後、インターネットで調べてみると、中国では昨年の11月下旬には店頭販売が始まっていたのだそうだ。或いは、すでに宣伝が十分になされたにもかかわらず販売が思わしくなかったので、冷たい扱いに変わってしまったのかもしれない。そもそも、2999RMBという超低価格でASUSという、それなりにブランド力のあるメーカーが販売しているということは、店舗の利益率はあまり高くないだろう。だから、販売強化の対象製品とはならないのかもしれない。中国では、先行き暗いか「EeePC」?  もっとも、これは工場が主体の市外の街での話であって、市内へ行けば、だいぶ事情が異なるのだろう。深センの秋葉原である「賽格」へ行って人気のほどを見てみたいが、特に用事がない。しばらくはインターネットで情報を集めるとしよう。

 昨日、中国移動の「1カード多番号」を申請してみた。この「1カード多番号」を利用すると、一つのカードで中国の番号と香港の番号を持てるというものである。以前から、そのようなものがあるとは知っていたが、申請やら手続きやらが面倒そうな印象があった。しかし、数ヶ月ほど前友人Kくんが利用し始め、簡単に申請できるのだと教わった。
 ただ、具体的な申請の仕方を聞いていなかったのでずっとそのままにしておいたのだが、たまたま昨日中国移動のHPで自分のデータを見る機会があったから、ついでに申請方法を調べてみることにした。すると、HP上で選択するだけで、申請ができることがわかった。月19RMB(電話料金は別)で契約できるとのこと。番号の選択肢が少ないのが難点だったが、とにかくやってみようと申請すると、すぐさまOKが出た。
 本当に使えるのかなと心配だったため、本日、香港の自分の番号にかけてみた。リリリリーン、リリリリーン(実際の音ではありません)。おおっ、ちゃんと鳴る。なんだ、こんなに簡単に使えるようになるのか。もっと早く申請しておけば良かった。基本費用以外にどのくらい費用がかかるのかだけが心配だ。
2008年1月28日
  今年の冬は寒さが厳しい。中国各地で大雪の被害が出ているそうだ。そうは言っても、ここは広東省である。今朝の温度計を見ると、暖房が全くない部屋で14度、オイルヒーターを付けっぱなしにしている部屋で20度ある。温度計を見る限り、そんなに寒くない。例年より寒いのだと思うけれど、昨年のことは よく覚えていないのでわからない。そんなわけで、ただただ今の寒さを凌ぐばかりである。
 出勤してしまうと、工場のオフィスでの仕事になるため、寒さは感じない(ただし、股引を穿いている)。暖房設備はなかったと思うので、人とコンピュータが多いのが功を奏しているのだろう。1F(オフィスは2F)に成型機がたくさんあるのも暖かさに貢献している と考えられる。寒さを感じるのは帰宅後のアパートの中である。日本ではいつもファンヒーターをガンガン回していたのに(もう十年以上も前の話になる)、広東省ではオイルヒータのみ。安全性は高いのだろうけれど、「ああ、暖かい」という感じにはなかなかならない(洗濯物が干せるのは便利)。
 バスタブにお湯をはってゆっくり浸かれば暖まるのだろうが、私が住んでいる安アパートにはバスタブがない。東莞に住んでいた時は自分で買って設置したのだけれども、今のアパートはトイレルームが狭くて電気シャワーをつけるのがやっとだった。そこで、冬を乗り切るために利用しているのが「足湯」である。もともと、広東省には「洗脚」の店が多くて(と言っても、爆発的に増えたのはここ数年のことだが・・・)、マッサージを始める前に、足湯に浸かるのが一つのパターンである。ただ、「洗脚」の店ではあくまでマッサージがメインだ。「足湯」は最初の十分ぐらいだけである。一般家庭ではどうか? 一般家庭では、広東省に限らず全国的に家庭で「洗脚」をやる傾向がある(と思われる)。
 10年ぐらい前、貴州大学で日本語教師をしていた頃、春節に学生の田舎へ行って数日を過ごした。その最初の夜、初めて「洗脚」に遭遇した。足下に置かれた洗面器に、お湯を注がれ、「先生、どうぞ」とタオルを渡された。意味がわからず、「何をしたらいいんだ?」と尋ね返した私に、学生は「脚を洗ってください」とつたない日本語で教えてくれた。一瞬考えた後、意味がわかった私は、(えっ、もしかしてシャワーもなし?)と動揺したが、なんとか平静を装って、見よう見まねで足を洗った。その後は、記憶に残るような足洗いはない。7年ほど前から中国のドラマをよく観るようになり、ヒール役(たいてい黒社会の親玉)が母親の足を洗うシーンが多いことに気づき、中国人にとって足洗いというのはずいぶんと思い入れのある行為なんだと知ったぐらいだ。
 話は戻るが、6年ほど前、転職とともに現在住んでいるアパートに移ってからは、バスタブが生活から消えた。当初は現在のアパートに長居するつもりはなく、生活が安定したら、バスタブが置ける(もしくは設置されている)広いアパートに移るつもりだった。しかし、現在のアパートは立地条件がよく、デパート/スーパーに近い。白タク、バイタクも、すぐそばに集っているし、深セン市内行きのバスに乗るにも便利だ。近くに食事所もたくさんある。家賃も700RMBと手頃だ。比較的人通りの多い道に面しているから、安アパートにしては安全なほうだし、アパートそのものも、半分は大家の家族が住むための部屋だから、簡素であるものの、全体の造りは悪くない。そんなこんなで、何度かあった引っ越しの機会を見逃し、バスタブのある生活は夢のまた夢となってしまった。
 最初の数年ほどはそれでも良かったが、3年前から冬の寒さが身に染みるようになった。同時に、その頃あちこちで売られ始めていた家庭用電気足湯器の存在が気になってしかたがなくなった。中国人がやるような洗面器で足湯というのは受け入れられなかったが、専用の足湯器ならばいいなと思ったのだ。そこで、Zにねだって誕生日に約800RMBの足湯器を買ってもらった。保温機能、振動足裏マッサージ機能つきの、当時では高級器だった。手に入れた最初の年は「こりゃいい」と毎日のように足湯器に浸かっていた。しかし、二年目からこの足湯器の難点が気になり始めた。保温機能はついているものの、温度を上げることができないために、徐々に水温が下がっていくのだ。(この点は実は購買時にも心配していたが、当時は足湯器単独でお湯を沸かせる製品はなく、沸かしたお湯を注いで使う製品だけだったのだ。現在は、水からお湯を沸かす足湯器も販売されている)。そのため、完全に身体を暖めるには、二度ほどお湯の入れ替えをしなければならなかったのだが、これが面倒くさい。なまじ高級仕様で足裏マッサージ機能などがついているものだから、重くて仕方がないのだ。それで、徐々に足湯器を使うのを止め、それまで避けていた洗面器での足湯を始めたのだった。電気足湯器から洗面器に代えた当初は、「せっかくプレゼントしたのに」とZからブーイングが出たが、Z自身も電気足湯の重さ(と器の洗いにくさ)に気づいていたらしく、徐々に何も言わなくなった。さらにしばらく経つと、お湯がたくさん入る巨大洗面器に変更をし、私の足湯ライフはますます原始的なものへと変わっていた。
 そして、足湯を始めて三年目になる今年、Zから「バケツを使ったほうがいいわよ」という提案がなされた。洗面器で足湯をやると、底が浅いこともあって、どうしても床に水がこぼれる。私は足湯のときにすった生姜を湯に混ぜることが多いから、床も汚れやすい。綺麗好きなZとしてはごく自然な提案だった。「バケツか・・・」。三年前だったら、「やだね」と一蹴したであろう提案だった。しかし、口から出たのは「うーん、わかった」と素直な同意の言葉だった。それでも、バケツをみた一瞬はとまどったが、お湯を注いで足を浸けてみると思わぬほど快適だった。こぼれにくいだけでなく、足のふくらはぎまで浸かることができるから、より暖まることができる。それに、洗面器と違って、取っ手がついているから、お湯の入れ替えも楽になった。それからはバケツの虜である。もはや洗面器の世界へと戻ることはできなくなった。先日、スーパーへ行ったときは、「もっとでかいバケツはないかな」と捜してしまったほどだ。
 こうやって改まって振り返ってみると、このままバケツで終わってしまっていいのだろうかと思わぬでもない。最新の足湯器なら、湯沸かし機能もついているから、水の入れ替えをする必要もない。だいたい、いい年をした男が毎日バケツに足を浸からせている姿はどうなんだと自問をしてみたりもする。しかし、バケツで済むものを、わざわざ最新足湯器(1200RMBもする)に変える必要があるのだろうか。悩みは尽きない。来年の冬までには答えを出したいものだ。
2008年1月29日
 先日、「生き残りゲーム(現在の正式名称は『勝ち残り頭脳大作戦』)」を購入した。今月上旬の日記にも書いてあるが、購入後、数日間は毎日Zと対戦をした。初日こそ快勝したものの、その後、負けが多くなり「老い」を感じた私は少なからずショックを受けた。最近、物忘れがひどい上に、眼の疲労が著しい。腱鞘炎もますます激しくなっているので、自分の身体に自信をなくしているところだった。そこ へ来て、絶対負けるはずのない「生き残りゲーム」で敗北を喫してしまったのだ。私が受けた衝撃の大きさは一言では語り尽くせない。
 このショックから立ち直るために、精神・体調が絶好調と感じられた、ある金曜日の夜に本気でZに勝負を挑んだ。「集中!集中だ」と自分に言い聞かせながら、ゲームを続け見事5連勝を成し遂げた。全て大差の圧勝である。さすがのZもだいぶへこんで、その日以来、勝負を挑んで来なくなった。これで、「老い」の接近を食い止めることに成功したかのように見えたが、意外なところか ら新たなる危機が近づいていた。
 夕食後、いつものように、ネットサーフィンに勤しんでいると、Zが私の携帯電話を手に取った。今月買ったばかりのPhilipsの最新型「Xenium  9@9k」だ。この携帯電話を購入して以来、Zは内蔵されているテトリスが気に入ってしょっちゅう遊んでいる。テトリスは、私が子供の頃、大流行したテレビゲームだ。私は決して上手な方ではなかったが、それなりに遊んだ。あの当時、テトリスをそれなりに遊んだということは、今頃、ちょこちょこっと始めたZとは経験値において天と地ほどの差があることを意味する。(実際、まだZと出会ったばかりの頃、プレステ2でパズルダマをやったがあまりに実力差がありすぎて勝負にならなかった)。そんなわけで、テトリスをやるZを私が意識することはなかった。
 ところが、その日、Zが始めたゲームはテトリスではなかった。「推箱子」という名称の、昔日本で流行った倉庫番ゲームと似通ったパズル系のゲームだった。(ちなみにテトリスは「俄羅斬斯方塊」)。このパズルゲームは、全部で15ステップあり、すべてをクリアすれば終わりである。Zはこのゲームが気に入り、毎日のようにチャレンジしていた。私は出勤時に必ず持っていくので、私が帰宅してからは土日の間、暇があればやっていた。正直、Zがここまで夢中になるとは思わなかった。過去の例をみても、Zが頭脳系の遊びを好きになることはあまりなかったからだ。きっと途中で投げ出すに違いないと睨んでいたのだ。だが、驚くべきことにZは一週間も経たないうちに、この「推箱子」 の15ステップを全てクリアしてしまったのだ。
 ここで問題が発生した。Zが気軽に発した「○○(私の名前)もやってみなよ」の言葉に誘われ、なんとなくこのゲームにトライしたのが不幸の始まりだった。Zがクリアできたぐらいだから簡単なゲームなのだろうとタカをくくっていたのだが、予想外に難しかった。15ステップあるうち、最初の2ステップはなんとかクリアできたものの、第3ステップがクリアできない。どうしてもクリアできない。私の苦戦を知ったZはニマニマ顔で「クリアできないの?」と尋ねてきた。ガガーン。笑われた。頭脳ゲームでZに負けているというのか私は・・・。グッ、ここは意地にかけてもと力を振り絞り、第3ステップクリア。第4、第5も難なくクリア。しかし、第6ステップがどうしてもクリアできない。数日かけてもクリアできない。Zができて私にできないとは・・・。だいたい、いつも、ヒマヒマしているZと異なり、私は忙しい。ネットサーフィンとホームページ作成で膨大な時間を消費しているのだ。とは言え、Zがクリアできた頭脳ゲームをクリアできずにいるのも悔しい。そこで、最後の手段、「興味を失った振り」をすることにした。Zが「どうしたの?クリアできた」と尋ねてきても、(内心の屈辱を抑えて)「いや、忙しいからやってられない」とかわすことにしたのだ。この作戦は功を奏し、最初は「ふん、できないからそういうこと言うんでしょ」と文句を言っていたZも、やがてあきらめて「推箱子」のことを忘れてくれた。
 しかし、「推箱子」から興味を失ったZはすぐに新たな対象を発見した。同じ携帯電話に内蔵されている「貪吃蛇」である。これは、日本で私も遊んだことのある、ゲームセンターの隅にあまり人気なく放っておかれたようなゲームだったと思う。想像するに、歴史の長い欧米のゲームだと思うが定かではない。どういうゲームかというと、部屋の中を蛇が這い回っており、それを操作する。餌が一つずつ撒かれるので、それを蛇を操作して順次食べていくのだ。操作をミスして、部屋の壁にぶつかったり、自分自身の尾にぶつかったりするとゲームオーバーである。いくつ餌をとったかが、そのまま得点となる。餌を食べる度に、蛇の身の丈が伸びていくので、それがそのまま難度のアップに繋がる仕組みだ。アクションの要素とパズルの要素が組み合わさってはいるものの、どちらかというと単調なゲームである。 この「貪吃蛇」にZが飛びついた。
 (たいして面白いゲームではない。すぐに飽きるだろう)と思ったが大間違い。夢中になって遊び続け、わずか二日で30点に近い得点を獲得できるほどに上達してしまった。「○○(私の名前)もやってみなよ」と誘われ、昔とった杵柄だ 、目に物見せてやると思って始めたが、意に反して全然得点が上がらない。10点を越えるのがやっとだ。「○○(私の名前)、こっちみて!」とニマニマ顔を私に見せるZ。ググッ、ヤバイ、またZに敗北してしまっている。実は、興味を失った振り作戦でかわした「推箱子」だが、ときどき時間を割いてトライを続けており、なんとか第6ステップをクリアしたところだった。しかし、最後までいくには相当な時間がかかる。このままでは、せっかく「推箱子」を終えても今度は「貪吃蛇」でZのニマニマ顔を見続けなければならない。
 困窮した私は、最後の手段に出ることにした。「貪吃蛇」には蛇の移動速度を変更する項目があり、デフォルトは03になっているが、数字を減らして遅くしたり、数字を増やしてはやくしたりできるのである。もちろん、遅くしたほうがゲームが簡単になる。そして、ゲームの得点上位3位が反映されるランク表示の部分には設定速度にどれを選んだかの情報は現れないのだ。ここに目をつけた私は、こっそりとスピードを調整し、02にしてゲームにトライした。しかし、あまり効果がなく、Zの得点を超えることができない。やむなく、最低スピードの01に変更した。すると、スピードもぐっと落ち、面白いぐらいに得点できる。一気に45点を達成した。これで、Zのニマニマ顔を逃れることができる。設定速度をもとに戻し、Zに「ほら、45点得点したよ」とランク表示を見せると、Zは愕然とした。必死になってチャレンジするが、その日は最高で30点にしか達成することができなかった。
 (ふう、これで一息つけるぜ)と私は安心した。(時間を稼いだ私は、この間に「推箱子」の第7ステップをクリア。コツがわかればそんなに難しいものではない)。だが、それもつかの間のことだった。昨日、Zは、標準速度の03のままで42点を獲得してしまったのだ。「大変、大変、難しい、難しい!」とうんうん言いながらの結果であるが、驚異的な進歩である。設定速度01で達成した私の45点とわずか3点の差。
 これはまずい。少なくとも「推箱子」を全部クリアするまでは、「貪吃蛇」で勝ち続けておく必要がある。設定速度01にした状態でゲームをしていると、一目で怪しまれてしまうので、ゲームできるタイミングが限られるのが辛いところである。Zが料理している時間か寝ている時間に頑張るしかない。とにかく、隙を見てチャレンジをして、50点以上を得点しておけば、いくらなんでも当分追いつけないことだろう。神は私にチャンスをくれるか?そして私は標準速度03でZに勝つ日を迎えることができるのだろうか。悩み尽きない。