2009年5月(day047)

2009年5月(day047)


2009年5月3日
 5月1日から4日までの4連休。近場の「清遠」まで旅行に行くつもりだった。しかし、4月29日ぐらいから徐々に体調が悪くなり始めて1日にはどうにも身体に力が入らなくなってしまった。 肝心なときに風邪にかかってしまった。熱はなく、軽い頭痛がするくらいだったので無理すれば出発できないこともなかったが、体調が悪いままでは旅行先でも楽しめないし、帰ってきてからダウンでは仕事にも差し支える。そこで、Zには申し訳ないが、今回の旅行は中止することにして、1日、2日の両日は寝て過ご すことになった。
 3日目の本日、ほぼ体調が戻ったので、市内のJUSCOに買い物にいった。いつものようにスーパーの中をウロウロしていると、卵売り場で店員から声をかけられた。「日本で認められた・・・○×〇」と言っている。一度は素通りしたものの、(そう言えば、前回来たときも同じようなことを言っていたな)と思い出し、戻ってみることにした。勧められている卵のパックを手にとってみると、ラベルに「伊勢の鶏蛋」と印刷されていて、この製品は日本の品質基準で造られているというような説明書きがなされていた。
 中国で売られている日本語名の製品というと怪しいものが多い。しかし、ここは何と言ってもJUSCO.試しに、「これ生で食べられるの?」と店員に尋ねて た。すると、「大丈夫、食べられる」と素早い返事がきた。(あっさり言うね)と危ぶむ。日本以外では生で卵を食べる習慣はないというのが一般的。主にサルモネラ菌が怖いようだ。当然、中国でも生で食べられる卵というのは普通は売っていない。しかし、数ヶ月前ぐらいに、日本と同様に生で食べられる卵が北京で売り出されたというニュースをみた。また、日本の卵が香港で売り出されたというようなニュースをみたような記憶もある。
 広東省でそのような話は聞いたことがないが、JUSCOでなら、それらと同等の卵が売られてもおかしくない。そこで、もう一度、「本当に生で食べられるの?」と尋ねてみると、「本当よ。このまま生で食べられるのよ」と 見本を手にとって食べる動作をしてみせた。うーん、パッケージのラベルにはそこまでのことは書かれていないが、どうしたものか。迷いに迷った末、思い切って6個入りのパックを一つ購入してみることにした。
 帰宅後、その日の夕食にさっそく卵かけご飯に挑戦する。うーん、うまい。本当に久しぶりだ。瞬く間に茶碗のご飯を平らげた。 Zが「すごい早さね。あっという間よ」と驚く。うーん、もう一杯卵がけで食べたいなぁ。だいたい、当るときは、1個食べても2個食べても痛みは同じだ。そうだ、そうだ。それに、買ってきたばかりの新鮮なうちに食べたほうが安全性は高い(はずだ)。勝手に納得して、もう1個卵を取り出して、卵がけご飯で食べた。
 ふうぅ~、満足。いやー、美味しい。やっぱり、日本人は卵がけご飯だよ。しかし、しばらくして、パソコンの前に座り、ネットサーフィンにふけるうちに急に不安になってきた。(いささか、無謀だったのではないか)と後悔の念が頭をもたげてきたのだ。だいたい、店員のいうことをそのまま真に受ける奴があるか。いくらJUSCOだからといって、店員は中国人だぞ。彼らが自分で食べたことがあるわけない。参考程度に聞いた日本の話を誠のように話していた可能性もある。
 焦り始めた心は止まらない。卵に当る危険性について、ネットで懸命に調べ始めた。
 まず判明したのが、サルモネラ菌の潜伏期間は平均で、12時間だということ。つまり、明日の早朝までやられたか、やられていないかがわからないわけだ。早速、Zに向かって、「明日の朝、俺が苦しんでいたら、医者に連れて行って生卵にやられたと伝えてね 。俺、口がきけない(ほど苦しんでいる)かもしれないし」と頼んでおく。Zは呆れた様子で、「そんなに心配になるのなら、食べなきゃいいのに」と 口を尖らせた。「しょーがないだろ、食べたかったんだから」。「○○は本当に気が小さいのねぇ。そんなんなら、残った卵全部、料理に使っちゃうわよ」とひどいことを言う。「駄目駄目、今夜無事に過ごせたら、残りも生卵で食べるんだから」と釘をさして、再びネットで情報収集にいそしんだ。
 残念ならが、サルモネラ菌で当った場合の対処の仕方に関する情報はいくら捜してもなかった。 菌の排出を邪魔してしまうから、安易に下痢止めとかを使用してはいけないらしい。医者にみてもら って抗菌剤を処方してもらうのがベストのようだ。ただ別に重要なことがわかった。サルモネラ菌の繁殖を防ぐためには、卵を割ったらすぐに食べるというのが大切 らしい。挙げられていた例では、一緒に生卵を食べた老人がいて、二人ともサルモネラ菌にやられたそうなのだが、一人は割ってすぐ食べて、もう一人は卵を割った後、散歩に一旦出て戻ってから食べた結果、前者は軽い症状で済み、後者はお亡くなりになってしまったとのこと。「割ったら、すぐ食べる」。これが安全に食べるコツというわけだ。
 ただ、サルモネラ菌というのは、必ずしも殻の外からばかりくるとは限らないらしい。サルモネラ菌を抱えたままの卵から孵った鶏も普通に育つらしく、そのような鶏が産んだ卵は最初から菌を内包しているとのこと。つまり、 生食である以上100%の安全を見極めることは非常に難しいのだ。一方で、アメリカ在住の日本人が生卵を食することについて書いた掲示板で、新鮮さに注意していれば滅多に当るものではなく、当っても自然治癒する程度の被害が大半だと書かれているのをみつけた。これは心強い。
 残るは、「伊勢の鶏蛋」というブランドだ。日本のYahooで検索をかけてみるとあっさり見つかった。「卵かけご飯なら伊勢の卵」とアピール力たっぷりのホームページがあった。「伊勢の鶏蛋」と「伊勢の卵」。微妙に違うが、これは中国市場向けと日本市場向けの相違だろう。購入したパッケージの住所を見てみると、「広東省河源市・・・」と書かれているから、「伊勢の鶏蛋」は伊勢で生産されたわけではなく、れっきとした中国産というわけだ。つまり、日本の技術で生産された中国産の卵なのだ。JUSCOで売られているわけだし、偽物ということもないだろうから、ここまでくれば、ほぼ生で食べても安全と言えるのではないだろうか。
 これで不安の60%は打ち消すことができた。あとは、明日の朝を待つのみ・・・。
2009年5月7日
 不安な一晩を過ごしたが、心配したほどのことは何もなく、元気に朝を迎えることができた。つまり、中国版「伊勢の鶏蛋」、生食OK!(読者の皆様が生食をした場合に安全を保証するものではありません)と 判断して良い(のだろうか?)。そんなわけで、残る4個の卵のうち、2個を翌日すぐに卵がけご飯で食べた。しかも、今度は納豆を混ぜて、納豆卵がけご飯。ほんとーに幸せ。 最後の2個はZに「1日1個」と諭され、2日間の夕食で食べた。これで、6個パック全て消化。おっかなびっくりだから、しょっちゅうできるものではないが、数ヶ月に1回ぐらいはいいだろう。

 さて、先日はたまたま生食用(?)卵に出会ったため、すんなりと卵がけご飯となった。しかし、卵がけご飯への道はそれを遡ること10日前ほどから始まっていた。生食用卵を使わずに、卵がけご飯を実現する方法 を模索していたのだ。そうして辿り着いたのが「温泉卵」だ。
 「温泉卵」とは卵白の凝固温度(約70度)と卵黄の凝固温度(約80度)の差を利用して作られ、65-68度のお湯に30分程度つけて置くことでできあがる一種の半熟卵である (そうだ)。半熟卵なんだけれども、限りなく生卵に近い、というのが私のイメージ。「温泉卵」ぐらいトロトロしていれば、十分卵かけご飯が可能だ。 皆そうやって食べているはず(ごくりと飲む人もいるか)。
 さて、日本のYahooショッピングで、検索をかけると 「温泉卵器」というのが千円弱のお値段でぞろぞろ出てくる。だが、嵩が大きいから中国まで取り寄せたら、トータルで三千円前後はかかりそうだ。うーん、迷う。
 これら「温泉卵器」の説明を読むうちに、あることに気づいた。たいていの「温泉卵器」は 「アイスペール」としても兼用できるのだ。「アイスペール」という言葉に馴染みはなかったが、写真からウィスキーの水割り用の氷を入れたりする容器であることは明らかだ。
 「温泉卵器」が「アイスペール」として使用できるなら、「アイスペール」を「温泉卵器」として使用することも可能なはずだ。中国で「温泉卵器」は見たことがないが、「アイスペール」はそこらのスーパーでも売っている。
 そこで、先週ステンレス製の「アイスペール」を買ってきた。当初、プラスチック製の25RMBの安いアイスペールにしようと思った。温泉卵器もプラスチック製のようだったし、「温泉卵」にあんまり金をかけるのもどうだかなと考えたからだ。しかし、あーだこーだと悩んでいるうちに、いつのまにか110RMBの「アイスペール」を手にしてレジに並んでしまっていた。(これだったら、日本の「温泉卵器」より高いではないか?と気づいたのはアパートに戻ってからのこと)。
 それもこれも、全ては「温泉卵」のためである。神様も私のこの気持ちに応えてくださるに違いない。そう信じて、「温泉卵」作りを始めたのだが、なかなかうまくいかない。最初は、沸騰したお湯を卵と一緒にアイスペールに入れて20分。見事なゆで卵が出来上がった。美味しく頂いたが、これ では目的と違う。次は、アイスペールの蓋を閉じずに、熱湯と共に15分。それは美味しい半熟卵ができあがった。「温泉卵」って難しい。三回目は同じく蓋を閉じずに、熱湯と共に10分。それでも半熟卵。もしかして、このアイスペールで「温泉卵」を作るのは無理なのでは・・・と考え始めていたところで、先日のJUSCO行きがあり、生食用卵に出会ったわけである。
 次のステップとしては、熱湯で5分でやってみようと思う。時間が短いから、アイスペールには蓋をする。それで無理だったら、蓋をせずに5分にしてみよう。それで もうまくいかなかったら、熱湯ではなくやや温度を下げたお湯でやってみるとしよう。もともと「温泉卵」本来の作り方は、70度弱のお湯で30分つけておくというものだからだ。だが、熱湯を使わずにやるとなると不安もある。 サルモネラ菌は75度で1分間以上の環境で完全に死滅するということになっている。最初から温度が下がった状態だと卵の中心部は明らかに75度に届かない からやや危険だ(もっとも、熱湯でやっても中心部が75度になるとは限らないが・・・)。
 「アイスペール」が駄目だとなったら、電磁調理器をつかう手もある。これなら、温度設定もできるから、確実に「温泉卵」が作れるかも・・・。ただ鍋がでかいから、1個ずつ作るの には向いていない。小さい電磁調理器を購入するという手もあるが、200RMBはするだろうから、ずいぶんと高コストになってしまう。 これだけ手間隙かけて、なおサルモネラ菌の恐れを払拭できないとなると、素直にJUSCOの生食用卵で勝負をしたほうが良いような気もする。日本人として生きるって本当に大変だ。
2009年5月10日
 昨日は、香港へ行って新しいデジカメを買って来た。
 今回購入したのは、「オリンパス μTough-8000(3180HKドル)」だ。昨年買った「CASIO EX-Z1050」が壊れたわけではないのだが、「μTough-8000」の水深10MまでOKの防水設計に 惚れ込んで購入した。今月末に、ゴールデンウィークに行きそこなった「黄騰峡」での川下りに行く予定なので、是非防水機能の高いデジカメが欲しかったのだ。落下衝撃2Mにも耐え、耐荷重はなんと100Kg、よほど荒く扱っても大丈夫そうだ。観光地では馬に乗りながら写真を撮ることも珍しくないので、落下衝撃に強いというのは非常に魅力的だ。さらに、零下10度までの環境でも動作可能。雪が降っている環境でも、比較的安心して使えることだろう。アウトドア・カメラとして文句なしだ。
 唯一残念なところは、光学ズームが3.6倍までしかないこと。現在は2000-3000HKドルぐらいの価格帯のものでも、5-10倍の光学ズームが主流になってきているから、3.6倍だとやや弱い感じだ。落下衝撃に強くするために、ズーム時でもレンズの部分が筐体の外側に出てこないようになっているから仕方がないところかもしれない。しかし、デジカメの製造技術はもの凄いスピードで高くなっているから、次世代ではタフで10倍ぐらいの光学ズームが可能な製品が出てきそうだ。

 実際、今回最後まで候補に残った「リコー G600」は1.5Mの耐落下衝撃、水深1MOKの防水設計で、光学ズーム5Mを実現していた。ややガタイが大きいのと値段がワンランク高いのとで購入を見送ったが、耐落下衝撃を強化と高い光学ズームを同時に実現することが十分可能だということだろう。大いに期待したい。
 「オリンパス μTough-8000」で、その他面白かったのは、「ビューティ」という機能。これで人を撮影すると肌のシミ等が自動的に消去され、実際より美しく映るのだ。被写体が女性の場合には嬉しい機能だろう。また、簡単にパノラマ撮影ができる自動パノラマ機能も使って楽しい。次の旅行時にはこれを使って撮ったパノラマ写真をホームページに載せたい。
 私は何も考えずにただ撮っているだけなので、なかなか綺麗な写真がとれない。自動的に良い構図を指示してくれるデジカメが発売されると嬉しいのだが、まだまだ先のことだろうか。 
2009年5月12日
 先日の5月10日、最後のグッピーが昇天した。 これまではグッピーが全滅する直前ぐらいに新たなグッピーを購入し繁殖に努めたが、今回はこれをもって、2004年の半ばからずっと続けていたグッピーの飼育を一旦終了することに した。
 グッピーの飼育は単調になりがちな中国の生活に多くの彩りを添えてくれた。特に大量出産を迎えたときのわくわくする気持ちは忘れることができないほどの喜びだった。幼グッピーが日に日に大きくなる姿をみるのも楽しかった。病気などでバタバタと昇天していくグッピーたちの姿におろおろさせられたことも今は良い思い出ある。
 いずれ機会があったら、是非またグッピーの飼育にトライしてみたい。
2009年5月22日
 5月16日(土)、再び香港に行った。パスポートを更新したので、銀行に登録データの変更をしに行ったのだ。その際、ワトソン(ドラッグ・ストア・チェーン店の一種、化粧品や薬を主に日用品を販売している)で「超音波蚊よけ器」を買って来た。
 一昨年までは、ずっと日本のと同じ液体電子蚊取器を使用して いて問題なかったのだが、昨年辺りから、蚊取器をオンにしていても蚊に刺されるようになってきた。いろいろとメーカーを変えてみても、やはり刺される。広東省は暑い時期が長いから、蚊が出る時期も長く、蚊に対する防止対策は日本以上に大切だ(もっとも真夏は温度が高すぎるため、意外に蚊が出ない)。マットタイプのものも試してみたが結果は変わらなかった。
 地球温暖化に伴って、蚊も強力に進化したのだろうか。そう考えて、あまり使いたくないが、昔ながらの蚊取線香に切り替えた。殺傷力という点においては、線香タイプに勝るものはないだろうと思ったのだ。ただ、線香タイプはどうしても灰が空に散る。朝起きて「ゴホゴホッ」と咳き込むことも珍しくない。
 そこで、「超音波蚊よけ器」に以前から目をつけていた。ワトソンの店頭では、小型のものから大型(といってもタバコの箱程度)のものまで様々な商品が置かれ、値段も60HKドル-から250HKドルぐらいまでの物があった。線香はもとより、液体・マットタイプのものより、はるかに高かったから、正直購入まで相当迷った。だが、試してみなければ結果はわからない。それもあまり安いのを買ったのでは、効果がなかった時にさらに高いのを買ってみたくなる。そこで、店の中では蚊防止用として一番高い値段の240HKドル強の商品を購入した。
  アパートに到着したのは午後3時頃。早速開封して、コンセントに取り付けた。しかし、そうそう目に見えて効果がわかるものでもない。夜を待って、蚊が部屋に入ってくるかどうかで判断するしかないだろうと考えた。待っている間に、「超音波蚊 よけ器」が一般にどのように評価されているか、ネットで調べてみた。「超音波 蚊」で検索をかける。・・・・ すると、蚊「超音波で撃退はウソ?」といったフレーズが続々現れた。
 驚いて、数箇所の記事を調べた結果、以下のことが判明した。オーム電気が発売していた「超音波 蚊よけ器」が、2007年の末頃、公正取引委員会によって排除命令を出されていたのだ。公正取引委員会による実験で、効果がないことが実証され、また専門家の意見もこれを支持しているとのことだった。超音波によって蚊を防ぐ機器は、一般に雌の蚊が嫌がる周波数を出すことによって蚊を近づけないと説明されているが、専門家によると、雌の蚊は聴覚が著しく劣っていて、このような超音波を聞くこと自体できないのだという。こうした公機関の発表を受けて、「やっぱりウソ」、「どうも効かないと思った」といった意見がネット上を一色に染め上げた形だった。オーム電気側でも、非を認めて、購入金額の返却をしているようだった。
 「き、効かない~」。やられた。240HKドルもしたのに。大ショックだ。Zにこの話をすると、ほれみたことかという顔をされ、「無駄遣いをして~」となじられた。その夜は、「ほら、ほら、蚊が入ってきているわよ~」と散々こき下ろされてしまった。
 本当に効かないのか。香港でワトソンと言えば香港でも有名な大規模チェーン店である。そんなところで、全くの偽物を売ったりするだろうか。しかし、日本の公正取引委員会の実験で効果がないと実証されたのである。どちらかというと、日本の実験を信じたい。公正取引委員会の実験は蚊とウズラを一緒にケージに入れ比較実験を行ったとのことだ。「超音波蚊よけ器」も一緒にした場合としなかった場合のどちらもウズラは蚊に刺されたということで、効果なしという判定をくだされたようだ。
 この実験の概容を読んだだけだと、やや疑問が残る。蚊がわざわざケージに入れられたということは、ケージの網は蚊が外に出られないほど細かいものだったと想像される。ケージがどのくらいの大きさだったかわからないが、もしかしたら、ケージのどの位置でも蚊が存在するには同程度に不愉快だった可能性があるだろう。そうであってみれば、蚊にとって、どこにいても不快であるわけだから、ウズラから遠くへ逃げても意味がなく、普段と同様に血を吸ったということは考えられないだろうか。
 また、実験体である蚊にも多種類がある。超音波が効く蚊とそうでない蚊がいるだろう。また、公正取引委員会がテストを行った「超音波蚊よけ器」の機種は数種類だそうだが、マーケットにあるのは、はるかに多くのメーカーのものである。同じ超音波とうたっていても、技術に 違いがあるかもしれない。つまり、実験の範囲に疑問が残る。
 そんな風に考えていくと、私が購入した「超音波蚊よけ器」にはわずかでも、「効く」可能性が残されているのではないかという気がする。いや、そう期待したい。なお、商品の包装箱には「国際検定で、優秀な品質だと保証されている」と 印刷されていた。しかし、どこのどういう検定だということは一言も書かれていない。やはり、効果なしか・・・。 そのような経緯で、現在、蚊取線香と超音波蚊よけ器を併用している。電気の無駄遣いかもしれない。
2009年5月23日
 今日は私たちが飼っている子犬のマイクの話。
 飼い始めてすでに半年が経つ。当初、小便・大便の躾にひどく苦労させられたが、ある時を境に急速に進歩をみせて今では、用を足したくなるとダッシュで定められた場所に向かうようになった。ここ数ヶ月はマイクが定められた場所以外で用を足したのを見たことがない。躾に大分時間を割いていたが、ここまで見事にマスターしてくれるとは全く期待していなかった。非常に嬉しい。
 大小便以外に、マイクにはもう一つ是非覚えて欲しいことがあった。それは興奮時に噛む癖である。私が帰宅したばかりの時や、一緒に遊んでいて興奮した時など、指やら足やらに飛びついて噛むのだ。甘噛みと呼ばれる、甘えて軽く噛む程度なのでじっとしていればさほど痛くはないのだが、噛まれた状態で動いたりすると、身体に食い込んで痛い思いをする。Zは「痛いわね」と怒って無理やり指を引き抜こうとするので、しばしば余計に痛い思いをしていた。
 そのZが先日、「私、マイクについて面白い発見をしたわ」と告げてきた。Zがこんな風に言うときは、本当に面白い発見であることが多いので、真面目に聞いてやる。
 「ほらっ、マイクがよく指とか噛んでくるでしょ」
 「うん、そうだね」
 「そのときね、『クゥ~~ゥン』って可哀相な声で鳴いてみせるのよ」 
 「うん」
 「するとね、途端に噛むのを止めるの」
 「えぇ~、ホント?」
 「本当よ。その上ね、噛んだ指を舐めだすこともあるの」
 「ホントかよ?」
 「本当よ」
 にわかには信じられない話である。あれだけ怒ったり、叩いたりしても直らなかったのに、「クゥ~~ゥン」って鳴いてみせるだけで、噛むのをやめるなってありうるだろうか。それでは、まるで「北風と太陽」の物語だ。
 しかし、物は試し。半信半疑ながらやってみる。
 マイクを甘噛みをさせるのは簡単だ。ちょっと追っかけっこをして、手でじゃれてやればすぐに興奮して噛んでくる。
 「クゥ~~ゥン」。ちょっと恥ずかしいが、犬の真似をして鳴いてみた。
 しかし、マイクが噛むのを止める様子はない。
 「おい、Z。噛むの止めないぞ」と私が訴えると、Zは「貴方では駄目かもね」と得意げに答えた。
 待て待て。こんなくだらないことでZに負けるわけにはいかない。
 「クゥ~~ゥン」
 「クゥ~~ゥン」と連呼。マイクからは新たな反応が見られず相変わらずの噛み噛み状態だ。
 しかし、三度目に思いっきり可哀相な声で、
 「クゥ~~ゥン」と鳴いてやると、パッっと噛むの止めた。ようやく効いたよ。
 マイクはなんだか気まずそうな様子で、大人しくしている。もう一度手を出してやると再び、ハムっと軽く噛んだ。 
 私が「クゥ~~ゥン」と鳴くと再びパッと噛むのを止めた。
 面白い。本当に効果があるんだ。さらに数回やっているうちに、Zが言うように、噛むのを止めた後ペロペロと指を舐めだした。申し訳なさそうな顔をしている。
 Zに何でそんなことを思いついたのかと尋ねると、アパートの隣にいる犬が時々可哀相な声でクゥゥーンと鳴くので真似してみようと思い立ったのだそうだ。なんと素晴らしい発想。
 それから数日間、事あるごとに「クゥ~~ゥン」、「クゥ~~ゥン」とやっているうちに、普段でもほとんど噛まないようになった。噛むとこちらが痛いと感じるのを覚えたのだろう。ネット上でもペット主の多くが「甘噛みをやめさせるにはどうしたらいい?」という問いかけをしている。今のところ、Zと同じ解決方法をネット上で見たことがない。Zの大発見だ。皆さんも機会があったら試してみてください。思いっきり可哀相な声で「クゥゥ~~ン」とやるのがコツだ。結果は保証できないが・・・。マイクにしか効かないのかも。
2009年5月24日
 「親子丼作って」
 「やだ!」
 「何で、作って」
 「いや」
 「頼むから作って」
 「作り方わからない」
 「インターネットで調べてレシピ印刷するから」
 「わかったわよ、作るわ」
 「じゃあ、レシピ印刷するね」
 「いらない。本があるから」
 (なんだ、料理本あるのか)
 という経緯で、「親子丼」登場である。とうとう家で、親子丼が食べられるようになった。実に嬉しい。カツ丼も美味しいけれど、油分が多いから、そんなにしょっちゅう食べるわけにもいかない。親子丼のほうが身体に良さそうだ。Zよ、ありがとう。
 

2009年5月25日
  近所に香港式喫茶店がオープンした。先週の金曜日に夕食をそこで食べた。ドリアが多種類あって、感動した。その晩は、私はドリア、Zはワンタン麺を食べたのだが、メニューを見ているうちに、午前中の7:00-11:00までは点心を提供していることがわかった。つまり、飲茶(=中国茶を飲みながら、点心を食べること)が楽しめるのだ。
 広東省と言えば、飲茶の本場だが、私が住んでいる場所は出稼ぎ族の街であるため、近所に飲茶が楽しめるような場所がなかった。良い店ができたものだと、昨日、一昨日と二日続けてZと共に朝食に点心を食べてきた。一日目の朝食が点心4品と白粥で35RMB。二日目の朝食が点心4品とアワビのお粥で51RMB。二日目はアワビのお粥が18RMBもしたのでやや高かったが、普通に食べればマクドナルドの朝マックより安いぐらいだ。味も良いし、しばらくは週末ごとに点心を楽しむことになりそうだ。
 

2009年5月29日
 昨日、清遠市へ行き一泊二日で帰ってきた。当初の予定では川下りと山登りの両方を楽しんでくるつもりだったが、天気があまり良くなかったので、前者のみとなった。
 川下り-「黄騰峡漂流」-は広東省一と言われるだけあって、さすがに凄かった。以前に行った徳慶の盤龍峡にある川下りの数倍の刺激を味あわせてもらった。特にに 前半は、息つく暇もないほどの激しい流れと連続した落差が続き、ボートが激しく揺れ何度も頭から水をかぶった。本当に刺激度満点の川下りだったと言える。
 残念だったのは、バスを下車するとすぐに川下りの始発点となるため、盤龍峡であったような山の中を散策する面白さがなかったことだ。盤龍峡の川下りはわずか30分なのに対し、黄騰峡のは2時間前後かかるから徒歩の部分まで作るとツアー客を呼び込みにくくなるからそうしているのかもしれない。
 時間的には深センから十分に日帰りも可能である。ただ、一泊二日でさえ、へとへとになったので、日帰りとなるとぐったりしてしまうかも。いずれにせよ、広東省の中で手軽に旅行を楽しめる、お勧めの観光地である。自然と刺激を求める人は是非一度訪れてみてください。
 

左の写真は、ボートごと落差の大きな傾斜を流れ落ちた瞬間である。ボートは水がいっぱい入っても沈まないようになっているので、取っ手さえしっかりつかんでいれば大丈夫だ。