この旅は、「潮州市」からの出発。ご興味のある方は「潮州市探検記」もご覧になってください。 早朝7時、「潮州市」出発。1時間後、「汕頭市」の「金砂東バスステーション」着。8時40分、「梅洲市」に向かって出発。豪華大型バスだ(40RMB)。しかし、山道を走ることが多く、揺れが激しい。途中で建設中の「汕梅高速道路」に入り、これで速度アップかと思いきや、10分弱走ったところでまた山道に戻ってしまった。その上、前方で何か問題が起こったのだろう。渋滞となり、バスはひとつも進まなくなった。(これではいつになったらつくのかわからないな)と心配になってきたが、20分ぐらい経った頃、バスが再び動き出した。揺れに揺られて、「梅洲市」に着いた頃にはお尻が痛くなっていた。豪華型バスでなかったら、大変なことになっていたところだ。
「梅洲市」の「梅洲汽車客運駅(バスステーション)」に着いたのは午後1:00ちょうど、曇り空のためか街全体が暗い。その上、ほとんど人気がないので、急に不安になる。とにかく、泊るところを見つけなければならない。しかし、今回は「地球の歩き方」も助けてくれない。「梅洲にも行ったほうがいい」と書かれているが、街の紹介等はないからだ。街をブラブラしながらじっくりホテル探しをするのが好きなのだが、こんなさびしげな所を荷物をもって歩くのはつらすぎる。だいたい、ボロッチイ商店街以外何もなさそうだから、ブラブラしてもつまらなそうだ。
珍しく気弱になっていたところに、人力車の運ちゃんが声をかけてきた。「どこへいくんだ」。ついつい「このバスステーションはこの地図上のどこにあるんだ?」と現在位置を聞いてしまった。地図の上に3つほどバスステーションがあり、今どこにいるかすらわからなかったからだ。しかし、運ちゃんもわからないらしい。というより地図など見たこともないという感じだ。しつこく「どこへいくんだ」とうるさい。仕方がないので、地図上の適当なホテルを指差し、「このホテルはいくらだ」と聞いてみる。「わからん。お前はいくらぐらいのところに泊まりたいんだ?」と逆に聞かれてしまう。「200RMBから100RMBの間だ」と答えると、「それなら、金良酒店がいいよ」と返事があった。「そこは200RMB以下か」。「そうだ」。これ以上は自分で確認するしかない。黙って人力車に乗り込んだ(5RMB)。
ホテル到着までの間、運ちゃんがいろいろ説明してくれる。「ここは夜になると、露店が集まってくるんだ」とか「この橋はXXXX年にできたんだぞ」とか熱心だ。観光客慣れしているようだ。しかし、いくら説明してもらっても気が晴れない。とにかく、人がほとんどいないのだ。すぐにでも帰りたい気分になってきたが、そうもいかない。とにかく宿泊所を決めてから、街歩きを始めよう。
ホテルのフロントで値段を確認すると、138RMBとのことだ。まぁまぁだ。部屋の中を見せてもらうと、138RMBにしては上出来の部屋であることがわかった。そこでフロントに戻ってチェックインの手続きを始めた。ふと後ろをみると、私を連れてきた人力車の運転手が両目をきらきらさせて、じっと何かを待っている。もしや私が観光案内に出かけるのを待って、もうひと稼ぎしようとしているのだろうかと考えたが、どうやら違うらしい。私ではなく、フロントの服務員を見ている。なるほど。私を連れてきたことでリベートバックをもらえるのだ。ちょっとがっかりした気分になるが、仕方がない、彼らも商売だ。それに悪くないホテルなんだから、不満に思うほどのことでもあるまい。