6:00、朝だ。Zが飛び起きて、出発の準備を始める。昨日の朝といい、旅行が始まってからのZは動きがいい。Zに言わせると、「旅行のときが一番楽しい」のだそうだ。確かに、普段は週に3回の日本語学校と買い物に出かける以外は外に出る機会がない。そうそう気分転換できるときもないのだろう。
一泊延長の保証金として200RMBを払ってから、ホテルを出る。ひどく寒い。タクシーに乗って、駅横のバス・ステーションへ向かった。駅までは5RMB。昨晩、雨が降ったのだろう。道路が濡れている。
バスは6:50発。けっこうきれいな中型バスだ。バスはほぼ満員。観光客ではないようだ。仕事に郊外へ出かけるというのも不思議な構図だ。皆「丹霞山」で観光客相手の仕事をしているのだろうか。
バスが動き出すと、Zがリュックサックからりんごを取り出し、美味しそうにムシャムシャとやりだす。こんなに寒いのに、よく果物を食えるなと感心する。「○○も食べる?」と尋ねるZに、慌てて首を横に振った。「いらない」と答えると、「おいしーのよ」とニコニコする。この笑顔をみれるだけでも、旅行に連れてきたかいがあったというものだ。
道が悪いので、バスはガタゴト、ガタゴトと揺れっぱなし。靄がかかっていて前方がみえないので、少し怖い。
7:45、「丹霞山」到着。乗客たちは、下車するとすぐに周囲へと散っていった。「丹霞山」の門へ向かったのは、私たち以外は中国人のひとグループのみ。「丹霞山」への入場料は70RMB/人+保険代3RM/人B、それと地図が1RMBで購入できる。
追記(2005年6月7日):本日の新聞によると、2005年6月1日より入場料が改定され、これまで休日70RMB、平日65RMBであった入場料が、休日120RMB、平日100RMBとなったそうだ。
門を抜けて中に入ると、「丹霞山」のふもとまで行く無料バスがあった。ここがふもとではないのかと地図を見ると、どうやら、この門は丹霞山観光地区全体の門であって「丹霞山」のふもとではないらしい。さきに入場した中国人グループはどこへ行ったのだろうと周囲を見回してみたが、すでにいない。歩いて上っていったのだろうか?
無料バスを覗いてみるが、運転手がいない。しばらく待っても現れないので、Zがしびれを切らして入場口へ戻っていく。「バスはいつ出発するの?運転手がいないんだけれど・・・」とチケット売りのおばさんに文句をいう。すると、「すぐそこに部屋があるでしょ。そこに運転手が二人いるはずよ」と答えが返ってきた。
確かに部屋が二つある。だが、一つは窓から中が見えて、誰もいないことがわかっている。そうなると、もう一つだ。しかし、締め切っているドアをこんな朝にノックするのは勇気がいるものだ・・・と思っていると、Zがドアを思いっきり、ドンドンとたたき始めた。「ちょっと待て。すぐ出るから」の声がしてしばらくすると、小さなアルミのボールにインスタントラーメンを入れて箸ですすりながら、中年の男が出てきた。「バスは誰が運転するの?私たちずっと待っているのよ」とZが訴えると、「わかった、わかった。今は食事をしているから・・・」と言って、再び中へ入ってドアを閉めてしまった。
しばらく外で待っていると、ようやく男が出てきた。「行くのか?」と尋ねると、「いや、ちょっと下に用があるから・・・」と門の方へ向かっていった。「私たち、どうしたらいいんだろーね」とうめくZ。さらに待っていると、ようやく男が戻ってきた。今度は車のキーを手にしている。ようやく出発か。顔が明るくなる私たちであった。しかし、私たちを目した運転手は「俺は車の整備をしに外に行かなきゃならないから」とにべない言葉をよこした。そして、バスに乗って、外へ出て行ってしまった。
「頭にくるわねぇー」と怒りまくりのZ。「歩いて行こうか」と私が声をかける。「冗談でしょ。ここからどれだけあると思っているの?」とプリプリして言う。(いや、どれだけあるかキミもわからないだろ)と思ったが、火に油をそそぐ結果となりそうなので口に出すのはやめておいた。それに、実際、かなりの距離がありそうだ。
「わたし、もう一回聞いてくる!」と言い放つとZはスタスタと門の方へ向かって行った。だが、しばらくして、両肩をおとしてがっかりした様子で戻ってきた。「もうすぐバスが来るから待っててだってー」。
さらに、10分ほどして、やってきたのはバイタク。「乗れよ。いつまで待ったってバスなんか来やしないぞ」といやに積極的だ。私が「乗ろうか?」とZに声をかけると、「絶対にいや!もうすぐバスが来るわ」と激しく拒絶された。普段は平気で乗っているのにどうしたわけだろう。バイタクがあきらめて去ったあと、改めて尋ねてみると、「こんなに寒いし、それにすごい坂じゃない。危なくてしかたがないわ」と説明してくれた。私たちが住んでいる街で乗るのも、危険度ではそんなに変わらないと思うが、Zと私では微妙に感覚違うようだ。
バイタクが去ってすぐに、大型バスがこっちに向かってくるのが見えた。Zは「来たわ、来たわ。来るっていったじゃない」と大喜びだ。門のところまで小走りに出て行って、チケット売りのおばさんに「あれでしょ。あれ」と確認をする。「そうよ。あれに乗ればいいわ」と答えをもらうと、「○○(私の名前)、あれだって、よかったわね。バイタクになんか乗らなくて。さあ、いきましょう」と待ちきれない様子でバスの来る方向に向かった。
やってきた大型バスはすでに満員で席は一つも空いていなかった。乗客は観光客ではなく、「丹霞山」観光地区の中で働く従業員のようである。通路に立って出発を待っていると、(バス内の)チケット売りのおばさんがやってきて、チケットを見せろと言ってきた。「丹霞山」の入場チケットをみせると、しばらくジロジロと眺めたのし、軽くうなずいて去っていった。観光客が乗ることに慣れているようだ。無料バスの運転手によるサボリは公認ということか。田舎では、まだまだ、運転手の立場が強い。
8:20、バス発。5分ほどで着くのかと思いきや、バスはどんどんと奥へ入っていき、8:35、ようやく「丹霞山」のふもとに到着。下車することになった。「ほら、すごく遠いでしょ。歩いていたりしたら、大変だったわよ」とZが得意げにしゃべる。「わかった、わかった」と素直に認めておく。
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【丹霞山<1>】 |
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登り口のところに改札があり、チケットの確認をしている。一旦中に入ると、再び出て戻るということはできないのかもしれない。すぐ横にレストランがあったので、「朝食とってなかったよな。食べていくか?それとも、登って、おりてからにするか?」とZに尋ねと、「当然、食べるわよ」と元気な声が返ってきた。「そうか・・・、山の中にトイレがあるか心配なんだけどな」と私がいうと、「○○(私の名前)は、心配しすぎなのよ。あるに決まってるでしょ」とにべない。(いや、あるかどうかが問題なんじゃなく、必要なときに必要な場所にあるかが問題なんだけどね。それにメチャクチャ汚かったら、使えないじゃん)と思ったが、「わかった、先に食べよう」と同意した。食事の時間についてZと争っても疲れるだけだからだ。登っている間中、お腹が空いた、お腹が空いたと訴えられてはかなわない。
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【丹霞山<2>】 |
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小汚いレストランかと想像していたが、入ってみると意外にきれいであった。客の入りもよく、朝9:00前にもかかわらず、大きなテーブルがいくつもいっぱいになっていた。私たち二人は、「刀削面」で軽く食事を済ませて、登山開始。改札を抜けて中に入ると、いきなり石の階段が始まる。まだゆるやかだが、どんどんきつくなるんだろうな。以前に江西省の「三清山」に登ったときは、最初の30分でへばってしまったことを思い出した。
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【丹霞山<3>】 |
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登り出してみると、意外にきつくなく、これなら無事に頂上までたどり着けそうな気がしてきた。考えてみれば、「三清山」のときは、野性味溢れるPが一緒だった。登っていくペースが全然違ったのかもしれない。
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【丹霞山<4>】 |
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目指すは、丹霞山で一番高い場所にあると思われる「長老峰」に設置されている「観日亭」。ここに向かってひたすら進む。実は、丹霞山には枝分かれしている道が幾つか出ていて、「観日亭」方面以外にも見所がたくさんある。枝分かれする個所には詳しい地図があって迷うこともなさそうだが、やはり体力が心配。そこで、枝道は無視して「観日亭」へまっすぐ進むことにしたのだ。
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【丹霞山<5>】 |
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「観日亭」が遠くに見える。本当にあんなところまで登れるのだろうか。最初は楽だった階段も徐々にきつくなってくる。山の高さは、江西省の「廬山」や「三清山」に到底及ばないのだが、階段の傾斜はこの「丹霞山」のほうが厳しい。息を切らしながら、
「観日亭」まであと一歩というところにある「別伝寺」というところに到着。(広東省のお寺の中では、異色の存在らしく、面白い歴史をもっているようだ。だが、中国語の資料しか見つからないので、紹介は後日にさせて頂きます)。
こんな山奥で修行するなんてなんと大変なことだろうと眺めていると、お坊さんが脇にある小さな門から外へ出てきた。そして、壁際でごそごそとなにやらやっている。なんだろうとじっとみてみると、電話だ、電話をかけている。お寺の壁に公衆電話が取り付けられているのだ。世俗と関係を断つために山奥で修行をしているのではないのか?といささか疑問を抱いたが、病人が出たりすることもあるだろうし、今の時代必要なものなのかもしれない。でも、「母ちゃん、春節には帰るからさぁ」など言っていそうな気がする。そう言えば、中国における仏教って、日本と同じようにいろいろな宗派があるのだろうか。
そして、最後のひと登り。だが、このひと登りが大変だった。階段の傾斜が恐ろしく急で、転がり落ちたら終わりである。「廬山」や「三清山」でも、こんなに急な傾斜の階段はなかった。傾斜が急なだけではない。石段の形が統一されておらず、一歩一歩踏みしめていかないと危険で仕方がない。雨の日はとても来れない場所だ。階段の両脇にある手すりに寄りかかるようにして上っていく。
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【丹霞山<6>】 |
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【丹霞山<7>】 |
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「観日亭」到着。靄がかかっていて、遠くの景色があまり見えない。見える景色だけで判断すると、風景としては、残念ながら「廬山」や「三清山」には遠く及ばないようだ。やはり、海抜の高度の差から来るものだろう。「丹霞山」の売りは、山や岩の形ではなく、地質にあるそうだ。たしかに、ここまで来る間に、地層が何重にも積み重なった山肌があちこちに出ていた。でも、地層の魅力って言われてもなー。
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【丹霞山<8>】 |
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ともあれ、「観日亭」の2階へ上がり冷たい風を浴びる。気持ちいい。Zもさすがに疲れた様子だ。だが、ひと休みして元気が出ると、「靄で、日の出がみれない!」と騒ぎ出した。「もう9:50だから、日の出はないよ」と言うと、ちょっと不満げに口を閉じる。しばらくすると、「写真をとって」とせがむので、パシャリ、パシャリととってやると、「ここは風が冷たくて気持ちがいいね」とご機嫌になった。忙しい奴だ。そして、下りに入る。
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【丹霞山<9>】 |
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途中、来るときに寄って来なかった「海螺(ホラガイ)岩」を覗いてみる。地層の跡がついた岩がせり出していて、ちょっと不気味。頭を高くあげるとぶつかりそうな感じだ。
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【丹霞山<10>】 |
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地図では、ここを抜けてグルリと回れそうに描いてあったのだが、まだ工事中らしく、お墓のような場所で行き止まり。お祈りをささげて、もとの分岐点まで戻った。
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【丹霞山<11>】 |
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【丹霞山<12>】 |
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再び、恐怖の階段。登るときも大変だったが、下りは一層危険。手すりだけが命綱だ。私も怖かったが、今こそ男の威厳。手すりをググッと握り、さっさと階段を下りる。男の威厳を見せるなら、Zの手助けをしてやれよというご意見の方もおられるだろうが、本当に危ないんですよ、この階段は。だって、下りているとき、背中のリックサックが階段にぶつかって擦れるんですから。「三清山」の「一線天」と呼ばれる階段もここまですごくはなかった。
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【丹霞山<13>】 |
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続けて、さらに激しい階段。Zはすでに後ろ向き状態。多くの観光客が、下段の手すりにつかまっている下の写真をご覧になると、その傾斜のすごさがわかることでしょう。
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【丹霞山<14>】 |
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なんとか、「別伝寺」まで無事戻ってきた。Zは「もう怖くないわよ」と胸を張ってみせる。階段を降りるとき、後ろの男性に「あまり強く握ると手すりが壊れるぞ」と言われたのが悔しいらしい。俺に威張ってみせても仕方がないと思うが・・・。
時間がだいぶ経ったため、観光客も多くなった。ここから、奇形岩として有名な「陰元石」を目指して、登りとは別の経路で下る。
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【丹霞山<15>】 |
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【丹霞山<16>】 |
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【丹霞山<17>】 |
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【丹霞山<18>】 |
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崖にそって地層が走っている。それも、壮大なスケールだ。地層には興味がないが、これだけの大きさだと、歴史の重さに圧倒される。しかし、これだけの下りをまた戻ってこなけれならないのかと思うと少し憂鬱だ。
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【丹霞山<19>】 |
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幸いにも、下りばかりが続くのではなく、なだらかな登りや下りが繰り返し続くのみ。これなら帰りも安心だ。
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【丹霞山<20>】 |
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【丹霞山<21>】 |
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11:00、奇岩「陰元石」に到着。女性の性器の形をしている珍しい岩。ただ、こんなに苦労してくるほどのものかなという気がしないでもない。さあ、戻りだ。
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【丹霞山<22>】 |
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途中で、やってきた道とは別の道に分岐して、湖へ向かう。
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【丹霞山<23>】 |
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【丹霞山<24>】 |
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「翔龍湖」に到着(11:20)。ここから船に乗って、山の入り口まで戻る(10RMB/人)。船はあっと言う間に着いてしまうが、景色がすばらしいのでチケットも惜しくはない。
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【丹霞山<25>】 |
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【丹霞山<26>】 |
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【丹霞山<27>】 |
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岸に到着したところに、お土産屋がある。ここで蜂蜜や地元のお茶が販売されている。Zがお土産を買い終わるのを待ち、出発(11:40)。ここから2,3分歩くと、山の入り口に到着である。
「丹霞山世界地質公園」には「丹霞山」以外に「陽元山」も含まれている。「陽元山」にある「陽元石」が次の目的地だ。「丹霞山」と「陽元山」はけっこう距離があるので、ここはタクシーを使う(15RMB)。「陽元山」のふもとで下ろしてもらって、再び改札を抜ける(私たちは「丹霞山」と「陽元山」のチケットがセットになっているものを購入したが、別々に買うことも可能である)。
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【丹霞山<28>】 |
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「陽元山」の入り口から、「陽元石」まではほぼ平坦な道が続く。ここまでであれば、子供連れでもくることができるだろう。さあ、「陽元石」登場。「丹霞山」の「陰元石」が女性の性器の形をしているのに対して、「陽元石」は男性の性器の形だ。もうそっくり、しかも巨大だ。信じられないかもしれないが、全て自然の造形で、人の手は一切加わってないという話だ(インターネットでもそのように紹介されている)。本当だとしたら、なんともすごい話だ。
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【丹霞山<29>】 |
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【丹霞山<30>】 |
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「陽元石」の見える場所を抜けると、舗装された道路に出る。ここを奥に入っていくと、次のコースに入る。入り口のすぐそばに、大きな岩。説明を読んでみると、どうやら、山頂から転がり落ちてきた岩らしい。
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【丹霞山<31>】 |
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この岩を抜けて、路を進む。「陽元石」までの道と違って、こちらは傾斜が厳しい。ぜいぜいと息を切らせながら登っていく。
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【丹霞山-陽元山の通泰橋-<32>】 |
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通泰橋着。巨大な丸太でできているのかと思ったら、岩だった。おっかなびっくり橋を渡る。
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【丹霞山<33>】 |
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橋を越えたあとは、しばらくゆるやかな路が続いた。その後、登りと降りを繰り返しながら、徐々に高いところへと導かれていく。路は石とコンクリートで固められているが、細いので歩いていて危なっかしい。ところどころ、真っ赤な落葉で埋まっている場所があり、とても綺麗だ。
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【丹霞山<34>】 |
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【丹霞山<35>】 |
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疲れてきたのだろう。登りの路になると不機嫌になるZ。でも、ここまできたからには、最後まで歩き通すしかない。地図を見た限りでは、グルリと山を抜けて反対側に出れるはずだ・・・。
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【丹霞山<36>】 |
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「この路って行き止まりじゃないの?」とZがボソッと言う。「えっ?そんなわけないだろ。こんなに路が整っているのに」と石段を足で踏みしめながら答える私。Zは再び黙り込んで私のあとをついてくる。しかし、階段はどんどん傾斜が厳しくなり、とうとう両手を地面について四足にならなければ登れなくなってきた。
結局、よもやとおもっていた岩山の頂上に登りつめた。・・・が、頂上で行き止まり。呆然とする私の後ろで苦笑しているZ。もはや怒る元気もないという様子だ。或いは、もう登る必要がなくなったというので安心したのかもしれない。
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【丹霞山<37>】 |
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登りは体力的に大変だったが、降りは精神的に疲れる。何しろ、四足で登ってきたほどの急な階段だ。手すりを必死でつかみながら一歩、一歩降りていく。「こんな手すりまでつけといて行き止まりはひどいよなぁ」とZに訴えるが、もはや回答なし。
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【丹霞山<38>】 |
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【丹霞山<39>】 |
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来た路を黙々と戻る。この長い道のりが落とし穴だったとは・・・、ひどい。
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【丹霞山<40>】 |
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最後の急階段。Zはとうとう座りながら階段を降り始めた。いくらなんでも大げさなと思ったが、Zの表情をみると真剣だ。厳しい傾斜の階段が続いたので精神的に参ってきたのかもしれない。「ゆっくりでいいから!」と声をかけてやると力なく手を振り返してきた。
午後3:00、ようやく「陽元山」のふもとに到着。改札を抜けて、ひと安心。お土産屋でしばらくぶらぶらしてから、バンの白タクに乗る。韶関駅まで15RMBと安いが、他の客と一緒の乗合だ。席がいっぱいにならず、なかなか出発しない。4:00に近づいた頃、ようやく席が埋まり出発。
午後5:00、駅に到着。タクシーに乗り換えてホテルへ向かう(4RMB)。
ホテルで一休みした後、6:20、再び出発。Zが「疲れた、疲れた」を連発。引きづるようにしてタクシーに乗り込む。Zはどんなに疲れていても、ホテルの部屋に入るとベッドにもぐりこみ嬉しそうにテレビに見入る。休めと言っても、全然聞かない。本当に困った奴だ。
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【夜の風度南路】 |
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6:50、「紅星茶」という2Fにテラスのあるお店で食事。本当はこれぞ韶関料理!というようなものを食べたくて一生懸命探していたのだが、Zがお腹が空いた、お腹が空いたとうるさいので、やむなく妥協した次第だ。
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【風度南路での食事】 |
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ちょっと肌寒いぐらいであったが、火鍋を食べて暖まり、ホテルへ戻った。心地よい疲れとともに眠りに入る。(Zはテレビを見ていたが・・・)。 |