ADSL回線の申請をしてから、とうとう三ヶ月が過ぎてしまった。開通するどころか、いつの間にか申請がキャンセルされてしまっていたというお粗末さ。工事業者によると、私と連絡がつかなかったのでキャンセルしたとのことである。平日は仕事があるからアパートは当然留守である。だから、連絡がつきにくかったのはわかるが、何もキャンセルすることはなかろう。しかも、保証金として380RMBを銀行の口座から引き落としておいて・・・、あんまりだ。
今日、あらためて工事業者に電話したところ、申請を受け付けた営業部との間でこの件の責任についてもめているらしいことが明らかになった。責任の所在についてもめるのは、私のADSLを開通してからにしてくれーー。幸い、ここしばらくは仕事が忙しく、家のLANをいじっているほど暇ではない。ゆっくり解決すればいいや、と開き直る。
今日は松岡鎮まで寿司を食べに行くことにする。「エクスプロア生活ガイド 深セン」によると、中国人経営の回転寿司屋だ。ちょっと危ない香り(笑)がするところが、私の闘魂を燃え上がらせる。
いつもの運ちゃんを見つけて価格交渉。「いくらだ」。「30元」。「高い」。「高くないよ。ナントカカントカ○×▲・・・」。「すぐ近くじゃないか。25元だ!」。「ナントカカントカ○×▲・・・」。「ダメ。25元」。
とうとう運ちゃんは、少し目を潤ませて乗れ乗れ、と合図をする。「25元だぞ」。「わかった、わかった」。少し背中がさびしげだが、ここで同情してはいけない。お涙ちょうだいが効く奴だと思われては今後に響く。
15分ほどで松岡鎮に到着。少し歩いてみるが、なかなかお店が見つからない。面倒になってきたので、バイタクの運ちゃんに連れて行ってもらうことにする(3RMB)。
回転寿司屋は2Fにあり、1Fから2Fへの階段には寿司や刺身の写真が貼られており、けっこう日本風だ。ところが、お店に入ってみると、客が一人もいない。私が一番乗りというわけだ。11時30分という早い時間のためなのか、お店がつぶれる寸前なのかと考えを巡らせるが結論がでない。ええい、ここまできて引き下がれるか!思い切って席に着く。
メニューを眺め始めたところで、ウェイトレスが説明を始める。98元のコースだと、刺身と寿司の両方が食べ放題。58元のコースだと、お寿司だけが食べ放題とのことである。聞いてみると、ウニやいくらもOK。(58元で食べ放題じゃ、元がとれんだろう。一体どんな寿司が出てくるんだ)とかなり心細くなるが、(再び)ここまできて引き下がれるか!とばかりに58元のコースを選ぶ。
客が私一人ということもあって、店内は照明もつけずに暗いままだ。しかし、板前さんはピシッとした姿勢でなにやら作業をしている。何よりもウェイトレスの表情が明るいのが救いだ。しかし、一方でテーブルの上に置かれている紙ナプキンが入れ物からダラリと垂れ下がっているのが気になる。客は毎日来ているのだろうか?
待つこと5分。とうとうお寿司がやってきた。まずはネタをじっくりと見る。(新鮮そうだ)。だが油断してはならない。頼りになるのは自分の両目だけなのだから・・・。もう一度別の角度から眺める。(大丈夫だろう)。思い切って口の中に入れてみる。OKだ。
注文したお寿司が次々とやってくる。ネタはどれもまともだ。問題があるとすれば、シャリだろう。ネタに対してシャリの量がかなり多い。そして、もち米が入っているのではないかと思うくらいマッタリしている(味はまぁまぁ)。これだけシャリが多いと、いつもは11皿は食べる私も8皿ほどでギブアップせざるおえない。食べ放題で元をとる秘密はここにあったのだ。でも、58元なら十分お得といえるだろう。今度来るときはお刺身OKの98元コースにしようじゃないか。
お寿司を食べるという大目的を達したのであとは帰るだけだが、せっかく来たので松岡鎮で一番大きいデパート「佳華スーパー」に寄っていくことにした。同じチェーン店が私の鎮にもあるのだが、こちらの方が一回り大きい。ご存知の方も多いと思うが、中国のデパートやスーパーは手荷物の持込が禁止されているところがほとんどだ。万引き防止のためだろう。店の入り口のところに預かり所に荷物を預け、番号カードを受け取ってからショッピングに入るのが普通だが、最近は無料の自動ロッカーを設置しているところが増えてきている。ドアを空けて荷物を放り込み、閉めると中央の小口からレシートが出てくる。そのレシートに暗証番号がかかれてあり、中央のテンキーにその番号を打ち込むとドアが開き荷物を取り出せる仕組みだ。
ぶらぶらと1Fから5Fまで上がるが、目新しいものがなかったので何も買わずに済ませる。運ちゃんを携帯電話で呼び出して、まっすぐ帰宅。