2003年8月-9月(day006)

2003年8月-9月(day006)


2003年8月3日
 近年、体重の増加とともに運動不足を強く意識している私は、次々と体質改善策を打ち出している。代表は、2年前に始めたダンベル体操だ。片方で500g、両方で1Kgから始めたダンベルはすでに片方で7kg、両方で14kgへと重量アップを遂げることができた。確かに効果があって、筋肉の大幅な増量を遂げたが、同時に脂肪も増加し、メリットとデメリットが相殺されてしまっている状況だ。
 この状況を打開しようと昨年夏から始めた「朝の散歩」は最初の冬の寒さに阻まれて挫折。そこで、今年新たに「ポンポン(仮称)」というダイエット器具の使用を始めた。だが、これは足の故障によって2週間ほどで中止となった。
 そこで第3策としてパンチング器具を採用し、これはそこそこ成功を収めた。ストレス解消にもなって一石二鳥だ。だが、長時間やっていると音が響いて近所の赤ん坊が泣き出して具合が悪い。中国のアパートはレンガ建てでしっかりしているので、揺れるようなことはほとんどないのだけれども、やはり限度がある。
 問題点がもう一つあって、ダンベル体操といい、パンチング器具といい、全て腕を使う運動だということだ。脚を使う運動である、「朝の散歩」と「ポンポン」が挫折してしまっているので、はなはだバランスが悪い。
 対策として、先々月からローラー・ブレードによる運動を検討し始めたが、一歩間違えると大怪我しかねないことからおよび腰になってしまった。専門のホームページをのぞいてみると、転ぶ練習から始めなければならないらしい。アスファルトの道路で転ぶ練習(しかも前転び)をするとなると、どうも踏み切れない。結局、計画を断念することにした。
  そして、三日ほど前、ようやく新しい運動方法を見つけることができた。「足羽つき(仮称)」である。お正月にやる羽つきの羽を大きくしたものを足でリフティングするように蹴る遊びだ。中国人の子供の遊びらしい。それをスポーツ店で発見し、早速購入。ひとつ3.5元(日本円で50円ぐらい)だから安いものだ。
 住まいに帰って、さっそく試しげりをする。意外に難しい。1回けっただけで、地面に落ちてしまう。これはいけない。十分ほど続けてみたが、進歩なし。そこで、次の日も続けて練習。その次の日(今日)も練習。とうとう、連続3回ぐらいは蹴れるようになった。連続50回ぐらい蹴れるようになればかなり良い運動になるのではないかと、期待を大きく膨らませている今日この頃である。
2003年8月4日
  8月13日から18日まで、内モンゴルへの旅に出ることになった。本来なら片道ぐらいは列車で行きたいところだが、今は職有りの身だ。そうのんびりもしていられない。エアチケットを購入に行く。
 先日チケット売り場に足を運んだときに聞いたところでは、フフホトへの直行便は深セン、広州ともに全くないとのことであった。以前に「地球の歩き方」を見たときには確かにあったのに・・・、SARSの影響で直行便がなくなってしまったのだろうか?
 そこで、本日は確認から入る。「フフホトへの直行便はないのか?」
 「あるわよ」とあっさり回答がある。
 「13日出発のはあるか?」「それはないわね。14日ならあるわ」
 やられた。最初から知っていれば、14日から休みをとったのに。
 先日来たときには、スタッフが二人そろって直行便はない!直行便はないと言い張っていたのに、どういうわけだろう。全くいい加減な奴らだ。(*注)

*注)スタッフ同士の話が耳に入ったのだが、どうやら、北京経由にすると、リベートバックが大きいらしい。SARSのせいで、北京行きの客が減ったためか、北京経由だと何かと優遇があるのだろう。だから、できるだけ、直行便チケットを販売しないようにしていたのだ。

 いまさら日程を変えることはできないので、北京経由でいくことになった。しかも、北京までは4割引きだ。(このときは気づかなかったが、北京でSARSが大流行したこともあって、北京行きは特別安くなっていたようだ。面白いことに、北京からの戻りは2割引のみ。帰りは勝手にしろというわけか。もっとも上海行きはさらに安く5割引であったから、別の理由があったのかもしれない。)。北京からフフホトまでは割引なし。
 帰りのチケットは、いろいろな経路を検討した結果、フフホトから広州までの直行便を採用した。一応2割引だ。往復、合計で2790元。けっこうな出費だが、一生に一度行けるか行けないかの場所だ。チャンスを大切にすることにしよう。
2003年8月7日
 当初一人旅だったはずのモンゴル行きが、急遽二人旅に変更。チケットをもう一人分追加しなければならなくなった。チケット売り場に行って、同じ経路でもう一人分をとってくれと頼んだ。
 「あっ、北京からフフホト行きがもう一杯になっているわ。ファーストクラスしか空いてないわね」
 「ファーストクラスだといくら追加になるの?」
 「230元」
 微妙な価格差だ。短距離だから、もとの値段は440元。1.5倍ちかくなるのだが、230元のために北京で一泊したり、スケジュールを再調整したりするのは大変だ。「わかった、ファーストクラスでいいよ」とOKを出す。
 これだけなら良かったのだが、今度は「あっ、フフホトから広州も席が空いてないわ。ファーストクラスしかないわね」と言い出した。
 「ファーストクラスだといくらになるの?」と再び尋ねる。
 「25XX元よ」
 高い!600元以上の追加だ。これはさすがに無理だ。
 そこで、私のチケットも合わせて変更をかけ、戻りを一日遅らせてフフホトから深センの直行便で帰ることにした。これだと、2.5割引となって、最初チケットのキャンセル分と北京とフフホト間のファーストクラス代を含めてもほぼトントンだ(追加1日分のホテル代は除く)。モンゴルで6泊もして何をするのかという疑問も残るが、まぁ、せっかくの休みだ。のんびり過ごしてくるとしよう。
2003年8月12日
 昨日のこと、「内モンゴル」行きが一転して「江西省」行きへと変更された。一緒に旅行に行く予定だった友人(中国人)がひったくりに遭って、身分証を失ってしまったからだ。派出所で盗難証明書を出してもらい、これで飛行機も乗れるということだったが、チケット代理店のスタッフはこれでは不十分だという。安全管理が厳しくなっており、仮の身分証を発行してもらわなければだめだという意見だった。内モンゴルまで行って、帰りの飛行機に乗れないとなったら大変だ。そこで、思い切って全てキャンセルすることにし、友人を田舎の「江西省」に送り、ついでに旅行をしてくることにした。
 (出発二日前にキャンセルをかけたので、5%のキャンセル料で済むはずだったが、北京行きの4割引きチケットはキャンセル料が特別高く20%も取られることが判明、結局合計で500RMBものキャンセル料を払うはめになってしまった)。
 江西省南昌までは軟臥(グリーン寝台車)で行くことにし、私が上のベッドで313RMB、友人が下のベッドで326RMBのチケットを購入した。出発は東莞東駅からだ。夜7:00発の飛行機だと、5割引きで400RMBを切るから軟臥(グリーン寝台車)ならば列車で行くのも飛行機で行くのも費用はほとんど同じだ。友人は飛行機に乗るのが初めてで楽しみにしていたらしく、最後まで飛行機で行くことを主張していたが、却下。中途半端な身分証で直前にトラブルを起こされるわけにはいかない。それに私は久しく列車の旅をしていない。旅は列車だよ、やっぱり。
 出発は8月13日の3:30。タクシーで東莞東駅まで行き、6:14発の列車に乗る。南昌着は14日の早朝4時頃らしい。初めてと言っていい、二人旅。どうなることやら・・・。
2002年8月20日
 本日、夜中の3時にようやくアパートに帰着。天候が悪く、飛行機の出発が4時間も遅れてしまったのだ。さすがにバテバテだ。

 総合的にみると、今回の江西省への二人旅は大変有意義であった。江西省の山々には無数の奇岩が溢れ、前進する度に驚くべき光景が目の前に現れる。綺麗に敷かれた石畳の階段を上っていく公園の散策のような山登りなのだが、絶壁に沿って歩みを進めて行かなければならない。中国人の友人がタッタッタと軽快に上っていく後ろ姿を眺めながら、私は精一杯山側に寄って腰を引き気味に這うようにしてついていく。思い出すに、ちょっと情けない有様だ。
 でも、一歩足を滑らせたら間違いなく命がないようなところを歩いていくのだ。普通の日本人だったら、誰でも私と同じようになることだろう。小学一、二年生ぐらいの中国人の子供が崖際を走り抜ける横でのったらのったら腰を低くして歩く姿は知り合いに見せられたものではないが。
 それにしても彼らはすごい。崖っぷちギリギリの所に立って、笑顔で写真撮影を平気でしている。突風が吹いたら・・・とかは考えないのだろうか。

 個々の山登りでは野性のエネルギーで私を圧倒しまくった友人であったが、やはり女性、旅全体の歩みはどうしても遅くなる。私一人であればバス停で数時間待ったところでどうということはないけれども、女性に同じことはさせられない。スケジュールに余裕を見て行動せざるをえないので、観光先は一人で行くときの半分ぐらいになってしまった。
 その他腹立たしかったのは、中国人特有の友達の輪。行った先で友人が車から宿泊まで全てを手配してしまう。彼女は余計な苦労はしたくないから、喜びまくり、良い友人だ、良い友人だと連呼。その上夜は友人たちと打ち上げ会。私にしてみれば、そんなのは旅でも何でもない。最後は大喧嘩となってしまった。結局私の主張が通り平穏な旅にもどったが、もう二度と彼女の知り合いがいるような場所には行かないと心に固く決めた。

 二人旅の良いところは、食事も旅の楽しみに加えられるところだ。中華料理店は一人ではなかなか行けない。そこで、いつもはチャーハンやラーメン、果てはケンタッキーで済ませざるをえないのだが、今回は江西料理を心行くまで味わって過ごせた。また、車中でも飽きずに過ごせる。ただ、これは旅を楽しむというより、人間関係を深める方が主になってしまうので良いとも悪いとも言えないところだ。何にせよ、これからは二人旅が多くなる。私も新しい旅の楽しみを学ばなければならないだろう。

 旅の詳細は「江西省の旅-九江・廬山・三清山-」にて別途記させて頂きます。お時間のある方はご覧になってください。

2003年8月24日
 昨日、久しぶりに深セン市内へ出掛けた。要件は二つ。ADSLモデムの購入と歯の治療だ。半年以上前に中国電信が設置してくれたADSLモデムが数日前にとうとう壊れた。今の私の生活にインターネットは欠かせない。最初は修理できないものかと思ったが、修理期間ずっとインターネットができないのは困る。そこであっさり新規購入を決めた。深センのパソコン街で値段を尋ねてみると、320RMBから390RMBの間でいろいろある。結局、365RMBで「実達」のモデムを購入した。
 歯の治療に関しては、実は一ヶ月以上前にすでに歯の一部が欠けてしまっていた。痛くなかったのと、いろいろ忙しかったのとで放っておいたのだが、ずっとそのままにしておくわけにもいかない。馴染みの歯医者で治療。義歯を作ってもらって、400RMB。前回と同じレベルのものにしてもらった。診察料もコミコミでこの値段だから、値づけもいい加減なものだ。

 帰りのバスでは懸賞詐欺集団に出会った。南方に来て3度目になる。缶ジュースに大当たりが入っていて、それをサクラが偽外国紙幣と交換し、さらにその偽外国紙幣を乗客に売りつけるという方式だ。今回は乗客の3分の2ぐらいが詐欺集団のスタッフで彼らが下りてしまうとバスはガラガラになってしまった。
 私が南方に来て3年ぐらいになる。バスに乗るのはせいぜい一ヶ月に一、ニ回。その間に3度あったわけだから、この詐欺はものすごい数が行われているのだろう。騙されている人はほとんどいないようだが、詐欺社の演技はなかなかのもの。特にジュースの炭酸がこぼれて吹き出したときのリアクションは素晴らしい。と面白がっていても、いつ、詐欺集団が強盗集団に変らないとも限らない。この詐欺が始まると、居眠りができないのがつらいところだ。しかし、毎回ジュースから始まるのはどういうものだろう。何か別のスタートを考えたほうがよいのではないかと思うのだが。
2003年9月3日
 昨日の台風はすごかった。
 仕事が終わって帰宅したばかりの頃から徐々に風が強くなり、近所のデパートにある「一番館ラーメン」を食べに行こうとしたときには雨を伴いだした。そこで、愛用している少し大型の木製傘を開いた。すると、途端に突風が吹き荒れ、傘が取っ手の部分からもぎ取られてしまったのである。傘は散々道路を暴れまわった後に道路脇の茂みに捉えられ、ようやく私の手に戻った。
 (アパートに戻って大人しくしておいたほうがいいかな?)と思ったが、ラーメンが食べたいという欲望に負け、傘を閉じて雨の中を走り抜けた。

 最近のお決まりセットは、ラーメン(または焼きそば)とサーモン寿司と餃子。ラーメンが15RMB、お寿司が一組で12RMB、餃子が6個で6RMB。合計33RMBである。会社の日本人用食堂で食べれば美味しい日本料理がたったの4RMBであるから、とんだ無駄遣いだ。でも、会社から解き放たれた開放感には代えられない。私はあまり集団生活に向かないのかもしれない。

 ラーメンを半分ほど食べ終わった頃、雷が轟き渡り、お店が真っ暗になった。停電だ。しばらくすると、店員がろうそくに火をつけて私の席にもってきた。ああ、明るくなったなと思っていると、大勢の店員がロウソクを手にして、私の席に続々とやってきた。火をともし他の客の席に置くためだ。(別の場所でやれよ!)と思ったが、店員が嬉々として火をともしている様子をみると、とても言い出せなかった。

 食事を終えてお店を出るころには一層風が強くなり、雨が道路に叩きつけられているように見えた。もはや傘をさす気にもなれず、大雨の中を駆け足でアパートまで戻った。

 アパートに入ると、こちらもやはり停電。常備してあるロウソクを探り当て、台所までいきガスを使って火をつけた。停電になってしまうとテレビもみれないし、インターネットもできないからかなり暇になる。一眠りして電気が戻ってくるのを待とうと準備を始めたところで電話が鳴った(21:00)。

 電話は会社の税関担当者であった。『先ほど落雷があってインターネットができなくなった。それで税関の申請ができないので出荷処理が進められない。そうなると、余分なお金を支払わなければならない』との内容である。

 お金が絡むとなると選択の余地がほとんどない。しかし、この暴風雨の中をどうやって会社までいくかが問題だ。雨の日はタクシーがなかなか見つからないからだ。ままよ、当たって砕けろだ。すぐに会社に行くと応答して、電話を切った。

 ロウソクの火を吹き消して部屋を出た。
 アパートの隣の美容室では数人が軒下で雨を避けている。すぐ近くのホテルの前にタクシーが数台停まっているのが見えた。雨が強すぎると、返って客が見つからないのかもしれない。私は手を振って、こちらに呼び寄せた。
 突然、ドカーンと音がした。道路の対面からである。目をやると、高さ1.5メートル、横60センチ、幅30センチぐらいの看板が地面に落下して粉々になっていた。(今日は無事に帰ってこれるかな?)と心配しつつタクシーに乗り込んだ。
 タクシーを会社に向かわせながら、料金交渉をする。こんな嵐では帰りに新に車を手配するのは難しい。是非とも私の帰りを待っていてもらわねばならない。30分10RMBで会社の前で待っていてもらうように頼み、交渉成立。

 会社につくと早速コンピュータをみたが、落雷によるハードの故障らしく本日は対応不可であることがわかった。夕方からすでに4度ほど停電しているらしく、私が着いてからも1度停電になってしまった。こうなると、むしろコンピュータを止めて仕事をやめてくれといいたくなるがそうもできない。

 対応は明日になります、と結論を出して帰宅。道路はすでに湖状態、看板やゴミがそこら中に散乱している。部屋に帰ると、まだ電気は戻ってきていない。再びロウソクに火を灯したが、やることもないので眠りに入った。

 停電は結局朝まで続いた。外に出ると、雨も風も大分弱まってきているのがわかる。タクシーに乗って会社までいく途中の光景はすごかった。道路脇の樹木が軒並み倒れ、道路の半分ぐらいを占めている。運転手によると、これほどの台風は初めてだそうだ。

 日本はどうしているのだろうか、とこんな時には気になる。
2003年9月6日
 いろいろなサイトの皆様に相互リンクをして頂いたおかげで、Yahooのページ検索にトップページ以外も出てくるようになりました。ありがとうございます。
2003年9月11日
今日は中秋節。中国人はこうした記念日をとても重んじる。家族と過ごせる人は一緒に食事をするし、そうでない人はできる限り電話をする。そのためか、夕方は電話回線が一杯になって、全然電話が通じなくなった。ちょっとびっくり。
2003年9月13日
   昨日から一泊二日で香港へ出かけてきた。
 宿泊場はいつもの通り、重慶マンションの「Welcome Guest House」・・・のつもりだったが、中秋節の影響で部屋が一杯。夜の8時まで開かないという。その時はまだ午後4時、とても待っていられない。少し高くてもいいから別に部屋はないのか?と尋ねる。すると、オーナーはしばらく考え込んで、「一泊だけか?」と質問をしてきた。「そうだ」と答えると、「それなら、俺の妻が経営しているところが16Fにある。一泊180HKドルだ。それでいいか」と言ってきた。「OK!」と返事をすると、「よし、俺が一緒に連れて行ってやろう」と立ち上がった。

 重慶マンションのA棟7Fと15Fが「Welcome Guest House」の経営だ。フロントは7Fにある。年は取っているが元気なオーナーとその息子、そしてインド系の若い女性のいずれかがフロントで受け付けをやっている。奥さんとは初耳だけれども、それよりも不思議なのは16Fにも部屋があるということだ。商売を拡張でもしたのかな、と疑問に思っていると、エレベーターは下に向かいだした。

 上に行くのに、下に向かうのは重慶マンションでは珍しくない。エレベータの数が少ないので、混んでいるときには上行きだろうが下行きだろうがとにかく乗ってしまうのが重慶マンションのルールだからだ。さもないと、1時間経っても乗ることができない。だから、1Fからまた上に上がっていくのだろうと踏んでいたら、オーナーはさっさと降りてしまった。慌てて後を追う。

 オーナーはぐんぐんフロアを奥へ進んでいく。重慶マンションはインド系の怪しげな店が多いので、奥へ向かうのはかなり勇気がいる。オーナーが以前からの顔見知りでなければとてもついていく気になれないところだ。
 しばらくすると、エレベータが現れた。尋ねると、「D棟」だという。重慶マンションにはA,B,C,D,Eの5つの棟があるのだそうだ(私はAとBしか知らなかった)。下りてきたエレベータに乗って、15Fまで上り、階段で16Fまで行く。(重慶マンションのエレベータは2台が交互の階で下りる仕組みになっている)。
 
 エレベータの中でオーナーに聞いたところによると、SARSの影響は安宿の営業にも及んだらしい。「あれはたまらん、もう一度きたらお終いだ!」と辛そうな表情で語っていた。

 16Fに着くと、愛想のよい奥さんが部屋まで案内してくれた。(ホテルの名前は「新上海賓館」)。私が部屋に荷物を置いていると、オーナーが奥さんに「180HKドルだぞ」と言い聞かせている。いつもの場所の180HKドルの部屋に比べると造りが綺麗だから、きっと安くしてくれているのだろう。ありがたいことだ。

 (いつものことだが)香港では、買物をするぐらいなので書くべきことはあまりない。ただ、長引く不況の影響で人々の表情はずいぶんと厳しくなっているような気がした。香港の繁栄が復活する日は再び訪れるのでであろうか。
2003年9月14日
 香港から帰ってきたのが、昨日、暢気に上の日記を書いている水面下ではとてつもないことが起こっていた(笑)。江西省に帰っている友人と連絡がとれなくなってしまったのだ。電話をかけるとたいがいは「電源が切られています」のメッセージが流れ、繋がったかと思うとプツンと切られてしまうということが続いた。香港に行く前までは仲良く話していたのにどういうわけだろうと頭を悩ましながら昨日は床に着いた。
 そして、今朝電話をすると、なんと男が電話に出たのだ。(どういうことだ!)と思いつつも、「Pはどうしたんだ」と律儀に質問をする私。「Pは用事があって、今はいない。1H間ほどしたら電話をしてきなよ」と電話を切られた。(1時間も待っていられるかー)と10分後に再び電話をするが、電話はすでにスイッチ・オフにされていた。
 2時間後、再びトライ。今度は「すぐ戻ってくるから、5分後、いや2,3分後に電話をしてくれ」とのこと。真面目に3分後に電話をするとすでにスイッチ・オフ状態。(さすがに頭にきた。でも、どうしようもないなー。なんかやったけ俺?)と私にできるのは頭をひねることのみだ。

 不愉快な気分で一日を過ごしたところで、電話がかかってきた。「もし、もーし」と友人の声だ。「どういうことだ!」とどなりはしなかったが、今日の電話について問いただした。そして、事実が判明した。「またヒッタクリに遭っちゃった」のだそうだ。つまり、私は今日、ヒッタクリ(または売り先)と話をしていたのだ。一ヶ月のうちに2回もひったくりに遭う馬鹿者が世の中に存在するのか?と衝撃を受けるとともに、「私って本当に運が悪いね」という友人のボヤキを聞いて、(こいつ、またやられるな)と悲しい確信を抱いた。もっとも、この愚かさからくる無邪気さが私を惹きつけてやまないのかもしれない。でも先が思いやられるよ、ホント。 
2003年9月21日
 昨日は歯医者に行くために深セン市内へ。治療を終えた後、ジャスコで回転寿司を食べることにした。そして、悲しい発見をした。寿司のシャリが甘くなっているのだ。それもワサビでごまかさなければ食べられないほどに。完全に中国人向けの味付けになってしまっている。もはや寿司ではない。がっかり。
2003年9月27日
 ここ数ヶ月携帯電話代が跳ね上がっている。毎月ほぼ600RMBで推移している計算だ。これは何とか減らさなければならないと、中国移動の優待セットを利用することにした。毎月の基本料金を高くして、その分、通話料を安くする方式だ。私の場合だと、268RMBもしくは388RMBのセットを利用することになる。268RMBのセットだと600分の通話料(省内)、388RMBのセットだと1000分の通話料(省内)が無料で追加される。その他転送サービスや伝言サービスも無料で利用できるようになるので結構お得だ。
 そこで、日曜日になると中国電信の窓口へ行き申請のために列に並んだのだが、この列がなかなか進まない。皆が複雑な問題を持ち込んでいるらしくて30分待っていても自分の番がこない。そこで、ここ三週間ほど窓口まで行っては引き返すということを繰り返していた。
 ところが昨晩、明日は朝一番で並ぼうかと決意を固めていたところで、ふとインターネットで契約の変更が可能なのではないかと思いついた。早速中国移動のホームページを探り当て、トライ。いとも簡単に成功してしまった。268RMBのセットだ。388RMBのセットのほうが良いのかもしれないが少し様子をみてみよう。ついでに受信が無料(中国の携帯は一般には受信も有料)になる20RMBのセットもオプションで追加。いやー、便利な中国になったものだ。
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