2004年11月(day015)

2004年11月(day015)


2004年11月1日
 現在、水槽(大)に親グッピー7匹+メダカ1匹、水槽(小)に子グッピー5匹の状態である。親グッピーは10月の末に雌を1匹追加してある。子グッピーの方は、一度全滅し、新たに生まれたものが5匹となった。
 Zの方は、8匹いた子グッピーが水換えにより4匹となり、その後新たに生まれた1匹を追加し5匹となっている。

 餌のほうは、香港で仕入れたフリーズドライの「ブラインシュリンプ」がグッピーたちに大好評である。最初のうちは、それほど食いつきが良いように見えなかったのだが、数日経った頃からすごい勢いで食べ始め、今ではこれまであげていたフリーズドライの赤虫と同時にあげたりすると、そちらには見向きもしない。よほど美味しいのだろうなぁ。

 グッピーの話だけでは申し訳ないので、携帯電話に関するご報告をしておく。先々月の末に購入したフィリップの「XENIUM9@9++」であるが、これまでは10日に一度の充電で十分間に合っている。夜も電源は落としていない。新聞によると、電池が特別なわけではなく、携帯電話の機能自体が省電力設計となっているのだそうだ。
2004年11月4日
 昨日の朝、いつものように水槽(大)を覗き込んで見ると、子グッピーが5,6匹目に入った。おおっ!生んだのか。すごい、すごい。じっくりみると、5,6匹どころではない。10数匹はいるようだ。さっそく、網をつかってすくい上げ、水槽(小)へと移し始める。

 いやー、とうとう生まれてくれたんだなー。実は、雌グッピー一匹のお腹がパンパンに膨らんでいて、これはまたもや「稚魚詰まり」を起こして死んでしまうのかなぁと半分諦めていたのだが、その雌グッピーが無事出産を始めてくれたのだ。私がすくい上げをしている最中にも、どんどん子グッピーを産み出している。ときには二匹一度に生んだりもして、私を喜ばせたが、その直後にパクッと一匹食べやがった。こいつらグッピーは、子グッピーを食べることが出産の動機づけになってるんじゃなかろうか。

 子グッピーを狙っているのは、母グッピーだけじゃない。ひどいのはメダカ。ものすごい勢いで、子グッピーを探し回っている。他のグッピーたちも、今日は私があげるフリーズドライの餌には見向きもしない。生まれてくる「生餌」のことで頭がいっぱいなのだ。困った奴らだ。食われないうちに、出来る限りの子グッピーたちをすくい上げなければ。懸命の救出作業が続く。

 早朝の一時間を費やし、二十匹以上のグッピーを水槽(小)へと移動した(一部はZにプレゼント)。これだけたくさんいれば、今度こそ、育成に成功するに違いない。頑張るぞー。
2004年11月8日
 雌グッピーはさらに子供を産み続け、水槽(小)にいる子グッピーたちはすでに30匹以上となった。Zの金魚鉢にいる子グッピーも合わせれば40匹以上になるかもしれない。これだけの数の子グッピーが泳いでいる姿は壮観だ。これだけいれば、無事成人してくれる子グッピーが必ずやいることだろう。
 現在問題となっているのは、水槽(小)の水の浄化である。以前に小型フィルター器を入れていたときは、グッピーがフィルター器に吸い込まれてお亡くなりになるという事故が頻発した。だから、今はフィルターを入れていない。そうなると、どうしても水が汚れてくる。これを解消するためには、時々子グッピーたちを別の容器に移して、その間にフィルターをかけて、水が綺麗になったらもとに戻してやるという手間をかけてやらなければならない。
 しかし、過去にあったような10匹程度の子グッピーではない。30匹以上もいるのだ。この引越し式浄化法は、かなり手間だ。でも、やるしかないんだよなぁ。

 昨日、友人Kが遊びに来たので、近所の広場に連れて行った。今、広場で拡大中のミニ遊園地をみせるためである。このミニ遊園地は、当初、小さな池とボートがあるだけだったのだが、どんどん設備が増え、今では、急流下りのアトラクションまで備えるようになった。ミニ遊園地にあるアトラクション装置はどれも、手作り装置のようで(しかも、いつ壊れてもおかしくない)非常に面白い。そのなかでも、新しくできた急流下りは実に「いい!」。日本の公園にある滑り台よりちょっと高いぐらいの位置までボートをベルトコンベアで引き上げ、一気に滑りおちるだけなのだが、すごく怖そうだ。私も乗ったことはないのだが、この急流下りの装置を見せたくて、わざわざKを広場に連れて行った。

 ところが、Kを連れて行って驚いたのは、むしろ私のほうであった。なんと、急流下りの装置に加えて、とうとうジェットコースターができていたのだ。すごいっっ!乗り物が走れるのは、たったの2030メートルほどだが、一応、ジェットコース-ターの形を成している。急流下りのときもそうだったが、こんな機械を運行して法律に違反しないのだろうか、と質問したくなるほどの装置だ。みると、1回5RMBと書いてある。うーん、是非1回乗車してみるとしよう。命がけのスリルとはこのことをいうのかもしれない。

2004年11月14日
 昨日は、公明鎮にある「光明滑草場」と「観光乳牛モデル農場」に行って来た。まず、タクシーで107号線に出て下車。バスステーション前で、「光明農場」行きの301号線バスをつかまえることにした。ところが、1台目は道路の真中辺りで停車したため、間に合わずおいて行かれてしまった。「別のバスで公明鎮まで行ってから、乗り換えようよ」とZに提案したが、聞き入れられず、2台目を待つことに・・・。10分ほどで2台目がやってきて、これに無事乗車することができた。「ほーら、乗れたでしょう」とZが勝ち誇った顔でいう。「わかった。わかった。お前の勝ち」(12:20)。

 「光明農場」までは4RMB。大型の古いバスだが、塗装し直してあるのでそこそこ綺麗。公明鎮の中心を抜けて、どんどん奥へ行く。道は狭くなっていくが、一応舗装されている。と、突然、少し古くなっているが立派な商店街に出た。チケット売りの服務員が「光明農場~」と叫ぶ。
 えっ、ここが光明農場?どうみても商店街だよ。だいたい、「光明農場」は終点のはずだ・・・。迷っているうちに客が数人下車し、バスは出発してしまった。慌てて、「ここが光明農場?もっと先じゃないのか」と服務員に尋ねる。すると、「ここも『光明農場』だし、ここから先の方も『光明農場』よ」と返事が返ってきた。ずいぶん、いい加減なことをいう服務員だ。でも、どこでも好きなところで降りられるのがこの手のバス。目的地に着いてから名前を告げたのでは、逆に客から責められることが多いのかもしれない。それだったら、「光明農場」の周辺に入ったところで名前を告げるのが正解ということになるのだろうか。
 
 「ここが『光明農場』の最後よ」と言われた場所で、下車した(13:00)。ところが、周辺には下町のボロッチイ商店街があるだけで、「光明滑草場」を示す看板らしきものもない。さて、どうしたものかと弱りきっているとバイタクが寄ってきた。バイタクで行くのも手かな?と考えていると、私たちと一緒に下車した数人の男女が「『光明滑草場』はどっちにあるんだ?」とバイタクの運ちゃんに尋ね始めた。バイタクの運ちゃんだって商売だ。そう簡単に正確な場所を教えてくれるとは思えないが、方角ぐらいはわかるかもしれない。そう考えて、後ろで待っていると、男女のグループはだいたいの場所を聞き出したらしく、歩き出した。私たちもとりあえず後ろを着いてゆく。すると、10メートルも歩かないうちに看板が見えてきた。

 看板には「光明滑草場」と書いてあり、→で方角も示されている。これで目的地にたどり着けることは、ほぼ間違いないだろう。だか、距離はどのくらいあるのだろうか。うーむ。しかし、ここで安易にバイタクに頼るのは旅の気分を損ねるというものだ(旅じゃないけどね)。歩こう、歩こう!Zもすでに私の性格がよくわかっているらしく、私に付いて大人しく歩き始めた。

 歩くこと、30分弱、とうとう「光明滑草場」へ到着。バイタクでくればあっという間についただろうなあとは思うが、バイタクではこの達成感は得られないというものだ。チケット売り場で、チケットを購入。80RMB/人と辺鄙な観光地にしてはずいぶんと高い。

 中に入ってしばらく歩くと、左手に芝生が広がっているのが見える。ここで、芝ソリと芝スキーが楽しめるのだ。芝ソリは何回でも無料。芝スキーは1時間まで無料。1時間以上は有料となっている。入り口のホールを抜けて、芝ソリ用の坂を上まで登っていく。ソリをもって上まで登るのかと思ったら、ソリは小型ロープウェイのようなもので自動的に引っ張り上げられていくようになっていた。歩くのは人間だけだ。

 上まで着いて列に並ぼうとすると、私たち以外の客は皆、厚紙のカードをもっている。それに記しをつけてもらって、ソリを手渡されているようだ。尋ねてみると、さきほどのホールで、チケットと交換にもらわねばならないのだという。えーっ、せっかく登ってきたのにまた降りなければならないのかとがっかりしていたところ、Zが私の手から奪い取って「私が行ってくる!」と階段を駆け下りた。うーむ、Z様、ありがとうございます。でも、代理できるのかなぁ。

 10分ほどでZが戻ってきた。厚紙を2枚もっている。うまくいったのだ。再び列に並んで順番を待つ。5分ほどでZがソリに乗って出発。サーッと芝の上を降りていく。そして、私。私の体重に係りの人も苦労をして、坂の上に押し出してくれた。最初はゆっくりだったが、途中からすごい勢いで滑り出す。ソリといっても、普通のソリではないのだ。ソリの両側にベルト付きのタイヤがある、けっこう重装備のソリなのである。それでも、スピードがあまり上がり過ぎないようにところどころに勾配がうまくつけてあり、終点のクッションにぶつかる頃には大分スピードが落ちていた。その間、2分あるかないかだと思うが、かなり楽しい。私はもう一度トライしてみたかったのだが、Zが芝スキーがやりたいというので、そちらに行くことにした。

 芝スキーは、雪のスキーと装備はあまり変わらない。ただ、スキー板の部分が、芝ソリと同じ小さなタイヤにベルトを巻いた方式になっているところが、違うと言えば違う。それと、安全のためにヘルメットや肘・膝のプロテクター等をつけるところにも特徴がある。芝スキーは雪のスキーと同じで、それなりの技術が必要。案の定、20分もしないうちに、私もZもギブアップ。汗をかいただけの結果となった。

 その他、バンジージャンプのアトラクションや魚探し(?)用の池、野戦ゲームとかがあったが、どれも今一つ。現在も開発が進んでいるようで、乗馬コース等が建設中であった。少し離れたところに、大規模な建物が作られていたので、アトラクション等は今後一層充実していくことだろう。2,3年後には、かなり立派な観光地になるのではないだろうか。ただ、現時点では80RMBはちょっと高すぎる気がした。

 14:50、「光明滑草場」を出て、そのすぐ下にある「観光乳牛モデル農場」へ。あまり興味はなかったのだが、「光明滑草場」では不完全燃焼気味だったので、立ち寄ってみることにしたのだ。チケットは30RMB/人。入ると右手が菜園になっていて、一生懸命農作業に励んでいる人たちがいる。ここを通り過ぎてまっすぐ行ったところに、牛が並んで飼育されている。子牛が数匹いて、なでたりできるのがけっこう嬉しい。すぐそばに喫茶店があり、15RMBで牛乳プリン、5RMBで新鮮な牛乳が楽しめる。牛乳プリンはけっこう美味しいのでお勧めだ。この牛の飼育場を中心に、農園が広がっていて、子羊がいたり、馬がいたりしてどちらも触ることがる。動物好きの人ならうれしいことだろう。子羊のときには遠くにいる羊を私が指で招き寄せると、ひょこひょことやってきて私の手をぺろりとなめた。Zが後方から「あっ、本当にきちゃったよ」なんてふざけたことをぬかしている。きっと(来るわけない)と信じていたのだろう。ふふっ、なめちゃいかんよ、私を。調子に乗って、もう一匹呼び寄せてやった。きっと餌をもらえると思って寄ってくるのだろうなぁ。ごめんな、子羊くん。

 15:30、農場を後にして、出発。途中でバイタクをつかまえてバス亭まで飛ばす。バス停周辺で軽く食事をして、帰途へついた。
2004年11月19日
 ここ数日、急に冷え込んできた。私のグッピーたちのいる水槽は大小ともにヒーターを設置してあるので何ともないが、Zの金魚鉢は大分冷たくなるときがある。そういったわけで、Zが「金魚鉢のグッピーたちを水槽(小)に移したい」と言って来た。うーん、それはなぁ。Zの子グッピーたちはすでにずいぶんと大きい。突然、引っ越してきて、私の子グッピーよりもでかい顔をされるのはどうも面白くない。「別にちゃんとした水槽を買ってやるから、そこで育てろよ」と提案してみる。だが、「だめ!」と一蹴された。部屋中が水槽になるのをかなり恐れているようだ。
 仕方がないので、「いきなり水温が変わるとよくないみたいだから、金魚鉢を暖かい部屋(暖房のある部屋)に移して1日おいてから水槽に移せよ」と時間稼ぎを試みた。私にだって心の準備というものが必要だからだ。
 そして、出勤。帰宅。帰って、さっそくZに聞いてみる。「きっと、もう水槽に移したんだろうね・・・」。「そうよ」。何か文句でもある?と言った調子で私を睨む。「いや、ないけどね」。
  力なくため息をついて、水槽(小)を覗き込むと、やはりZのでかい子グッピーがグリグリと泳いでいる。まあ、仕方がないか。とりあえず、「この水槽に入れたからには、もう俺のグッピーだからな。勝手に餌をやったりするなよ」と宣言。もちろん、効果があるわけもなく、数時間後に覗くと、水面は餌だらけになっていた。(餌をあげるのは、いいんだよ。餌をあげるからには掃除もしろよ)と心の中でつぶやいてみる。まぁ、水槽の掃除はけっこう楽しいから、譲るつもりはないけどね。 
2004年11月22日
 先月末に電磁調理器を購入を購入し、家で火鍋が食べられるようになった。最初の2回は材料の組み合わせがわるかったのか、あまり美味しく食べられなかった。3回目になって満足のいく味になってきたので、これからが楽しみである。ただ、私たちが買った600RMBぐらいの電磁調理器ではあまり温度が高くならないようで、お店で食べる火鍋のようなグツグツ感があまりないのが残念なところだ。

 そして、今回は火鍋に続いて、家庭内焼肉を実現することになった。電気焼肉器は鉄板を使うので、あとで交換がきかない。だから、慎重に選ばなければならない。火鍋用の電磁調理器は住んでいる街の電気屋で購入したが、今回の電気焼肉器はわざわざ深センのジャスコまで行って買いに行くことにした。これだけでも、焼肉に賭けるわたしの意気込みがわかって頂けることだと思う。

 ジャスコの店内で見比べると、300RMBと500RMBと600RMBのものがある。300RMBのは少し鉄板が小さく却下、500RMBと600RMBでは見かけはあまり変わらないが油受けの部分の取り外しの便利さで600RMBを選んだ。ちょっと無駄遣いかなとも思ったが、何しろ焼肉のためである。少々の出費はやむえまい。

 ちなみに、日本でよくつかうようなミニガス缶式コンロもあって、こちらは鉄板付きで200RMB弱。鉄板が少し小さいのがたまにキズだが、焼肉の雰囲気をかもし出すにはこちらの方がよいかもしれない。私の場合は、Zが先に準備をしているというか、一刻もはやくご飯を食べたくて我慢できず準備を始めてしまうことがあるので、怖くてガス缶式は買えなかった。

 ジャスコで日本の焼肉のタレと牛肉・豚肉も購入し、万全の体制で挑んだ家庭内焼肉は無事大成功。やっぱり、日本人には火鍋より焼肉だよなぁ。いや、火鍋も好きなんだけどね。

 さて、グッピーの話題に移るとしよう。子グッピーの水槽にはフィルターがついていないので、2週間に一度掃除をすることにしている。水換えはほとんどしない。ところが、今回の掃除時に温熱器が壊れ、一晩子グッピーたちを金魚鉢の冷たい水の中で過ごさせるはめになってしまった。結果として、7匹ぐらいの子グッピーが昇天。前回の大量出産のおかげで、全滅からはほど遠いが嫌な予感がする。はやく温熱器を購入してこなければ。

 そんな不安を抱えているとき、子グッピーのいる金魚鉢をみつめていたZが私を呼んだ。「○○(私の名前)、変なグッピーがいるよ。口の形が変だよ」。近寄って、覗いてみると、おおっ!確かに変な子グッピーがいる。奇形のグッピーだろうか?しかし、昨日までこんなグッピーはいなかったのに、急に形が変わることなんてあるのだろうか。さらに、じっとみつめていると、ようやく事態がわかった。なんと、大きめの子グッピーが、小さな子グッピーの尾をくわえて飲み込もうとしたまま泳いでいるのだ。いくら大きめの子グッピーといっても、大きさは2倍もない。食べられるはずもなく、喉に詰まって、そのまま泳いでいたのだ。なんと奇妙な光景だ。あっけに取られて見つめていると、さすがに食べるのをあきらめたのか、ようやく口から小さな子グッピーを放した。だが、すでに昇天しており、水槽の中を漂うのみ。あるいはすでに亡骸となっていた子グッピーを食べようとしただけなのかもしれない。

 「Zの子グッピーだろ、これは。俺のグッピーを食べようしてなんとひどい奴だ」と責めてみると、Zは慌てて「私のじゃないわよ。私のは赤い尾っぽのだもん」と反論する。「いや、俺の(子)グッピーにこんなでかいのがいるわけがない」と主張したが、結局水掛け論。すでに、30匹を越すグッピーがどのくらいの大きさまで育っているかなんてわかりやしない。

 新しい温熱器を購入して、ひと安心と構えているとここで素晴らしいニュースが。なんと、母グッピーの一匹がまたもや出産を始めたのだ。しかも大量出産の様子だ。うーん、今度はどのくらい生まれるのだろう。 
2004年11月24日
 連続した大量出産の結果、水槽(小)の子グッピーは50匹以上となった。皆が楽しそうに泳いでいるのを見るのは非常に嬉しい。ところが、この和を乱してグリグリと水槽(小)の中を泳ぎまわり、小さな子グッピーたちに体当たりをかましている憎らしい大きめの子グッピーがいた。それは、Zが無理やり私の水槽(小)に放り込んだデカ子グッピーのうちの一匹である。
 しばらくは見てみぬ振りをしていたが、とうとう我慢がならなくなった。こういう奴には修行をさせなければならない。そこで、網を使って水槽(小)から出し、水槽(大)へと移動させた。大きな水槽で、巨大な親グッピーたちと暮らしてみれば、大きな奴に体当たりされる辛さがわかるに違いない。PHショックで死なれると困るが、これぐらい大きくなっていれば、まぁ、大丈夫だろう、多分。

 大きな水槽に放り込まれたデカ子グッピーは、水を得た魚(そのまんま)とばかりに水槽の隅々まで泳ぎまくっていたが、それも最初の数分だけ。私の予想を超えた反応を親グッピーたちが示したからだ。まず、一番気の荒いメダカがデカ子グッピーを追いまわした。それを逃げ切ったと思ったら、今度は雄の親グッピーがアタックを始める。2度アタックをされたところで、このままではヤバイと気づいたのだろう。デカ子グッピーは体を反転させ、水槽の底にある石の中に潜り込んだ。そして、そこから一歩も動こうとしない。

 事の経過をZに伝えると、カンカンに怒った。何しろZが可愛がっていたデカ子グッピーである。とは言え、Zもあまり強気には出られない。金魚鉢でデカ子グッピー(当時は小さかった)を飼い始めたとき、「この子グッピーは絶対にあなたにあげないからね。大きくなっても金魚鉢で買うんだから!」とうそぶいていたのがZ自身だからだ。それを、先日、無理やり私の水槽(小)へ入れ込んだのだ。もはや、デカ子グッピーの処遇に意見をできる立場ではない。

 実は、水槽(大)にはデカ子グッピーの他にも、子グッピーが混じっている。先日の大量出産時に取りきれなかった小さな子グッピーが親による生餌捜索活動から逃げ切り、けなげに生き延びているのだ。だから、はるかに大きいデカ子グッピーが頑張れないわけがない。これだけデカければ少なくとも親グッピーの餌になることはないからだ。
 そうは思ったが、Zの怒った様子をみると、ちょっと気がひける。その上、デカ子グッピーは一晩中石の中に隠れて外に出てこなかった。よほど親グッピーを恐れているのだろう。だんだん哀れになってきて、結局、本日早朝、寝ぼけて水槽(大)の上まで浮き上がってきたところを網で救い出し、もとの水槽(小)に移してやった。Zもご機嫌になってめでたし、めでたし。デカ子グッピーも反省したのか、大人しく泳いでいる。PHショックで昇天されるとちょっと気がとがめるなあ。 
2004年11月28日
 先日、出張者のYさん・Cさん・Lさんと一緒に近所の広場へ行ってきた。以前にも何度か触れたが、この広場は近頃、大型のアトラクションが次々と設置され、ミニ遊園地と化している。今年の頭には、ミニモータボートや10メートルほどのタワーの周囲を回転するミニ飛行機が置かれている程度だった。それがここ数ヶ月ほどの間に、「急流下り」、「ジェットコースター」という本当の遊園地にあるような大型アトラクションが次々に姿を見せたのである。
 大型と言っても、本当の遊園地で使用されているようなアトラクションと比べると、ミニチュアといっていいほどのもの大きさである。「急流下り」は10メートルほどの高さしかないし、「ジェットコースター」も30メートルほどの距離しかない。日本であれば、小学校に設置されていても不思議はないほどの大きさだ。
 しかし、アトラクションを刺激的なものにするのは設備の大きさだけではない。むしろ、何かあったときのリスクの大きさである。その点においては、中国で作られた手作りのアトラクションたちは、日本のものに決してひけをとらないはずである。

 「次々と新しいアトラクションが出来ているんです。今日辺り、また新しい物が設置されているかもしれませんよ」。広場へ向かう途中、私が説明する。「最初はミニモータボートぐらいしかなかったんですけどね。今や、『急流下り』と『ジェットコースター』がありますからねぇ。今度は何ですかねぇ」と続けていると、Cさんが、「『観覧車』でも設置されているんじゃないですか」と冗談めかして言った。「『観覧車』!。うーん、あったらすごいけど、いくらなんでも、それはないでしょう。(カゴが落ちたら危ないし・・・)」。

 夕食を終えてから出かけたので、周囲はすでに真っ暗である。コロセウム風の建築物で囲まれた広場の中から漏れてくる明かりを頼りに、広場の中に足を踏み入れると、ゴーっという勢いで、ジェットコースターが走るのが見えた。「あっ、本当にありますね。ジェットコースター」とLさんが(ちょっとどうでもよさそうに)告げる。
 うーむ、びっくり度が足りないなぁと判断した私は「見てください。あちらに『急流下り』もありますよ」と指で示した。だが、返ってきたのは「そうですね。ありますねぇ」という淡々とした答えのみ。
 やはり、日本から来た人にはわからないのかな、このすごさは・・・と、肩を落としかけたがこれぐらいでめげてはいられない。このアトラクションのすごさは乗ってみなければわからないのだ。(実は、私もまだ乗ったことがない)。

 ジェットコースターが客を乗せて一回りするのを眺めた後、「ほら、短いけど、一応ジェットコースターの格好をしているでしょ。1人5RMBです。乗りましょう。乗りましょう」と私が促す。部長のYさんは、「えっ、乗るんですか?」と若干警戒気味であったが、CさんとLさんは意外に乗り気で、「いってみましょう」と声をそろえた。(おおっ、この人たちも、中国製アトラクションのすごさがわかってきたか)。

 皆の勢いに押されて、部長のYさんも乗車を決めた。ジェットコースターを回る乗り物は4人乗りの車が10台弱連結されている。我々が座って、すぐに発車。脇から見たときには、低く見えたコースターの頂上も、乗車後見るとけっこう高い。ベルトが壊れて頂上から後ろにずり落ちることになったらどうなるのだろう。そんな想像が恐怖心を煽る。
 ガタンゴトン。ガタンゴトン。さあ、下りだ。ゴーッ、ゴーッ、ゴーッ、と滑っていく。グィンと曲がりの遠心力もきちんと感じられる。ミニながらも、抑えるところは抑えたジェットコースターだ。そして、終点。ふっー、5RMBで味わう刺激としては十分だなとベルトを緩めようとしたが、なんとコースターはまだ停まらない。もう係り員が、もう一周だと声をかけている。大サービスだ。再びガタンゴトンと坂を登りだす。一瞬気を緩めただけに、刺激度はかなり高い。そして、下り坂。ゴッー、ゴッー、ゴッー。気のせいか先ほどよりもスピードアップ。
 2周目が終わって、終点に到着。ふっー、2周もしてくれるなんて思わなかったなぁ。ずいぶん得したぞ、と降りる準備。ところが、コースターはまだ停まらない。3周目に入った。いったい、いつまで続くのだろう。もしかして、乗っている人数によって、回る回数が増えるシステムなのだろうか。
 「○○さん(私の名前)、もう十分ですよ。止めるように係り員に言ってください」。後ろの方に座ったCさんが、私に声をかけてきた。ふふっ、中国アトラクションの楽しさ(?)がようやくわかってきたようだな。「そんな無茶を言わないでくださいよ」と当然、取り合わない。いやー、5周ぐらいしてくれるとうれしーな。ガタン、ゴトン、ゴーッ、ゴーッ。

 興奮の極みに達し、さあ、4周目かと思ったが、残念ながら3周で終わり。でも、面白かったなぁ。部長のYさんは、「さっきの、停まるのに失敗したようですよ。だから、3周もしたんです」と不信感いっぱいだ。

 次は、「急流下り」だ。「これも一人5RMBです。安いでしょう。さあ、乗りましょう。乗りましょう」。断られては困るというばかりに、まくし立てる。ところが、「私はやめときます」とYさんは乗車拒否。さきほどのジェットコースターへの不信感が消えていないようだ。なにしろ、この「急流下り」。ミニとは言え、坂の上からボートで水の中に突っ込んでいくのだ。一歩間違えれば水浸しで、服もびしょぬれになりかねない。適切な判断である。
 だが、CさんとLさんは、乗り気。さきほどのジェットコースターですっかり中国アトラクションに魅了されたようだ。私に続いてボートに乗り込む。身の安全を考えたわけではないのだが、私は念のため後部座席に陣取る。体格のいい私が後部座席を占めてしまったので、CさんとLさんはやむなく前の座席へ。前の座席の方がスリルが味わえてきっと楽しいことだろう。そう考えながら、発車をまっていると、係員が私に雨具を渡した。ボートで水に突っ込むとき、水をかぶるのを防ぐためだろう。なかなか行き届いた配慮だ。だが、なぜか、雨具をもらったのは私だけ。前部座席のCさんとLさんには渡されず、ボートは流れに乗って走り出した。「なんで、こっちには雨具くれないんだ!」とLさんが声をあげるが時すでに遅し。「うーん。後ろの方にしか水が飛んでこないんじゃないんですかねぇ」と慰めておく。

 ボートは川の流れにのって、魚の形をしたトンネルの中へ入り込む。途端に、「ワーハッハ、ハーハッハ、・・・」という不気味な声がトンネル内に鳴り響いた。「妖怪べムかベラの声のようだった」とは、Cさんの後日談である。 「これはいい!」とLさんも満足気だ。トンネルを出てると、ボートはベルトコンベアの坂へ向かう。係員がそばに立っていて、ひっかけ棒でボートをひっぱり誘導する。Lさんが「おい、おい、人間がひっぱるのかよ」と声をあげる。そう、中国では、機械よりも人間の方が頼りになるのだ。

 そして、ボートが坂を登り始める。うーん、ジェットコースターと違って、引っかかっている部分がないから、本当に後ろに滑り落ちそうだ。そして、頂上まで到着。ゴトンと音を立てて、一気に坂を滑り落ちていく。ザップーン。ものすごい量の水が前方から降り注ぐ。幸い、前の二人が壁になってくれて、私は無傷だ。ありがとう、Cさん、Lさん。Cさんは、体が丈夫だから大丈夫だよね。Lさんは思い出になって良かったよね。

 「ほら、動くな。水がボートに入るから」。係員が二人駆け寄ってきて、ひっかけ棒でボートの揺れを静めつつ、終点まで誘導する。いや、面白かった。CさんとLさんも満足気だ。「トンネルの笑い声がよかったねぇ」とはLさんの言葉である。

 水に濡れたCさんとLさんをみて、「乗らんで良かった」とつぶやく部長のYさん。うーん、何で私にだけ雨具をくれたんですかねぇ」と不思議がる私。まあ、皆、楽しんだんだから、いいでしょう。「さあ、次ですよ」と声をかける。あっちに行って見ましょうと奥を指差してみて驚いた。なんと、ありえないはずのものが存在している。『観覧車』だ。『観覧車』がある。「『観覧車』がありますよ!」と確認をするかのように、私はCさんたちを振り向いた。Cさんたちもかなり驚いている。
 高さ10メートル強で、ゴンドラも10台ぐらいしかついていないが確かに観覧車だ。もしかしたら、世界一小さな観覧車かもしれない。一番すごいところは、今の今まで、その存在を気づかせない大きさだったということかもしれない。

 「もうあまり時間がないんだけれども・・・」というYさんを尻目にチケットの購入を始める私。今日はぜひとも、この観覧車に乗っておかねばならない。まず、私とLさんがゴンドラの一つに乗る。徐々に空中に上がっていく恐怖はなかなかのものだ。次のゴンドラにYさんとLさんが乗るのかと思ってみているが、なぜか、彼らは乗らずゴンドラを見過ごす。もしや、我々だけを危険な旅に出すつもりか!と悔しがったが、どうやら違うようだ。係員に誘導されているのだ。4台ほど見過ごしたあと、係員が二人をゴンドラの中へ押し込んだ。なるほど、重さがかたよらないようにバランスを取っているのだ。うーん、細心の注意を払って運行されているんだなぁ。感心と恐怖の二つが入り混じった複雑な気持ちになる。
 わずか数十秒で、観覧車の一番上へ到達。「うーん、この街の全てが見渡せますねぇ」と感嘆の声を私が上げると、「いや、全然見えないでしょ!」とLさんがすかさず突っ込む。まぁ、十メートルの高さでは、広場を見渡すのが精一杯というものだ。しかし、「ちょっと跳ねてみましょうか」と私が声をかけると「やめてください」ときっぱり否定された。

 そして、楽しかったひと時が終了。みんな満足感でいっぱいの様子だ。一人15RMBでこれだけ楽しめる場所もなかなかないだろう。コストパフォーマンスは中国一かもしれません。いやー、今度はどんなアトラクションができるのだろう。楽しみだなぁ。
2004年11月29日
 先週に引き続いて、今週も水槽のお掃除。まず、親グッピーたちの水槽から手をつける。親の水槽にはフィルターがついているから、そんなに頻繁に掃除をしなくてもよいのだが、綺麗な水槽をみるのが気持ちいいのでツイツイ掃除をしてしまう。
 まず、グッピーたちを全て金魚鉢に移す。前回はあっさりつかまったメダカがなかなか捕まらず、かなりの時間を消費してしまった。次に底石や水草を取り出し、残ったゴミをじっと見つめる。すると、小さな子グッピーが2匹泳いでいるのがわかった。うーん、前回の大量出産のときに救い損ねた子グッピーか。よくぞ、親の捜索を逃れて生き残ったものだ。えらい、えらい。彼らを救い上げて、子グッピーの水槽に移した。

 それから、すくえる限りのゴミを網ですくって、水槽を綺麗にする。そして、しばらくフィルター器を回して、細かいゴミを全部吸わせた。これで、水槽の掃除は終わり。底石と水草を戻して、グッピーたちを水槽に帰す。

 子グッピーの水槽も同じ手順で、お掃除、お掃除。ところが翌日、バタバタと5,6匹が連続して昇天してしまった。一番大きく育っていた2匹もやられてしまっている。お掃除の際に減った水を補給しようと、新たな水を加えすぎたのがいけなかったのかもしれない。これはまずい・・・。50匹以上もいるから、そうそうなことで全滅はないだろうが、病気が広がったら、ありえない話ではない。

 果たして、大きくなるまで子グッピーを一緒に育てておくのがいいのだろうか。少し分散して親グッピーの水槽に移しておいたほうが万が一の全滅を避けられてよいのではないか。しかし、あまり小さなグッピーでは、親の餌になってしまうから駄目だ。

 そこで、一番元気の良さそうな子グッピーの中から精鋭を募り、「3匹の勇士達」と名づけ、親グッピーの水槽へ送り込むことにした。一匹目も、二匹目も無事潜入。瞬く間に底石の中に隠れた。三匹目は度胸がよくて、親グッピーに混じって餌を食べつづけていたが、とうとう親グッピーからアタックを受け、やはり底石の中へ退散。「3匹の勇士達」よ、頑張れ!来週の掃除のときに再会だ。