2008年2月6日 |
寒い。暖房がない部屋はすでに11度になってしまった。オイルヒーターをつけっぱなしの部屋でさえ、19度である。恐らく、オイルヒーターを目一杯まで熱くすればもっと室温が上がるのだろうが、以前にそれをやったらブレーカーが落ちてしまったので、もう一度試す気になれない。
例年、春節の時期は旅行をしてきた。今年は、大雪のため各地が交通麻痺となっていると連日報道されていたから、雪の影響を受けにくい海岸線経由のバス移動で広西省の北海へ行こうと計画していた。しかし、あまりの寒さのため、気持ちも身体も縮こまり旅行へ行く気が失せた。代わりに、広東省の「汕頭」市に行って、Zのお兄さんに会ってきた。
お兄さん夫婦と一緒に食事をするだけのはずだったが、なぜかお兄さんの同級生で、かつ雇い主だという老板(ボス)も登場した。おまけに食事後、その老板(ボス)の家に連れて行かれてお茶をすることになったので、ちょっと気疲れした。しかし、中国人との付き合いは長くダラダラとしたものになりがちなので、むしろ楽な方だったと言えるだろう。
Zのお兄さんは盛んに引き留めて、こっちで年を越していけといったが、なんとか断って一泊二日だけで深センに戻ってきた。深センに比べると、「汕頭」のほうがわずかに暖かかった気がする。深センに帰ると、アパートのある街に戻る前に、JUSCOに寄った。ある商品を購入するためだ。だが、店内に入って目的の場所に向かう途中衝撃的な広告が目に飛び込んできた。「デジタルカメラ全て1割引」。ががーん。先月買ったばかりのデジカメが1割引~。できるだけそちらへは目をやらないようにして、目的の場所へ到達した。
今回の購入目標は、足マッサージ器。なーんだと思われるかもしれないが、この足マッサージ器、私の三年来の夢だったのだ。初めて見かけた時に、試用をさせてもらって、すっかり気に入ってしまった。体重の重い私は足に負担がかかるから疲れがたまる。だから、この足マッサージ器の按摩が非常に気持ち良く感じたのだ。しかし、当時の定価が2900RMB強。私にとっては高い買い物である
。
欲しい・・・、高い・・・、欲しい・・・を繰り返しているうちに、なぜだか定価が上がってしまい、いつの間にか3200RMBとなり、余計に買いにくくなっていた。Zに相談すると、「駄目!」の一言である。「どうせ、すぐに飽きて使わなくなるんだから」と言われても反論できない。確かにその可能性も否定できないからだ。(二ヶ月に一回のマカオ行きを一度だけいかないことにする)と宣言をすれば、問題なく購入させてもらえるのだが、数少ない娯楽を足マッサージ器のために我慢するのも辛いところだ。そんなこんなで、あっという間に三年が経ち、現在に至ったという経緯がある。
その足マッサージ器購入の許可がようやくZから下りたのだ。さっそく売り場で商品を見て回ると、二種類の足マッサージ器が売り出されていることがわかった。仕組みはほぼ同じだが、一方(以下A)が2580RMB。もう一方(以下B)が2680RMBだった。おおっ、両方とも結構安くなっている。しかし、三年前から販売されているのは(B)の2680RMBのものだ。(A)の2580RMBは定価が3480RMBだということで、値引き率が高いし、販売金額も安い。さて、困った。安全性からいうと、やはり販売の歴史の長い後者のを購入したいところだ。だが、大して仕組みも変わらないし、少しでも安いほうがいいような気もする。
私が(B)のマッサージ器を試用していると、Zが自分の買い物を終えてやってきたので、状況を説明する。Zはさっそく(A)のお店へ飛んでいって偵察行動をし、戻ってきた。(A)のほうがカラフルな色合いでZが気に入るかと思ったが、逆に色がドギツイと気に入らずZも(B)の購入を主張した。問題は値段だ。JUSCOだし、値引きは無理だろうと思ったが、Zが「あっちが2580RMBなのに、2680RMBなんて高すぎる!」と頑張り始めた。私は内心(ここ、JUSCOだし、無理だろ・・・)と思い、Zをなだめようするところだった。だが、予想外なことに、店員が
進んで譲歩をし始めた。
「実は、先日キャンペーンがあって、その時は、販売価格が安かったんです。そのときに、購入を決めたお客さんがいて、100RMBを保証金として払ったんですが、それから来店していないので、もしからしたら購入なさらないかもしれません。もし、購入をお決めになられるなら、そちらへ電話して、いらないということになりましたら、2380RMBで販売できますが・・・」と言うではないか。
おおっ、すごい。安くなった。すぐに承諾した。「お支払いは現金ですか」と尋ねてきたので、そうだと答えると、店員も大喜び(というか店員喜び過ぎ)で商談成立。すごい
よ、Z。300RMBも下がるなんて。店員の話は値下げをするための作り話だとは思うが、私だけだったら、素直に2680RMBで買っていたところだ。JUSCOでも値引きができるんだなぁと勉強になった。(もしかして、先月買ったデジカメも値引きできたのか?)。次からは私も頑張ってみるとしよう。 |
2008年2月10日 |
昨日は、東莞市の長安鎮と市中心へと行ってきた。まずバスで長安鎮へ。春節の値上げで、バス料金がやたらと高い。長安鎮バス・ステーションまで13RMB/人。そこからタクシーに乗って長安公園へ行った。お目当ては、ネズミを模した花飾りである。昨年は豚年(中国では猪年でなく豚年)で、花を豚の形に組み合わせた像が長安公園の前に飾られていたので、今年はネズミがあるだろうと期待して出かけたのである。しかし、今年は小さな張り子のネズミがあるだけで、昨年のように手のかかったものは飾られていなかった。昨年は、数百年に一度だという金豚年だったから、特別にお金をかけたのに違いない。
長安鎮に行ったのは半年振りぐらいだった(会社の行事で行ったのを除く)。昨年は気づかなかったが、あちこちに大きなデパートがある。しかも、私が住んでいる宝安区の鎮のようなローカルな造りではなく、深セン市内と同様に曲線を駆使したモダンな建物が目立った。8年ぐらい前、まだ東莞の辺鄙な鎮に住んでいた頃、東莞の鎮をあちこち歩き回った。その時、長安鎮の中もずいぶん歩いた。当時から東莞の中では飛び抜けて治安の良い、落ち着いた雰囲気の豊かな街であったが、現在は経済的発展と機能性をも兼ね備えた街となりつつある。しかし、これだけ急激に経済的な発展をしていくと治安が追いつかないのではないかと思われるが、実際にはどうなのだろう。
長安鎮で遅い昼食をとった後、Zの要望で東莞市の中心へ行くことになった。バスで13RMB/人。東莞市へ最後に行ったのはいつの頃だっただろう。4,5年前に、友人のマンションを訪れたことがあるくらいだ。街の
中心を隅々まで歩き回ったのは、長安鎮と同様8年前の話だ。長安鎮はもともと都市計画がしっかりしていたのだろう。街の中心地から変わった感じがあるが、東莞市は郊外に高級住宅マンションがずらりと建ち並び、中心地はどちらかというと昔の面持ちを残していた。もっとも、昔の寂れた川沿いの道などは整備されてすっかり綺麗になっていた。8年前、初めてやってきた時は、(なんだ、東莞市の中心というからもっと期待していたのに、これじゃ私が住んでいる鎮に毛が生えた程度だな)とがっかりさせられたが、今は長安と同様に交通網が整備され、いかにも市の中心という雰囲気になっていた。ただ、住宅マンションが立ち並んでいる場所があまりにも郊外なので、こんなところに住んだらずいぶんと不便だろうという疑問も少し残った。また、昔も、他の鎮と違って発展の中心が分散しているイメージだったが、それはあまり変わっていないようだった。確か、何年もかけてバス・ステーションを郊外へと移転していたから、それも影響しているのだろう。長い目でみると、落ち着いた街作りには集中型の都市よりも東莞中心のような分散型の方がいいのかもしれない。
今日は出発が昼過ぎと遅かったので、戻りも遅く夜の7時にようやくアパートに着いた。近所のケンタッキーでファミリーパックを買って帰り、二人で瞬く間に平らげた。ファミリーパックだというのに、Zから「○○(私の名前)、あなた食べ過ぎ、私の分が少ないわ」と訴えられるのはどうしてか? |
2008年2月13日 |
昨日辺りから、少し寒さが和らいだ。暖房のない部屋で14度近く、電気オイルヒータが置いてある部屋で20度近くある。だいぶ良い感じだ。
やっと寒さから開放されつつある私だが、別の危機が身近に迫ってきた。
グッピー絶滅の危機である。ここ二週間ほどで7,8匹のグッピーたちが昇天してしまった。最初の1,2匹は平静に受け止め、(いつもここで、やみくもに手を打とうとするからどんどん死んじゃうんだよ)と自らを説得した。しかし、3,4匹と昇天が重なり、さらに5,6匹と大きい雌二匹が続けてお亡くなりになった結果、冷静どころの話ではなくなった。
(どういうことだ!)。思い当たる大きな要因としては二つしかない。一つは、底石を全て取り除いてしまったこと。冬の間の水換えは水温の変化が激しくグッピーに衝撃を与えやすい。そこで、底石を全て取り除いてゴミが目で見てわかるようにした。そうすれば、底にたまったゴミを(大型)スポイトで吸い取ることができるからだ。もしかしたら、それが裏目に出てしまったのだろうか。石がないと、魚たちに必要な
良性バクテリアが育ちにくい。それで、バクテリアがなくなって悪影響が出たのかもしれない。そもそも、底石がないと、グッピーたちはつまらなそうにしているように感じる。石があると、グッピーたちは石の上の何かをよく突っついて遊ん
だ(食べた?)り、身体を石にこすりつけたりをよくするのだが、それが実に楽しそうな様子のなのだ。「兎は寂しい死ぬ(注:事実ではないらしい)」とドラマ「一つ屋根の下」で酒井法子が言ったが、「グッピーは退屈すぎると死ぬ」のだろうか。私が遊んでやりたいのだが、何をしてやればグッピーが喜ぶのかがどうもわからない。餌をやれば喜ぶのは間違いないのだが、餌やりすぎると水が汚れるし・・・。水槽の
周囲で私が移動すると、一応追いかけてくるのだが、あれは犬がじゃれてくるのとはちょっと違う気がする。たぶん餌が欲しいだけだろう。
もう一つの可能性は、餌が幼グッピー用の餌であること。香港で買った大人グッピー用の良質の餌がなくなってしまったので、最近ずっと幼グッピー用の餌を食べさせていたのだ。幼グッピー用の餌なら、やり過ぎで水が汚れることもないだろうとの判断だ。それが裏目に出たのかもしれない。
幼グッピー用の餌というのは、細かい粉状にすりつぶされている。私はてっきり、食べやすくなっているだけかと思っていたが、もしかしたら、幼グッピー向きの栄養素だけで作られていて、大きくなったグッピーが食べ続けると、身体によくなかったのかもしれない。
とりあえず二つの要因に対して、対策をとることにした。本日水換えを行い、そのついでに、改めて底石を少量置いた。ゴミを取り除くのに邪魔にならず、かつグッピーたちが遊ぶのに十分という量だ。もう一つは、今週末に大人グッピー用の餌を買いに行くこと。この寒さの中、香港まで出て行くのは辛いので、しばらくは中国産の乾燥赤虫で我慢しておいてもらうとしよう。
この二つ対策で、打てる手は打ったことになる。しかし、これらはどちらかというと、対症療法である。本質的な問題解決になっていない。グッピー飼育における本質的な問題とな何か。それは「水」だ。やっぱり「水」の状態がどうなのか、具体的にいうと、PHがいくつかとか、汚れを示すアンモニア度がどのくらいかがわからないと適切な対処方法がとれない。逆に言えば、水の状態が的確につかめれば、最大の難関である「水換え」も恐れるに足らずである。これまで私は、「経験を積めば見ただけで水の状態がわかるようになる」という説を信じていた。ネットサーフィンをすると、グッピー愛好家の多くがそう言っているからだ。「飼っていれば、自然とわかるようになる」。しかし、私にはこれは当てはまらないようだ。すでに、三年以上もグッピーを飼っているが、いまだに水の状態が把握できない。つまり、この方面に才能がないのだ。グッピーへの愛情は溢れるほどあると言うのに。
そこで、この度決断をすることにした。科学的分析法の導入である。つまり、検査器具や試験紙を使ってPHやアンモニア度を数値でとらえようというのである。検査器具は安くない。一番安いもので300HKドル。高い器具であれば1000HKを軽く超える。しかし、私が今まで器具の導入を躊躇っていたのは、値段のためだけではない。「見ただけで水の状態がわかるようになる」という格好良さに憧れたからだ。なんと言っても、グッピーは生き物だ。人と魚の触れ合いの間に、機械が入るのは邪道に思えたのだ。しかし、三年やってもわからないのでは仕方がない。科学的分析法を導入することに決めた。もっとも、当分香港に買い物に行く予定がない。それまでこの決意が続くかどうか。 |
2008年2月17日 |
中国では日本とは水質が異なり、水道水の水をそのまま飲むことはできない。必ず沸かして飲まないとお腹を壊してしまう。その手間を省くために、ミネラル・ウォータが広く普及していて、飲み物を扱っている店なら、たいていミネラル・ウォータの大小のボトルを販売している。一般の商店などで販売されているのは200MLから1L程度までの小型のボトルであるが、オフィスや工場で使用されているのは15Lもの大型ボトルである。
この大型ボトルを飲む度に持ち上げて、コップに注ぐのはいささか骨である。そこで、普通は専用の飲水器というものを使用する。この飲水器の上部に、ボトルを逆さまにして
セットしておくと、飲水器の蛇口の開閉するだけでコップに水を注ぐことができるというわけだ。飲水器には様々な種類があり、単純に水を注ぐ機能だけのものから、冷水、熱水にする機能を持ったもの、さらに、部屋の灯りが消えると自動的に電源がオフになるようなものもある。非常に便利なので、多くの家庭でも使用
されているし、私の部屋にも設置してある。ただし、ボトル全体が冷やされたり、熱されたりするわけではないので、一人暮らしなどで少量しか使わない場合にはこの飲水器の使用は向かない。ボトル内の水に雑菌が発生してしまうからである。少なくとも10日以内に使用しきることが目安とされている。
さて、この飲水器に関連して、先日工場のオフィスで、ある光景を目にした。総務の女性社員が、飲水器用のミネラル・ウォーターのボトルを足で蹴りながら移動させていたのである。それもオフィスの真ん中で。オフィスの面積が広いために、飲水器は二箇所に設置されている。通常、各々の飲水器のすぐ脇に業者がミネラル・ウォータのボトルを置いておくのだが、使用状況によっては業者が補充に来る前にボトルが全て空になってしまうことがある。そうした場合には、もう一方の飲水器の方から未使用のボトルを移動させて来なければならないわけだが、15Lのボトルというと相当な重量がある。普通の女性ではボトルを担いで十数メートルも移動するのはなかなか大変作業である。そこで、女性社員はボトルを横に倒して蹴り転がしながら移動させていた
のだ。
すぐに注意してやめさせた。と言いたいところだが、そうはしなかった。一つに周囲の人は、日本人も含めて、(内心はわからないが)何も思っていない様子だったし、女性社員の堂々たる様子からして、日常ずっとこのようなやり方でボトルの移動をしていたのが明らかだったからだ。ここで私が、突然注意したところで、「何で?」という反応が戻ってくるだけのことだろう。もちろん、日本人社員からの注意ということで、一旦は素直に聞き入れるかもしれないがその場限りのことで終わってしまう
のは明らかだ。
実は、飲水器にまつわる問題はこれだけではない。ボトルの移動はもとより、ボトルを飲水器にセットするのもずいぶんと力のいる作業なのだ。15Lも
の容量があるから、男性でも一歩間違えれば腰を痛めかねない作業だ。そんなこともあって、ボトルが空になった後、次の人のために代わりのボトルをセットする人が少ない。日本で言うと、コピーのトナー交換に似た作業(手が汚れるからやりたがらない)である。トナー交換なら、モラルの問題だけであるから、本人の意識次第であるが、ボトルが重いというのは物理的な問題であるから、力のないものは、他人に依頼または指示をしてやってもらわざるえない。ボトルを持てないほどの高齢の男性となると、たいてい役職が高いから部下に指示してやらせれば良い
のだが、一般の女性社員となるとそうもいかない。同じ職位の同僚の男性に頼まざる得ないわけだ。
しかし、日本と違って、中国では社員間の協力とか連携とかの意識が少ない。不思議なことに何年一緒に仕事をやっていても、そうなのである。先輩、後輩の意識もあまりなく、明確に職位が違わない限り、入社して数ヶ月も経つと、ベテラン社員と同じ態度になる。また周囲もそれを受け入れるのだ。これに中国流の「男女平等」が加わり、ますます連携・協力ということがしにくくなっている。また、中国人でオフィスで働くスタッフは、男女関わらず、日本人以上に、力仕事や汚れ仕事というものを嫌がる。そのような状況なので、女性社員が気軽に同僚の男性社員にボトルの
セットを依頼できるものでもない。もちろん、よくよく教育をし、5S活動を徹底すればそのようなことはなくなるのだが、そこまでもっていくのは容易なことではない。
さて、話が戻るが、ボトルのセットすらままならぬ現状で、「ボトルを足で転がすのは駄目だ」と注意するのは妥当な指示だと言えるだろうか。単純にこのように注意した場合、恐らく、この女性社員は次はボトルを「手で転がしながら移動する」ことだろう。なんだか、欧米の港の酒場で、ビール樽を転がす様子を連想させて、「それでいいか」という気分にもなるが、やはり好ましい運び方とは言えない。一つに飲み水という身体に入るものを地面を転がして運ぶというのが(業者はそうしているにしても)良くないと思うし、オフィスの中で専用のタイヤがついている器具以外のものを転がして運ぶというのは「危険行為」に入るから、適切とは言えないだろう。
それでは女性社員はどうしたら良いのだろう。先に述べた理由で、男性社員に頼むのは相当な困難が伴う。ならば、小型の台車を与えて一旦それに載せてから運べと言えば良いだろうか。一般の台車ではボトルの上げ下ろしをする時に、台車自体がひっくり返ってしまう恐れがあるから、台車で運べというのも問題がある気がする。スーパーで、プロパンガス缶用の車輪のついた台をみたことがあるから、あれを代用すればなんとかなるかもしれないが、試したことがない。最近は見かけていないから、購入できるかも怪しいところだ。
実は、ミネラル・ウォータのボトルにはもう少し小型のものもあって、それなら女子社員が運ぶにもそれほど無理のない大きさだ。ただし、このような中型のボトルはあまり出回ってなく、コスト高だ。恐らく飲水器自体も変更する必要が出てくることだろうし、(ミネラルウォータの)ブランドの選択に制限が出るし、供給量にも問題が発生する可能性がある。無難な解決策なのだが、現実性に乏しい。
問題解決の本筋としては、やはり、女性社員であれば男性社員に頼んで運んでもらえるようにするというのが正しいのだろう。ただし、あのボトルを抱えて十数メートルも歩くのは男性でもきついから、なんらかの運搬器具を与えなければならないと思う。今度、捜してみるとしようか。あるいは、皆、「まぁ、いいじゃないか。中国なんだから・・・」というかな?しかし、あの蹴って転がすのは私はどうも受け入れられない。
いっそのこと、あのボトルが50Lぐらいあると良いのだが。そうしたら、私も「仕方ないね」と言おう。というか、私もゴロゴロと転がすことにする。安全のために専用ルートを作って・・・結構楽しいかも。 |
2008年3月5日 |
グッピーたちは、皆元気でやっている。底石を置いたり、薬を入れたり、餌を変えたりしたうちのどれかが功を奏したのだろう。昇天するものたちがピタリといなくなったのだ。よかった、よかった。さらに、ここ1週間のうちに、一匹の雌のお腹が徐々に大きくなり始め、恐らく近く出産するのではないかと思われる状態になった。
そこで、妊娠グッピー用の小さな容器を水槽に設置し、お腹が大きくなったグッピーをそこに入れた。妊娠グッピー用の容器というのは、縦10cm、横5cm、深さ7cmぐらいのプラスチックの容器だ。左右に格子状の穴が空いているので、水槽内に設置すると、水の行き来は自然に行われる。しかし、グッピーの行き来はできないので、他のグッピーは侵入できず、隔離された状態となる。さらに、容器の底3cm上ほどに、仕切りが設けられ、ここにも格子状の穴があいている。グッピーが子供を産むと、子供はこの仕切りを通して下に落ちていく。これによって、親グッピーが生まれたばかりの子供を食べてしまう危険を防ぐことができる仕組みだ。
仕組みは万全なのだが、子供をちゃんと産んでくれるかは未知数である。これまで、この妊娠グッピー用容器で出産を迎えたグッピーは一匹もいない。いつも、「よーし、生まれるぞ」と思ってこの容器に移すのだが、数日待っても全く生まず、寂しそうに泳いでいるだけなので諦めてもとの大きな水槽の中へ戻してしまうのだ。しかし、今度こそいけるはずだ。頑張ってくれ、グッピー。
何度もこのホームページで告白していることだが、私は長い間ダイエットを試みている。しかし、なかなか結果がでない。報われない努力とはこのことだ。そんな私に強い味方が現れた。「コカ・コーラ ゼロ」である。日本にいる皆様からすれば古い話かもしれないが、私からすると、古くて新しい話となる。
実は、日本でゼロが発売されてから、間もなく、中国でも手に入るようにはなったのだ。ただし、韓国系の高級コンビニで輸入食品として。日本からの輸入製品よりは安いものの、中国製のコーラからするとはるかに高い。中国製の普通のコーラなら、600ml(ペットボトル)入りで2.5-3RMB。ところが、韓国コンビニでは売っていた「ゼロ」は6RMBもしたのだ。これでは日本とあまり変わらない値段だ。それでもダイエットのためと数ヶ月間は購入し続けていたのだが、ある時から味がひどく悪くなったので、買うのをやめてしまった。そのお店が帰宅路から道路を渡った向こう側にあり、行くのがやや面倒だったということもある。
それからは、普通のコカ・コーラを買っていたのだが、最近、アパート近くの一般のコンビニで「ゼロ」を発見した(一般のと言っても、中国のこれまでのお店からすると、ややクラスが高い)。値段を聞いてみると、3RMB(600ml)。普通のコカ・コーラと同じ値段で売っているのだという。とうとう中国産「ゼロ」が発売されたのである。これで、毎日「ゼロ」が飲める。(改めて、近所のスーパーでも調べてみると、缶入りの350mlタイプの「ゼロ」が発売されていた。ペットボトルタイプはまだ出ていなかった)。もう、ダイエットもばっちりだ。ここ数日、春のような暖かさになってきているし、早朝の運動を始めることもできるだろう。今年こそは、ダイエットを成し遂げるぞ!と決意に満ちた(夢見る?)日々を送っている。
*追記(2008年3月9日):本日、スーパーに行ったところ、ゼロのセールが行われていた。なんと、一本1.5RMB(600mlのペットボトル)。ただし、一人2本までと制限がついていた。しかし、あまり売れている様子はなかった。私は4本買った(Zと一緒ということで、制限をクリアということだが、レジの女の子は制限を気にしていない感じだった)。 |
2008年3月13日 |
広東省には、「万佳百貨」という著名なデパートがある。私が初めて「万佳百貨」に出会ったのは2002年、珠海市に出かけた時のことである。バスで「拱北」地区(マカオに接している地区)を移動していたのだが、地図に載っていた
あるバス停の名称が存在しなくなっており、代わりに「万佳百貨」がバス停の名前になっていたのだ。何で
バス停にデパートの名前がついているんだと不思議に思いながら下車して、「万佳百貨」の建物を見て驚いた。恐ろしく巨大なデパートがズドドンと目の前に立ちはだかっていたからだ。建物の大きさ
や高さだけなら、日本にもこれを超えるものがいくらもあるだろう。しかし、この珠海の「万佳百貨」はなんというか、線が太かった。柱の一つ一つがやたら太くローマの円形闘技場「コロッセオ(?)」をイメージさせられた。当時は東莞市の片隅にある小さな鎮に住んでいたため、これほど大きなデパートを見たことがなかったことも印象を深くしたのに違いない。
その後、現在住んでいる深センの特別区外に引っ越し、巨大な建築物もだいぶ見慣れたものになったが、私の心の中にある「万佳百貨」
に対する強烈なイメージは消えなかった。ちょうど、宝安区中心にも「万佳百貨」が一軒あり、私の街にもオープンすれば良いのにと思ったりもした。
当時、私が住んでいる街には「佳華」というデパートしかなかったからだ。しかし、その後デパートの進出ラッシュが始まり、その中に「万佳百貨」
も含まれていた。私が住んでいるアパートから数分のところにオープンしたため、それから現在に至るまで日常品はほとんどここで買っている。
その「万佳百貨」がもうすぐなくなるのだという。数年前に、少し離れたところにある「華潤」という小さなスーパーが「華潤万家」と名前を変え、そのとき、「華佳」と「万佳」が合併をしたというニュースを知ったが、「万佳百貨」の方は名称が変わることがなかった。それで、てっきり「万佳百貨」が強い形で提携を結んだのだと理解していたが、全く違ったようだ。昨日の新聞によると、2001年に、「万科」が所有していた「万佳百貨」の70%以上の株が、「華潤」に売られたのだそうだ。つまり、私が初めて「万佳百貨」に出会ったときは、その建物の持ち主はすでに「華潤」であったわけだ。
ただし、「万佳」の経営が悪化して「華潤」に売られたというわけではないようだ(未確認)。「万佳百貨」の歴史は1991年から始まった。1994年頃に急速に発展をし始め、2000年には営業高が16億元を超え、広東省最大のチェーン店となった。「スーパー」+「百貨店」という経営方式を確立させ、以来、この経営方法は業界内で「万佳方式」と呼ばれるようになったのだという。
2001年、先に述べたように「華潤」が「万佳百貨」の所有者となった。「万科」という会社に聞き覚えのある方もあるだろうが、この会社は不動産会社として有名だ。「万科」はその頃、多角経営から集中経営へと転換を図っているところであり、経営資源を不動産業へ振り向けるために「万佳」の株を「華潤」へと売ったとのことである。2001年から昨年中頃まで不動産はずっと上がりっぱなしだったから、その時点での「万科」の判断は正しかったと言えるのだろう(昨年から現在までは下落が続いている)。
そして、現在、残された一部の「万佳百貨」の名を冠したデパートが全ての看板を「華潤万家」へと改装中とのことである。そう言えば、近所の「万佳百貨」の建物も何やら工事をやっている。きっと、工事が終わった
頃には「華潤万家」の看板がでかでかと設置されているに違いない。「万佳百貨」という名はわずか20年という短い期間のうちに誕生と終焉を迎えることになったわけだ。激動の中国を象徴
しているようで感慨深い。「華潤万家」になっても、日々利用させてもらうので頑張って欲しい。日本食品も置いてくれると嬉しい(無理)。
「再見(さようなら)!万佳百貨」。 |
2008年3月27日 |
三ヶ月半の間産休をとっていた我が電脳部の事務員が、先週復職した。
三ヶ月も休めて羨ましいなと思っていたら、本人は本当ならもう一ヶ月休むつもりでいたとのことである。昨年までは、独りっ子証明というのを会社に出すと、追加で一ヶ月休むことができ、
病院で出産が難産だという証明をとるとさらに一ヶ月休めたのだという。そして、春節の10日ほどの休みと年休を組み合わせると、合計で連続して半年間も休むことができたのだそうだ。
その事務員は、出産は順調にいったため、独りっ子証明による延長休暇に期待を寄せていたのだが、今年から法律や会社の制度が変わったために延長休暇がとれなくなったと、直前になって知って、三ヶ月半(プラス春節休暇)で休みを切り上げてきたらしい。それでも、たっぷり休みをとったのと、何よりも赤ん坊が出来たことによる幸せで、至極満足そうだった。
「出勤している間、赤ん坊の面倒は誰がみているの?」と聞いたら母親が田舎から来て世話をしてくれるのだと説明があった。母親も故郷で仕事があるのだが、わざわざ長期休暇をとって深センまで出てきているのだそうだ。彼女の夫も普通に働いているのだから、長期休暇といっても数ヶ月単位ではなく、年単位の話だろう。普通の会社勤めではなく、内職のようなものなのだろうが、それにしても思い切った行動である。内陸と沿岸都市の所得格差がなさしめるコンビネーションと言えるだろう。
元気いっぱいなようだし、どんどん仕事を頼むか!と思っていたら、二日ほどして、見たことのない申請書を出してきた。「何、これ?」と尋ねると、赤ん坊を世話するための休憩延長申請だという。赤ん坊を出産した後まる一年間は毎日1時間余分に休みをとれるのだという。好きな時間にとっていいのだそうだが、午前中に30分早く退勤し、午後30分遅く出勤するというのが一般的なようだ。つまり、通常1時間の昼休みが2時間になるのだ。うっ、羨ましい。異常なまでの物価高の中、昇給があっても相殺されてマイナスになってしまうと嘆く中国人の部下が少なくないが、出産を迎えた女性にとっては、安定した生活が送れる上班族(サラリーマン)は悪くないもののようだ。
昨年の金豚年から今年のオリンピック年にかけて、全国的な出産ブームで、私が勤めている会社もお腹を大きくした女性がそこかしこにいる。上述した事務員はそのほん
の一例に過ぎない。そんな安定を示す指標がある一方、物価上昇、貧富の格差から生じた社会の歪みもじわじわと広がっている。
毎年のことだが、1月、2月頃は、治安が悪くなる。出稼ぎ族が一斉に田舎に帰る時期に当たるため、稼ぎ損なった男たちがてっとりばやく金銭を手に入れるためにひったくりや強盗に走るからだ。私が勤めている工場でも盗難が数件発生した。身近なところでは、会議室に設置してあったLAN用のハブがなくなった。今年はバクチで身を持ち崩した社員がいるなど、モラルが低下しているのかなと考えさせられる事件もあった。
それでも春節が終われば、また落ち着いた雰囲気を取り戻すだろうと考えていたが、今年は違った。春節後に再び会議室のハブが一度に2個も姿を消したのだ。
当面の対策として、盗難がしにくいように器具で固定することになった。200RMBにも満たない小さな機器なので、固定するための器具のほうが値段が高い上にメンテナンスもやりにくくなるので、あまり望ましい方法でな
い。しかし、早急に手を打たないと、ある日突然全ての会議室からハブが消えていたということになりかねないから仕方がなかった。
たった百数十元のハブを盗んでどうするのだろう?売ったって大した金にならない。最近、外住まいをする社員が増えているから、彼らにでも売っているのだろうかと不思議に思っていたら、
一昨日の新聞をみて納得がいった。
私が勤めている工場だけでなく、近隣の工場でも盗難が増加中と書かれていた。原因は非合法の老虎机(スロットゲーム)である。
もともと中国では非合法の賭博が少なくない。上海などではスロットマシンの店が堂々とオープンしていることもあるらしいが、深センではそういった話は聞かず、目立たない場所でこっそりやっているということだった。
私も、あちこちにスロットゲームがあるという話は聞いていたが、人目につかない建物の奥とか地下で営業しているものだと思っていた。
ところが、それは私の認識間違いで、最近は相当開けっぴろげに運営されており、小さな商店やスーパーなどに堂々と置いてあるのだという。新聞に掲載されていたスロットゲームの写真を見て気づいたのだが、数日前に会社からの帰宅
時に通りかかった商店でみかけた機械と全く同じだった。その時
は、(もしかして・・・)とちらりと考えたのだが、いくらなんでもあんなにおおっぴらにはやっていないだろうという気持ちが強く、頭から消し去ってしまっていた。
記事によると、非合法のスロットゲームにはまってしまう出稼ぎ工員が多くなっており、賭け金欲しさに工場の物を盗むようにまでなっているとのことだった。ここ数年、最低賃金の上昇等で豊かになってきたこともあって、工場の宿舎でなく外のアパートに住む工員が増えている。そうした工員たちが、近所にオープンしたスロットゲームに耽溺して、夜通し遊び
続け、昼間の仕事で居眠りをするような状態になるだけでなく、一ヶ月苦労して稼いだ1000RMB前後のお金を全てつぎ込んでしまうのだという。中には、何年もかかって貯めた数万元も
のお金をわずか一ヶ月の間にすってしまう者もいるそうだ。
これらスロットゲームは、複数のグループが商売の種にしており、縄張り争いもあるようで、その結果スロットゲームが文字通り叩き壊されたりもするらしい。システムとしては、こうしたグループは、スロットを店に置く代わりに、毎月500RMB程度を店に場所代
として支払い、さらにスロットによる儲けの5%程度を利益配分するとのことだ。一ヶ月で、だいたい5,6万RMBぐらいの売り上げが上がるとのことだから、約3000RMBが店におちるというわけだ。小さな商店にとっては大きな収入だから引き受け手に困ることはないだろう。スロットゲームの上部には、記号が記されており、わかる人にはどのグループのものかが判別できるようになっているとのことである。
こんな風に非合法の賭博で身を持ち崩す人が多いような街が安全なわけがない。昨年末から今年にかけて例年以上に殺傷事件を耳にしたのは、春節が近くなったからだけでなく、賭博で失った金を取り戻そうとしたり、お金の貸し手が借り手を威嚇したりすることがあったからに違いない。赤ん坊と好待遇に恵まれた多くの幸せな
女性がいる一方で、バクチで人生を台無しにしてしまう工員が増えているという歪んだ社会の行く末はどうなるのだろうか。 |